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審決分類 審判 全部申立て  登録を維持 Y18
審判 全部申立て  登録を維持 Y18
審判 全部申立て  登録を維持 Y18
審判 全部申立て  登録を維持 Y18
管理番号 1106883 
異議申立番号 異議2003-90700 
総通号数 60 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2004-12-24 
種別 異議の決定 
異議申立日 2003-10-23 
確定日 2004-11-01 
異議申立件数
事件の表示 登録第4695417号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 登録第4695417号商標の商標登録を維持する。
理由 1 本件商標
本件登録第4695417号商標(以下、「本件商標」という。)は、「ENRICO GIGLI」の欧文字を標準文字により横書きしてなり、平成14年11月18日に登録出願、第18類「かばん金具,がま口口金,皮革製包装用容器,愛玩動物用被服類,かばん類,袋物,携帯用化粧道具入れ,傘,ステッキ,つえ,つえ金具,つえの柄,乗馬用具,皮革」を指定商品として、同15年7月25日に設定登録されたものである。

2 引用商標
登録異議申立人(以下、「申立人」という。)の引用する登録商標は、以下(1)ないし(13)のとおりである。
(1)登録第4519893商標は、「GIGLI」の欧文字を標準文字で横書きしてなり、平成12年6月2日に登録出願され、第9類、第14類、第16類、第18類及び第25類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品を指定商品として、同13年11月2日に設定登録されたものである。
(2)登録第4691790商標は、「ジリ」の片仮名文字を横書きしてなり、平成12年6月6日に登録出願され、第9類、第14類、第18類及び第25類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品を指定商品として、同15年7月18日に設定登録されたものである。
(3)登録第4491070号商標は、「ロメオジリ」の片仮名文字を横書きしてなり、平成12年6月6日に登録出願され、第9類、第14類、第18類及び第25類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品を指定商品として、同13年7月13日に設定登録されたものである。
(4)登録第2529044号商標は、別掲1のとおりの構成よりなり、平成2年5月31日に登録出願され、第21類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品を指定商品として、同5年4月28日に設定登録され、その後、同15年5月27日に更新登録され、その後、同16年5月12日に、第14類、第18類及び第26類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品を指定商品として書換登録されたものである。
(5)登録第2594730号商標は、別掲2のとおり構成よりなり、平成2年6月25日に登録出願され第21類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品を指定商品として、同5年11月30日に設定登録され、その後、同15年12月24日に更新登録されたものである。
(6)登録第2061302号商標は、「ROMEO GIGLI」の欧文字を横書きしてなり、昭和61年5月7日に登録出願され、第21類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品を指定商品として、同63年7月22日に設定登録され、その後、平成10年8月11日に更新登録されたものである。
(7)登録第2594723号商標は、「ロメオ ジリ」の片仮名文字を横書きしてなり、平成2年5月30日に登録出願され、第21類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品を指定商品として、同5年11月30日に設定登録され、その後、同15年12月24日に更新登録されたものである。
(8)登録第2614327号商標は、「ジー・ジリ」の文字を横書きしてなり、平成2年6月14日に登録出願され、第21類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品を指定商品として、同5年12月24日に設定登録され、その後、同16年1月20日に更新登録されたものである。
(9)登録第2643663号商標は、別掲1の構成よりなり、平成2年5月31日に登録出願され、第22類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品を指定商品として、同6年4月28日に設定登録され、その後、同16年5月18日に更新登録されたものである。
(10)登録第2643664号商標は、別掲2の構成よりなり、平成2年6月25日に登録出願され、第22類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品を指定商品として、同6年4月28日に設定登録され、その後、同16年5月18日に更新登録されたものである。
(11)登録第2111577号商標は、「ROMEO GIGLI」の欧文字を横書きしてなり、昭和61年5月7日に登録出願され、第22類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品を指定商品として、平成元年2月21日に設定登録され、その後、平成11年3月23日に更新登録されたものである
(12)登録第2594724号商標は、「ロメオ ジリ」の片仮名文字を横書きしてなり、平成2年5月30日に登録出願され、第22類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品を指定商品として、同5年11月30日に設定登録され、その後、同15年12月24日に更新登録されたものである。
(13)登録第2520590号商標は、「ジー・ジリ」の文字を横書きしてなり、平成2年6月14日に登録出願され、第22類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品を指定商品として、同5年3月31日に設定登録され、その後、同15年4月5日に更新登録されたものである。(以下、これらを一括して「引用商標」という。)

3 登録異議の申立ての理由(要旨)
(1)本件商標は、「ENRICO」と「GIGLI」の欧文字を横書きしてなるが、後半部分「GIGLI」が世界的に著名なファッションデザイナー「ROMEO GIGLI」の著名な略称「GIGLI」と同一である。そして、「ROMEO GIGLI」が、日本では「ロメオジリ」と表記され、発音されていることから、本件商標は、「エンリコジリ」及び「ジリ」の称呼を生ずる。
(2)本件商標は、引用商標と「ジリ」の称呼において類似のものであり、その指定商品も同一又は類似のものである。
(3)「ROMEO GIGLI」は、世界的に周知・著名なファッションデザイナーであり、「GIGLI(ジリ)」が同デザイナーの著名な略称として定着しているから、本件商標は、商品の出所について混同を生ずるおそれがあり、かつ、公序良俗に違反するものである。
(4)したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号、同第15号、同第10号及び同第7号に違反して登録されたものであるから、その登録は取り消されるべきである。

