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審決分類 |
審判 全部取消 商50条不使用による取り消し 無効とする(請求全部成立)取り消す(申し立て全部成立) 117 |
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管理番号 | 1106785 |
審判番号 | 審判1999-30783 |
総通号数 | 60 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 商標審決公報 |
発行日 | 2004-12-24 |
種別 | 商標取消の審決 |
審判請求日 | 1999-06-21 |
確定日 | 2003-08-20 |
事件の表示 | 上記当事者間の登録第2108864号商標の登録取消審判事件について、次のとおり審決する。 |
結論 | 登録第2108864号商標の商標登録は取り消す。 審判費用は、被請求人の負担とする。 |
理由 |
1.本件商標 本件登録第2108864号商標(以下「本件商標」という。)は、「PRINCIPE」の欧文字を横書きしてなり、第17類「被服、布製身回品、寝具類」を指定商品として、昭和55年9月9日登録出願、平成1年1月23日設定登録、現に有効に存続しているものである。 2.請求人の主張 請求人は、「本件商標の登録を取り消す、審判費用は被請求人の負担とするとの審決を求める。」旨主張し、その理由及び答弁に対する弁駁を次の通り述べている。 (1)請求の理由 本件商標は、その指定商品のいずれについても、継続して3年以上、我が国において、商標権者、専用使用権者、通常使用権者のいずれによっても使用されていない。よって、本件商標の登録は、商標法第50条第1項の規定により、取り消すべきものである。 (2)答弁に対する弁駁 (a)乙第2号証について 被請求人は、株式会社ハタ・コーポレーションが本件商標の使用権者であるとして乙第2号証を提出するが、単なる新聞記事に過ぎない。商標権者と使用権者との間の使用許諾契約書の提出もない。被請求人がかかる新聞記事しか証拠として提出しなかったということは、かかる契約書がないということを反面から明らかにするものである。 したがって、ハタ・コーポレーションは本件商標の使用権者ではない。 さらに、同号証の内容自体からも、ハタ・コーポレーションが本件商標の使用権者でないことが明らかである。イタリアフィレンツェの専門店「プリンチペ」と提携関係にあるエトワールマルゼンとハタ・コーポレーションが契約を結んだと述べる。 然るに、ハタ・コーポレーションとエトワールマルゼンとの間の契約もエトワールマルゼンとイタリアフィレンツェの専門店「プリンチペ」との間の契約が如何なるものか一切同号証は明らかにしていないし、また、被請求人はその契約書を証拠として提出していない。 そもそも、本件商標の商標権者とイタリアフィレンツェの専門店「プリンチペ」とは明らかに異なる。 したがって、同号証自体から、本件商標の商標権者である被請求人とハタ・コーポレーションとは無関係であることが明らかである。 (b)乙第3号証ないし同第5号証について 乙第3及び4号証は、コレクションの発表会の案内状にすぎない。また、乙第5号証は企画書にすぎない。いずれも、本件商標が「被服」に具体的に使用されたことを示さない。そもそも商品とは、相当量市場に流通させるものである。したがって、真に商品について商標の使用があれば、その商標を付した商品が相当量市場に流通するものであり、これを証する伝票等があり、また、カタログ等があるはずのものである。これらの書類がないということは、本件商標が実際に商品に付されて使用されなかったことを意味する。単にコレクションの案内状に商標を付したのみでは、商標の商品への具体的な使用を示すものではない。 加えて、乙第3及び4号証に印刷されている商標は、「馬に乗った騎士の図形」と「デザインした特色ある書体の欧文字の小文字principe」であって、本件商標ではない。 また、乙第5号証は、単なる企画書にすぎず、本件商標が付された商品が実際に流通したことを示すものではなく、同号証の1枚目に印刷されている商標は「馬に乗った騎士の図形」と「デザインした特色ある書体の欧文字の小文字principe」であり、本件商標ではない。 したがって、乙第3ないし5号証は、ハタ・コーポレーションによる本件商標の「被服」への使用を示すものではない。 (c)むすび よって、ハタ・コーポレーションが被請求人の本件商標の使用権者である証明もなく、ハタ・コーポレーションが本件商標をその指定商品中「被服」について使用した証明もないので取り消すべきものである。。 3.被請求人の答弁 被請求人は、「本件審判の請求は成り立たない。審判費用は請求人の負担とする。