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審決分類 審判 一部申立て  登録を維持 Y29
審判 一部申立て  登録を維持 Y29
審判 一部申立て  登録を維持 Y29
管理番号 1118464 
異議申立番号 異議2004-90593 
総通号数 67 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2005-07-29 
種別 異議の決定 
異議申立日 2004-09-24 
確定日 2005-06-13 
異議申立件数
事件の表示 登録第4782491号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 登録第4782491号商標の商標登録を維持する。
理由 1 本件商標
本件登録第4782491号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲のとおりの構成からなり、平成15年11月11日に登録出願され、第29類「さけ・ます(生きているものを除く。),いくら,すじこ,さけの加工水産物,ますの加工水産物,いくらを使用した加工水産物,すじこを使用した加工水産物」を指定商品として平成16年6月25日に設定登録されたものである。

2 登録異議申立ての理由の要点
登録異議申立人(以下「申立人」という。)は、要旨以下(1)ないし(3)のように述べると共に、「オホーツク」の文字を大きく縦書きし、その左側に「かまぼこ」の文字をやや小さく併記した構成からなり、昭和40年10月8日に登録出願、第32類「かまぼこ」を指定商品として昭和43年1月22日に設定登録され、その後、昭和53年12月12日、同63年4月20日及び平成10年2月10日の3回に亘り商標権の存続期間の更新登録がされている登録第767901号商標をはじめ、登録第1188294号商標、登録第1188295号商標、登録第4423009号商標及び登録第4554821号商標を引用している。(以下、これらの登録商標をまとめて「引用商標」という。)
(1)本件商標は、「さけ(鮭)」を意味する「SALMON」及び「サーモン」の文字を含むにも関わらず、その指定商品に「ます(生きているものを除く),ますの加工水産物」が含まれている。「さけ」と「ます」は明らかに異なる種類の魚として認識され区別して取り扱われており、「農林物資の規格化及び品質表示の適正化に関する法律」では食品の種類ごとにその製造業者・販売業者が守るべき基準を定め、その一つとして「生鮮食品品質表示基準」を告示し、これらの表示と紛らわしい表示をすることは同法において禁止されている。そうすると、本件商標をその指定商品中「ます(生きているものを除く),ますの加工水産物」について使用した場合には、需要者、取引者において商品の品質につき誤認を生ずること明らかであり、本件商標は商標法第4条第1項第16号に該当する。
(2)商標権者は、「さけ」と比較して魚価が低い「カラフトマス」をあたかもオホーツク海で取れる高級な「さけ」(サーモン)であるかの如く消費者を欺罔して販売することを目的として本件商標を出願し登録したものであり、かかる行為は商品の流通秩序を乱すものであって公序良俗に反するものである。また、「農林物資の規格化及び品質表示の適正化に関する法律」等により適正な表示を求められている商品に係る「ます」について本件商標を使用することは公序良俗に反するものである。したがって、本件商標は商標法第4条第1項第7号に該当する。
(3)本件商標の構成中の「サーモン」の文字は指定商品「さけ」を表す普通名称であるから、本件商標は「オホーツクサーモン」の称呼のほか、「オホーツク」の称呼をも生ずるのに対し、引用商標はいずれも「オホーツク」の称呼及び観念を生ずるものである。したがって、本件商標と引用商標とは「オホーツク」の称呼及び観念において類似するものであり、その指定商品も抵触関係にあるので、本件商標は商標法第4条第1項第11号に該当する。

