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審決分類 |
審判 全部申立て 登録を維持 Y25 審判 全部申立て 登録を維持 Y25 審判 全部申立て 登録を維持 Y25 審判 全部申立て 登録を維持 Y25 審判 全部申立て 登録を維持 Y25 審判 全部申立て 登録を維持 Y25 |
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管理番号 | 1103430 |
異議申立番号 | 異議2003-90511 |
総通号数 | 58 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 商標決定公報 |
発行日 | 2004-10-29 |
種別 | 異議の決定 |
異議申立日 | 2003-08-22 |
確定日 | 2004-08-25 |
異議申立件数 | 1 |
事件の表示 | 登録第4675899号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 |
結論 | 登録第4675899号商標の商標登録を維持する。 |
理由 |
1 本件商標 本件登録第4675899号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲(1)のとおりの構成からなり、平成14年8月1日に登録出願、第25類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品を指定商品として平成15年5月23日に設定登録されたものである。 2 登録異議の申立ての理由 登録異議申立人(以下「申立人」という。)は、別掲(2)のとおりの構成からなり、昭和55年7月31日に登録出願、第17類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品を指定商品として昭和60年3月25日に設定登録された、登録第1752369号商標外5件の登録商標(以下、まとめて「引用商標」という。)を引用した上、本件商標は商標法第4条第1項第11号、同第15号、同第19号、同第10号及び同第7号に該当するものであるから、その登録は取り消されるべきであるとし、その理由を要旨以下のように述べている。 (1)商標法第4条第1項第11号について 本件商標及び引用商標は、いずれも3枚の同形の葉(三つ葉)と当該三つ葉を水平方向に貫通して白抜きする3本の平行線(3本線)から構成されるから、両者は構成の軌を一にする外観上類似のものであり、さらに、「クローバー」、「三つ葉」、「3本線」、「クローバーと3本線」及び「三つ葉と3本線」の称呼及び観念を共通にする類似のものである。また、両商標の指定商品は同一又は類似のものである。 したがって、本件商標は商標法第4条第1項第11号に該当するものである。 (2)商標法第4条第1項第15号について 引用商標及び「3本線」は、申立人の業務に係る商品等を表示するものとして需要者間に広く認識されているところ、本件商標は、引用商標と構成の軌を一にし、これに酷似するのみならず、「3本線」をその構成要素の重要な部分として有する。 本件商標の指定商品は、申立人の取扱いに係る商品と同一又は類似のものであるから、本件商標がその指定商品に使用されたときは、商品の出所について混同を生ずるおそれがある。 したがって、本件商標は商標法第4条第1項第15号に該当するものである。 (3)商標法第4条第1項第19号について 本件商標は、申立人の業務に係る商品等を表示するものとして需要者間に広く認識されている引用商標と構成の軌を一にし、称呼及び観念においても類似する。本件商標は、引用商標の世界的な名声と顧客吸引力への便乗行為、引用商標の出所表示力の希釈化により、引用商標のブランド価値を低下させ、申立人に損害を与えるものであるから、不正の目的をもって使用するものである。 したがって、本件商標は商標法第4条第1項第19号に該当するものである。 (4)商標法第4条第1項第10号について 本件商標は、申立人の業務に係る商品等を表示するものとして需要者間に広く認識されている引用商標と構成の軌を一にし、称呼及び観念においても類似する。また、本件商標の指定商品は、申立人が引用商標を使用する商品と同一又は類似のものである。 したがって、本件商標は商標法第4条第1項第10号に該当するものである。 (5)商標法第4条第1項第7号について 本件商標は、社会一般の道徳観念、商標法の精神、さらには国際信義に反するものであるから、公の秩序又は善良の風俗を害するおそれがある。 したがって、本件商標は商標法第4条第1項第7号に該当するものである。 4 当審の判断 (1)商標法第4条第1項第11号について 本件商標と引用商標との類否について検討するに、本件商標は、別掲(1)のとおり、トランプのクラブの如き黒塗り図形を描き、その図形の下半部を横切るように3本の平行線を白抜きで表してなるものであるところ、構成全体をもって特定の既成観念を有する事物を表したものともいえないから、構成全体からは特定の称呼及び観念を生じないものというべきであって、単に、かかる外観構成を有する幾何学的図形として把握、認識されるというのが自然である。 他方、引用商標は、別掲(2)のとおりか、又は、当該図形を一部に有する態様のものであるところ、該図形(部分)は、3枚の同形の木の葉の如き黒塗り図形を扇形に配し、その3枚の木の葉の下半部を横切るように3本の平行線を白抜きで表してなるものであり、本件商標と同様に、その構成全体をもって特定の既成観念を有する事物を表したものともいえないから、該図形(部分)からは特定の称呼及び観念を生じないものというべきであって、単に、かかる外観構成を有する幾何学的図形として把握、認識されるというのが自然である。 