との審決を求める」と答弁し、その理由を次の通り述べ証拠方法として乙第1号証ないし同第5号証を提出している。 乙第1号証に示す本件商標は、乙第2号証及び5号証から明らかなように、本審判の請求の登録前3年以内に、我が国において、株式会社ハタ・コーポレーションにより、「衣服」について使用されている。なお、ハタ・コーポレーションは、本件商標の使用権を正当に有するものである。 乙第2号証は、ハタ・コーポレーションが1995年以降3年契約で本件商標を付したメンズ重衣料を生産・販売することを報じた繊研新聞の写し。 乙第3号証は、ハタ・コーポレーションが1995年5月16日及び17日に開催した1995年から1996年秋冬コレクション発表会の案内状の写し。 乙第4号証は、同じくハタ・コーポレーションが1995年11月1日及び2日に開催した1996年春夏コレクション発表会の案内状の写し。 乙第5号証は、株式会社パートナーがハタ・コーポレーション宛に提出した1998年秋冬物の企画書の写し。 以上より、本件商標が使用権者により、その指定商品中「衣服」について、審判請求の登録前3年以内に、我が国において使用されていることは疑いなく、本件審判の請求の趣旨は採択に値しない。 4.当審の判断 (1)商標法第50条による商標登録の取消審判の請求があったときは、被請求人は、同条第2項に規定されているとおり、その取消請求に係る指定商品について当該商標を使用していることを証明し、又は使用をしていないことについて正当な理由があることを明らかにしない限り、その指定商品に係る商標登録の取消しを免れない。 (2)被請求人が本件商標の使用の事実を証明するものとして提出した乙第2号証ないし同第5号証について検討する。 (a)乙第2号証について 同号証(1995年2月2日付け繊研新聞)によれば、被請求人からの使用権を有するとされるハタ・コーポレーションが「プリンチペ」ブランドのメンズ衣料を国内で生産・販売するとの記事に続き、年度毎の売上高の見込み等が紹介されている。 しかしながら、同号証は、前記したとおり、本件商標をその指定商品について審判の請求前3年以内に具体的に使用したことを記載した記事ではなく、これを以て使用の事実を明らかにした証拠と認めることはできない。 (b)乙第3号証について 同号証は、ハタ・コーポレーションが1995年5月16日及び17日に開催した1995年から1996年秋冬コレクション発表会の案内状の写しとして提出されたものであるが、本件商標の指定商品が何ら表示されていない。 (c)乙第4号証について 同号証は、ハタ・コーポレーションが1995年11月1日及び2日に開催した1996年春夏コレクション発表会の案内状の写しとして提出されたものであるが、本件商標の指定商品が何ら表示されていない。 (d)乙第5号証について 同号証は、株式会社パートナーがハタ・コーポレーション宛に提出した1998年秋冬物の企画書の写しとして提出されたものである。 該企画書には「principe」の文字及び本件商標の指定商品中に含まれる各種商品が表示されている。しかしながら、一般的には企画書は、計画段階にあるものを整理まとめたものと理解されるものであるから、該企画書の記載を以て、本件商標を指定商品について使用しているものとは認定できない。 (3)むすび してみれば、被請求人提出の乙各号証を総合的に判断しても、被請求人は、本件審判請求の登録前3年以内に、日本国内において、本件商標をその指定商品に使用していなかったものというべきであり、かつ、使用しなかったことについて正当な理由があるものとは認められないものである。 したがって、本件商標は、商標法第50条の規定により、その登録を取り消すものとする。 よって、結論のとおり審決する。 |
審理終結日 | 2002-02-18 |
結審通知日 | 2002-02-21 |
審決日 | 2002-03-05 |
出願番号 | 商願昭55-73240 |
審決分類 |
T
1
31・
1-
Z
(117)
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最終処分 | 成立 |
前審関与審査官 | 青木 俊司 |
特許庁審判長 |
小林 薫 |
特許庁審判官 |
大川 志道 野上 サトル |
登録日 | 1989-01-23 |
登録番号 | 商標登録第2108864号(T2108864) |
商標の称呼 | プリンシップ、プランシープ、プランシップ |
代理人 | 佐藤 雅巳 |
代理人 | 稲葉 良幸 |
代理人 | 田中 克郎 |
代理人 | 田中 克郎 |
代理人 | 古木 睦美 |
代理人 | 大賀 眞司 |
代理人 | 稲葉 良幸 |
代理人 | 田中 克郎 |
代理人 | 稲葉 良幸 |
代理人 | 大賀 眞司 |
代理人 | 大賀 眞司 |