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審決分類 審判 全部申立て  登録を取消(一部取消、一部維持) 021
審判 全部申立て  登録を取消(一部取消、一部維持) 021
審判 全部申立て  登録を取消(一部取消、一部維持) 021
審判 全部申立て  登録を取消(一部取消、一部維持) 021
管理番号 1104955 
異議申立番号 異議2003-90172 
総通号数 59 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2004-11-26 
種別 異議の決定 
異議申立日 2003-04-04 
確定日 2004-09-09 
異議申立件数
事件の表示 登録第4632521号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 登録第4632521号商標の指定商品中、第21類「食器類(貴金属製のものを除く。),花瓶及び水盤(貴金属製のものを除く。)」についての商標登録を取り消す。 本件登録異議の申立てに係るその余の指定商品についての商標登録を維持する。
理由 第1 本件商標
本件登録第4632521号商標(以下「本件商標」という。)は、平成6年12月22日に登録出願され、別掲に示すとおりの構成よりなり、第21類「食器類(貴金属製のものを除く。),陶磁製包装用容器,花瓶及び水盤(貴金属製のものを除く。)」を指定商品として、同14年12月27日に設定登録されたものである。

第2 申立人の主張する取消理由
本件登録異議申立人は(以下「申立人」という。)、本件商標は商標法4条1項11号、同10号、同15号、及び同8号に違反して登録されたものであり、その登録は取り消されるべきであると主張している。

第3 本件商標に対する取消理由
当合議体は、商標権者に対して、平成15年11月12日付で下記内容の取消理由を通知した。

申立人の提出に係る甲各号証のほか、当審において職権による調査をした結果、以下に記載の理由のとおり、本件登録異議申立は、本件商標が商標法4条1項11号に違反して登録されたとの主張部分については、その理由があると判断される。
<理由>
1 本件商標の構成は、上記したとおりのものであって、中央部分の円輪郭中に「LIBETY」の欧文字を顕著に表してなるものである。
2 しかして、この「LIBERTY」の文字について、申立人は、自他商品識別標識力が乏しいといった特別な事情は存在せず、申立人の商品等を表示する周知・著名商標であり、商品の識別標識として充分に認識され得る旨主張している。
そこで、本件商標中の「LIBERTY」の文字が自他商品識別標識として機能するものであるか否かについて検討するに、申立人が提出した甲各号証及び職権に基づく調査によれば、以下の事実が認められる。
(1)甲第9号証の105頁には「リバティ」の標章により、「バッグ」等の小物・雑貨の商品の宣伝がされている。
(2)甲第16号証の8頁には「限りないロマンがあふれるリバティの小物」の語とともに「ワンピース、ハンカチ、カップ・ソーサ」等の商品の宣伝がされている。
(3)「フェアチャイルドファッション辞典」(株式会社 鎌倉書房 昭和52年発行)の「Libety」の項には、「リバティー・プリント・・と呼ばれる綿プリントを製造しているロンドンの生地メーカーの商標.」との記載がある。
(4)「英和商品名辞典」(株式会社 研究社 初版 第1刷 1990年発行)の「Libety」の項には、「レース製造業者の息子・・が1875年に創業した会社(Liberty plc),同社が経営するLondon・・にある高級デパート(Libety and Co.,Ltd),同店製のプリント布(通称Libety Print)・・・同布を用いたハンドバッグ類・人形などもある.」との記載がある。
上記の(1)ないし(4)に照らせば、「Libety」、「リバティ」の語は、繊維、雑貨等のなどの商品に申立人が商標として使用しているといえるものである。
3 一方、本件商標中の「LIBERTY」の文字については、本件商標にかかる出願の拒絶査定不服審判の審決(甲第39号証、以下「原審審決」という。)において、次のような認定がされているところである。
<原審審決の認定>
(本願商標中の)円輪郭内に書された「LIBERTY」「ANNO」「1905」の各文字については、19世紀末から20世紀初頭にかけてヨーロッパで流行した装飾様式の一つを「リバティ・スタイル」と称することがあること及び近年においても「リバティ・スタイル展」といった名称の下にリバティ様式の家具、調度品、小物類が展示されている催しも開催されていることよりすれば、本願の指定商品との関係において「LIBERTY」「ANNO」「1905」の文字部分からかつて流行した装飾様式であるリバティ様式を取引者、需要者に認識させ、商品の装飾様式を表示したものと理解されることも少なからず存するものといえることから、該文字部分には自他商品の識別力が乏しいものといわざるを得ない。
そうとすれば、本願商標は、その構成中「GINORI」の文字に相応して「ジノリ」の称呼が生ずるというのが相当であって、「LIBERTY」の文字部分を捉えて取引に当たるとは認められないものであり、これより単なる「リバティ」の称呼は生じないものといわなければならない。
4 そこで、以下、原審審決が「『LIBERTY』の文字部分は自他商品の識別力が乏しく、同文字部分を捉えて取引に当たるとは認められない。」旨認定した根拠である「リバティ・スタイル」、「リバティ・スタイル展」について検討する。
(1)申立人が提出した甲第20号証は、1999年6月に行われた「リバティ・スタイル展」とのタイトルの「家具、陶磁器、ガラス器、銀器」などのデザイン展のパンフレットと認められるところ、その二葉目には、「本展の開催に当たり・・・多大な協力をいただいたリバティ社」との記載が認められる。
(2)同甲第21号証の新聞には、上記「リバティ・スタイル展」の宣伝がなされているところ、ここに「協賛 LIBETY PLC、リバティジャパン・・・」との表示が認められる。
(3)原審審決がなされた以前の、平成12年2月22日付毎日新聞大阪版夕刊には、リバティ・スタイル展が大丸ミュージアム梅田で開催されるとの見出しのもと、リバティ・スタイルについて、「19世紀末から20世紀にかけてヨーロッパを覆った芸術・デザイン運動アール・ヌーボー(新芸術)。イギリスでのアール・ヌーボーのけん引的役割を果たし、ヨーロッパ中に影響を与えたのがロンドンの老舗(しにせ)百貨店『リバティ』が生み出したオリジナル・デザイン『リバティ・スタイル』だった。」との記事が認められる。
(4)上記の(1)ないし(3)によれば、原審審決が認定した「19世紀末から20世紀初頭にかけてヨーロッパで流行した装飾様式の一つを『リバティ・スタイル』と称することがある」との認定は、その限りで誤りとすることはできないものの、それとともに、申立人が生み出したデザイン様式の名称であり、申立人の取り扱う商品のデザインの名称としても理解されることがあるとみても差し支えないと判断される。
5 以上の「1」ないし「4」に照らせば、本件商標は、その構成中の「LIBERTY」の文字部分は自他商品識別標識としての機能を果たし得ないとはいえず、本件商標は、この「LIBERTY」の文字部分をもって取引に資されることも決して少なくないというのが相当である。
6 そうとすれば、本件商標は、登録第2113844号商標(「LIBETY」の文字を書してなり、昭和59年6月21日登録出願、第20類「家具、畳類、建具、屋内装置品(書画及び彫刻を除く)、屋外装置品(他の類に属するものを除く)記念カツプ類、葬祭用具」を指定商品として平成1年2月21日に設定登録され、現在も権利が存続している登録商標、以下「引用商標A」という。)及び、登録第2287045号商標(「LIBETY」の文字を書してなり、昭和63年9月2日登録出願、平成2年12月26日に設定登録され、その後、平成15年8月27日に、第14類「貴金属製の食器類,貴金属製のナプキンホルダー,貴金属製のナプキンリング,貴金属製の盆,貴金属製のようじ入れ,貴金属製針入れ」、第21類「食卓用器具(ナイフ・フォーク・スプーン及び貴金属製のものを除く。),ナプキンホルダー(貴金属製のものを除く。),ナプキンリング(貴金属製のものを除く。),盆(貴金属製のものを除く。)」外を指定商品として指定商品の書換登録の設定がなされ、現在も権利が存続している登録商標、以下「引用商標B」という。)と類似の商標であって、本件商標の指定商品中「花瓶及び水盤(貴金属製のものを除く。)」は、引用商標Aの指定商品「屋内装置品(書画及び彫刻を除く)」中の「花瓶 水盤 風りん」と同一又は類似の商品であり、本件商標の指定商品中「食器類(貴金属製のものを除く。)」は、引用商標Bの指定商品中の第21類「食卓用器具(ナイフ・フォーク・スプーン及び貴金属製のものを除く。)」と同一又は類似の商品であるから、本件商標は、その指定商品中「食器類(貴金属製のものを除く。),花瓶及び水盤(貴金属製のものを除く。)」について、商標法4条1項11号に違反して登録されたものというべきである。