しかして、本件商標と引用商標の当該図形とは、強いてその構成上の共通点を挙げるとすれば、黒塗り図形に3本の白抜き平行線を配してなる点が挙げられるとしても、上記のとおり、本件商標はトランプのクラブの如き図形を基調としているのに対し、引用商標のそれは木の葉の如き図形を基調とするものであって、上記共通点はこの基本的な相違点を凌駕するほどのものではなく、看者に全く別異の印象を与えるものであるから、両者を時と処を別にして離隔的に観察した場合においても彼此相紛れるおそれはなく、外観上判然と区別し得るものであるというのが相当である。 申立人は、本件商標と引用商標は、いずれも「クローバー」、「三つ葉」、「3本線」、「クローバーと3本線」及び「三つ葉と3本線」の称呼及び観念を生ずる旨主張しているが、上記のとおり、両者は、「クローバー」又は「三つ葉」そのものを描いたものともいえないし、3本の平行線は図形全体に融合しておりそれ自体が独立して看者の注意を惹くものでもなく、全体として特定の称呼及び観念を生ずるものではないから、申立人の主張は採用することができない。 したがって、本件商標と引用商標とは、外観、称呼及び観念のいずれの点からみても相紛れるおそれのない非類似の商標といわなければならないから、本件商標は商標法第4条第1項第11号に該当するものではない。。 (2)商標法第4条第1項第15号について 申立人は、「3本線」が申立人の商品等の出所表示として需要者間に広く認識されており、「3本線」と三つ葉(クローバー)の図柄を組み合わせた引用商標は、「トレフォイルマーク」、「三つ葉マーク」、「トレフォイルロゴ」、「三つ葉のロゴ」として親しまれ、申立人の業務に係る商品及び役務を表示するものとして需要者間に広く認識されているから、これと酷似する本件商標は、商品の出所の混同を生ずるおそれがある旨主張している。 確かに、引用商標がスポーツシューズ、被服等に使用する商標として需要者間に広く認識されており、「トレフォイルマーク」、「三つ葉マーク」、「トレフォイルロゴ」又は「三つ葉のロゴ」と称されることもあることが認められるとしても、上記(1)のとおり、本件商標と引用商標とは相紛れるおそれのない全く別異の商標であるから、本件商標をその指定商品に使用しても、これに接する取引者、需要者は、引用商標ないしは申立人を想起・連想するようなことはないというべきであり、該商品が申立人又は同人と組織的・経済的に何らかの関係を有する者の業務に係るものであるかの如く商品の出所の混同を生ずるおそれはないというのが相当である。 したがって、本件商標は商標法第4条第1項第15号に該当するものではない。 (3)商標法第4条第1項第19号について 上記(1)のとおり、本件商標と引用商標とは相紛れるおそれのない非類似の商標であるから、両商標が類似することを前提に、本件商標が不正の目的をもって使用するものである旨述べる申立人の主張は、前提を欠き理由がないといわざるを得ない。 その他、本件商標が引用商標の名声と顧客吸引力に便乗して、不正の利益を得る目的又は申立人に損害を加える目的等の不正の目的をもって使用をするものであるとする理由は、発見することができない。 したがって、本件商標は商標法第4条第1項第19号に該当するものではない。 (4)商標法第4条第1項第10号について 上記(1)のとおり、本件商標と引用商標とは相紛れるおそれのない非類似の商標であるから、両商標が類似することを前提に、本件商標が商標法第4条第1項第10号に該当するものであるとする申立人の主張は、前提を欠き理由がないといわざるを得ない。 その他、本件商標が商標法第4条第1項第10号に該当するものであるとする理由は、発見することができない。 (5)商標法第4条第1項第7号について 上記(1)のとおり、本件商標と引用商標とは相紛れるおそれのない非類似の商標であり、また、本件商標が不正の目的をもって使用するものでもないことも上記(3)のとおりである。そして、本件商標の構成自体がきょう激、卑わい、差別的又は他人に不快な印象を与えるような図形とはいえないし、これを指定商品について使用することが社会公共の利益に反し又は社会の一般的道徳観念に反するものともいえないばかりでなく、これが直ちに国際信義に反するものとはいえない。 したがって、本件商標は、公の秩序又は善良の風俗を害するおそれのあるものではないから、商標法第4条第1項第7号に該当するものではない。 (6)まとめ 以上のとおり、本件商標は、商標法第4条第1項第11号、同第15号、同第19号、同第10号及び同第7号のいずれの規定にも違反して登録されたものではないから、その登録を維持すべきものである。 よって、同法第43条の3第4項の規定に基づき、結論のとおり決定する。 |
別掲 |
別掲 (1)本件商標 (2)引用商標 |
異議決定日 | 2004-08-06 |
出願番号 | 商願2002-65107(T2002-65107) |
審決分類 |
T
1
651・
25-
Y
(Y25)
T 1 651・ 262- Y (Y25) T 1 651・ 22- Y (Y25) T 1 651・ 222- Y (Y25) T 1 651・ 263- Y (Y25) T 1 651・ 271- Y (Y25) |
最終処分 | 維持 |
前審関与審査官 | 石井 千里 |
特許庁審判長 |
小池 隆 |
特許庁審判官 |
柴田 昭夫 鈴木 新五 |
登録日 | 2003-05-23 |
登録番号 | 商標登録第4675899号(T4675899) |
権利者 | 株式会社三高 |
代理人 | 柳田 征史 |
代理人 | 佐久間 剛 |
代理人 | 松浦 恵治 |