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審判番号(事件番号) データベース 権利
無効200335303 審決 商標
取消200530508 審決 商標
無効200335302 審決 商標
無効200335094 審決 商標
取消200530509 審決 商標

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審決分類 審判 全部無効 商4条1項19号 不正目的の出願 無効とする(請求全部成立)取り消す(申し立て全部成立) 005
管理番号 1110148 
審判番号 無効2003-35061 
総通号数 62 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2005-02-25 
種別 無効の審決 
審判請求日 2003-02-14 
確定日 2005-01-04 
事件の表示 上記当事者間の登録第4177455号商標の商標登録無効審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 登録第4177455号の登録を無効とする。 審判費用は被請求人の負担とする。
理由 第1 本件商標登録の無効の審判
1 本件商標
本件商標登録の無効の審判に係る、登録第4177455号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲に示すとおりの構成よりなり、平成8年2月20日に登録出願され、第5類「食品強化剤,たんぱくアミノ酸製剤,その他の滋養強壮変質剤,ビタミン剤,その他の薬剤」を指定商品として、平成10年8月14日に設定登録されたものである。その後、本商標権について、商標法50条の規定に基づく取消し審判(2003-30358)が請求され、本件商標の商標登録は取り消すとの審決が平成15年9月17日になされ、同審決は平成16年1月27日に確定しているものである。
2 本件商標登録の無効の審判
本件商標登録の無効の審判は、本件商標が商標法4条1項7号、同10号、同15号又は同19号の規定に違反して登録されたものであるとして、同法46条により本件商標の登録を無効にすることを請求するものである。

