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審決分類 |
審判 査定不服 商3条1項3号 産地、販売地、品質、原材料など 登録しない Z35 |
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管理番号 | 1101519 |
審判番号 | 不服2001-14805 |
総通号数 | 57 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 商標審決公報 |
発行日 | 2004-09-24 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2001-08-22 |
確定日 | 2004-06-30 |
事件の表示 | 平成11年商標登録願第 91503号拒絶査定に対する審判事件について、次のとおり審決する。 |
結論 | 本件審判の請求は、成り立たない。 |
理由 |
1 本願商標 本願商標は、「WORLD CAMPAIGN」の欧文字を標準文字により表してなり、第35類「広告」を指定役務とし、1999年4月16日アメリカ合衆国出願に基づくパリ条約による優先権を主張して、平成11年10月12日に登録出願されたものである。 2 原査定の拒絶の理由 原査定は、「本願商標は、指定役務との関係において、『世界的規模の宣伝活動』的意味合いを有する『WORLD CAMPAIGN』の文字を書してなるところ、これをその指定役務中の前記文字に照応する役務、例えば『キャンペーン広告』等に使用したときには、単に役務の質(内容)及び提供の用に供する効能等を表示したものすぎない。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。 3 当審の判断 本願商標は、前記1のとおり、「WORLD CAMPAIGN」の欧文字を標準文字により表してなるところ、該構成中、後半部の「CAMPAIGN」の文字(語)は、「(特別の目的のための)組織的活動,運動」等の意味を有する英語であり、「社会上・政治上の目的をもつ組織的な闘争や運動,ある特定の問題についての啓蒙宣伝活動」等を意味する外来語として一般に認識されている「キャンペーン」の原語と認められるものである。また、前半部の「WORLD」の文字(語)は、「世界」を意味する英語として一般によく知られた平易な英単語であるから、これを「CAMPAIGN」の文字に冠した本願商標に接する需要者は、全体として「世界的規模の宣伝活動」という意味合いを、容易に認識、理解するというのが自然である。 ところで、出願人は、出願人の提供する役務は、単に商品を広告するだけでなく、社会に問題を提起、啓蒙することが目的であり、また、「世界的規模の宣伝活動」は広告業界では通常は考えられない活動である旨述べている。しかしながら、本願の指定役務である「広告」を提供する際において、商品や役務の販売、提供を促進させるための宣伝活動ばかりでなく、特定の問題についての啓蒙宣伝活動を提供することや、これらの活動を世界的な規模で行うことも、一般に行われていることであって、そのような活動の内容を表すものとして、本願商標「WORLD CAMPAIGN」に通じる「ワールドキャンペーン」の文字は、例えば、次のように新聞記事に掲載されている。 (a)「生きた媒体、スーパーモデル(坂井直樹の流行色眼鏡)」の見出しの下に、「スーパーモデル…エルメス、グッチなどのブランドのワールドキャンペーンモデルになる。…」(1996年12月19日 朝日新聞東京夕刊)との記述、 (b)「[ビジネス情報]四国銀行 BC&TCワールドキャンペーン/四国」の見出しの下に、「四国銀行は、バンクカード加入者を対象に、トラベラーズチェック(TC)の発行手数料を優遇する『BC&TCワールドキャンペーン』を始めた。…」(1999年6月9日 毎日新聞地方版/高知)との記述、 (c)「【カルチャー・新刊】 『アマゾン、インディオからの伝言』南研子著」の見出しの下に、「…スティング(歌手)が…『アマゾンを守ろう』というワールドキャンペーンを始め、…」(2000年6月21日 繊研新聞)との記述がある。 また、該語は、インターネットのホームページにおいても、例えば、以下のように用いられている。 (d)「HEADLINE NEWS from 日刊旅行通信 2001年8月27日」の表題で、「27日、その他の主なニュース」として、「…★NWA、トヨタ・ワールドキャンペーンに協賛…」(http://www.jwing.com/t-daily/bn2001/0827.htm)との記述、 (e)「What's Up? このページは鮎川陽子のモデル活動記録です。」の表題で、「…2000年5月 Chanel show @Tokyo(ワールドキャンペーン)広告出演…2000年春-夏L'EQUIPE YOSHIE INABA(ワールドキャンペーン)広告出演…」(http://www.yobe.com/yspecial/)との記述がある。 以上のように、「ワールドキャンペーン」の文字が、「世界的規模の宣伝活動」であることを記述的に表す語として一般に使用されている実情からすると、これを英語で表した本願商標に接する需要者は、「世界的規模の宣伝活動」を内容とする役務であることを容易に認識、理解するというのが相当である。 そうすると、本願商標は、これをその指定役務中「キャンペーン広告」に使用しても、提供する役務の内容が「世界的規模の宣伝活動」であることを表したにすぎず、単に役務の質(内容)、役務の効果を表示したものと認識されるに止まり、自他役務の識別標識としての機能を果たし得ないものである。 したがって、本願商標を商標法第3条第1項第3号に該当するものとして、本願を拒絶した原査定は、妥当であって、取り消すことができない。 よって、結論のとおり審決する。 |
審理終結日 | 2004-01-13 |
結審通知日 | 2004-01-20 |
審決日 | 2004-02-16 |
出願番号 | 商願平11-91503 |
審決分類 |
T
1
8・
13-
Z
(Z35)
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最終処分 | 不成立 |
前審関与審査官 | 須藤 祀久、深沢 美沙子 |
特許庁審判長 |
野本 登美男 |
特許庁審判官 |
和田 恵美 高野 義三 |
商標の称呼 | ワールドキャンペーン、ワールド |
代理人 | 小出 俊實 |
代理人 | 鈴江 武彦 |
代理人 | 石川 義雄 |