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審決分類 審判 査定不服 商4条1項16号品質の誤認 登録しない Z0102
審判 査定不服 商3条1項3号 産地、販売地、品質、原材料など 登録しない Z0102
管理番号 1109913 
審判番号 不服2002-6882 
総通号数 62 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2005-02-25 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2002-04-19 
確定日 2004-12-17 
事件の表示 商願2000-127183拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。
理由 1 本願商標
本願商標は、「ルミナス」の文字を標準文字とし、第1類「化学品」及び第2類「顔料」を指定商品として、平成12年11月27日に登録出願されたものである。

2 原査定の拒絶理由
本願商標は、英語の「luminous」に通ずる「ルミナス」の文字を普通に用いられる方法で書してなるものであるが、これは「塗料などが光りを発する、くらやみで光る」などの意味を有するものであり、指定商品中、夜行顔料などに使用するときは、商品の品質を表示するにすぎないものと認めます。
したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記商品以外の商品に使用するときは、商品の品質の誤認を生じさせるおそれがありますので、商標法第4条第1項第16号に該当します。

3 当審の判断
本願商標は、前項1のとおり、「ルミナス」の文字よりなるところ、「ルミナス」の文字については、現代用語の基礎知識2004(自由国民社発行)には、「ルミナス(luminous)」は「光り輝く、発光する」を意味する語として記載されていて、また小学館ランダムハウス英和大辞典には、「luminous」の語は「(物・塗料などが)光を発する[反射する]。光る。輝く。」を意味し、そして、「luminous paint」は「夜光[発光、畜光、残光]塗料」を意味する語として掲載されていることが認められる。
「ルミナス/luminous」の語について、新聞記事、インターネットで公開されている情報によると、例えば、以下の情報が見出される。
(1)1994年1月11日日刊工業新聞19頁には、「資生堂、紫外光線に変えて発光するルミナスパウダーを開発」の見出しの下、「資生堂は、十日、紫外線の光エネルギーを有効エネルギーを有効活用することで紫外線を肌に有害な青緑の可視光線に変え発光する『ルミナスパウダー』(酸化亜鉛発光体)の開発に成功したと発表した。」、また「もともと皮膚疾患の消炎剤、化粧品の白色顔料として幅広く使われている酸化亜鉛を同社独自の技法で加工したもの。」等と記載している。
(2)1999年6月18日日刊工業新聞5頁には、「愛知プロモートビジネス、畜光塗料を発売。低価格武器に市場開拓」の見出しの下、愛知プロモートビジネス(愛知県尾張旭市井田町2の375、山本次雄社長、0561・53・8940)は畜光塗料「スーパールミナスC15」を発売した。」、また「C15は外国から畜光顔料を購入、自社で塗料にするため、性能は従来品と同等以上で低価格となった。」等と記載している。
(3)1999年6月30日繊研新聞3面には、「ムートバット 蛍光フェザーのアクセサリー発売」の見出しの下、「光るフェザーの毛皮ネックアクセサリー『ルミナスフェザー』をこの秋冬物で、ムーンバットが発売する。フェザーに蛍光染料を使ったタイプと、畜光塗料を使ったタイプの二種類。」等と記載している。
(4)絵の具における顔料について解説したインターネット情報である「その他の顔料」(http://www4.justnet.ne.jp/~sienna/color/pigment/other.html)の「色の名前と顔料」の項には、「金属粉末は主にゴールドやシルバー、もしくは金属の名前が使われています。蛍光顔料の場合、蛍光○○という名前がおおく、顔料の名前はまず使われません。ルミナス[luminous]は光を発するという意味で、ルミナス○○という名前は蛍光色を表します。」との解説が記載されている。
(5)「絵画材料・額縁の専門店 ちよだ画材」のインターネット情報(http://www.gazai.co.jp/oil-color/holbein/duo/duo6-lumi.html)では、「アクアオイルカラー DUO (水に溶ける油絵の具)」の項において、色のジャンルとして、「バイオレット系」「ブルー系」等の他に「蛍光色(ルミナス)」の項が設けられていて、その色名の欄に「 ルミナスオペラ」、「ルミナスレッド」、「ルミナスオレンジ」、「ルミナスレモン」、「ルミナスグリーン」と記載されている。
上記の情報からすると、「(物・塗料などが)光を発する[反射する]。光る。輝く。」を意味する「ルミナス/luminous」の語は、顔料、塗料、絵の具等における色を表現する場合に「蛍光色」又は「光を発する」を意味する語として用いられている実情が窺えるものであり、本願商標を、指定商品中「蛍光色のある顔料・化学品」について使用するときは、その商品の品質を表わしているものと理解、認識され、自他商品の識別標識として機能し得ないものとみるのが相当である。
また、本願商標を上記商品以外の指定商品について使用するときは、その商品の品質について誤認を生じるおそれがあるものと認められる。
なお、請求人は、「ルミナス」の語は親しまれたものではないので、それが、商品の品質を表示するものとは考えられない旨主張する。しかしながら、「ルミナス」の語は、本来、「(物・塗料などが)光を発する[反射する]。光る。輝く。」の色彩を表す意味を有していて、顔料、塗料、絵の具等における色彩表示に多々使用されている状況が窺えることからすると、色彩が重要な品質となる顔料等の指定商品を取り扱う業界における取引者、需要者は、商品の品質(色彩)を表す語として理解し、認識するものとみるのが相当といえるので、本願商標は上記認定のとおりであって、その請求人の主張は採用できない。
したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号及び同第4条第1項第16号に該当するので、原査定を取り消すことはできない。
よって、結論のとおり審決する。
審理終結日 2004-07-28 
結審通知日 2004-08-06 
審決日 2004-10-27 
出願番号 商願2000-127183(T2000-127183) 
審決分類 T 1 8・ 272- Z (Z0102)
T 1 8・ 13- Z (Z0102)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 石井 千里 
特許庁審判長 宮下 正之
特許庁審判官 田中 亨子
富田 領一郎
商標の称呼 ルミナス 
代理人 伊丹 健次 

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