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審決分類 |
審判 査定不服 称呼類似 取り消して登録 Z12 |
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管理番号 | 1099985 |
審判番号 | 不服2001-19785 |
総通号数 | 56 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 商標審決公報 |
発行日 | 2004-08-27 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2001-11-05 |
確定日 | 2004-07-20 |
事件の表示 | 商願2000-76116拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 |
結論 | 原査定を取り消す。 本願商標は、登録すべきものとする。 |
理由 |
1 本願商標 本願商標は、「DUAL MODE」の文字を標準文字により書してなり、第12類に属する願書記載の商品を指定商品として、平成12年7月10日登録出願、その後、指定商品については、原審において平成13年8月1日付手続補正書をもって、「船舶並びにその部品及び附属品(「エアクッション艇」を除く。),エアクッション艇,航空機並びにその部品及び附属品,鉄道車両並びにその部品及び附属品,自動車並びにその部品及び附属品,二輪自動車・自転車並びにそれらの部品及び附属品,乳母車,人力車,そり,手押し車,荷車,馬車,リヤカー,荷役用索道,カーダンパー,カープッシャー,カープラー,牽引車,タイヤ又はチューブの修繕用ゴムはり付け片」と補正されたものである。 2 引用商標 原査定において、本願の拒絶の理由に引用した登録第570963号商標は、別掲に示したとおりの構成よりなり、昭和34年12月21日登録出願、第69類「電気機械器具及びその各部並に電気絶縁材料」を指定商品として昭和36年5月1日に設定登録され、その後、昭和57年9月22日、平成3年6月26日及び平成13年1月23日の3回にわたり、商標権の存続期間の更新登録がされているものである。そして、指定商品については、平成13年7月23日の書換登録申請により、第7類「電動機(陸上の乗物用のもの(その部品を除く。)を除く。)」、及び第9類「回転変流機,整流機,周波数変換機,電話機,変圧器,開閉器,抵抗器,蓄電器,被覆電線」を指定商品として、平成14年7月3日に書換の登録がなされているものである。 同じく、登録第2692965号商標は、「DUAL」の欧文字を横書きしてなり、昭和55年3月6日登録出願、第9類「産業機械器具、動力器械器具(電動機を除く)風水力機械器具、事務用機械器具(電子応用機械器具に属するものを除く)、その他の機械器具で他の類に属しないもの、これらの部品及び付属品(他の類に属するものを除く)、機械要素、ただし、金属加工機械器具、土木機械器具、荷役機械器具、ミシン、冷凍機、冷却機、冷却筒、製氷機、冷却蒸発機、ガス冷蔵庫、冷凍・冷蔵ショーケース、火災報知器、盗難警報器、鉄道用信号機、てんてつ機及びその類似商品を除く。」を指定商品とし、平成6年8月31日設定登録、その後指定商品については、商標登録の一部取消しの審判(審判番号2002-30726)が請求され、指定商品中「動力伝導装置」についての登録は取り消すとの審決が平成14年11月25日に確定し、その登録が平成14年12月25日になされたものである。 同じく、登録第4265886号商標は、「DUAL」の欧文字を横書きしてなり、平成9年3月7日登録出願、第9類「理化学機械器具,測定機械器具,ロケット,火災報知機,ガス漏れ警報器,盗難警報器,消防艇,消防車,自動車用シガーライター 」を指定商品とし、平成11年4月23日設定登録され、その後指定商品については、商標登録の一部取消しの審判(審判番号2003-31559)が請求されて、指定商品中「消防艇,消防車,自動車用シガーライター」についての登録は取り消すとの審決が、平成16年4月12日に確定し、その登録が平成16年5月12日になされたものである。 以下、これら商標を一括して「引用商標」という。 