第4 当審の判断
1 本件商標は商標法4条1項11号に違反して登録されたとの登録異議の申立について
当合議体は、上記「第3」の取消理由の通知について、期間を指定して意見書を提出する機会を与えたが、商標権者からは何らの応答もない。そして、上記「第3」の取消理由は妥当なものと認められる。
2 本件商標は商標法4条1項10号、同15号、及び同8号に違反して登録されたとの登録異議の申立について
申立人が提出した甲第4号証ないし同第38号証について検討すれば、これらの甲各号証によっては、「LIBERTY」、「Libety」、「リバティ」の文字に接する取引者・需要者が、これを直ちに、申立人の商号の著名な略称であると認識するとみるには十分とはいえないものと判断される。
また、同様に、「LIBERTY」、「Libety」、「リバティ」の文字が、申立人の取り扱いに係る商品を表示する商標として、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、周知・著名なものとなっていたと認めるに十分とはいえず、本件商標をその指定商品に使用しても、その商品が申立人または同人と何らかの関係のある者の業務に係るものであるかのように、商品の出所についての混同を生ずるおそれがあるとすることはできない。
3 結論
以上によれば、本件商標は、その指定商品中「食器類(貴金属製のものを除く。),花瓶及び水盤(貴金属製のものを除く。)」については、商標法4条1項11号に違反して登録されたものであるから、本件商標登録は、この指定商品については、商標法43条の3第2項の規定により取り消すべきものである。
そして、本件商標は、その余の指定商品については、商標法4条1項11号、同10号、同15号、及び同8号に違反して登録されたということができないから、商標法43条の3第4項の規定により、その登録を維持すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
別掲 【別掲】
本件商標(登録第4632521号商標)

異議決定日 2004-04-19 
出願番号 商願平6-128627 
審決分類 T 1 651・ 23- ZC (021)
T 1 651・ 271- ZC (021)
T 1 651・ 262- ZC (021)
T 1 651・ 25- ZC (021)
最終処分 一部取消  
前審関与審査官 高山 勝治 
特許庁審判長 佐藤 正雄
特許庁審判官 山本 良廣
宮川 久成
登録日 2002-12-27 
登録番号 商標登録第4632521号(T4632521) 
権利者 リチヤード ジノリ 1735 エツセ・ピー・アー
商標の称呼 ジノリ、リプロドットアドッチアネルイチキューキューヨン、リバティーアンノイチキューゼロゴ、リバティーアンノ、リバティー 
代理人 木村 三朗 
代理人 佐々木 宗治 
代理人 井滝 裕敬 
代理人 松尾 和子 
代理人 中村 稔 
代理人 大村 昇 
代理人 熊倉 禎男 
代理人 大島 厚 

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