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審決分類 審判 査定不服 商3条1項3号 産地、販売地、品質、原材料など 登録しない Z36
管理番号 1101673 
審判番号 不服2002-12553 
総通号数 57 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2004-09-24 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2002-07-05 
確定日 2004-08-06 
事件の表示 商願2000-19792拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。
理由 1.本願商標
本願商標は、「ダイレクト精算」の文字(標準文字による商標)を書してなり、第36類に属する願書記載の役務を指定役務として、平成12年3月2日に登録出願されたものである。
そして、願書記載の指定役務については、平成13年6月29日受付の手続補正書により、第36類「損害保険の引受け,損害保険契約の締結の代理,損害保険に係る損害の査定,損害保険に関する情報の提供,損害保険についての相談及び助言,生命保険の引受け,生命保険契約の締結の媒介,生命保険に関する情報の提供,生命保険についての相談及び助言,資金の貸付け及び手形の割引,債務の保証及び手形の引受け,有価証券の貸付け,金銭債権の取得及び譲渡,有価証券・貴金属その他の物品の保護預かり,債券の募集の受託,割賦購入あっせん,前払式証票の発行,株式市況・金融市況・金融市場に関する情報の提供,その他の金融情報の提供,企業に関する公的年金及び企業年金に関する情報の提供,企業の信用に関する調査についての情報の提供,有価証券の売買・有価証券先物取引・有価証券指数等先物取引・有価証券オプション取引及び外国市場証券先物取引,有価証券の売買・国債証券等及び外国国債証券に係る有価証券先物取引・有価証券指数等先物取引・有価証券オプション取引及び外国市場証券先物取引の媒介・取次ぎ又は代理,有価証券市場における有価証券の売買取引・国債証券等及び外国国債証券に係る有価証券先物取引・有価証券指数等先物取引・有価証券オプション取引の委託の媒介・取次ぎ又は代理,外国有価証券市場における国債証券等及び外国国債証券に係る有価証券先物取引・有価証券指数等先物取引・有価証券オプション取引の委託の媒介・取次ぎ又は代理,有価証券の引受け,有価証券の売出し,有価証券の募集又は売出しの取扱い,商品市場における先物取引の受託,国債証券等の引受け,国債証券等の募集又は売出しの取扱い,抵当証券に関する債務の保証,有価証券に係る投資顧問契約に基づく助言及び投資一任契約に基づく投資,有価証券の価値又は有価証券の価値の分析に基づく投資判断に関する助言の提供,証券投資信託受益証券の発行・募集・売出し,証券投資信託に係る信託財産の収益分配金・償還金及び解約金の支払い,投資運用指示,証券投資信託に係る信託財産の運用指図,有価証券・金融先物取引・証券先物取引・商品先物取引に係る投資と運用に関する助言・情報提供,慈善のための募金,クレジットカード発行の取次,プリペイドカードの委託による発行,中小企業育成の為の委託による株式引受けによる資本の投資,企業の信用に関する調査,建物の管理,建物の貸与,建物又は土地の鑑定評価,土地の管理,建物又は土地の情報の提供,骨董品の評価,美術品の評価,宝玉の評価,商品先物取引の受託,中古自動車の評価」と補正されたものである。

2.原査定の拒絶の理由
原査定は、「本願商標は、『直接の、直の』等を意味する外来語の『ダイレクト』の文字と、『金額などを細かに計算して結果を出すこと。』を意味する『精算』の文字を、『ダイレクト精算』と書してなり、全体として『直接精算する』の如き意味合いを容易に看取させるものであるから、これを指定役務中、例えば『保険料率の算出、クレジットカードの発行者に代わってする支払代金の清算、クレジットカードの利用者に代わってする支払代金の清算、保険料徴収の代行』等の『精算』を伴う役務に使用しても、単に役務の質(内容)を表示するにすぎないものと認める。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記役務以外の役務に使用するときは、役務の質の誤認を生じさせるおそれがあるので、同法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定、判断して、本願を拒絶したものである。