3 当審の判断 本願商標は、「2人(2個、2部分)からなる、二重の」等の意味を有する「DUAL」の文字と「やり方、様式、方式」等の意味を有する「MODE」の文字とを一連に「DUAL MODE」と書してなるところ、これを本願の指定商品との関係からみれば、「複式の、二重方式の(『自動車用語中辞典』(株)山海堂)」の意味合いを有するものとして、例えば「デュアルモードサスペンション(dual mode suspension)、デュアルモードターボ(dual mode turbo)、デュアルモードダンパー(dual mode damper)」(いずれも、『グランプリ自動車用語辞典』(株)グランプリ出版)のように使用されているものであって、また、新聞記事においても次のように「デュアルモード」の語が記載されており、その使用の実情が伺われるものである。 (1)日刊工業新聞 2001年3月1日 17頁 「日産、『アトラス20』をマイナーチェンジ」の見出しのもと、「日産自動車は、中型キャブオーバー型トラック『アトラス20』をマイナーチェンジし発売。クラッチペダルを操作せずに発進、変速、停車が可能なクラッチフリー機能付きデュアルモードマニュアルトランスミッションを全車に拡大設定した。」の記載がある。 (2)毎日新聞 東京夕刊 2000年10月26日 5頁 「『ダッシュボード』『ボルボV70 T-5』に試乗」の見出しのもと、「ボルボV70にハイプレッシャーターボを装備したT-5は今年4月に導入、・・・衝突の程度にあわせて膨張のパターンを2段階に自動調節するデュアルモード・エアバッグ、・・・など安全の装備もぬかりない。」の記載がある。 (3)毎日新聞 福岡地方版 1998年8月20日 「『車社会のはざまで』米国西海岸と福岡/3 デュアルモードバス/福岡」の見出しのもと、「・・ユニークなのは、モーターとディーゼルエンジンの両方を積んだ『デュアルモード(二つの方式)バス』があることだ。」の記載がある。 (4)日刊工業新聞 1989年9月7日 21頁 「トヨタ、『セリカ』『カリーナED』を全面改良。秋から販売攻勢。」の見出しのもと、「トヨタ自動車は小型スペシャリティーカー『セリカ』と四ドアトップ『カリーナED』をフルモデルチェンジ、・・・スポーツとノーマルの選択ができる『デュアルモード四WS』・・・を採用した。」の記載がある。) (5)日刊工業新聞 1988年6月11日 6頁 「三菱自工、『ランサー』を全面改良。走りの伝統が復活」の見出しのもと、「三菱自動車工業は大衆乗用車『ランサーフィオーレ』、『ランサーEX』の後続車として新型四ドアセダン『ランサー』を開発、・・・走行性能を高めた。同時にデュアルモードサスペンションも用意。」の記載がある。 してみれば、「DUAL MODE」の文字よりなる本願商標からは、これをその指定商品について使用するときは、「複式の、二重方式の」の意味合いを容易に看取させるものであり、その構成中「DUAL」の文字部分のみをもって取引に資するものというよりは、むしろ構成全体をもって一体不可分のものと認識し把握されるとみるのが自然である。 そうとすれば、その構成中「DUAL」の文字部分を抽出し、この部分より生ずる称呼をもって取引に当たるとは認めがたいものである。 したがって、本願商標からは、その構成文字全体に相応し「デュアルモード」の称呼のみを生ずるものと判断するのが相当である。 そうすると、本願商標より「デュアル」の称呼をも生ずるとし、その上で、本願商標と引用商標が称呼上類似するものとして、本願商標を商標法第4条第1項第11号に該当するとした原査定は妥当でなく、取消しを免れない。 なお、本願商標は、前記のとおりの意味合いを有するものであるが、政令で定める期間内に本願について拒絶の理由を発見しないものである。 よって、結論のとおり審決する |
別掲 |
別掲 (引用登録第570963号商標) |
審決日 | 2004-07-08 |
出願番号 | 商願2000-76116(T2000-76116) |
審決分類 |
T
1
8・
262-
WY
(Z12)
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最終処分 | 成立 |
前審関与審査官 | 小林 薫 |
特許庁審判長 |
佐藤 正雄 |
特許庁審判官 |
中束としえ 宮川 久成 |
商標の称呼 | デュアルモード、デュアル |
代理人 | 村橋 史雄 |
代理人 | 遠藤 祐吾 |
代理人 | 石田 昌彦 |