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審判番号(事件番号) データベース 権利
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取消2009301157 審決 商標
取消200130928 審決 商標
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審決分類 審判 一部取消 商50条不使用による取り消し 無効とする(請求全部成立)取り消す(申し立て全部成立) Z25
管理番号 1104617 
審判番号 取消2003-31718 
総通号数 59 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2004-11-26 
種別 商標取消の審決 
審判請求日 2003-12-24 
確定日 2004-09-16 
事件の表示 上記当事者間の登録第4182154号商標の登録取消審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 登録第4182154号商標の指定商品中「運動用特殊衣服,運動用特殊靴」については、その登録を取り消す。 審判費用は、被請求人の負担とする。
理由 第1 本件商標
本件登録第4182154号商標(以下「本件商標」という。)は、「TINCUP」の欧文字を標準文字をもって書してなり、第25類「被服,ガーター,靴下止め,ズボンつり,バンド,ベルト,履き物,運動用特殊衣服,運動用特殊靴」を指定商品として、平成9年5月8日登録出願、同10年8月28日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。

第2 請求人の主張
請求人は、結論同旨の審決を求めると申し立て、その理由及び答弁に対する弁駁を要旨次のように述べ、証拠方法として、甲第1号証を提出した。
1 請求の理由
本件商標は、継続して過去3年以上日本国内において商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれによっても、その指定商品中の「運動用特殊衣服,運動用特殊靴」について使用されていないから、商標法50条1項の規定によりその登録は取り消されるべきである。
2 答弁に対する弁駁
(1)被請求人は、ゴルフ用ポロシャツ、ダウンジャケットについて、本件商標を使用していると主張し、乙第1号証ないし乙第4号証を提出するが、本件請求に係る商品は、「運動用特殊衣服,運動用特殊靴」であり、これら商品は、運動を目的とした特殊な機能、形状を備えているものに限定されるものである。
ところが、使用に係る商品は、名称としてその一部に「ゴルフ」というスポーツを意味する語を含んでいるが、何ら特殊な機能、形状を備えているものではないことは、乙第2号証及び乙第3号証の写真から明らかである。
また、使用に係る商品は、「類似商品・役務審査基準」(甲第1号証)に、具体的商品として例示された商品から明らかなように、通常の被服として区分されており、請求に係る指定商品とは異なるものである。
(2)したがって、被請求人の主張及び証拠方法は、本件商標の不使用を免れることはできないものであるから、本件商標は、その指定商品中の「運動用特殊衣服,運動用特殊靴」についての登録は、商標法50条1項の規定により取り消されるべきである。

第3 被請求人の答弁
被請求人は、「本件審判の請求は成り立たない。審判費用は請求人の負担とする。」との審決を求めると答弁し、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として、乙第1号証ないし乙第4号証を提出した。
1 本件商標の商標権者(被請求人)は、平成15年春夏用のゴルフ用ポロシャツを、本件商標を付して製品化し、名古屋に本部がある大手量販店の「ユニー株式会社」から各店のスポーツ用品売場で販売している。
また、被請求人は、平成16年1月に、本件商標を付したダウンジャケットを製品化し、ユニー株式会社の各店に販売している。
2 したがって、被請求人は、本件商標を使用していた事実は明らかである。

