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審決分類 審判 全部取消 商50条不使用による取り消し 無効としない 007
管理番号 1104901 
審判番号 取消2003-30103 
総通号数 59 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2004-11-26 
種別 商標取消の審決 
審判請求日 2003-01-28 
確定日 2004-07-16 
事件の表示 上記当事者間の登録第3349425号商標の登録取消審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 審判費用は、請求人の負担とする。
理由 1.本件商標
本件登録第3349425号商標(以下「本件商標」という。)は、平成7年4月20日に登録出願され、「DOKEX」の欧文字を横書きしてなり、第7類「押出し成形機,その他プラスチック製品製造機械」を指定商品として、平成9年10月3日に設定登録されたものである。

2.請求人の主張
請求人は、商標法第50条第1項の規定により、本件商標の登録を取り消す、審判費用は被請求人の負担とする。との審決を求め、その理由及び答弁に対する弁駁を要旨次のように述べ、その証拠方法として甲第1及び第2号証を提出した。
(1)請求の理由
本件商標は、その指定商品「押出し成形機、その他プラスチック製品製造機械」について、継続して3年以上日本国内において商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれも使用した事実が存在しないから、本件商標の登録は、取消されるべきものである。
(2)弁駁の内容
本商標権の前権利者はマックス・グートクネヒト個人である。一方、被請求人が提出した乙第4号証の契約書の当事者は、「Daicos」社と「DOK」社と云う法人であって、商標権者たるマックス・グートクネヒトが契約当事者ではない。
してみれば、法人とこの法人の代表者とは、法律上区別されなければならないから、法人である「Daicos」社は、商標権者ではないので、本件商標のライセンサーとはなり得ない。
被請求人は第2回答弁書においてもこの点の弁明が全くない。また、追加提出された乙第6、7号証も全くその証拠力を有しないものである。
したがって、「DOK」社は、通常使用権者ではなく、「DOK」社が使用したとする乙号各証を以って行っている使用の事実の主張・立証は、本件の不使用取消審判の要件事実とはなり得ない。
よって、請求人は、請求の趣旨どおりの審決を求めるものである。

3.被請求人の答弁
被請求人は、結論同旨の審決を求めると答弁し、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として乙第1ないし第7号証を提出した。
本件商標は、本件審判請求登録日前の商標権者であるマックス・グートクネヒト(以下「旧商標権者」という。)、通常使用権利者である東京都豊島区東池袋1-48-10に所在する株式会社ディーオーケー、DOKEX AG社により本件審判請求の登録(2003年2月26日)前3年以内に日本において指定商品「押出し成形機」について、広告又は販売において使用されていたものである。
旧商標権者は、乙第1号証、乙第2号証、乙第5号証に表示されたDOKEX AG社の経営者であり、同社に本件商標を使用させていた。
上記事実を示す証拠として、以下の証拠を提出する。
(1)乙第1号証の通常使用権者である株式会社ディーオーケー作成による商品カタログ(写し)には、本件商標「DOKEX」、本件商標の使用に係る商品「成形機」の文字及び写真が表示されている。旧商標権者が経営者をつとめ、本件商標を使用させていたDOKEX社の表示がある。
(2)乙第2号証の通常使用権者である株式会社ディーオーケー作成による商品カタログ(写し)には、本件商標「DOKEX」、本件商標の使用に係る商品「成形機」の文字及び写真が表示されている。旧商標権者が経営者をつとめ、本件商標を使用させていたDOKEX社の表示がある。
(3)乙第3号証の平成12年5月31日忠栄印刷株式会社作成の「DOKEX」に関するポスター及びカタログに関する請求明細書(写し)には、「DOKEXカタログ」2000部140,000円の表示がある。
(4)乙第4号証の旧商標権者及び現商標権者が経営する「Daicos AG社と通常使用権者である株式会社ディーオーケーとの本件商標に関する2002年6月23日付ライセンス契約書(写し)1頁には、Productの発明者及び開発者である旧商標権者「Max Gutknecht」及び現商標権者「Hans-Rudolf Gutknecht」の氏名が表示されている。2頁1条(e)項には、商標として「DOKEX」が表示されている。
(5)乙第5号証の平成13年10月1日株式会社日報アイ・ビー発行の雑誌「月刊廃棄物」に掲載された商標「DOKEX」の使用に係る商品「成形機」の商品広告(写し)には、旧商標権者が経営者をつとめ、本件商標を使用させていたDOKEX社の表示がある。
乙第6号証の2000年4月5日作成DOKEX AG社と日本の顧客、長野県飯山市に所在する飯山陸送株式会社との商品売買契約書(写し)には、その契約書の1頁目に当事者の名称・住所、10頁目に商標「DOKEX」とその価格「970,500.00(スイスフラン)」の表示、11頁目にDOKEX AG及び飯山陸送株式会社の各代表者の署名がある。
(6)乙第7号証の飯山陸送株式会社と株式会社ディーオーケーとの間における販売委託業務に関する2000年4月10日付覚書(写し)は、乙第6号証(商品売買契約)に関連して締結された、飯山陸送株式会社と株式会社ディーオーケーとの販売委託業務に関する覚書(写し)である。
以上より、本件審判請求に理由がないことは明らかであるから、本件審判請求は成り立たないとの審決を求めるものである。

