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審決分類 審判 全部申立て  登録を維持 Y25
審判 全部申立て  登録を維持 Y25
管理番号 1118524 
異議申立番号 異議2003-90532 
総通号数 67 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2005-07-29 
種別 異議の決定 
異議申立日 2003-09-01 
確定日 2005-06-06 
異議申立件数
事件の表示 登録第4677667号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 登録第4677667号商標の商標登録を維持する。
理由 第1 本件商標
本件登録第4677667号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲(1)のとおりの構成よりなり、平成14年9月3日に登録出願、第25類「被服,ガーター,靴下止め,ズボンつり,バンド,ベルト,履物,仮装用衣服,運動用特殊衣服,運動用特殊靴」を指定商品として、同15年5月30日に設定登録されたものである。

第2 登録異議の申立ての理由
登録異議申立人(以下「申立人」という。)は、本件商標の登録は取り消されるべきであると申し立て、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第15号証を提出した。
1 商標法第4条第1項第15号について
申立人の引用商品等表示(キャラクター、商標、標章)である「WileE.Coyote」は、世界十ヶ国で使用され、よく知られたキャラクターであり、かつ、商標、標章である。日本でもキャラクター「WileE.Coyote」は広く知られ、いわゆるキャラクター商品の代表格である本件商標の指定商品「被服等」すなわちアパレルについてはもちろんのこと広範な商品やサービスについて現在も継続的に使用されているため、キャラクターおよび商標「WileE.Coyote図形」は、我が国の取引者、需要者の間に広く知られるに至っており、すでに周知、著名の域に達している。したがって、これと類似の本件商標が、その指定商品に使用された場合には、商品の出所について混同を生じさせるおそれがあるから、商標法第4条第1項第15号に該当する。
2 商標法第4条第1項第11号について
申立人は、以下(1)及び(2)の登録商標を引用し、本件商標は、引用商標とその要部を共通にする類似の商標であり、かつ、本件商標と引用商標とはその指定商品も抵触するものであるから、商標法第4条第1項第11号に該当する。
(1)登録第1721541号商標(以下「引用商標1」という。)は、別掲(2)のとおりの構成よりなり、昭和51年8月25日に登録出願、第17類「被服(運動用特殊被服を除く)布製身回品(他の類に属するものを除く)寝具類(寝台を除く」を指定商品として、同59年10月31日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。
(2)登録第2457576号商標(以下「引用商標2」という。)は、別掲(3)のとおりの構成よりなり、平成1年8月31日に登録出願、第24類「おもちや、人形、娯楽用具、運動具、釣り具、楽器、演奏補助品、蓄音機(電気蓄音機を除く)レコ―ド、これらの部品および附属品」を指定商品として、同4年9月30日に設定登録され、その後、平成14年10月1日に商標権存続期間の更新登録がなされ、さらにその後、同16年6月9日に、第9類「家庭用テレビゲームおもちゃ,携帯用液晶画面ゲームおもちゃ用のプログラムを記憶させた電子回路及びCD-ROM,スロットマシン,ウェイトベルト,ウェットスーツ,浮袋,運動用保護ヘルメット,エアタンク,水泳用浮き板,レギュレーター,メトロノーム,電子楽器用自動演奏プログラムを記憶させた電子回路及びCD-ROM,レコード」、第15類「楽器,演奏補助品,音さ」、第20類「スリーピングバッグ」、第25類「仮装用衣服,運動用特殊衣服,運動用特殊靴(「乗馬靴」を除く。),乗馬靴」、第27類「体操用マット」及び第28類「おもちゃ,人形,歌がるた,トランプ,花札,囲碁用具,将棋用具,さいころ,すごろく,ダイスカップ,ダイヤモンドゲーム,チェス用具,チェッカー用具,手品用具,ドミノ用具,マージャン用具,遊戯用器具,ビリヤード用具,運動用具,釣り具」とする指定商品の書換登録がなされ、現に有効に存続しているものである。

