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審決分類 審判 全部申立て  登録を維持 Y0935394243
審判 全部申立て  登録を維持 Y0935394243
管理番号 1100170 
異議申立番号 異議2003-90504 
総通号数 56 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2004-08-27 
種別 異議の決定 
異議申立日 2003-08-22 
確定日 2004-06-23 
異議申立件数
事件の表示 登録第4674275号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 登録第4674275号商標の商標登録を維持する。
理由 1 本件商標
本件登録第4674275号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲(1)に示すとおりの構成からなり、平成14年4月18日に登録出願、第9類、第35類、第39類、第42類及び第43類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として平成15年5月23日に設定登録されたものである。

2 引用商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)が引用する登録第4060597号商標(以下「引用商標1」という。)は、別掲(2)に示すとおりの構成からなり、平成3年7月19日に登録出願、第11類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品を指定商品として平成9年9月26日に設定登録されたものである。同じく、登録第4400293号商標(以下「引用商標2」という。)は、別掲(3)に示すとおりの構成からなり、平成11年6月25日に登録出願、第9類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品を指定商品として平成12年7月14日に設定登録されたものである。同じく、登録第4348443号商標(以下「引用商標3」という。)は、「INTEL INSIDE」の文字を標準文字により表してなり、平成10年7月27日に登録出願、第16類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品を指定商品として平成11年12月24日に設定登録されたものである。同じく、登録第4378304号商標(以下「引用商標4」という。)は、引用商標3と同一の構成からなり、平成9年10月23日に登録出願、第14類、第16類、第18類、第21類、第25類及び第28類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品を指定商品として平成12年4月21日に設定登録されたものである。同じく、登録第4431588号商標(以下「引用商標5」という。)は、「INTEL INSIDE XEON」の文字を標準文字により表してなり、平成11年7月15日に登録出願、第9類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品を指定商品として平成12年11月10日に設定登録されたものである。同じく、登録第4233497号商標(以下「引用商標6」という。)は、「THE COMPUTER INSIDE」の文字を横書きしてなり、平成8年10月17日に登録出願、第9類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品を指定商品として平成11年1月22日に設定登録されたものである。同じく、登録第4222888号商標(以下「引用商標7」という。)は、引用商標6と同一の構成からなり、平成8年10月17日に登録出願、第16類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品を指定商品として平成10年12月18日に設定登録されたものである。同じく、登録第4492276号商標(以下「引用商標8」という。)は、「THE JOURNEY INSIDE」の文字を標準文字により表してなり、平成12年3月15日に登録出願、第41類に属する商標登録原簿記載のとおりの役務を指定役務として平成13年7月19日に設定登録されたものである。

3 登録異議申立ての理由
申立人は、本件商標が商標法第4条第1項第15号及び同第7号の規定に違反して登録されたものであるから、その登録は取り消されるべきであるとし、その理由を要旨次のように述べている。
(1)申立人は、世界最大の半導体製品メーカーであって、コンピュータやネットワークに関する設計、コンサルティング等のサービス提供者としても広く知られており、また、「○○○INSIDE」の形式からなる商標は、引用商標1ないし5の世界的な著名性と相俟って、申立人の商品及び役務の出所表示として取引者、需要者間に広く認識されている。諸外国では、「○○○INSIDE」の形式からなる商標は、申立人の商品等の出所表示として保護されている。
本件商標は、その構成中に、それ自体が独立して自他商品(役務)識別標識として機能する「eIT inside」の文字を含むから、申立人の商品(役務)の出所識別標識として著名な引用商標1ないし5と引用商標6ないし8とが共通して使用している「○○○INSIDE」の形式を利用するものである。
そして、本件商標は、各引用商標の指定商品(指定役務)と同一又は類似の商品(役務)に使用されるものであり、また、申立人の取扱いに係る半導体製品を主要部品に内蔵する可能性を有する完成品や申立人の提供する役務と同一又は類似の役務に使用されるものであるから、本件商標が使用された場合、申立人又は申立人と経済的若しくは組織的な関係を有する者の取扱いに係る商品又は役務であると誤信され、その出所について混同を生ずるおそれがある。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号の規定に違反して登録されたものである。
(2)本件商標は、世界的に著名な引用商標1ないし5を知らずに、本件商標権者により偶然に採択されたものとは考えられない。本件商標は、申立人が引用商標1ないし5等を使用することにより、申立人の商品(役務)の出所表示として取引者、需要者の間に広く認識されるに至った「○○○INSIDE」の形式を利用するものであるから、申立人の資本投下と努力によって獲得した引用商標1ないし5の名声及び顧客吸引力に便乗するものといわざるを得ない。また、申立人と無関係の本件商標権者によって、本件商標が使用されるときには、引用商標1ないし5の強大な出所表示機能が希釈化され、その資産的価値が低下し、申立人に損害を与えることは避けられないものである。
そうすると、本件商標権者による本件商標の登録及び使用は、公正な商取引秩序の維持を旨とする商標法の精神、周知著名商標に与えられるべき国際的レベルでの保護、さらには、国際信義に反するものである。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第7号の規定に違反して登録されたものである。

