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審決分類 審判 査定不服 商64条防護標章 取り消して登録 Z29
管理番号 1118309 
審判番号 不服2002-15620 
総通号数 67 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2005-07-29 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2002-08-15 
確定日 2005-06-17 
事件の表示 商願2001- 17938拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願の標章は、登録第4105512号の防護標章として登録をすべきものとする。
理由 第1 本願標章
本願標章は、別掲に表示したとおりの構成よりなり、第29類及び第30類に属する願書記載のとおりの商品を指定商品とし、登録第4105512号商標の防護標章として、平成13年3月1日に登録出願され、その後、指定商品については、当審における平成17年5月13日付け手続補正書により、第29類「カレー・シチュー又はスープのもと,なめ物,お茶漬けのり,ふりかけ」と補正されたものである。

第2 登録第4105512号商標
登録第4105512号商標(以下「本件登録商標」という。)は、本願標章と同一の構成よりなり、平成8年2月27日に登録出願、第30類「調味料,香辛料」を指定商品として、平成10年1月23日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。

第3 原査定の拒絶の理由(要点)
原査定は、「本願標章は、出願人が自己の業務に係る商品を表示するものとして需要者に広く認識されているものとは認められない。出願人提出の証拠(甲第1号証ないし甲第18号証)によれば、『粉わさび,おろしわさび』に使用していることは認められるとしても、それ以外の商品に他人がこれを使用しても、出所の混同を生ずるおそれは認められない。したがって、本願標章は、商標法第64条に規定する要件を具備しない。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。

第4 当審の判断
1 本願標章は、上記のとおり本件登録商標と同一の構成よりなり、請求人が本件登録商標の権利者と同一人であることは、その標章を表示した書面及び商標登録原簿の記載に徴して認めることができる。
2 請求人(出願人)が原審において提出した甲第1号証ないし甲第18号証及び当審において提出した甲第19号証ないし甲第31号証によれば、以下の事実が認められる。
(1)請求人(出願人)は、昭和4年の創業後、同5年に「生わさび」の卸商に転業し、その後、同8年に「粉わさび」の研究・製造に着手して以来、約70年にわたり「わさび製品」の製造・販売を行っている(甲第1号証及び項第2号証)。
そして、その売上高は、平成11年6月期において約65億円にのぼり、特に「業務用わさび製品」の分野においては、約40パーセントという業界トップの市場占有率を誇っている(甲第3号証及び4号証)。
(2)本件登録商標の使用について
請求人は、昭和12年頃から商品名を「金印わさび」とする粉わさびの製造販売を開始し、遅くとも同25年頃には本件商標を使用している。
そして、昭和46年には業界初の「金印ねりわさび」を、同48年には「金印すりわさび」、「金印おろしわさび」を開発し、現在に至るまで継続的に本件登録商標を使用している。
また、使用地域については、名古屋市(本社)のほか、関連会社が日本全国に製造・営業の拠点たる支店、営業所を有し、本件登録商標をハウスマークとして使用しているところである。
さらに、請求人は、本件登録商標を使用する商品について、新聞、雑誌、テレビ等の媒体を利用し、長期間に亘って全国的に宣伝広告を行っている。 例えば、食料品関係の業界紙には昭和25年頃から現在に至るまで継続的に広告しているほか、他の新聞においても昭和62年頃から平成8年頃まで広告し、また、雑誌、テレビ等においても盛大に広告がなされている。
(3)商工会議所の証明
甲第18号証は、本件登録商標が「粉わさび」等に昭和25年頃から使用され、取引者、需要者間において、これが直ちに請求人の商品であると認識し得るほど周知著名になったこと、引き続き著名度を高めて現在に至っている事実が証明されている(名古屋商工会議所の証明書)。
3 上記2 の事実に照らせば、請求人は、「粉わさび」「ねりわさび」について、長年にわたり、本件登録商標をハウスマーク及び商標として使用した結果、該商標は、請求人の業務に係る商品を表示するものとして、取引者・需要者の間において広く認識されるに至ったものと認め得るものである。 そして、本願標章の指定商品は、「カレー・シチュー又はスープのもと,なめ物,お茶漬けのり,ふりかけ」と補正されたこと前述のとおりであり、上記商品と請求人の使用する「粉わさび」「ねりわさび」とは、食品分野においても、生産者等、共通性のある商品ということができる。
してみれば、本願標章を他人がその指定商品について使用した場合には、これに接する取引者、需要者をして、その商品が請求人若しくは請求人と何らかの関係を有する者の取り扱いに係る商品であるかのように、その出所について混同を生じさせるおそれがあるとみるのが相当である。
したがって、本願標章を商標法第64条に規定する要件を具備しないものとして、本願を拒絶した原査定は、妥当でなく取り消しを免れない。
その他、政令で定める期間内に本願について拒絶の理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。
別掲 別掲 (本願標章)


審決日 2005-06-08 
出願番号 商願2001-17938(T2001-17938) 
審決分類 T 1 8・ 8- WY (Z29)
最終処分 成立  
前審関与審査官 小畑 恵一大島 勉 
特許庁審判長 山田 清治
特許庁審判官 岩崎 良子
小林 薫
商標の称呼 キンジルシ、キンイン、キン 
代理人 村橋 史雄 
代理人 石田 昌彦 
代理人 遠藤 祐吾 

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