第2 請求人の主張
請求人は、結論同旨の審決を求めると申し立て、その理由を次のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし同第13号証(枝番を含む。)を提出した。
1 本件審判請求の利益
請求人は、本件商標の存在を理由として、自己の商標登録出願(商願平10-72564号)について、拒絶理由通知を受けていることから、本件審判請求につき利害関係を有することは明白である。
2 無効理由
本件商標は、請求人会社の使用に係る商標「Nature’s Plus」(以下「引用商標」という。)との関連において、商標法4条1項7号、同10号、同15号又は同19号の規定に違反して登録されたものであり、その登録は無効とされるべきであるので、その理由について、以下に詳述する。
(1)商標法4条1項10号、同15号違反について
請求会社たるナチュラル オルガニックス インコーポレーテッドは、ジエラルド ケスラー(Gerald Kessler)により設立され、ビタミン、ミネラル、通じ薬、消化剤、ファイバー、ハーバルサプリメント、ドリンクミックス、アミノ酸、エネルギーバー等の製品の製造販売を行っている会社であるが(甲第2号証)、該会社は、30年以上前に「Nature’s Plus」のブランド名を付したビタミン、ミネラル等の一連の製品の製造販売を開始して以来(甲第3号証)、数年でその販売規模が数百万ドルになったものであり、本件商標に係る出願がなされた1996年以前から「Nature’s Plus」は、請求人会社を指称するブランド名として、需要者・取引者の間で周知著名になっていたものである。特に、近年においては、データベース化された顧客情報(顧客の年齢、顧客の興味ある製品等)に基づいてマーケティングを行うデータベースマーケティングを実施し、その販売実績を更に伸ばしており、そのデー夕べースには、85万人を超える顧客情報が蓄積され、「Nature’s Plus」製品を販売する1000を超える店舗がこれに参加している(甲第4号証)。
また、請求人会社は、業界雑誌に「Nature’s Plus」製品に関する種々の広告を掲載しているが、その一例を示すのが甲第5号証である。一方、雑誌との関係では、本件商標が出願された1996年には「Nature’s Plus」製品を特集する記事が掲載されており(甲第6号証)、又多数のビタミン製品の中から読者が選ぶベスト「マルチビタミン製品」として「Nature’s Plus」製品が表彰されおり(甲第7号証)、更には「Nature’s Plus」製品は他社の製品と成分比較される一つのブランドにもなっていることが窺える(甲第8号証)。
このように、雑誌において「Nature’s Plus」製品に関する特集が組まれたり、その製品に関する記事が掲載されたりするということは、請求人会社の製造販売に係る「Nature’s Plus」製品が、一般需要者・取引者の間で広く知られているブランドであるということを物語るにほかならないものである。
更には、請求人会社の事業展開は、請求人会社が所在するアメリカ合衆国のみに留まらず、海外へも進出しており、1985年にはイタリアへの、1987年にはフランスへの、1988年にはシンガポールへの、1991年にはカナダへの、1992年にはメキシコ・チェコ及び商標権者の所在する台湾への、1993年にはインドネシア・ドミニカ共和国・ギリシャへの、1994年にはドイツへの、1995年にはサウジアラビアへの、1996年にはトリニダードトバゴへの、1997年には香港への、1998年にはスペイン・クウェートへの、1999年にはジブラルタルへの輸出を開始しており、現在ではその売上高も各国毎に年間約3万米ドル〜50万米ドルとなっている。
このような状況、更には請求人会社が「Nature’s Plus」というブランド名の下に販売しているビタミン、ミネラル等の一連の製品は数百にも及ぶことをも考慮すると(甲第9号証)、引用商標たる「Nature’s Plus」は、ビタミン、ミネラル等の製品との関係において、請求人会社のブランドを表示する商標としてアメリカ合衆国は勿論のこと、我が国を含む諸外国においても周知著名な商標である言い得るものである。
そして、請求人会社の製造販売に係るこのような商品と本件商標に係る指定商品とは類似する商品として位置づけられるものであり、且つ引用商標「Nature’s Plus」より生ずる称呼「ネイチャーズプラス」は、本件商標中に表されている「Nature’s Plus」の文字より生ずる称呼と同じであることからすると、本件商標は商標法4条1項10号の規定に違反して登録されたものであり、故にその登録は無効にされるべきものである。
なお、本件商標に係る指定商品と引用商標に係る商品とが類似しないと考えられる場合であっても、ビタミン、ミネラル等の製品との関係において、引用商標「Nature’s Plus」が請求人会社のブランドを表示する商標として周知著名であることからすると、請求人会社以外の者が「Nature’s Plus」の文字を用いて「滋養強壮剤、ビタミン剤」等を市場に供給するときには、恰も請求人会社の製造販売に係る商品であるかの如く、商品の出所について誤認混同を生ずるおそれがあることは明らかである。
従って、本件商標が商標法4条1項10号の規定に違反して登録されたものではないとした場合であっても、本件商標は商標法4条1項15号の規定に違反して登録されたものであるので、その登録は無効にされるべきものである。
(2)商標法4条1項19号違反について
上述のように請求人会社は、アメリカ合衆国のみならず、他の国にもその製品を輸出し、事業の拡大を図っているが、このような海外進出に伴い、各国でも引用商標「Nature’s Plus」について商標登録を取得している(甲第10号証)。
このような状況、更には上述のように引用商標たる「Nature’s Plus」が請求人会社のブランドを表示する商標として周知著名であることをも考慮すると、請求人会社の商標が我が国で登録されていないことを奇貨として、請求人会社の我が国への参入を阻止するという「不正の目的」を以って本件商標に係る出願がなされたと容易に推察し得るものである。特に、本件商標の構成態様が請求人会社において実際に使用しているラベル中に表された態様(甲第2号証)と同じであることに鑑みると、本件商標に係る出願は「不正の目的」を以ってなされたと言わざるを得ないものである。
従って、本件商標は、商標法4条1項19号の規定に違反して登録されたものであり、故にその登録は無効にされるべきものである。
(3)商標法4条1項7号違反について
上述のように、甲第2号証第6頁には、請求人会社の製品が表されているが、本件商標の態様は、当該製品のボトルに貼られているラベル中の「Nature’s Plus」の文字及び図形との態様において、デッドコピーと言い得る程に構成の軌を同じくするものであり、これらが偶然に一致したとは到底考えられないものである。そして、これらのラベルは勿論のこと、「Nature’s Plus」製品に関する種々のラベル(甲第11号証)は、いずれも請求人会社により案出されたデザインであり、このことは、これらのデザインについては、請求人会社のみが本来的に使用し得る立場にあることを意味するにほかならないものである。
このような状況であるにも拘らず、本件商標についての登録が無効にされることなく、そのまま維持されたときには、本件商標について登録を取得し得る立場にない者に対してその登録が認められ、逆に、本来的に商標登録を取得し、それを使用し得る立場にある者の使用が阻止されるという事態を招来することになり、その結果、「公正な取引」が害されることになるのは必至である。
従って、本件商標は、「公正な取引」を害するおそれのある商標であり、故に本件商標は、「公の秩序又は善良な風俗を害するおそれがある商標」(商標法4条1項7号)に該当するにも拘らず、その登録が認められたものであるので、その登録は無効にされるべきものである。

