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審決分類 審判 査定不服 商4条1項16号品質の誤認 登録しない Z09
管理番号 1106541 
審判番号 不服2001-10852 
総通号数 60 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2004-12-24 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2001-06-26 
確定日 2004-10-19 
事件の表示 商願2000- 26611拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。
理由 1 本願商標
本願商標は、「IDマウス」の文字を標準文字を用いて横書きしてなり、商品及び役務の区分第9類に属する願書に記載の商品を指定商品として、平成12年3月17日に登録出願され、その後、指定商品について、同13年5月16日付手続補正書により「理化学機械器具,測定機械器具,配電用又は制御用の機械器具,電池,電気磁気測定器,電線及びケーブル,写真機械器具,映画機械器具,光学機械器具,眼鏡,加工ガラス(建築用のものを除く。),電気通信機械器具,コンピュータ用入力装置その他の電子応用機械器具,レコード,電子管,半導体素子,電子回路(電子計算機用プログラムを記憶させた電子回路を除く。),集積回路,オゾン発生器,回転変流機,磁心,映写フィルム,スライドフィルム,ガソリンステーション用装置,自動販売機,駐車場用硬貨作動式ゲート,家庭用テレビゲームおもちゃ」と補正されたものである。

2 原査定の拒絶の理由の要点
原審において、「本願商標は、商品の記号・符号等を表すものとして一般に広く使用されている、欧文字2文字を組み合わせたものの一類型と認められる「ID」の欧文字と、本願指定商品との関係においては、コンピュータの入力装置の一種で、小さな箱形のポインティングディバイスを表す語として一般に使用されている「マウス」の片仮名文字とを、一連に普通に用いられる方法で書してなるものにすぎないものであるから、これをその指定商品中「マウス,マウスを使用した商品」に使用しても、単に商品の品質を表示するに過ぎず、自他商品識別標識としての機能を果たすことができない商標と認める。したがって、この商標登録出願に係る商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記商品以外の商品に使用するときは、商品の品質の誤認を生じさせるおそれがあるから、商標法第4条1項16号に該当する。」として、本願を拒絶したものである。

3 当審の判断
本願商標は、前記1のとおり「IDマウス」の文字よりなるところ、構成中後半の「マウス」の文字部分は、一般に「ハツカネズミ」の意味合いで親しまれている平易な外来語であるが、本願指定商品の取引者・需要者間においては、同意味合いの他、「コンピューター等の入力装置」の意味合いをもって一般に通用しかつ取引上普通に用いられる語と認められる。
他方、同前半の「ID」の文字部分が、商品の記号・符号を表示するために類型的に用いられているアルファベット2文字の組み合わせの一であるとしても、これが具体的に商品の品質を表示するものとして取引上普通に用いられている語とは認められないところである。
そうすると、前記各語の結合よりなる本願商標からは、全体として具体的な商品の品質を認識させるものとはいえず、本願商標は、自他商品識別力を具有し得るものとみるのが相当である。
しかして、本願商標構成中の「マウス」の文字が本願指定商品中「電子応用機械器具」を取り扱う業界にあっては、「コンピューターへの入力用装置(ポインティングデバイス)の一種」の意味合いで広く親しまれている語であり、該機器を指称する語として、容易に理解され、かつ、取引上普通に使用されている状況が、例えば、以下の各種辞典の記載やインターネット上の記事等により認めることができる。
(ア)広辞苑第5版((株)岩波書店刊)の「マウス」の項における「2(形状がネズミに似るところから)コンピューターの位置入力装置の一。操作者の手元の平面で動かしたときの前後左右の移動量を利用する。カーソルや図形情報の移動に用いる。」の解説
(イ)現代用語の基礎知識2003年版((株)自由国民社刊)の「パソコン用語の解説」の章における「周辺機器」の「マウス」の項(第721頁)の「画面上のポインタ(矢印)を動かす機器。・・・これらをポインティングデバイスという。」の解説
(ウ)インターネットにおける検索(例えば「Google」、「YAHOO」といった各社が提供している検索エンジン)を用いて「マウス」及び「電子機器」の語で検索した結果、非常に多数の記事が検索条件に該当するものとして表示された。
以上によれば、「マウス」の文字(語)は、コンピューターへの入力を行うための機器を表すものとして、コンピューター関連の業界で普通一般に通用し、かつ、取引上普通に使用されている状況がすでに顕著な事実と認められる。
そうとすれば、本願商標を、その指定商品中の「電子応用機械器具」にあっては「電子計算機用マウス」以外の商品について使用するときは、これに接する取引者、需要者は、前記事情よりして恰も該装置であるかの如く、その商品の品質について誤認を生じさせるおそれがあるものといわなければならない。
そして、この点に関し当審において改めてその回答を求めた平成15年10月15日付審尋に対しても、何ら応答するところがない。
してみれば、本願商標は商標法第4条第1項第16号に該当するものであるというべきであり、その旨を認定、判断した原査定は、これを取り消す限りでない。
よって、結論のとおり審決する。
審理終結日 2004-05-17 
結審通知日 2004-05-21 
審決日 2004-06-01 
出願番号 商願2000-26611(T2000-26611) 
審決分類 T 1 8・ 272- Z (Z09)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 小出 浩子 
特許庁審判長 小林 薫
特許庁審判官 薩摩 純一
岩崎 良子
商標の称呼 アイデイマウス、アイデイ、マウス 
代理人 渡辺 秀治 

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