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審決分類 審判 全部取消 商50条不使用による取り消し 無効としない 042
管理番号 1114796 
審判番号 取消2002-30417 
総通号数 65 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2005-05-27 
種別 商標取消の審決 
審判請求日 2002-04-16 
確定日 2005-03-16 
事件の表示 上記当事者間の登録第4104006号商標の商標登録取消審判事件についてされた平成16年1月9日付け審決に対し、東京高等裁判所において審決取消の判決(平成16年(行ケ)第67号 平成16年6月30日判決言渡)があったので、さらに審理のうえ、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 審判費用は、請求人の負担とする。
理由 1 本件商標
本件登録第4104006号商標(以下「本件商標」という。)は、「玄庵」の漢字と「GEN AN」の欧文字を二段に横書きしてなり、第42類「飲食物の提供」を指定役務として、平成8年1月29日に登録出願、同10年1月16日に設定登録されたものである。

2 請求人の主張
請求人は、本件商標の登録を取り消す、審判費用は被請求人の負担とする、との審決を求め、証拠方法として甲第1号証及び甲第2号証を提出し、本件商標は商標法第50条第1項の規定により取り消されるべき旨述べた。

3 被請求人の答弁
被請求人は、結論同旨の審決を求め、証拠方法として乙第1号証ないし乙第13号証及び参考資料1及び2を提出し、本件商標は上記法条に該当するものではなく、その登録は取り消されるべきではない旨述べた。

4 当審の判断
東京高等裁判所においてされた審決取消の判決における認定の要旨は、以下のとおり。
(1)「玄庵」なる屋号の店舗及び壇に関して、以下の事実が認められる。
(a)平成10年11月20日文藝春秋発行「東京いい店うまい店」(1999〜2000年版)には、読者アンケートと食情報通からの推奨店リストをもとに選び出されたという飲食店578店の中に、新宿区西新宿7丁目10番18号大村ビルに所在する「玄庵」(読み仮名「げんあん」)が、「ステーキと旬の味」を提供するカウンター割烹として紹介されている。また、平成14年7月1日日経ホーム出版社発行の「日経おとなのOFF」同年7月号には、同所に所在する「玄庵」(読み仮名「げんあん」)が「ノスタルジックな隠れ家で季節の品とステーキを存分に味わう」との見出しの下に、写真入りで紹介されている。
(b)壇は、昭和55年11月17日に設立され、平成6年7月22日、東京都新宿区7丁目10番18号大村ビル3Fに本店を移転し、平成16年4月13日時点において、同所が本店所在地である壇は、新宿区保健所から、新宿区西新宿7丁目10番18号大村ビル2、3階を営業所所在地とし、屋号を「玄庵」とする飲食店の営業につき、平成11年9月1日から平成18年8月31日までを許可期間として、飲食店営業の営業許可を受けていたが、平成14年11月25日、上記飲食店の廃業届を同保健所に提出し、同じころ、同店の料理長であった岩本真一が、同人自身の名義で、同一場所、同一屋号の飲食店につき平成14年11月11日から平成21年11月30日までを許可期間とする飲食店営業の許可を受けている。
(c)平成15年10月2日撮影と認められる写真には、大村ビルの入口横の外壁に取り付けた袖看板が写っており、同袖看板には、「ステーキと旬の味」との小振りの横書き文字の下に「玄庵」と横書きで大書されている。また、撮影日不詳の写真には、バス通りに面した大村ビルの外観が写っており、2階店舗の窓に横書きで大きく「ステーキと旬の味 玄庵」との表示がされている。
(2)上記の認定事実によれば、少なくとも平成10年から平成14年11月にかけての期間、新宿区西新宿7丁目10番18号大村ビルに、書籍、雑誌等に紹介されている「玄庵」の屋号のステーキ店が存在し、その営業主体は、壇であったことを認めることができるから、予告登録日である平成14年5月15日より前3年以内の時期において、壇が、「げんあん」と称呼される「玄庵」の屋号を使用して、上記の場所で飲食物を提供する営業を行っていたことは明らかである。さらに、上記事実に照らせば、上記飲食店の看板及びバス通りに面した窓に付された「玄庵」の表示は、予告登録日前から存在したものと推認するのが相当である。
そうすると、予告登録日前3年以内の期間内に、壇が、その経営するステーキ店の広告に「玄庵」の標章を付して展示していたことは、明らかというべきである。
ところで、本件商標は、上記第2の1のとおり、「玄庵」と「GEN AN」の文字を横書き上下2段に書してなるものであるところ、本件商標の構成文字の「GEN AN」が、「玄庵」の称呼である「げんあん」をローマ字でそのまま表したものであることは明らかであるから、新宿区西新宿7丁目10番18号大村ビルに所在するステーキ店の営業を表示するものとして壇が使用していた「玄庵」の商標は、本件商標と社会通念上同一の商標ということができる。
(3)被請求人は、平成13年9月28日まで壇の取締役の地位にあって実質的に壇の経営に携わっており、壇が新宿区西新宿7丁目10番18号大村ビルでステーキ店「玄庵」を開店するに当たり、本件商標の使用を許諾したことを認めることができる。
以上によれば、被請求人は、本件審判請求の登録前3年以内に、日本国内において、被請求人から商標使用の許諾を受けた通常使用権者である壇が、本件商標と社会通念上同一と認められる商標を、請求に係る指定役務である「飲食物の提供」について使用していたものと認めることができる。
したがって、本件商標の登録は、商標法第50条の規定により取り消すべき限りでない。
よって、結論のとおり審決する。
審理終結日 2003-12-10 
結審通知日 2003-12-15 
審決日 2004-01-09 
出願番号 商願平8-7531 
審決分類 T 1 31・ 1- Y (042)
最終処分 不成立  
特許庁審判長 柴田 昭夫
特許庁審判官 鈴木 新五
蛭川 一治
登録日 1998-01-16 
登録番号 商標登録第4104006号(T4104006) 
商標の称呼 ゲンアン 
代理人 千葉 剛宏 
代理人 中村 政美 

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