第4 当審の判断
1 乙第1号証ないし乙第4号証によれば、本件商標の商標権者(被請求人)は、本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において、ゴルフ用ポロシャツ、ダウンジャケットに本件商標と社会通念上同一と認められる商標を使用していた事実を認めることができる。
そこで、使用に係る商品「ゴルフ用ポロシャツ、ダウンジャケット」が本件請求に係る指定商品である「運動用特殊衣服,運動用特殊靴」に含まれるものであるか否かについて検討する。
2(1)ポロシャツについて
ポロシャツは、「衿付半袖のシャツ。もとはポロ競技に着られたものであるが、近年では一般のスポーツに、また遊び着的に広範囲に用いられている。」(「新・田中千代 服飾事典」(同文書院、1991年10月22日第一版第1刷発行、986頁)ものであり、また、同書の「ゴルフ・コスチューム」の項目(356頁)には、ゴルフをするのに適した服装として、「ブラウス、あるいはセーター、ジャケット、スカート、スラックス、ショーツなどが用いられるが、近頃はポロシャツにスラックスという装いが最も一般的である。」ことが記載されている。
そうすると、ゴルフに用いられる上衣(シャツ類)は、ゴルフ専用のものがあるのではなく、ゴルフをしやすい伸縮性のあるものが用いられ、多くの場合は、ポロシャツが用いられるということができる。
以上からすれば、使用に係る商品「ゴルフ用ポロシャツ」は、「ゴルフ用」との記載があるとしても、広範囲に用いられる一般的なポロシャツと機能面等からみて何ら変わるところがないものというのが相当である。
(2)ダウンジャケット
ダウンジャケットは、「(水鳥の)綿毛を詰め、キルティングを施したナイロン地の防寒用上衣」(「コンサイスカタカナ語辞典 第2版」株式会社三省堂、2002年11月1日第6刷発行、575頁)であって、もとはスキーなどをする際の防寒用上衣として用いられていたものであったが、単に防寒用として用いられていたにすぎないものであって、ある特定のスポーツに限って用いられるといった特殊的な機能は有しないものである。そして、近時は、軽くて暖かいという利点から、スキー等のスポーツ時のみならず、一般着として日常的に広く用いられているものである。
(3)ところで、商標法施行規則別表による商品区分第25類(以下「別表第25類」という。)に属する「運動用特殊衣服」は、スポーツをする際に限って着用する特殊な衣服が含まれ、スポーツ以外の日常生活でも使用され、特殊なものでもないものは含まれない(「商品及び役務区分解説」社団法人発明協会、1996年12月25日改訂第3版発行)。
そして、別表第25類の「一 被服」の概念に含まれる「(一)洋服」には、「ジョギングパンツ、スウェットパンツ、スキージャケット、スキーズボン」などスポーツ以外の日常生活でも使用され、格別特殊でないものが例示されているところであり、「(四)ワイシャツ類」においても、同様に、「スポーツシャツ、ポロシャツ」が例示されている。
そうすると、本件使用に係る商品「ゴルフ用ポロシャツ、ダウンジャケット」が、スポーツをする際に限ってのみ着用される特殊な衣服であるという特別の事情が立証されない限り、これら商品は、上記「一 被服」の概念に含まれる商品といわなければならないところ、本件使用に係る商品「ゴルフ用ポロシャツ、ダウンジャケット」がスポーツをする際に限ってのみ着用される特殊な衣服であるという事実を明らかにする証拠の提出はない。
したがって、本件使用に係る商品「ゴルフ用ポロシャツ、ダウンジャケット」は、請求に係る指定商品中の「運動用特殊衣服」の範疇に属しない商品といわなければならないし、また、「運動用特殊靴」の範疇に属しない商品であることは明らかである。
3 以上のとおりであるから、被請求人は、本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において、商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれもが請求に係る指定商品のいずれかについて、本件商標を使用していたことを証明し得なかったのみならず、使用していないことについて正当な理由があることも明らかにしていないといわざるを得ない。
したがって、本件商標の登録は、商標法第50条の規定により、その指定商品中「運動用特殊衣服,運動用特殊靴」について、取り消すべきものとする。
よって、結論のとおり審決する。
審理終結日 2004-07-21 
結審通知日 2004-07-22 
審決日 2004-08-03 
出願番号 商願平9-113576 
審決分類 T 1 32・ 1- Z (Z25)
最終処分 成立  
特許庁審判長 茂木 静代
特許庁審判官 津金 純子
内山 進
登録日 1998-08-28 
登録番号 商標登録第4182154号(T4182154) 
商標の称呼 ティンカップ、ティン 

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