第3 当審の判断
1 キャラクター「ワイリーコヨーテ/WileE.Coyote」(以下「引用標章」という。)の周知性について
甲各号証及び申立ての理由によれば、引用標章が申立人を中心とするワーナーグループ(現在、映画会社ワーナーブラザース(甲第3号証))の制作したアニメーションのキャラクター名の一つであり、引用標章の登場する「バックス・バニーショー」がスカイパーフェクトTVやケーブルテレビで放映(甲第6号証及び甲第7号証)されていたこと、申立人が引用標章等のキャラクターを表示したライセンス商品(甲第4号証、製品カタログ)を多数有していることは認められる。
しかしながら、甲第4号証の製品カタログは、該カタログ紹介中の「2000年商品」の表示からして2000年(平成12年)用のものとは認められるものの、カタログ中には多数のキャラクターが描かれており、いずれのキャラクターが引用標章か直ちに認識できないくらいであるし、また、各キャラクターの表示されたライセンス商品がどの程度販売されたかは不明である。
甲第6号証及び甲第7号証のテレビ番組は、特定の契約者に有料で提供する放送事業者より放映されるもので、必ずしも一般の消費者に広く提供される番組であるとはいい難く、しかも、同番組「バックス・バニーショー」中に引用標章がキャラクターとしてどのように登場しているか不明である。
甲第5号証は、ワーナーブラザースの「LOONEY TUNES/ルーニー・テューズ」の概要であるところ、その概要中に引用標章が1949年に登場したキャラクターであるとする記述は認められるが、我が国におけるものでなく、これについても引用標章がキャラクターとしてどのように登場しているか不明である。
甲第8号証及び甲第14号証のインターネットのホームペイジの写しは、「2003/11/19」及び「2003/11/18」の記載からして、本件商標の登録出願日である平成14年9月3日及び登録査定時である平成15年5月6日より後のものである。
甲第10号証及び甲第11号証は、「コヨーテ」に関する紹介記事の写しであり、引用標章とは直接関係のないものである。
甲第12号証は、英文の引用標章のスタイルガイドであるが、我が国におけるものか不明である。
甲第13号証(枝番を含む。)は、ぬいぐるみ等キャラクターグッズの写真であるが、本件商標とは標章として明らかに異なるキャラクターといえるものである。
甲第15号証は、引用標章が九州石油のマスコットキャラクターに採用されたとする記事の1993年3月23日、1997年10月1日及び1998年9月28日付けの「化学工業日報」の写しであるが、新聞記事としてはこの3件の記事だけであるし、上記と同様に引用標章がキャラクターとしてどのように登場したかは不明である。
以上のとおり、上記甲各号証のみでは、申立人の主張する引用標章がキャラクターとして、本件商標の登録出願時及び登録査定時に我が国おいて取引者、需要者の間に広く認識されていたと認めるには不十分なものといわざるを得ない。
2 商標法第4条第1項第15号について
上記1のとおり、引用標章は、申立人を中心とするワーナーグループ(現在、映画会社ワーナーブラザース(甲第3号証)の制作したアニメーションのキャラクター名の一つとして、著名性であることを前提とするものてある。
しかしながら、引用標章は、本件商標の登録出願時及び登録査定時に我が国において著名性を獲得していたと認めることはできないことは前記認定のとおりであるし、加えて、本件商標は、後記「3 商標法第4条第1項第11号について」にて判断したように、キャラクターとしての引用標章の一態様である引用商標とは外観上互いに類似しない非類似の商標である。
してみれば、本件商標をその指定商品に使用した場合、これに接する需要者は、キャラクターとしての引用標章を連想、想起することはないというのが相当であるから、本件商標は、これをその指定商品に使用しても、該商品が申立人又は申立人と何らの関係を有する者の業務に係る商品であるかのように、商品の出所について混同を生じさせるおそれある商標ということはできない。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に違反して登録されたものではない。
3 商標法第4条第1項第11号について
(1)本件商標と引用商標との類否について
本件商標は、別掲(1)のとおり、左右同じ大きさの大きく折れ曲がった耳、同じく大きく膨らませ口の部分、半月状の白地に上部が黒の鋭い目をしたイヌ科と思しき動物の真正面の顔のみを漫画化した図形からなるものである。
これに対し、引用商標1は、別掲(2)のとおり、真直ぐに伸びた大きさの異なる耳、点のように小さく白抜きされた目、該耳の内側、口、鼻及び腹の部分は白抜きで描かれ、背中、手(前足)、尻尾、足(後ろ足)を黒く塗りつぶしたイヌ科と思しき動物の右向きで立っている全体像である。
また、引用商標2は、別掲(3)のとおり、右向きの弧状の耳、縦長の大きな白目の下部に点のような小さな黒目、両手(前足)をもみ手合わせた右向きでやや前屈みでイヌ科と思しき動物の全体像の下部に「WILE E.COYOTE」の欧文字を配してなるものである。
本件商標と引用商標1及び引用商標2とを対比するに、両者は、イヌ科と思しき動物を描いてなる点においては一致しているが、上記のとおり、耳、目、口及び鼻の表現方法、及び真っ正面の顔のみに対し、立っている全体像を描いているという、主要な構成要素が相違しており、全体として看者に異なる印象、記憶を生じさせるものというべきである。
したがって、本件商標と引用商標1及び引用商標2とは、時と所を異にしてみても、外観上類似しているとはいい難いものであり、他に本件商標と引用商標1及び引用商標2とが類似とみるべき要素は見いだせない。
4 むすび
以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第15号及び同第11号に違反してされたものではないから、同法第43条の3第4項の規定により、その登録を維持すべきである。
よって、結論のとおり決定する。
別掲 別掲(1) 本件商標

(色彩については原本参照)
別掲(2)引用商標1

別掲(3)引用商標2

異議決定日 2005-05-17 
出願番号 商願2002-75036(T2002-75036) 
審決分類 T 1 651・ 271- Y (Y25)
T 1 651・ 26- Y (Y25)
最終処分 維持  
前審関与審査官 三澤 惠美子 
特許庁審判長 野本 登美男
特許庁審判官 茂木 静代
椎名 実
登録日 2003-05-30 
登録番号 商標登録第4677667号(T4677667) 
権利者 株式会社メンズオータニ
代理人 小池 晃 
代理人 松原 伸之 
代理人 橋本 千賀子 
代理人 村木 清司 
代理人 松嶋 さやか 
代理人 伊賀 誠司 
代理人 田村 榮一 
代理人 中山 健一 

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