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審決分類 |
審判 判定 属さない(申立て不成立) Z21 審判 判定 属さない(申立て不成立) Z21 審判 判定 属さない(申立て不成立) Z21 |
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管理番号 | 1113827 |
判定請求番号 | 判定2004-60092 |
総通号数 | 64 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 商標判定公報 |
発行日 | 2005-04-28 |
種別 | 判定 |
2004-11-18 | |
確定日 | 2005-03-15 |
事件の表示 | 上記当事者間の登録第4220808号商標の判定請求事件について、次のとおり判定する。 |
結論 | 商品「清掃用具」に使用するイ号標章は、登録第4220808号商標の商標権の効力の範囲に属しない。 |
理由 |
1 本件商標 本件登録第4220808号商標(以下「本件商標」という。)は、「ペタコローラー」の文字(標準文字による商標)を書してなり、第21類「アイスペール,泡立て器,こし器,こしょう入れ・砂糖入れ及び塩振り出し容器(貴金属製のものを除く。),卵立て(貴金属製のものを除く。),ナプキンホルダー及びナプキンリング(貴金属製のものを除く。),盆(貴金属製のものを除く。),ようじ入れ(貴金属製のものを除く。),ざる,シェーカー,しゃもじ,手動式のコーヒー豆ひき器及びこしょうひき,じょうご,すりこぎ,すりばち,ぜん,栓抜,大根卸し,タルト取り分け用へら,なべ敷き,はし,はし箱,ひしゃく,ふるい,まな板,麺棒,焼き網,ようじ,レモン絞り器,ワッフル焼き型(電気式のものを除く。),清掃用具及び洗濯用具」を指定商品として、平成9年6月3日に登録出願、同10年12月11日に設定登録されたものである。 2 イ号標章 被請求人が商品「清掃用具」について使用する標章として請求人の示したイ号標章は、後掲のとおりの構成よりなるものである。 3 請求人の主張 請求人は、被請求人が商品「清掃用具」について使用するイ号標章は、本件商標の商標権の効力の範囲に属するとの判定を求め、その理由を次のように述べ、証拠方法として、甲第1号証(枝番を含む。)及び甲第2号証を提出した。 (1)判定請求の必要性 請求人は、本件請求に係る本件商標の商標権者であり、平成9年9月1日より本件商標を付した清掃用具「ペタコローラー」を販売し、現在も発売している(甲第1号証の1,甲第1号証の2)。 請求人は、平成16年5月14 日に被請求人に対し、「本件商標とイ号標章は、類似の標章である。」との請求人の主張を通知した。そこで、今後の交渉における中立的な類否判断の根拠とするべく、本件判定を求める次第である。 (2)イ号標章の説明 被請求人は、遅くとも平成15年秋頃よりイ号標章を付した清掃用具(甲第2号証)を発売している。 被請求人が販売する上記清掃用具に付されたイ号標章は、白地に配した「ペタコロ」の青い文字を赤色の帯で縁取ったものである。 (3)イ号標章が商標権の効力の範囲に属するとの説明 本件商標は、「ペタコローラー」の文字からなる標準文字商標であるから、これにより「ペタコローラー」の称呼を生じるものである。 他方、イ号標章は、白地に配した「ペタコロ」の青い文字を赤色の帯で縁取ったものであるから、これにより「ペタコロ」の称呼を生じるものである。 つまり、「ペタコロ」と「ペタコローラー」の称呼を比較した場合に、語幹とみることができる「ペタコロ」の部分は全く同一であり、語尾とみることができる「ローラー」の後半部分に称呼の相違があるのみである。 次に、請求人及び被請求人が販売する製品(甲第1号証の2,甲第2号証)は、いずれも、既存のありふれた形態の商品であり、消費者がその商品説明及び商品外観から「粘着性を利用した回転式の清掃用具」であることが容易に感知できる。 つまり、請求人が販売する製品に付された本件商標により、「粘着性を利用した回転式の用具」との観念が消費者に生じるのであり、同様に、被請求人が販売する製品に付されたイ号標章によってもまた、同じく「粘着性を利用した回転式の用具」との観念が消費者に生じるのである。 したがって、本件商標は、イ号標章がもつ「ペタコロ」の称呼、「粘着性を利用した回転式の用具」との観念を共有していることから、イ号標章は本件商標と商品の出所について混同を生じさせるおそれがある類似の標章である。 そして、本件商標に係る指定商品中第21類「清掃用具」とイ号標章の使用商品「清掃用具」とは、同一の商品である。 以上のとおり、イ号標章は、本件商標と類似する標章であり、その使用商品と指定商品も同一の商品であるから、被請求人が商品「清掃用具」について使用するイ号標章は、本件商標の商標権の効力の範囲に属するものである。 4 被請求人の答弁 被請求人は、結論同旨の判定を求めると答弁し、その理由を次のように述べ、証拠方法として、乙第1号証及び乙第2号証を提出した。 (1)請求人の主張の誤謬 請求人は、本件商標「ペタコローラー」及びイ号標章とが語幹「ペタコロ」を共通にする故に称呼上類似するかのごとく主張する。