3 当審の判断
(1)本件商標の商標法第4条第1項第16号該当性について
申立人の提出に係る証拠を徴するに、厳密にいえば「さけ」と「ます」は異なる種類の魚ではあるが、一方で、「さけ」と「ます」は、「さけます」と一括して表示されることが多いほか、市販の「さけ」の缶詰や弁当と称されるものには、「ます」が多く用いられるなど、一般的にはそれ程厳密に区別して用いられていないものといえる。
そして、サケ・マス・タラ・カニなどを産することで知られるオホーツク海に接する北海道地方においては、「カラフトマス」を「オホーツクサーモン」と称して取引されている事実がある。
例えば、インターネットのホームページ上の掲載によれば、「ゆきのまちおすすめ品-オホーツクサーモン花笠漬け・(株)丸あ野尻正武商店」(http://www.prism-net.jp/prism_site/yuki_site/yuki_89_osusume/1_ho3/89osusume)には「オホーツク海から遡上する、カラフトマスは、別名オホーツクサーモンと呼ばれる。」と、「知床の味覚 旬早見表」(http://www.kumanoya.knd.ne.jp/syunn.html)には、「オホーツクサーモン カラフトマスのことを地元ではこう呼ぶ。」と、「北海道ぎょれんSEAFOOD STATION HOKKAIDO 北の美味しい魚」(http://www.gyoren.or.jp/seafood/sake3.html)には「カラフトマスは『青鱒』『オホーツクサーモン』などとも呼ばれ、秋鮭に比べ、身が柔らかく、塩焼きにすると冷めても美味しくいただけます。」と、「サケ・マスの分類」(http://www.enoha.web.infoseek.co.jp/en-fishing/keiryufish02.htm)には「◇カラフトマス◇『マス』、『アオマス(青鱒)』、『セッパリマス(背張鱒)』、『オホーツクサーモン』などとも呼ばれる。」とそれぞれ記述されている。
また、申立人が甲第6号証の1及び2として提出した北海道新聞の記事のみならず、読売新聞2002.04.29東京朝刊には、「読売新聞北海道支社45周年特集 知床でスローフード カラフトマス!=北海道」との見出下において、「....北見管内さけ・ます増殖事業協会(網走市)は消費拡大を目指し、一九九九年からカラフトマスの名称を『オホーツクサーモン』に統一、イメージアップを図った。網走支庁でも二〇〇一年度から『オホーツクサーモン』のPRに取り組んできた。」と記述され、朝日新聞2001.02.25北海道地方版/北海道には、「カラフトマスのかまぼこ、おいしさ進化 網走水試紋別支場/北海道」との見出下において、「オホーツクサーモンと呼ばれるカラフトマスは、オホーツク海では夏から秋にかけての漁獲物の中心。....網走支庁や管内の漁業関係者らは、カラフトマスのイメージアップを図ろうと『オホーツクサーモン』と名付けて販路拡大を目指している。」と記述されているように、北海道地方では「カラフトマス」を「オホーツクサーモン」と称して取引されていることが新聞報道されている。
さらに、本件商標の指定商品は、主に一般家庭や飲食店等で消費される食品であって、その需要者の多くは家庭の主婦やサラリーマン等であり、魚の正確な種類名について必ずしも深い知識を有しているともいえないものである。
以上を総合すると、本件商標の指定商品に係る取引者、需要者は、「サーモン」又は「SALMON」の文字から直ちに魚種名としての「さけ」のみを認識し理解するというよりは、むしろ漠然と「さけ・ます」を想起するというのが自然である。
かかる実情において、本件商標をその指定商品中「ます(生きているものを除く),ますの加工水産物」に使用しても、これに接する取引者、需要者が「サーモン」又は「SALMON」の文字のみに注目して、該商品が「さけ」又は「さけの加工水産物」であるかの如く商品の品質について誤認を生ずるおそれはないというべきである。
したがって、本件商標は商標法第4条第1項第16号に該当するものではない。
(2)本件商標の商標法第4条第1項第7号該当性について
申立人は、本件商標は「さけ」と比較して魚価の低い「カラフトマス」をあたかもオホーツク海で取れる高級な「さけ」(サーモン)であるかの如く消費者を欺罔する目的で出願し登録されたものである旨主張する。
しかしながら、上記(1)のとおり、一般消費者は必ずしも「さけ」と「ます」を厳密に区別していないことに加え、北海道地方を中心に「カラフトマス」が「オホーツクサーモン」と称されている事実からすれば、本件商標をその指定商品に使用しても直ちに消費者を欺罔することにはならず、商品の流通秩序を乱すものでもないから、申立人の主張は採用することができない。
また、申立人は、「農林物資の規格化及び品質表示の適正化に関する法律」等の規定からしても本件商標を使用することが公序良俗に反するものである旨主張するが、上記実情からして、本件商標は虚偽表示に当たるものでもないし、適正な表示でないとまではいえず、これを使用することが公序良俗に反するものとはいえない。
その他、本件商標が公の秩序又は善良の風俗を害するおそれのあるものであるとすべき理由を発見することができない。
したがって、本件商標は商標法第4条第1項第7号に該当するものではない。
(3)本件商標の商標法第4条第1項第11号該当性について
申立人は、本件商標と引用商標とは「オホーツク」の称呼及び観念において類似するものである旨主張するので、この点について検討する。
本件商標は、別掲のとおり、「オホーツク」及び「OKHOTSK」の文字と「サーモン」及び「SALMON」の文字とが外観上まとまりよく一体に構成されているのみならず、上記(1)の実情からして、全体的にまとまった一体のものとして認識し把握されるというべきであり、「オホーツク」又は「OKHOTSK」の文字部分のみが分離抽出され独立して認識されるというのは不自然であるから、「オホーツクサーモン」の一連の称呼、又は「オホーツク海の自然児」の文字部分より「オホーツクカイノシゼンジ」の称呼を生ずると判断するのが相当である。
そうすると、本件商標より「オホーツク」の称呼及び観念をも生ずるとし、その上で、本件商標と引用商標が称呼及び観念において類似するものであるとする申立人の主張は理由がないことになる。
その他、本件商標と引用商標とが類似するものであるとする理由は見出し得ない。
したがって、本件商標は商標法第4条第1項第11号に該当するものではない。
(4)まとめ
以上のとおり、本件商標は、商標法第4条第1項第7号、同第11号及び同第16号のいずれの規定にも違反して登録されたものではないから、その登録を維持すべきものである。
よって、同法第43条の3第4項の規定に基づき、結論のとおり決定する
別掲 別掲 本件商標(色彩についての詳細は原本を参照されたい。)

異議決定日 2005-05-24 
出願番号 商願2003-99580(T2003-99580) 
審決分類 T 1 652・ 272- Y (Y29)
T 1 652・ 22- Y (Y29)
T 1 652・ 26- Y (Y29)
最終処分 維持 
前審関与審査官 小川 敏長谷川 恵美 
特許庁審判長 涌井 幸一
特許庁審判官 富田 領一郎
小川 有三
登録日 2004-06-25 
登録番号 商標登録第4782491号(T4782491) 
権利者 社団法人北見管内さけ・ます増殖事業協会
商標の称呼 オホーツクサーモン、オホーツクカイノシゼンジオホーツクサーモン、オホーツクカイノシゼンジ 
代理人 佐川 慎悟 
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