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審決分類 |
審判 査定不服 商4条1項16号品質の誤認 登録しない Z19 審判 査定不服 商3条1項6号 1号から5号以外のもの 登録しない Z19 |
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管理番号 | 1113281 |
審判番号 | 不服2002-19584 |
総通号数 | 64 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 商標審決公報 |
発行日 | 2005-04-28 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2002-10-07 |
確定日 | 2005-02-14 |
事件の表示 | 商願2001-64814拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 |
結論 | 本件審判の請求は、成り立たない。 |
理由 |
1 本願商標 本願商標は、「e‐プレコン」の文字を横書きしてなり、願書に記載した第19類に属する商品を指定して平成13年7月16日に登録出願されたものである。 そして、指定商品については、平成14年8月22日付け手続補正書により、第19類「陶磁性建築専用材料・れんが及び耐火物,リノリューム製建築専用材料,プラスチック製建築専用材料,合成建築専用材料,アスファルト及びアスファルト製の建築用又は構築用の専用材料,ゴム製の建築用又は構築用の専用材料,しっくい,石灰製の建築用又は構築用の専用材料,石こう製の建築用又は構築用の専用材料,繊維製の落石防止網,セメント及びその製品,木材,石材,建築用ガラス,建具(金属製のものを除く。),鉱物性基礎材料,可搬式家庭用温室(金属製のものを除く。),区画表示帯,土砂崩壊防止用植生板,窓口風防通話板,ビット及びボラード(金属製のものを除く。),石製彫刻,石製郵便受け,コンクリート彫刻,大理石製彫刻,灯ろう,飛び込み台(金属製のものを除く。),墓標及び墓碑用銘板(金属製のものを除く。)」と補正されたものである。 2 原査定の拒絶の理由の要点 原査定は、「本願商標は、商品の品番・型式等を表すための記号・符号として一般に採択・使用されている欧文字1字の一類型と認められる「e」と、建築に携わる業界等の関係においては「プレキャスト コンクリート(precast concrete)」の略称として馴染まれ用いられている「プレコン」の結合にて「e‐プレコン」の文字を表示してなるところ、その指定商品中の例えば「コンクリート製の商品」に使用した場合、該商品の一(いつ)を表したと容易に把握され易く、商品の品質を強調したにすぎないと理解するにとどまり、自他商品の識別力を発揮するとは言い難く、取引者・需要者は、何人かの業務に係る商品であるかを認識することができないものと認める。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第6号に該当し、前記商品以外の商品に使用する場合、商品の品質に誤認を生じさせるおそれがあるので、商標法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。 3 当審の判断 本願商標は、前記のとおり、「e」の欧文字と「プレコン」の片仮名文字をハイフンを介してあらわしてなるところ、両文字部分が視覚上分離して看取されるばかりでなく、両文字部分が常に一体不可分に認識されるべき格別の理由は見出し難いものである。 そして、一般に、ローマ文字の1字ないし2字が商品の品番・型式・規格等を表す記号・符号としてハイフンを介して使用されている事実があることからすると、本願商標の構成前半の 「e‐」の文字部分も、商品の品番・規格等を表示する記号・符号の一類型として認識されるものである。 また、構成後半の「プレコン」の片仮名文字は、「あらかじめ工場で型枠に流し込んで作ったコンクリート材」等の意味合いを表す「プレキャストコンクリート(precast concrete)」の略語と理解される語と認められる。 このことは、たとえば、コンサイスカタカナ語辞典第2版の「プレコン」の解説にある「プレキャスト‐コンクリート.」の記載及び「プレキャストコンクリート」の解説にある「あらかじめ工場で型枠に流し込んで作ったコンクリート材.略してプレ‐コン.」の記載、現代用語の基礎知識2004年版の「プレキャスト・コンクリート」の解説にある「工場であらかじめ成型・完成したコンクリートパネルを・・・コンクリート工法。プレコン。」の記載、最新早引きカタカナ語辞典(株式会社緒方出版発行 9刷)の「プレキャストコンクリート」の解説にある「現場ですぐに組み立てられるようにあらかじめ工場で成形した、コンクリート材。プレコン。」の記載、建築に係る各社のインターネットのホームページ(ウエブサイトアドレスhttp://www.tokaihousing.co.jp/yougota.htm)に掲載された不動産・建築用語の解説等によっても認め得るところである。 してみれば、本願商標をその指定商品について使用したときは、「eという、ある規格のプレキャストコンクリート」、「ある種の機能をもったプレキャストコンクリート」等と理解するに止まり、取引者・需要者は、何人かの業務に係る商品であるかを認識することができないものと判断するのが相当である。 したがって、本願商標が商標法第3条第1項第6号に該当し、前記商品以外の商品に使用するときは、商品の品質に誤認を生じさせるおそれがあるので、商標法第4条第1項第16号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、妥当であって取り消すべき限りでない。 なお、請求人(出願人)は、当審における「請求の理由」において、「『プレコン』の語が掲載されていない各種の辞典等があり、本願商標の構成中の『プレコン』の文字からは、直ちに『コンクリート製の商品』を認識するとはいえない。本願商標は、自他商品識別性を有している。」旨述べているが、「プレコン」の語が掲載されていない辞書があることをもって、「プレコン」の文字からは「コンクリート材」を認識し得ないとは認められず、前記事情より本願商標は自他商品の識別標識としての機能を果たし得るものとはいえないとみるのが相当であるから、該主張は採用することができない。 よって、結論のとおり審決する。 |
審理終結日 | 2004-12-20 |
結審通知日 | 2004-12-20 |
審決日 | 2005-01-05 |
出願番号 | 商願2001-64814(T2001-64814) |
審決分類 |
T
1
8・
16-
Z
(Z19)
T 1 8・ 272- Z (Z19) |
最終処分 | 不成立 |
前審関与審査官 | 小林 薫 |
特許庁審判長 |
山田 清治 |
特許庁審判官 |
早川 真規子 宮川 久成 |
商標の称呼 | イイプレコン、エプレコン、プレコン |
代理人 | 土橋 博司 |