3 当審の判断
本願商標は、前記したとおり、「ダイレクト精算」の文字よりなるところ、これは「直接的なさま」を意味する外来語の「ダイレクト」(広辞苑 第五版 株式会社岩波書店発行)と「金額などを細かに計算すること。また、計算して過不足などを処理すること。」を意味する「精算」(広辞苑 第五版 株式会社岩波書店発行)の2語を結合してなるものであること明らかである。したがって、かかる2語を結合してなる本願商標からは、原審説示の如く「直接精算する」の意味合いが容易に想起されるものと認められる。
しかして、本願指定役務中、「損害保険契約の締結の代理,生命保険契約の締結の媒介」などの代理店による役務は、保険会社に対して、顧客と交わした保険契約の締結内容の報告、締結件数・金額を計上し、その受取保険料を純保険料と代理店手数料等とに精算して純保険料を保険会社に送金する業務を伴うところ、近年のIT(Information Technolgy)技術の目覚ましい発展及び電子決済の普及により代理店の口座が保険会社に登録されている場合には、現金を用いずに電子的にデータを交換することで顧客からの受取保険料のうちの純保険料を保険会社に送金することが可能となることから、かかる代理店業務及び社会情況を考慮するときは、本願商標の「ダイレクト精算」に接する取引者、需要者は、「代理店の口座から純保険料を直接精算して電子決済で保険会社に送金する業務」の意味合いの語として容易に理解し把握するというを相当とする。
そして、以上のことは、例えば、以下のインターネットのホームページ情報からも十分に裏付けられるところである。
(ア)http://village.infoweb.ne.jp/~fwht5422/dictionary/ta.html
「ダイレクト清算(だいれくとせいさん) 代理店勘定口座をファームバンキング登録し、直接計上したデータに基づいて、保険料がチェックオフされるというもの。すなわち、もし毎日直接計上データがあると、毎日保険会社が代勘口座より保険料精算を無理やりに行ってしまうというシステム。これが一般化すると、収支明細が不要になり、AGの使い込み防止になりといいことづくめなのであるが、ネックは直接計上できるだけの能力のある代理店さんでないとダメってこと。」
(イ)http://www.hitachi.co.jp/Prod/comp/cyberfront/finance/d_teiki/inews/html/015/topix1.htm
「保険業界(特に損保)のIT化の流れは早い。ほぼ5つの保険グループに収斂しつつある国内損保の動きも実に速い。BtoB(ネットを使った企業間取引)と言われる保険会社と代理店間のWebオンライン化のインフラ整備を保険会社各社とも急ピッチに進めている。膨大な帳票類を消費し「紙の無駄遣い産業」のレッテルを貼られてきた産業構造が一気に変わる。顧客接点にあり長らく損保営業のリーダーチャネルできた代理店のバックオフィスも、ダイレクト計上や、キャッシュレス化、ダイレクト精算への移行に伴い、様変わりしそうだ。2、3年で営業周りのコストは激減する。「保険募集の2重構造」とも言われ続けた古く属人的で不可侵かつブラックボックス化した高コストの代理店チャネル問題に本格的なメスが入り、一挙に体質転換が進む。問題は、営業現場の情報リテラシー(読み書き能力)を含めた人間系の部分の格差、温度差だ。」
(ウ)http://www.nisshinfire.co.jp/news_release/news/news010507.html
「日新火災海上保険株式会社(本社:東京都千代田区神田駿河台2-3)は、同社の有力・優良代理店組織「TALKクラブ・ファミリー会員」向けサービスの一環として、「ファミリー会員サポートデスク」(通称FD)と「代理店システムサポートデスク」(通称DD)の2つのサポートデスクを2001年5月10日に開設、順次全国展開を図る。・・「代理店システムサポートデスク」は、代理店機械化の進展に伴い、従来から展開していたヘルプデスク機能を休日に拡げてほしいとの要望に応えたもので、同社が展開する代理店システム、料率計算ソフトなどの各種支援システムの操作方法や、直接計上・ダイレクト精算などに関する相談・質問を、土日・祝日も含め、対象代理店から直接専用フリーダイヤルで受け付ける。」
(エ)http://www.scs.co.jp/finance/solution/sonpo/case01.html
「3.ダイレクト精算(自動車保険、火災保険は新規のみ)代理店が受取保険料を純保険料と代理店手数料等とに按分する機能、精算明細一覧出力機能」
そうすると、本願商標をその指定商品中、「損害保険契約の締結の代理,生命保険契約の締結の媒介」などの代理店による役務に使用しても、これに接する取引者、需要者は、「代理店の口座から純保険料を直接精算して電子決済で保険会社に送金する業務」の意味合いの語として、その役務の質若しくは提供の方法を表示したと認識するにとどまり、自他役務の識別標識とは理解しないものというべきである。
したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当するものであり、これと同旨の理由をもって本願を拒絶した原査定は、妥当であって、取り消すべき限りでない。
よって、結論のとおり審決する。
審理終結日 2004-06-08 
結審通知日 2004-06-09 
審決日 2004-06-23 
出願番号 商願2000-19792(T2000-19792) 
審決分類 T 1 8・ 13- Z (Z36)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 芦葉 松美 
特許庁審判長 小池 隆
特許庁審判官 山本 良廣
半田 正人
商標の称呼 ダイレクトセイサン、ダイレクト、セイサン 
代理人 宇高 克己 

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