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審決分類 審判 査定不服 商4条1項16号品質の誤認 登録しない Z21
審判 査定不服 商3条1項3号 産地、販売地、品質、原材料など 登録しない Z21
管理番号 1106669 
審判番号 不服2001-8770 
総通号数 60 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2004-12-24 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2001-05-24 
確定日 2004-10-28 
事件の表示 商願2000-2983拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。
理由 1 本願商標
本願商標は、別掲のとおりの構成よりなり、第21類「ガラス基礎製品(建築用のものを除く。),なべ類,コーヒー沸かし(電気式又は貴金属製のものを除く。),鉄瓶,やかん,食器類(貴金属製のものを除く。),アイスペール,泡立て器,こし器,こしょう入れ・砂糖入れ及び塩振り出し容器(貴金属製のものを除く。),卵立て(貴金属製のものを除く。),ナプキンホルダー及びナプキンリング(貴金属製のものを除く。),盆(貴金属製のものを除く。),ようじ入れ(貴金属製のものを除く。),ざる,シェーカー,しゃもじ,手動式のコーヒー豆ひき器及びこしょうひき,じょうご,すりこぎ,すりばち,ぜん,栓抜,大根卸し,タルト取り分け用へら,なべ敷き,はし,はし箱,ひしゃく,ふるい,まな板,麺棒,焼き網,ようじ,レモン絞り器,ワッフル焼き型(電気式のものを除く。),清掃用具及び洗濯用具,魚ぐし,携帯用アイスボックス,米びつ,食品保存用ガラス瓶,水筒,魔法瓶,家事用手袋,化粧用具,デンタルフロス,おけ用ブラシ,金ブラシ,管用ブラシ,工業用はけ,船舶ブラシ,ブラシ用豚毛,洋服ブラシ,靴ブラシ,靴ベら,靴磨き布,軽便靴クリーナー,シューツリー,ガラス製又は陶磁製の包装用容器,かいばおけ,家禽用リング,アイロン台,霧吹き,こて台,へら台,愛玩動物用食器,愛玩動物用ブラシ,犬のおしゃぶり,小鳥かご,小鳥用水盤,植木鉢,家庭園芸用の水耕式植物栽培器,じょうろ,家庭用燃え殻ふるい,石炭入れ,紙タオル取り出し用金属製箱,靴脱ぎ器,せっけん用ディスペンサー,寝室用簡易便器,トイレットペーパーホルダー,貯金箱(金属製のものを除く。),ねずみ取り器,はえたたき,湯かき棒,浴室用腰掛け,浴室用手おけ,ろうそく消し及びろうそく立て(貴金属製のものを除く。),花瓶及び水盤(貴金属製のものを除く。),風鈴,ガラス製又は磁器製の立て看板,香炉,コッフェル」を指定商品として、平成12年1月19日に登録出願されたものである。

2 当審において通知した拒絶の理由
当審において、平成16年5月12日付けの拒絶理由通知書をもって、以下の拒絶の理由を通知したものである。

本願商標は、太字で書された「汚さないシート」の文字と、その構成文字の外形沿いに表された輪郭よりなるところ、その構成中の「汚さない」の文字は、「汚くしない」ことを意味する語として、また、「シート」の文字は、「薄板や紙などの一枚。雨よけなどに使う布やビニール」等を意味する語として一般に親しまれているところである。
さらに、構成文字に輪郭を設けることによって当該文字を強調し、視覚的に印象づける手法もまた、広く採用されているところである。
そうすると、輪郭内に「汚さないシート」の文字を書してなる本願商標は、「汚くしないためのシート」、「汚れを防ぐためのシート」等の意味合いを容易に理解、認識させるとみるのが相当である。
このことは、「汚れ防止用のシート」について、株式会社ジー・サーチの提供に係る新聞記事情報及びインターネットの各種情報をみると、以下のような記載があることからも十分に裏付けられるところである。
