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審決分類 審判 一部取消 商50条不使用による取り消し 無効とする(請求全部成立)取り消す(申し立て全部成立) Z41
管理番号 1104587 
審判番号 取消2004-30010 
総通号数 59 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2004-11-26 
種別 商標取消の審決 
審判請求日 2003-12-26 
確定日 2004-09-13 
事件の表示 上記当事者間の登録第4270428号商標の登録取消審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 登録第4270428号商標の指定役務中「娯楽施設の提供」については、その登録を取り消す。 審判費用は、被請求人の負担とする。
理由 第1 本件商標
本件登録第4270428号商標(以下「本件商標」という。)は、「TIGER.CO.JP」の文字を標準文字で書してなり、第41類「技芸・スポーツ又は知識の教授,動物の調教,植物の供覧,動物の供覧,図書及び記録の供覧,美術品の展示,庭園の供覧,洞窟の供覧,映画・演芸・演劇又は音楽の演奏の興行の企画又は運営,映画の上映・制作又は配給,演芸の上演,演劇の演出又は上演,音楽の演奏,放送番組の制作,ゴルフの興行の企画・運営又は開催,相撲の興行の企画・運営又は開催,ボクシングの興行の企画・運営又は開催,野球の興行の企画・運営又は開催,サッカーの興行の企画・運営又は開催,競馬の企画・運営又は開催,競輪の企画・運営又は開催,競艇の企画・運営又は開催,小型自動車競走の企画・運営又は開催,当せん金付証票の発売,音響用又は映像用のスタジオの提供,運動施設の提供,娯楽施設の提供,興行上の座席の手配,映写機及びその附属品の貸与,映写フィルムの貸与,楽器の貸与,スキー用具の貸与,スキンダイビング用具の貸与,テレビジョン受信機の貸与,ラジオ受信機の貸与,図書の貸与,レコード又は録音済み磁気テープの貸与,録画済み磁気テープの貸与,おもちゃの貸与,遊園地用機械器具の貸与,遊戯用器具の貸与」を指定役務として、平成10年1月27日登録出願、同11年5月7日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。

第2 請求人の主張
請求人は、結論同旨の審決を求めると申し立て、その理由及び答弁に対する弁駁を要旨次のように述べた。
1 請求の理由
本件商標は、継続して3年以上日本国内において商標権者、専用使用権又は通常使用権者のいずれによっても、その指定役務中「娯楽施設の提供」について使用されていない。
したがって、本件商標は、商標法第50条第1項の規定により、上記役務についての登録を取り消されるべきである。
2 答弁に対する弁駁
(1)被請求人は、乙第1号証(名刺)に、本件商標が印刷されていると主張する。
しかしながら、名刺に印刷されているのは、「tiger.co.jp」であって、「TIGER.CO.JP」の文字ではない。
また、「tiger.co.jp」の文字は、Eメールアドレスの一部であって、商標ではない。
さらに、名刺に記載の「漢方薬湯」の文字は、名刺に記載の者の肩書きの一部であって、役務を示す表示ではなく、「漢方薬湯」は、「入浴施設の提供」に属する役務であって、「娯楽施設の提供」に属する役務ではない。
したがって、「tiger.co.jp」の文字は、指定役務の「娯楽施設の提供」について使用されているものではない。
(2)「ティグレ広島」に名刺を納品した事実は認めるが、被請求人又はその通常使用権者が納品したことは証明されておらず、認められない。
また、「テイグレ広島」へ名刺代金を請求した事実は認めるが、被請求人又はその通常使用権者への請求とは認められない。
(3)「ティグレ広島」がタイガー産業株式会社(以下「タイガー産業」という。)により平成元年に設立されたとの主張は、乙第1号証ないし乙第4号証のいずれにも記載されておらず、認められない。仮に、平成元年に設立されたとしても、本件審判の請求の登録前3年以内の間に営業していることは、乙第1号証ないし乙第4号証からは認められない。
また、「ティグレ広島」がドレスルームやレストラン、TVルームなどが入った施設である点は認めるが、ドレスルームは「衣服の貸与」、レストランは「飲食物の提供」に属し、TVルームは「入浴施設の提供」に付帯する施設であって、いずれも「娯楽施設の提供」には属しない。
