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審決分類 審判 全部申立て  登録を維持 Y0941
審判 全部申立て  登録を維持 Y0941
審判 全部申立て  登録を維持 Y0941
管理番号 1118471 
異議申立番号 異議2004-90592 
総通号数 67 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2005-07-29 
種別 異議の決定 
異議申立日 2004-09-24 
確定日 2005-06-13 
異議申立件数
事件の表示 登録第4782410号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 登録第4782410号商標の商標登録を維持する。
理由 1 本件商標
本件登録第4782410号商標(以下「本件商標」という。)は、「モンスターラフティング」及び「MONSTER RAFTING」の文字を上下二段に横書きしてなり、平成15年10月1日に登録出願され、第9類及び第41類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として平成16年6月25日に設定登録されたものである。

2 登録異議申立ての理由の要点
本件登録異議申立人(以下「申立人」という。)は、「モンスター」の文字を横書きしてなり、平成元年5月24日に登録出願、第11類「電線、ケーブル(光ファイバー・光ファイバーケーブルを含む。)」を指定商品として平成6年10月31日に設定登録され、その後平成16年10月12日に商標権の存続期間の更新登録がされている登録第2697721号商標をはじめ、登録第4246976号商標、登録第2095756号商標、登録第2715891号商標、登録第2711216号商標、登録第4605487号商標及び登録第4303151号商標(以下、これらをまとめて「引用商標」という。)を引用した上、要旨以下のように主張している。
(1)商標法第4条第1項第11号に該当する根拠
本件商標中の「MONSTER RAFTING」部分に接する需要者は、「MONSTER」と「RAFTING」の2つの英単語を容易に看取し得るものであり、「RAFTING」の英単語の意味は我が国では殆ど知られていないため、我が国で広く親しまれている平易な英単語である「MONSTER」から、「モンスター」の称呼を想起し、また、「モンスターラフティング」の称呼が比較的冗長であることから、「モンスター」という称呼の印象が強く残る。故に、本件商標からは「モンスター」の称呼も生ずる。
一方、引用商標はいずれも、その構成態様に相応して、「モンスター」の称呼を生ずるものである。
したがって、本件商標は、引用商標と同一又は類似の指定商品に係るものであって称呼上類似する商標であるので、商標法第4条第1項第11号に該当する。
(2)商標法第4条第1項第15号に該当する根拠
申立人は、1979年に設立され、高性能のスピーカー用ケーブルを開発し、モンスターケーブルと命名した。モンスターケーブルという名前は「高品質、高性能」と同義のものとして消費者に受け止められ、申立人の製品、特にコンピュータ用、コンピュータゲーム用、家庭用のオーディオ・ビジュアル製品用、車用等の各種ケーブルは、高品質、高性能なものとして世界的に広く認識されている。
本件商標の商標権者たるコナミ株式会社がコンピュータゲームのトップメーカーの一つであること、申立人のケーブルがコンピュータやコンピュータゲーム用に使用されるものであることを考慮すれば、商標権者が本件商標をその指定商品又は指定役務に使用するときは、該商品又は役務が恰も申立人の製造・販売に係る商品又は提供に係る役務であるかの如く商品又は役務の出所について混同を生ずるおそれがあり、その場合、申立人の高品質・高性能な製品のイメージやいわゆるモンスターシリーズの引用商標の下に積年の品質管理等の努力により獲得したMonster製品のイメージ・信用が毀損されるものと考える。
したがって、本件商標は商標法第4条第1項第15号に該当する。
(3)商標法第4条第1項第19号に該当する根拠
申立人の各種ケーブルには家庭用のオーディオ・ビジュアル製品用、コンピューターゲーム用のものがあることから、コンピューターゲームの有名メーカーの一つである商標権者が引用商標の周知・著名性を認識していないとは考えられず、申立人の引用商標と類似する本件商標を電気通信機械器具、コンピューター関連商品・役務等について登録出願することは、少なくとも米国で周知・著名な引用商標の出所表示機能を希釈化させ、これら商標に化体した名声等を毀損させる目的をもって、又は取引上の信義則に反する不正の目的で出願したものと考えざるを得ない。
したがって、本件商標は商標法第4条第1項第19号に該当する。
(4)まとめ
以上のとおり、本件商標は、商標法第4条第1項第11号、同第15号及び同第19号に該当し、同法第43条の2第1号の規定により、その登録は取り消されるべきである。