(1)「ステンレス製簡単にペタッ、入江商店(新製品)」の見出しのもと「ステンレスはくの粘着シートとテープ『助っ人』。ガスレンジ回りの油汚れ防止や流し台のすき間の水もれ防止、家屋の補修や補強など、多用途に使える。」(「日経流通新聞」1989.1.19 17頁)
(2)「流し台、いつも清潔に、東洋アルミホイルプロダクツ(新製品)」の見出しのもと「虫やカビを寄せ付けず、ソースや油などの汚れを防ぐ『防虫流し台シート』。」(「日経流通新聞」1994.2.19 7頁)
(3)「[ひろば]トリから揚げ 下味に工夫、カラッと」の見出しのもと「ガスこんろの周囲のタイルが油などで汚れます。汚れ防止のレンジパネルやシートが市販されていますが、私はラップを周りのタイル面に上から下まで縦に張って代用しています。」(「読売新聞」1994.6.2大阪朝刊16頁)
(4)「ソーラークッキングで砂漠思う NGOの世界会議に日本の主婦参加」の見出しのもと「必要なものは空き缶と飲料水のペットボトル、キッチンマットなどと呼ばれる油汚れ防止用のアルミはくのシート、それに魚を焼く金網。」(「朝日新聞」1994.8.17東京朝刊19頁)
(5)「アルファミック、システムキッチン対応の汚れ防止用品を16種発売」の見出しのもと「アルファミック・・・は、システムキッチン対応の台所の汚れ防止用品シリーズ(写真)十六品を、二十一日に発売する。価格は二百六十円から。ガスコンロ用アルミ箔(はく)マットなど台所の汚れ防止用品は家庭に浸透しているが、昨今のシステムキッチンの普及をとらえ、専用のシリーズを発売するもの。シリーズはレンジマットやレンジフードカバー、レンジパネル、キッチンシートなど。」(「日刊工業新聞」1995.7.24 14頁)
(6)「目地汚れ防止にロウソク(暮らしのワンポイント)」の見出しのもと「ガス台の前がステンレスであれば、市販の粘着透明シートを張っておき、汚れがたまったらはがしてまた張り変えるだけで掃除いらずだ。」(「日本経済新聞」1996.3.25夕刊7頁)
(7)「[健やかに住みたい]見えない汚染を考える(3)納得いく家づくり(連載)」の見出しのもと「木材をふんだんに使った庵奥さんの新居。汚れ防止のシートで覆った床はクリの板」(「読売新聞」1997.6.12大阪朝刊21頁)
(8)「台所水まわり用2枚重ねシート、ニトムズ(新製品)」の見出しのもと「二枚重ねのキッチンまわりの汚れ防止シート『粘着ダブルシート』。水まわりに適したポリエステル製フィルムを二枚張り合わせた。」(「日経流通新聞」1997.10.21 21頁)
(9)「台所浴室のタイル掃除敬遠で 樹脂パネルが脚光 優れた耐火性と安い工費」の見出しのもと「タイル壁でも、フッ素樹脂加工をしたシートを張れば、油汚れを防げる(東京ガス・フロロマテリアルのショールームで)」(「読売新聞」1997.11.7東京朝刊25頁)
(10)「女性による発明展が31年目 細かな生活の知恵満載 『なるほど展』に100点」の見出しのもと「寝たきりのお年寄りを抱き起こすのに便利なベルトや油料理の汚れを防ぐ床シートなどの入賞作品が、11日まで東京・新宿の京王百貨店で展示されている。・・・油料理をする時にキッチン前の床に広げて油汚れを防ぐ『床の油汚れ防止シート』(東京・山田秋江さん)や、大きな卵焼きや魚をひっくり返す時に幅を広げて使う『広がるフライがえし』(千葉・林喜美江さん)など、細やかな生活の知恵が一杯だ。」(「読売新聞」1998.3.8東京朝刊31頁)
(11)「汚れ・雑菌防ぐ調理台シート、東洋アルミホイルプロダクツ(新製品)」の見出しのもと「人造大理石でできた調理台の汚れや傷付きを防ぐシート『抗菌・透明・調理台保護シート』。抗菌加工を施した透明フィルム。調理台の表面に張るだけで汚れを防ぎ、雑菌の繁殖も抑える。」(「日経流通新聞」1999.8.12 14頁)
(12)「住軽アルミ箔、台所壁面の汚れ防止用粘着シートを発売」の見出しのもと「住軽アルミ箔・・・は、ローラーを使うことで簡単に張りはがしできるキッチン壁面用汚れ防止粘着シート『くるくる透明シート=写真』を10月1日から全国販売する。」(「日刊工業新聞」1999.9.29 21頁)