(4)被請求人がタイガー産業より65.5%出資を受けているとの主張は、乙第1号証ないし乙第4号証では証明されていないことから、認められない。仮に、上記事柄が事実であったとしても、出資をしている者による使用は、出資を受けている者による使用とは認められない。タイガー産業が通常使用権の許諾を受けているとの主張は、乙第1号証ないし乙第4号証では証明されていないことから、認められない。なお、前述のとおり、「ティグレ広島」と被請求人又はタイガー産業との関係は、乙第1号証ないし乙第4号証では証明されていないことから、「ティグレ広島」の使用行為は、商標権者又は通常使用権者の使用行為とは認められない。
仮に、タイガー産業が被請求人から通常使用権の許諾を受けているとしても、タイガー産業と「ティグレ広島」との関係が乙第1号証ないし乙第4号証では証明されていないことから、「ティグレ広島」は通常使用権者とはいえず、「ティグレ広島」による役務の提供は、商標権者又は通常使用権者のいずれかによる役務の提供とはいえない。
(5)以上のとおり、本件商標は、本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれもがその請求に係る指定役務のいずれかについての登録商標の使用をしているものではなく、商標法第50条第1項の規定により「娯楽施設の提供」は取り消されるべきものである。

第3 被請求人の答弁
被請求人は、本件審判の請求は成り立たない、審判費用は請求人の負担とする、との審決を求めると答弁し、その理由を要旨次のとおり述べ、証拠方法として、乙第1号証ないし乙第4号証を提出した。
1 使用の事実
(1)乙第1号証は、「漢方薬湯 ティグレ広島の支配人 深澤憲司」の名刺である。該名刺の右下部には、本件商標が印刷されている。
「ティグレ広島」は、平成元年にタイガー産業により広島県内に初めて設立された漢方薬湯専門の入浴施設である。
(2)ティグレ広島は、ドレスルームやレストラン、TVルームなどが入った施設であり、人々に「娯楽施設の提供」を行っている(乙第2号証)。
(3)乙第3号証、乙第4号証は、乙第1号証(名刺)の納品書及び請求書の写しである。乙第3号証には、平成14年10月1日付けで日本アート印刷株式会社がティグレ広島に対して、名刺を合計400枚納品した事実が示されている。
同様に、乙第4号証からも、平成14年10月1日付けで日本アート印刷株式会社がティグレ広島へ名刺代金を請求した事実が示されている。
(4)漢方薬湯ティグレ広島の支配人である深津憲司の名刺は、娯楽施設である「ティグレ広島」の商売を円滑に遂行させるために営業上の配布物として利用したものである。
名刺の右下部に記載されている「kenji._fukazawa@tiger.co.jp」は支配人である深津憲司の商売上のインターネットメールアドレスであり、少なくとも平成14年10月1日現在でインターネットメールとして実際に使っていたことを示すものである。このメールアドレスに記載されている「tiger.co.jp」は、メールアドレスを兼ねた商標の使用に該当する。
(5)本件商標の権利者(被請求人)は、タイガー産業より65.5%出資を受けている関係にあり、被請求人は、本件商標をタイガー産業に対して、通常使用権の許諾を行っている。
2 以上、乙第1号証ないし乙第4号証から明白なように、被請求人より本件商標の通常使用権の許諾を受けているタイガー産業は、本件商標を「娯楽施設の提供」について、本件審判の請求前少なくとも3年の間に日本国内で継続して使用している。

第4 当審の判断
1 被請求人は、本件商標を「娯楽施設の提供」について、本件審判の請求の登録前3年以内に使用していたとして、乙第1号証ないし乙第4号証を提出しているので、以下検討する。
2 乙第1号証ないし乙第4号証によれば、以下の事実が認められる。
(1)乙第1号証は、「漢方薬湯 ティグレ広島/支配人 深澤憲司/タイガー産業株式会社/〒733-0002 広島市西区楠木町2丁目10番14号」などの文字とともに、最下段に「E-mail:kenji._fukazawa@tiger.co.jp」との文字が記載された名刺である。