しかしながら、近年ローラー式ゴミ取り具が市場において出回るようになった取引事情の下では、本件商標の「ローラー」部分が商品の形状・機能を表示するものとなって、当該商標の自他商品識別標識として機能できるいわゆる要部たる語幹は「ペタコ」となる。したがって、上記請求人の主張は事実誤認に基づくものといわざるを得ない。 また、請求人は、本件商標及びイ号標章が使用された商品との関係で、両商標から「粘着性を利用した回転式の用具」の観念が生じると主張するが、本件商標は、その構成から何らの意味をも有しない造語の「ペタコ」と既成語の「ローラー」とが一連に記載されてなるものであるから、需要者は、当該商標全体としては造語となって、これから特段の意味合いを感得し得ない。また、イ号標章は、「ペタコロ」が同じようにデザイン化された同一の大きさの文字で枠の中に囲まれて記載されており、全体称呼も4音と短いものであるから、一体不可分のものと捉えられる。したがって、イ号標章は、明らかに全体として何らの観念をも有しない造語となり、需要者は当該商標から特段の意味合いを感得し得ない。 (2)称呼上の非類似 (「ーラー」の音の存在による聞き分け) イ号標章の称呼「ペタコロ」(全4音)と本件商標の称呼「ペタコローラー」(全7音)とは、後者における「ーラー」なる音の存在によって、両商標は称呼上相紛れることはない。 (音感の相違による聞き分け) また、イ号標章は、「ペタコロ」と一語(一つの音のまとまり)で称呼されるのに対して、本件商標は、「ペタコ」と「ローラー」の組み合わせからなるものであるから、「ペタコ・ローラー」と二語(二つの音のまとまり)に分けて称呼される。この一語、二語の音感の相違によっても両商標は全体の語調を著しく異にするため、称呼上相紛れることはない。 (「ロ」の音の存在による聞き分け) イ号標章の称呼「ペタコロ」と本件商標の略称「ペタコ」とは、前者における「ロ」の有無において相違しているところ、「ロ」は、弾音であるが故に明瞭に響き、しかも4音という少数音であるが故に需要者に明確に認識される。この点で、本件商標が略称された場合にも、イ号標章とは称呼上相紛れることはない。 (3)観念上の非類似 イ号標章は、全体として何らの観念をも感得し得ない造語であり、本件商標も全体としても同じく造語であるから、両商標は観念上相紛れる余地はない。 (4)まとめ 以上のとおり、請求人の主張は妥当を欠き、イ号標章は本件商標とはその称呼及び観念のいずれの点においても区別される非類似の商標であるから、被請求人が商品「清掃用具」について使用するイ号標章は、本件商標の商標権の効力の範囲には属しない。 5 当審の判断 本件商標は、上記のとおり「ペタコローラー」の文字を書してなるところ、その構成各文字は、同書、同大、同間隔をもってまとまりよく一体に書してなるものであり、また、その文字数もさほど多いものではなく、一語を形成しているとみて何ら不自然なものではない。しかも、全体をもって称呼してもよどみなく一連に称呼し得るものであるから、かかる構成においては、その全体をもって一体不可分のものと認識し把握されるとみるのが自然である。 そうすると、本件商標は、その構成文字全体に相応して「ペタコローラー」の称呼のみを生ずるものと判断するのが相当であり、特定の観念を生じさせない造語を表してなるものというのが相当である。 他方、イ号標章は、後掲のとおり、白地に配した「ペタコロ」の青い文字を赤色の帯で縁取ったものであるから、その構成文字に相応して「ペタコロ」の称呼が生ずるものであり、特定の観念を生じさせない造語を表してなるものである。 してみれば、本件商標より生ずる「ペタコローラー」の称呼とイ号標章より生ずる「ペタコロ」の称呼とは、構成音数、音構成において明らかな差異を有するものであって、彼此相紛れるおそれはないものと認められる。 また、本件商標とイ号標章は、外観上は互いに区別し得る差異を有するものであり、観念については、いずれも造語よりなるものと認められるものであるから、両者はこの点において比較すべくもないところである。 そうとすると、本件商標とイ号標章とは、称呼、観念及び外観のいずれについても相紛れるおそれのない非類似のものといわなければならない。 したがって、本件商標とイ号標章とが前記のとおり非類似のものであると認められる以上、本件判定請求に係る商品「清掃用具」に使用するイ号標章は、本件商標の商標権の効力の範囲に属しないものといわざるを得ない。 よって、結論のとおり判定する。 |
別掲 |
イ号標章 (色彩については、原本を参照されたい。) |
判定日 | 2005-03-03 |
出願番号 | 商願平9-123868 |
審決分類 |
T
1
2・
261-
ZB
(Z21)
T 1 2・ 263- ZB (Z21) T 1 2・ 262- ZB (Z21) |
最終処分 | 不成立 |
前審関与審査官 | 田村 正明 |
特許庁審判長 |
小池 隆 |
特許庁審判官 |
山本 良廣 半田 正人 |
登録日 | 1998-12-11 |
登録番号 | 商標登録第4220808号(T4220808) |
商標の称呼 | ペタコローラー |
代理人 | 青木 篤 |
代理人 | 田島 壽 |