第3.被請求人の主張
被請求人は、何ら答弁していない。

第4.当審の判断
本件審判請求人(以下「請求人」という。)の提出に係る甲第2号証ないし同第11号証によれば、請求人は、引用商標を国際分類3類(登録日1997.7.15)及び同第5類(登録日1997.6.3)に属する商品について米国で登録し、その商標公報(写し)によると、特に、「栄養補助食品、ビタミン」(第5類)を指定商品とする引用商標については1972年2月には使用を開始していたことが認められる(甲第3号証)。
以来、請求人(会社)は、「Nature’s Plus」のブランド名(以下「使用商標」という。)を付したビタミン、ミネラル等の製品の製造販売を米国をはじめ諸外国に30年以上にわたり行ってきたことが認められ、その結果、引用商標は、本件商標の登録出願の時には請求人の業務に係る商品を表示する商標としてアメリカ合衆国及び諸外国においても需要者の間に広く認識されるていたということができるものである(甲第4号証ないし同第9号証)。
しかして、本件商標は、別掲に示すとおり文字と図形の結合よりなるところ、その構成中の、「Nature’s Plus」の欧文字は、その書体、大文字と小文字の配列、文字の間隔、アポストロフィー「’」の大きさ、その位置に至るまで請求人が使用する引用商標(使用商標)と全く同一の態様からなるものであり、しかも、その左下部に描かれた「トウモロコシ」の如き図形も請求人(会社)の「Nature’s Plus」に関する製品カタログ(甲第9号証)の表紙の下部中央に描かれた図形と酷似するものである。
そして、本件商標の指定商品は、前示したものであるところ、これらは、請求人が販売している「ビタミン、ミネラル、通じ薬、消化剤、アミノ酸」等と同一又は類似の商品を含むものである。
してみれば、商標権者(被請求人)の採択にかかる本件商標は、これが引用商標(特に、その使用商標)と偶然に一致したものとは考え難く、商標権者(被請求人)は、引用商標が、請求人の業務に係る商品を表示するものとして外国における需要者の間に広く認識されていることを承知のうえ、引用商標が我が国において未だ登録されていないことを奇貨として、請求人の国内参入を阻止し、又は国内代理店契約を強制する目的、又は引用商標の顧客吸引力に便乗し不当な利益を得る等の目的のもとに、本件商標を採択・登録出願して、本件権利を取得したものと推認するに難くないものである。
そうとすれば、本件商標は、不正の目的をもって使用をする商標に該当するものといわなければならない。
したがって、本件商標は、商標法4条1項19号に違反して登録されたものであるから、同法46条1項の規定によりその登録を無効とすべきものである。なお、本件商標は、不使用取消審判により商標登録が取り消されているものであるが、被請求人が本件商標を登録出願し商標権を取得したことは、使用の意思を有していたというべきであり、該審判の結論により商標法4条1項19号の「使用をする商標」に該当しないと解することは相当ではない。
よって、結論のとおり審決する。
別掲 【別掲】
本件商標

審理終結日 2004-07-29 
結審通知日 2004-08-02 
審決日 2004-08-23 
出願番号 商願平8-15781 
審決分類 T 1 11・ 222- Z (005)
最終処分 成立 
前審関与審査官 小川 有三 
特許庁審判長 佐藤 正雄
特許庁審判官 山本 良廣
宮川 久成
登録日 1998-08-14 
登録番号 商標登録第4177455号(T4177455) 
商標の称呼 ネーチャーズプラス 
代理人 本宮 照久 
代理人 高橋 誠一郎 
代理人 朝日 伸光 
代理人 加藤 伸晃 
代理人 岡部 正夫 
代理人 吉澤 弘司 
代理人 高梨 憲通 
代理人 鈴木 守三郎 
代理人 越智 隆夫 
代理人 産形 和央 
代理人 臼井 伸一 
代理人 藤野 育男 
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