(13)「ローラーで張り付け簡単、住軽アルミ箔(新製品)」の見出しのもと「ローラーを使ってきれいに張れる、キッチンの壁面汚れ防止用粘着シート『くるくる透明シート』。壁面を油汚れやほこりから守る目的で使用する。」(「日経流通新聞」1999.10.9 4頁)
(14)「粘着剤付き透明フィルム『くるくる透明シート』、住軽アルミ箔(視点採点)」の見出しのもと「ローラーできれいに張れるキッチンの壁面汚れ防止用粘着シート。主婦の間で悩みの多かった油による壁の汚れやほこりを防ぐことができる。」(「日本経済新聞」1999.11.14朝刊6頁)
(15)「【レンジ周りの壁の汚れを予防】汚れ予防用のシートを貼ります。これらのシートが貼れる壁は、ステンレスやタイルの壁で、汚れを落としてから貼りましょう。いろいろなタイプのシートがあるのでご紹介します。1.アルミシート2.タイル柄シート(粘着剤つき)3.透明粘着シート」(http://www.yomiuri.co.jp/homeguide/repair/20040213_01.htm)
(16)「汚れたら取りかえられるシート類を上手に使って日頃の汚れ予防。タイルのめじは一度汚れてしまうとなかなか白く落ちません。拭き掃除をするよりもキッチンシートなどを貼って汚れ防止をする方が便利だし、おしゃれ。ステンシル風のタイルをイメージしたかわいいシートで汚れ防止とインテリアの2役を。意外に汚れのたまるガステーブルの下にはアルミシートを。」(http://www.nihonseihaku.co.jp/homegoods/main/life/life_05.html)
(17)「ガスレンジ台に防汚シートを敷いておくと汚れ防止になります。」(http://www.osouji.com/osoujidic/jissen/jissenhtml/kd4-1-1.html)
(18)「☆ガスコンロの周りの油汚れ防止☆ガスコンロの周りは、油がとんで壁がベタベタになってしまう。達人は、クッキングシートを壁に貼って、汚れを防止している。」(http://www.tv-asahi.co.jp/super-j/0308/06.html)
(19)「ガスレンジの油汚れを予防するには、粘着剤つきのアルミシートを貼ると良いでしょう。また、壁の汚れ予防にはアルミシート、ステンレスシート、汚れ防止用フィルムや難燃性のプラスチックタイルなどがあり、色や柄も多彩ですのでこれらを使用するのも良いでしょう。これらのシートは汚れたら貼り替えれば清掃が簡単です。」(http://www.yomiuri.co.jp/homeguide/repair/20020215_01.htm)
(20)「キッチン汚れ防止粘着シート●商品サイズ/約45×90mm●材質/アルミニウム箔、ポリエステルフィルム」(http://www.rakuten.co.jp/hyakuemon/430111/575350/)
(21)「壁面に汚れ防止シート 簡単に貼れるキッチンシートで壁面の汚れや黒ずみをかしこく防ぎます。」(http://www.toyo-alumifoil.jp/clean_kitchen/wall/index.html)
(22)「防汚シート(ベランダ用・キッチン用)」(http://www.meiwakami.com/shop/itemlist.htm)
してみると、輪郭内に「汚さないシート」の文字を書してなる本願商標を、その指定商品中の「ガスコンロの載置面に敷設して用いられる汚れ防止用シート,壁面の汚れ防止用シート,台所の汚れ防止用シート,流し台の収納庫の汚れ防止用シート,流し台の汚れ防止用シート,床の汚れ防止用シート」等に使用するときは、これに接する取引者、需要者は、その商品が前記した各所の汚れを防止するためのシートであるという、商品の品質を表示したものと直ちに理解、認識するというべきであり、自他商品の識別標識としての機能を果たし得ず、また、前記した「各所の汚れ防止用シート」以外の商品に使用するときは、商品の品質について誤認を生じさせるおそれがあるものといわなければならない。
したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当する。

3 請求人の主張
(1)引用の資料には汚れを防ぐシート、防汚シート等が紹介されているが、いずれも「汚れを防ぐ」、「防汚」などの一般的用法をもって説明しているものであり、「汚さないシート」という表現方法をとったものは皆無である。「汚さない」と「シート」を直接結合した「汚さないシート」は表現が曖昧であり、意味するところがダイレクトに伝わるものではない。品質・用途表示として不適当なことは、引用の資料においても「汚さないシート」という表現が一切使用されていないことからも明白である。
(2)本願商標は、特異な輪郭図形を有している。この輪郭図形と文字部分とが一体となって、全体で一見して、商標使用主が自己の商品を他人の商品と識別するために使用している商標であると需要者をして認識せしめることは明白であり、登録要件を具備するものである。

4 当審の判断
本願商標は、「汚さないシート」の文字と、その構成文字の外形沿いに表された輪郭よりなるところ、該文字は、「汚くしないためのシート」、「汚れを防ぐためのシート」等の意味合いを容易に理解、認識させるものである。そして、構成文字に輪郭を設けることによって当該文字を強調し、視覚的に印象づける手法もまた、広く採用されているところである。
加えて、「汚れ防止用のシート」が広く販売・使用されていることは、前記2の拒絶の理由中に示した新聞記事情報及びインターネットの各種情報によっても、十分に認められるところである。
してみると、輪郭内に「汚さないシート」の文字を書してなる本願商標を、その指定商品中の「ガスコンロの載置面に敷設して用いられる汚れ防止用シート,壁面の汚れ防止用シート,台所の汚れ防止用シート,流し台の収納庫の汚れ防止用シート,流し台の汚れ防止用シート,床の汚れ防止用シート」等に使用するときは、これに接する取引者、需要者は、その商品が前記した各所の汚れを防止するためのシートであるという、商品の品質を表示したものと直ちに理解、認識するというべきであり、自他商品の識別標識としての機能を果たし得ず、また、前記した「各所の汚れ防止用シート」以外の商品に使用するときは、商品の品質について誤認を生じさせるおそれがあるものといわなければならない。
したがって、本願商標が商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するとした、前記2の拒絶の理由は妥当なものと認められるので、本願は、この拒絶の理由によって拒絶をすべきものである。
なお、請求人は、当審における拒絶理由通知に対する意見書において、前記3に記載のとおり、引用の資料には「汚さないシート」という表現方法をとったものは皆無であり、また、本願商標は、特異な輪郭図形を有しているから、この輪郭図形と文字部分とが一体となって、自他商品の識別標識としての機能を有する旨を主張しているが、同一表現例の有無にかかわらず、本願商標は、前記のとおり判断するのが相当であるから、請求人の主張は採用することができない。
よって、結論のとおり審決する。
別掲 別 掲
本願商標

審理終結日 2004-08-19 
結審通知日 2004-08-24 
審決日 2004-09-09 
出願番号 商願2000-2983(T2000-2983) 
審決分類 T 1 8・ 13- Z (Z21)
T 1 8・ 272- Z (Z21)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 土屋 良弘田代 茂夫 
特許庁審判長 小川 有三
特許庁審判官 早川 文宏
岩内 三夫
商標の称呼 ヨゴサナイシート、ヨゴサナイ 
代理人 稗苗 秀三 
代理人 後藤 誠司 
代理人 大島 泰甫 

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