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審決分類 審判 査定不服 称呼類似 登録しない Z09
審判 査定不服 観念類似 登録しない Z09
管理番号 1116527 
審判番号 不服2000-13482 
総通号数 66 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2005-06-24 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2000-07-21 
確定日 2005-03-31 
事件の表示 平成11年商標登録願第 1115号拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。
理由 1 本願商標
本願商標は、「スクウェア」と「SQUARE」の文字を上下二段に横書きしてなり、第9類に属する願書記載の商品を指定商品として、平成11年1月8日に登録出願されたものである。その後、指定商品について、同12年4月5日付の手続補正書をもって、第9類「理化学機械器具,測定機械器具,電池,電気磁気測定器,電線及びケーブル,写真機械器具,映画機械器具,光学機械器具,電気通信機械器具,電子応用機械器具及びその部品,スロットマシン,運動技能訓練用シミュレーター,乗物運転技能訓練用シミュレーター,乗物の故障の警告用の三角標識,発光式又は機械式の道路標識,鉄道用信号機,事故防護用手袋,消火器,消火栓,消火ホース用ノズル,スプリンクラー消火装置,保安用ヘルメット,防火被服,防じんマスク,防毒マスク,溶接マスク,磁心, 抵抗線,電極,ガソリンステーション用装置,自動販売機,ウエイトベルト,ウエットスーツ,浮袋,エアタンク,水泳用浮き板,レギュレーター,潜水用機械器具,」と補正がなされたものである。

2 引用商標
原審で引用した登録第689044号商標(以下「引用商標」という。)は、「SQUARE D」と「スクエア ディー」の文字を上下二段に横書きしてなり、昭和39年4月24日に登録出願され、第11類「接触器、継電器、リミツトスイツチ、プレツシヤ-スイツチ、タイマ-、押しボタン開閉器、セレクタ-スイツチ、パイロツトライト、その他の電気機械器具、その他本類に属する商品 」を指定商品として、同40年11月8日に設定登録がされたものである。
そして、商標登録原簿によれば、指定商品中の「電池」、「電線、ケーブル(光ファイバー・光ファイバーケーブルを含む。)」、「電気通信機械器具」、「電気材料」及び「民生用電気機械器具」について商標登録を取り消す旨の各審決が確定し、その登録がなされている。また、当該商標権は、3回に亘る存続期間の更新登録がなされて、現に有効に存続するものである。

3 当審の判断
本願商標と引用商標との類否についてみるに、本願商標は、「スクウェア」と「SQUARE」の文字を書してなるものであり、その構成文字に徴すれば、これに相応して「四角、広場」の観念、及び「スクウェア」の称呼を生ずること明らかである。
一方、引用商標は、「SQUARE D」及び「スクエア ディー」の文字を上下二段に横書きしたものであるところ、これらにあって、「SQUARE」と「D」との間、「スクエア」と「ディー」との間に約一文字半の空白(スペース)があることから、「SQUARE」と「D」、「スクエア」と「ディー」は視覚上分離して看取されるものであり、また、「SQUARE」と「D」、「スクエア」と「ディー」とが常に不可分一体にのみ把握・理解されるとすべき事情は見いだせない。さらに、下段に表記された各片仮名文字は上段の各欧文字の表音とみて自然である。
そして、欧文字の一文字が、引用商標の指定商品中の電子応用機械器具をはじめ、各種商品の品番等を表す記号符号の類として普通に使用されている実情があり、これに徴すれば、引用商標にあってその構成中後半の「D」が、商品の記号符号を付記したものであると理解されることが少なくないというべきであるから、自他商品の識別標識としての機能を果たすのは前半の「SQUARE」及び「スクエア」の文字部分にあるというべきである。しかして、簡易迅速を旨とする商取引において、引用商標は、自他商品の識別機能を果たす「SQUARE」及びその表音と認められる「スクエア」の文字部分より生ずる観念、称呼をもって、取引に資されることも決して少なくないとみるのが相当である。
そうとすれば、引用商標は「スクエアディー」の一連の称呼のほかに、「スクエア」の称呼をも生じるものであり、また、当該「SQUARE」の文字に相応した「四角、広場」の観念を生じるものというべきである。
そこで、「スクウェア」と「スクエア」の両称呼を比較すると、前半の「ス」「ク」と末尾の「ア」とを共通にし、中間で「ウェ」と「エ」とに差異が認められる。しかし、その差異音とても、「スクウェア」についてみると、「ウェ」の前音「ク」はその帯有する母音が「ウ」であることから、後続の「ウェ」の「ウ」と重母音となるために、「ウ」の一つが脱落ないし無声化し、「スクエア」に酷似した音感のものとして聴取されるものであり、全体の音感において彼此相紛らわしいものである。
してみれば、本願商標と引用商標とは観念を共通にし、称呼も酷似したものである。そして、これを同一または類似の商品に使用をするときは、その出所について誤認混同を生じさせるおそれがあるというべきであるから、類似の商標と判断される。
さらに、本願商標の指定商品中「電気磁気測定器」及び「電子応用機械器具」は、引用商標の指定商品に包含されている商品である。
以上よりすれば、本願商標は、引用商標に類似する商標であり、かつ、引用商標の指定商品と同一または類似の商品に使用をするものといわざるを得ない。
なお、請求人(出願人)は登録例を挙げて、これらの例によれば引用商標も全体で一連不可分のものとみるべきであり、本願商標は登録されるべきである旨主張する。
しかしながら、請求人(出願人)挙示の登録例はいずれも、引用商標と商標の構成態様を異にする事案であることに加え、商標の類否については、各事案について取引の実情を勘案して個々に判断すべきものであり、これらの例によって前記判断が左右されるべきであるとも認められないから、同主張は採用できない。
したがって、本願商標が商標法4条1項11号に該当するとして本願を拒絶した原査定は妥当であって、取り消すべき限りでない。
よって、結論のとおり審決する。
審理終結日 2005-01-25 
結審通知日 2005-02-01 
審決日 2005-02-15 
出願番号 商願平11-1115 
審決分類 T 1 8・ 263- Z (Z09)
T 1 8・ 262- Z (Z09)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 今田 三男 
特許庁審判長 涌井 幸一
特許庁審判官 田中 亨子
富田 領一郎
商標の称呼 スクウエア、スクエア 
代理人 内尾 裕一 
代理人 西山 恵三 
代理人 青木 康 

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