3 当審の判断
(1)本件商標と引用商標との類否について検討するに、本件商標は、上記1のとおりの構成からなるところ、前半の「モンスター」及び「MONSTER」の文字と後半の「ラフティング」及び「RAFTING」の文字とは、外観上まとまりよく一体に構成され、観念上も、特に軽重の差を見出すことができないものである。
また、これより生ずると認められる「モンスターラフティング」の称呼も格別冗長というべきものでなく、よどみなく一連に称呼し得るものであり、他に構成中の「モンスター」又は「MONSTER」の文字部分のみが独立して認識されるとみるべき特段の事情は見出せない。
なお、申立人は、「RAFTING」の英単語の意味は我が国では殆ど知られていない旨主張するが、昨今のアウトドアブームにより、「ラフティング(rafting)」は、「ラフトという4〜8人乗りのゴムボートでパドルを繰りながら激流の川をくだるスポーツ、raftは筏の意」(学習研究社発行「パーソナルカタカナ語辞典」)を意味する語として知られているものである。
そうすると、本件商標は、その構成文字に相応して「モンスターラフティング」の一連の称呼のみを生ずるものというべきである。
一方、引用商標は、いずれも「モンスター」の称呼を生ずるものと認められる。
しかして、この両称呼は、「ラフティング」の音の有無という差異により明瞭に区別し得るものである。
また、本件商標と引用商標とは、それぞれの構成に照らし、外観上判然と区別し得る差異を有するものである。
さらに、本件商標は、全体として既成の観念を有する成語として親しまれたものともいえないから、観念上引用商標と比較すべくもない。
してみれば、本件商標と引用商標とは、称呼、外観及び観念のいずれの点からみても相紛れるおそれのない非類似の商標といわなければならない。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当するものではない。
(2)本件商標の商標法第4条第1項第15号該当性についてみるに、申立人の提出に係る証拠によれば、コンピュータ用、オーディオ・ビジュアル用等の各種ケーブルについて引用商標が使用されていることが認められる。
しかしながら、これらの証拠は、インターネット上の掲載記事(甲第10ないし第20、第30及び第31号証)や商品のカタログ・パンフレット(甲第21ないし第29号証)であって、その内容も申立人会社及びその製品を紹介するにすぎないものである。その他、引用商標が使用された商品についての宣伝広告、販売数量やその期間、規模等を具体的に示すものは何ら見当たらない。
そうすると、申立人の提出に係る証拠によっては、引用商標が使用された結果、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、引用商標が我が国において需要者間に広く認識されていたものということはできない。他に、これを覆すに足りる証拠はない。
しかも、本件商標と引用商標とは、上記(1)のとおり非類似の商標であって、別異のものである。
してみれば、本件商標をその指定商品又は指定役務に使用しても、これに接する取引者、需要者が引用商標ないしは申立人を連想、想起するようなことはなく、該商品又は役務が申立人又は同人と経済的・組織的に何らかの関係を有する者の業務に係る商品又は役務であるかの如く、その出所について混同を生ずるおそれはないと判断するのが相当である。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当するものではない。
(3)本件商標の商標法第4条第1項第19号該当性についてみるに、申立人は、コンピューターゲームの有名メーカーの一つである商標権者が引用商標の周知著名性を認識していないとは考えられないとして、商標権者が引用商標と類似する本件商標を出願・登録することは、不正の目的をもって使用するものである旨主張している。
しかしながら、上記(1)及び(2)のとおり、本件商標と引用商標とは非類似のものであり、引用商標の周知著名性も認められないものであるばかりでなく、これらの事情からすれば、商標権者に不正の目的があったものとも認められない。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第19号に該当するものではない。
(4)以上のとおり、本件商標は、商標法第4条第1項第11号、同第15号及び同第19号のいずれの規定にも違反して登録されたものではないから、その登録を維持すべきものである。
よって、同法第43条の3第4項の規定に基づき、結論のとおり決定する。
異議決定日 2005-05-25 
出願番号 商願2003-85747(T2003-85747) 
審決分類 T 1 651・ 26- Y (Y0941)
T 1 651・ 222- Y (Y0941)
T 1 651・ 271- Y (Y0941)
最終処分 維持  
前審関与審査官 日向野 浩志 
特許庁審判長 涌井 幸一
特許庁審判官 富田 領一郎
小川 有三
登録日 2004-06-25 
登録番号 商標登録第4782410号(T4782410) 
権利者 株式会社ナムコ
商標の称呼 モンスターラフティング 
代理人 西山 清春 
代理人 古谷 聡 
代理人 溝部 孝彦 

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