(2)乙第2号証は、「漢方薬湯 ティグレ/HIROSHIMA」との表題があるリーフレットであるところ、表面には、「様々な生薬が溶け込んだティグレの漢方薬湯。」などの文字とともに、「薬湯の入浴方法と効能」の説明があり、また、「施設各階のご案内」として、「3F/レストラン 宴会小部屋 レストルーム TVルーム 仮眠室(兼宴会大部屋) 足底つぼ療法コーナー エステルーム」、「2F/薬湯 薬草サウナ 湯上りスペース リンパケアブース(男女各浴室内) ドレスルーム ロッカールーム」、「1F/フロント ボディケアルーム カラオケルーム ヘルシーショップ」との記載があり、さらに、「お風呂上がりの後のお楽しみも多彩に揃えております。」として、「ボディケア1F」、「リンパケア2F」、「漢方エステ3F」、「足底ツボ療法3F」の記載があり、その下の料金表には、「入場料金」のほか、マッサージや垢すりとしての上記「ボディケア」、「リンパケア」、「漢方エステ」、「足底ツボ療法」が、それぞれ細かくコース分けされ、それぞれのコースに各料金の記載がある。そして、「漢方薬湯 ティグレ/HIROSHIMA」の住所、メールアドレスとして、「〒733-0002 広島市西区楠木町2丁目10-14」、「http://www.tigre-hiroshima.jp」の記載がある。
なお、上記の「ドレスルーム」には、「ドライヤー、化粧水、乳液・・などを完備。ご自由にお使い下さい。」との説明書きが、また、「TVルーム」には、「全番組が映るモニターを眺め、お好きな番組の音声をお選びください。」との説明書きがある。
同じく裏面には、「湯あがりにご宴会パック」との表題のもと、各種料理のコースとその料金の記載があり、下部には、「カラオケ無料」、「室料無料」の記載がある。
(3)乙第3号証及び乙第4号証は、日本アート印刷株式会社がティグレ広島に宛てた平成14年10月1日付け納品書(写し)及び同日付け請求書(写し)であるところ、いずれの「商品名」欄にも、「名刺」とその「版代・用紙代」の記載がある。
3 前記2で認定した事実を総合すれば、「漢方薬湯 ティグレ広島」の営業者は、タイガー産業と推認されるところ、該タイガー産業は、本件商標の通常使用権者とみて差し支えないものといえる。
しかしながら、通常使用権者は、以下の理由により、本件商標を請求に係る指定役務について使用しているものと認めることはできない。
すなわち、「ティグレ広島」の広告(乙第2号証)によれば、該施設は、「漢方薬湯」たる入浴施設の提供を主たる業務とするものであり、それに付帯する役務として、マッサージ、美容、飲食物の提供を業として行っていることは認められるものの、政令で定める役務の区分第41類の「娯楽施設の提供」に含まれる役務を業として行っていることは認めることはできない。また、上記広告には、本件商標の使用は見あたらない。
さらに、名刺に記載された「kenji._fukazawa@tiger.co.jp」は、「ティグレ広島」の支配人である深津憲司の業務上のインターネットメールアドレスであって、記載された文字及び記号全体としてメールアドレスの機能を発揮するものであるばかりでなく、たとえ業務上の名刺であるとしても、単に従業員のメールアドレスにすぎず、これをもって自他役務の出所標識としての機能を果たし得る商標であるとは到底認めることはできない。
他に、通常使用権者が本件商標を請求に係る指定役務「娯楽施設の提供」について使用していたと客観的に認めるに足る的確な証拠の提出はない。
4 以上のとおり、被請求人は、本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において、通常使用権者が請求に係る指定役務のいずれかについて、本件商標を使用していたことを証明し得なかったのみならず、使用していないことについて正当な理由があることも明らかにしていない。
したがって、本件商標の登録は、商標法第50条の規定により、その指定役務中「娯楽施設の提供」について、取り消すべきものとする。
よって、結論のとおり審決する。
審理終結日 2004-07-21 
結審通知日 2004-07-22 
審決日 2004-08-03 
出願番号 商願平10-6097 
審決分類 T 1 32・ 1- Z (Z41)
最終処分 成立  
前審関与審査官 平山 啓子 
特許庁審判長 茂木 静代
特許庁審判官 津金 純子
内山 進
登録日 1999-05-07 
登録番号 商標登録第4270428号(T4270428) 
商標の称呼 タイガーシイオオジェイピイ、タイガーカンパニージェイピイ、タイガー 
代理人 須田 篤 

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