4 当審の判断
(1)商標法第4条第1項第15号について
申立人の提出に係る各甲号証によれば、引用商標1及び2は、世界最大の半導体製品メーカーである申立人及びその使用権者等を通じて、マイクロプロセッサをはじめとするコンピュータ関連商品に使用される商標として、本件商標の登録出願当時、既に我が国のコンピュータ及びコンピュータ関連商品を中心とした広範な商品(役務)業界において、取引者、需要者の間で広く認識されていたことが認められる。
しかしながら、同号証を徴するも、申立人の著名な略称といい得る「intel」の文字を全く含まず、他の語と組み合わせた「○○○INSIDE」だけを伴う形式の種々の商標までもが、我が国において盛大に使用されていることを示す証左は少なく、「INSIDE」の文字前に冠する語の如何を問わず、「○○○INSIDE」という形式よりなる商標が申立人の業務に係る商品(役務)を表示する標識として、我が国における本件商標の指定商品(指定役務)の取引者、需要者の間において広く認識されていたものと認めるに足る証拠は見出せない。
本件商標は、別掲(1)に示すとおり、全体として、ごく一部に着色してなる図形と文字との組み合せよりなるところ、これよりは、そのうちの上部にあって、顕著に表示されたX様の図形部分と、下部にあって、若干図案化してなるものの、容易にそれと認識でき、かつ、顕著に表示された「NEXTRAX」の欧文字部分とだけが、専ら看者の注意を強く惹くとみるのが相当である。
しかるに、これらに挟まれ、よくよく注意して見なければ、その存在さえも気付かれず、ほとんど捨象され易いものと解される程に、極めて小さく表示されている「eIT inside」の文字部分は、上記図形及び欧文字の部分に比べて極めて小さいために、判読が困難な程であることからすると、補助的な文字標章というべきであり、これを上記図形及び「NEXTRAX」の欧文字の各部分と同様に、取引者、需要者の注目を集め得る顕著な部分とみることはできないというべきであるから、本件商標の構成中、この「eIT inside」の文字部分が着目され、これより生ずる称呼及び観念をもって取引に資されるものということは到底できない。
そうすると、本件商標の構成中の「eIT inside」の文字部分が独立して自他商品(役務)識別力を有することを前提として、本件商標が引用商標を直感、連想又は想起させ、商品(役務)の出所について混同を生じさせるおそれがあるとの申立人の主張は妥当でなく、採用することができないものといわざるを得ない。
その他、本件商標から「eIT inside」の文字部分のみを捉え、これをもって、申立人の業務に係る商品(役務)と出所の混同を生ずるおそれがあるとすべき格別の理由は見出せない。
なお、仮に、本件商標の構成中の「eIT inside」の文字部分が独立して自他商品(役務)識別力を有すると解すことができるといえたとしても、上記のとおり、「intel」の文字を含まず、他の語と組み合せてなる「○○○INSIDE」の形式よりなる商標自体が、申立人の業務に係る商品(役務)を表示するものとして我が国における本件商標の指定商品(指定役務)の取引者、需要者の間において広く認識されているものということはできないだけでなく、「intel inside」と「eIT inside」とは、双方の構成全体の外観、称呼及び観念において紛れるおそれのない非類似の標章というべきであることをも併せ考えれば、本件商標をその指定商品(指定役務)に使用した場合に、これに接する取引者、需要者が「eIT inside」の文字部分に着目し、これより直ちに申立人又は申立人の使用に係る引用商標1ないし5を直感、連想又は想起するようなことはないというのが相当である。
してみれば、本件商標をその指定商品(指定役務)に使用しても、申立人又は申立人と経済的・組織的に何らかの関係を有する者の業務に係る商品(役務)であるかの如く、その出所について混同を生ずるおそれはないといわなければならない。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当するものではない。
(2)商標法第4条第1項第7号について
本件商標の指定商品(指定役務)の一部には、申立人の業務に係る商品(役務)と密接な関係を有するものが含まれており、また、引用商標1ないし5が周知著名なものであるといい得ても、本件商標と各引用商標とは、上述の(1)のとおり、互いに紛れるおそれのない非類似の商標であり、商品(役務)の出所について混同を生ずるおそれもない別異の商標であって、本件商標から各引用商標ないしは申立人を直感、連想又は想起するようなことはないから、本件商標を採択使用することが、直ちに各引用商標の名声にフリーライドするということはできず、各引用商標の顧客吸引力に便乗したものともいえず、また、諸外国の判決等の存在をもって、国際信義に反するとすべきものとも認められない。
その他、本件商標が公の秩序又は善良の風俗を害するおそれがあるとすべき理由は見出せない。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第7号に該当するものではない。
(3)以上のとおり、本件商標は、商標法第4条第1項第15号及び同第7号のいずれの規定にも違反して登録されたものではないから、その登録を維持すべきものである。
よって、同法第43条の3第4項の規定に基づき、結論のとおり決定する。
別掲 別掲
(1)本件商標

注:色彩については、原本を参照されたい。

(2)引用商標1(登録第4060597号商標)


(3)引用商標2(登録第4400293号商標)

異議決定日 2004-06-04 
出願番号 商願2002-32016(T2002-32016) 
審決分類 T 1 651・ 271- Y (Y0935394243)
T 1 651・ 22- Y (Y0935394243)
最終処分 維持  
前審関与審査官 福島 昇 
特許庁審判長 小池 隆
特許庁審判官 鈴木 新五
柴田 昭夫
登録日 2003-05-23 
登録番号 商標登録第4674275号(T4674275) 
権利者 株式会社キャドセンター
商標の称呼 エックス、イイアイテイインサイド、ネクストラックス、ネックストラックス 
代理人 佐久間 剛 
代理人 柳田 征史 
代理人 渡邊 隆 
代理人 高柴 忠夫 
代理人 高橋 詔男 
代理人 志賀 正武 

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