4 当審の判断
(1)本件商標は、前記のとおり「ENRICO」と「GIGLI」の欧文字よりなる(「ENRICO」と「GIGLI」には、1文字程度の間隙を有する。)ものであるところ、該文字は、外観上まとまりよく一体的に表されていて、全体より生ずる称呼も格別冗長なものでなく、よどみなく一気一連に称呼し得るものである。そして、「ENRICO」と「GIGLI」の各文字には特に軽重の差を見出すことができないものであり、他にこれら各文字を分離して観察すべき特段の理由を見出せないものであって、かかる構成においては、表された文字全体をもって、一体不可分のものとしてのみ認識・把握されるものというべきであるから、これよりは、「エンリコジグリ」及び「エンリコジリ」の一連の称呼を生ずるといえるものである。
(2)引用商標は、「GIGLI」の文字からなる商標のほか、「ジリ」、「ロメオジリ」、「ROMEO GIGLI」、「ロメオ ジリ」又は「ジー・ジリ」の各文字、あるいは別掲(1)又は(2)に示したとおりの構成よりなるものである。そして、それらを構成する文字は、外観上まとまりよく一体的に表されていて、全体より生ずる称呼も格別冗長なものでなく、よどみなく一連に称呼し得るものであるから、その構成文字に相応して、「ジグリ」、「ジリ」、「ロメオジリ」、「ロメオジグリ」又は「ジージリ」の各称呼を生ずるといえるものである。
そうとすれば、本件商標より生ずる称呼と引用商標より生ずる称呼とは、構成音数、音構成に明らかな差異を有することから、それぞれを一連に称呼した場合であっても、両称呼は、明らかに聴別し得るものといわなければならない。
また、本件商標及び引用商標の構成は、前記のとおりであるから、外観上において相紛れるおそれはないものといえる。
さらに、観念についてみても、本件商標は、一体不可分の「エンリコジリ」、「エンリコジグリ」の人名を、引用商標は、構成文字に相応して「ジグリ」、「ジリ」、「ロメオジリ」、「ロメオジグリ」又は「ジージリ」の人名と認識し把握されるものであるから、観念上においても区別しうるものである。
してみれば、本件商標は、引用商標と外観、称呼、観念のいずれの点においても類似しないといえるものである。
(3)申立人は、「ジリ(GIGLI)」がファッションデザイナー「ロメオジリ(ROMEO GIGLI)」の著名な略称として定着している旨主張する。確かに、申立人の指摘する甲第17号証ないし甲第97号証に、「ロメオジリ(ROMEO GIGLI)」を「ジリ(GIGLI)」と略して記載されていることは認められる。
しかしながら、甲第77号証を除く他の甲各号証中には、その略称のほかに「ロメオ・ジリ(ROMEO GIGLI)」のフルネームが記載されている。一般に、新聞や雑誌において会社名や氏名を記載する場合には、記事のスペースの制約上等の理由により、当初フルネームを記載し、それ以降の記事中に一部を省略して記載することは、通常行われているところである。
そうすると、請求人の指摘する甲各号証の記事中に、「ジリ(GIGLI)」と記載されている事実は、必ずしもこれが「ロメオジリ(ROMEO GIGLI」の略称として著名であることを意味するものではないというべきである
そして、請求人の指摘する甲各号証のほか、請求人の提出に係る証拠を総合しても、本件商標の登録出願の時において、「ジリ(GIGLI)」がファッションデザイナー「ロメオジリ(ROMEO GIGLI)」の略称として著名であったものとはいい難く、本件商標がその指定商品に使用された場合に、これに接した取引者、需要者は、構成中の「GIGLI」の文字部分に着目し、これより直ちに引用商標を連想、想起するものということはできないものである。
(4)本件商標は、前記(2)のとおり、一体不可分の商標としてのみ観察されるものであるから、たとえ、その構成中に「GIGLI」の文字を有するとしても、かかる構成よりすれば、デザイナー「ROMEO GIGLI」または、その関係者がデザインまたは製造販売するものであるかの如く、他人の業務に係る商品と混同を生ずるおそれがある商標とはいうことはできないし、また、他人の業務に係る商品を表示するものとして需要者の間に広く認識されている商標又はこれに類似する商標であって、その商品若しくはこれらに類似する商品について使用をするものということもできないものである。さらに、本件商標は一体不可分の商標としてのみ観察されることから、デザイナー「ROMEO GIGLI」の出所表示機能を希釈化させるものとはいえず、公の秩序又は善良の風俗を害するおそれはないといわなければならない。
(5)以上のとおり、本件商標は、商標法第4条第1項第11号、同第15号、同第10号及び同第7号に違反して登録されたものということはできない。
したがって、本件商標は、商標法第43条の3第4項の規定に基づき、その登録を維持すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
別掲




別 掲 1






別 掲 2


異議決定日 2004-10-14 
出願番号 商願2002-97318(T2002-97318) 
審決分類 T 1 651・ 271- Y (Y18)
T 1 651・ 252- Y (Y18)
T 1 651・ 262- Y (Y18)
T 1 651・ 22- Y (Y18)
最終処分 維持  
特許庁審判長 野本 登美男
特許庁審判官 三澤 惠美子
茂木 静代
登録日 2003-07-25 
登録番号 商標登録第4695417号(T4695417) 
権利者 有限会社サカイヤプランニング
商標の称呼 エンリコジリ、エンリコジグリ、エンリコ、ジリ、ジグリ 
代理人 宮崎 伊章 
代理人 山下 穣平 

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