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この審決には、下記の判例・審決が関連していると思われます。
審判番号(事件番号) データベース 権利
不服200265061 審決 商標
不服200225215 審決 商標
不服20035262 審決 商標
不服200265040 審決 商標
不服200317098 審決 商標

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審決分類 審判 査定不服 商3条柱書 業務尾記載 登録しない Z0321
審判 査定不服 商3条1項3号 産地、販売地、品質、原材料など 登録しない Z0321
管理番号 1111723 
審判番号 不服2002-65078 
総通号数 63 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2005-03-25 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2002-12-05 
確定日 2004-11-24 
事件の表示 国際登録第739286号に係る国際商標登録出願の拒絶査定に対する審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。
理由 1 本願商標
本願商標は、別掲のとおりの構成よりなり、国際登録指定通報のとおりの商品を指定商品として、2000年1月3日付けFranceにおいてした商標登録出願を基礎としたパリ条約第4条による優先権を主張し、2000(平成12)年6月30日を国際登録の日とし、その後、指定商品については、2002(平成14)年1月11日付け手続補正書をもって、第3類「Perfumes,cosmetics,essential oils.」及び第21類「Implements used for applying cosmetics.」と補正されたものである。
2 原査定の拒絶の理由
原査定は、以下のとおり認定、判断し、本願を拒絶したものである。
(1)本願商標は、立体的形状を表してなるものであるところ、指定商品中「せっけん,くし及びスポンジ,ブラシ(絵筆及び塗装用ブラシを除く),ブラシ類,未加工又は半加工のガラス(建物用のものを除く),ガラス製品,磁器製品及び陶器製品,化粧用パフ」との関係においてみた場合には、その立体的形状の全体的な構成から判断して使用態様は想定し得ないものであり、また、各指定商品の形状そのものを表してなる立体商標としての使用態様も採り得るものとはいい難いことから、出願人が自己の業務に係る商品について使用するものとは認められない。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項柱書きの要件を具備しないものである。
(2)本願商標は、これをその指定商品に使用しても、これに接する取引者、需要者は、単に商品又は容器の立体的形状を容易に認識するものである。したがって、本願商標は、単に商品の形状又は容器の形状を認識させるにすぎないから、商標法第3条第1項第3号に該当する。
3 当審の判断
(1)原審における、本願商標が商標法第3条第1項柱書きの要件を具備しないものとした拒絶の理由は、前記1のとおり、手続補正書による指定商品の補正の結果、当該要件を具備するものとなったと認められるから、解消した。
(2)次に、原審における、本願商標が商標法第3条第1項第3号に該当する旨の拒絶の理由について検討する。
立体商標は、商品若しくは商品の包装(以下「商品等」という。)の形状も含むものであるが、商品等の形状は、本来それ自体の持つ機能を効果的に発揮させたり、あるいはその商品等の形状の持つ美感を追求する等の目的で選択されるものであり、本来的(第一義的)には商品の出所を表示し、自他商品を識別する標識として採択されるものではない。
そして、商品等の形状に特徴的な変更、装飾等が施されていても、それは前記したように、商品等の機能又は美感をより発揮させるために施されたものであって、本来的には、自他商品を識別するための標識として採択されるのではなく、全体としてみた場合、商品等の機能、美感を発揮させるために必要な形状を有している場合には、これに接する取引者・需要者は当該商品等の形状を表示したものであると認識するに止まり、このような商品等の機能又は美感と関わる形状は、多少特異なものであっても、未だ商品等の形状を普通に用いられる方法で表示するものの域を出ないと解するのが相当である。
また、商品等の形状は、同種の商品等にあっては、その機能を果たすためには原則的に同様の形状にならざるを得ないものであるから、取引上何人もこれを使用する必要があり、かつ、何人もその使用を欲するものであって、一私人に独占を認めるのは妥当でないというべきである。
そうとすれば、商品等の機能又は美感とは関係のない特異な形状である場合はともかくとして、商品等の形状と認識されるものからなる立体的形状をもって構成される商標については、使用をされた結果、当該形状に係る商標が単に出所を表示するのみならず、取引者・需要者間において、当該形状をもって同種の商品等と明らかに識別されていると認識することができるに至っている場合を除き、商品等の形状を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標として商標法第3条第1項第3号に該当し、商標登録を受けることができないものと解すべきである。
(3)これを本願についてみれば、本願商標は、別掲のとおり、銀色で薄型の直方体状で、その上部に切り込みを入れやや色を濃くした蓋のようなものをつけたような構成よりなり、本願指定商品との関係から、香水もしくは化粧品等の容器であると容易に理解させるものであるから、これをその指定商品に使用しても、取引者、需要者は、単に商品の収納容器又は商品の形状と認識するにすぎないものと判断するのが相当である。
また、本願商標が香水もしくは化粧品等の容器であるあることは、請求人の「本願商標は、薄い縦長のほぼ直方体状の立体形状であって、両面側は直立する細い平面で構成され、正面及び背面は概ね平面上であるが、断面は直線ではなく僅かに中央が膨らむように円弧をなしている。上端の反面側中央には、押し下げるようにしたボタンが設けられ、上面近傍の正面側中央には縦長の小さな噴出口が設けられている。」との主張からも是認できるものである。
(4)加えて、請求人は、「本願商標を構成する立体形状は、一般に喫煙用具としてらライターに見られるものであって、これとは全く用途・機能の異なる本願指定商品の形状、あるいはその包装の形状とは言い難いものである。また、本願指定商品の機能・用途を達成するために、商品又はその包装の形状として必要不可欠とされるものではないことは明らかであり、本請求人の独自のものであるが故に、他の出所に係る同一または類似の商品との区別をするのに極めて有効な標識となっている。」旨主張する。
しかしながら、本願指定商品の化粧品及び香水類等の商品においては、商品の形状をその商品との機能、効果等から特定の形状にしなければならない必要性が薄く、商品等の外観上の特徴が需要者の購買心理、選択意欲、消費行動等に重要な影響を与えると考えられ、その商品に市場における流行や需要者の用途、嗜好等に合わせた各種の特徴的な変更、装飾等が施される実情が認められる。
その場合、立体的形状に施されたその種の変更、装飾等は、外観上同種の商品等の形状と比較し特徴的なものと認められるとしても、それらは専ら需要者が商品を選択するに際して、外観上の美感、若しくは魅力的な形状という嗜好上の意味合いを与えているにすぎず、それは未だその商品等の形状であると認識するに止まるものである。
したがって、そのような変更、装飾等は自他商品の出所を表示する識別標識として機能しているものとは認められないものであるから、その立体商標の形状の全体を観察しても識別力を有するものとは認められない。
そして、本願商標は、前記認定のとおり、その形状が特徴的なものであっても、それは商品等の機能、又は美感をより発揮させるために施されたものであり、商品等の形状を普通に用いられる方法の範疇で表示する標章のみからなる商標というべきであって、その形状に特徴をもたせたことをもって自他商品の識別力を有するものとは認められないことは(2)で述べたとおりである。
(5)以上のとおり、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当するものであるから、登録することはできない。
よって、結論のとおり審決する。
別掲 【別記】

審理終結日 2004-06-16 
結審通知日 2004-06-25 
審決日 2004-07-09 
国際登録番号 0739286 
審決分類 T 1 8・ 13- Z (Z0321)
T 1 8・ 18- Z (Z0321)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 田中 敬規 
特許庁審判長 山田 清治
特許庁審判官 早川 文宏
岩崎 良子
代理人 柳生 征男 
代理人 青木 博通 
代理人 中田 和博 
代理人 足立 泉 

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