4.当審の判断
本件審判において被請求人より提出された乙第1ないし第4号証についてみるに、乙第1号証及び同第2号証は、東京都豊島区東池袋1-48-10三京ビル6F618に所在する株式会社ディーオーケーの作成に係る商品カタログと認められるところ、これらのカタログには、圧縮技術と成型技術を備えているとされる「減容成形機」がカラーで印刷されており、これに本件商標と社会通念上同一と認められる「DOKEX」の商標が表示されている。そして、乙第3号証は、忠栄印刷株式会社が平成12年5月31日に発行したポスター及びカタログの請求明細書(写し)と認められるものであり、その明細書の「12 529」(「平成12年5月29日」と解される。)の欄に「DOKEXポスター」及び「DOKEXカタログ」と記載され、その下に「(株)ディーオーケー」と記入されていて、それぞれ4種及び2000部の印刷に相当する単価及び請求金額が各欄に記入されていることが認められる。
また、乙第4号証は、商標(及び特許等)に関する2002年6月23日付けの英文によるライセンス契約書(写し)と認められるところ、この書面は、Switzerland所在の「Daicos AG」(以下「Daicos社」という。)と618 25 Sankyo Building, 1-48-10・Higashi Ikebukuro, Toshima-ku, Tokyo, Japan所在の「DOK Co.,Ltd」(以下「DOK社」という。)との間で交わされたと認められる契約書であり、その1頁には「Max Gutknecht」及び「Hans-Rudolf Gutknecht」が当該製品の発明者及び開発者として記載されている。そして本件商標登録原簿の記載によれば、「Max Gutknecht」(マックス グートクネヒト)氏は本件審判請求の登録(平成15年2月26日)以前の商標権者であることが確認できる(なお、本件商標の商標権は平成15年6月18日に「ハンス・ルドルフ・グートクネヒト」に移転する登録がされている。)。そして、本件商標権者(以下、旧商標権者である「マックス グートクネヒト」をいう。)は、「Daicos社」及び「DOK社」と密接な関係にある者とみられることからして、「Daicos社」及び「DOK社」は通常使用権者と推認し得るところである。
そして、この契約に係る商標(TRADEMARKS)の項には「DOKEX」と表示されており、また該「DOK社」は、その所在地の表示から乙第1号証及び同第2号証の商品カタログの作成者「株式会社ディーオーケー」と一致するものであり、かつ、同社は乙第4号証の文面を総合勘案すれば、本件商標に係る通常使用権者と判断するのが相当である。
しかして、前記の各証拠に表示されている請求明細書の日付及びライセンス契約書の日付からすれば、本件審判請求の登録(平成15年2月26日)前3年以内に本件商標の指定商品に属する商品「成形機」について、本件商標の通常使用権者と認め得る「株式会社ディーオーケー」によって、本件商標が使用されて実際に取引きが行われていたことを認めることができる。
なお、請求人は弁駁書において、「株式会社ディーオーケー」(「DOK社」)は、通常使用権者ではない旨を主張しているが、本件審判の請求は、被請求人より提出された乙第1ないし第4号証によって、上記のとおり判断し認定できるものであり、この点に関する請求人の主張は採用することができない。
してみれば、本件商標は、本件審判請求の登録前3年以内に日本国内において、通常使用権者により本件商標と社会通念上同一の商標と認められる商標を本件審判の請求に係る指定商品に含まれる「成形機」について、使用されていたものと認めることができる。
したがって、本件商標の登録は、商標法第50条の規定により取り消すべきものではない。
よって、結論のとおり審決する。
審理終結日 2003-06-23 
結審通知日 2003-06-26 
審決日 2004-06-04 
出願番号 商願平7-38957 
審決分類 T 1 31・ 1- Y (007)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 大橋 信彦 
特許庁審判長 宮下 正之
特許庁審判官 小川 有三
富田 領一郎
登録日 1997-10-03 
登録番号 商標登録第3349425号(T3349425) 
商標の称呼 ドケックス 
代理人 足立 泉 
代理人 大橋 弘 
代理人 中田 和博 
代理人 青木 博通 
代理人 柳生 征男 

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