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審判番号(事件番号) データベース 権利
取消200230169 審決 商標
取消2007300395 審決 商標

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審決分類 審判 一部取消 商50条不使用による取り消し 無効としない 122
管理番号 1099857 
審判番号 取消2003-31116 
総通号数 56 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2004-08-27 
種別 商標取消の審決 
審判請求日 2003-08-22 
確定日 2004-06-17 
事件の表示 上記当事者間の登録第1058111号商標の登録取消審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 審判費用は、請求人の負担とする。
理由 1 本件商標
本件登録第1058111号商標(以下「本件商標」という。)は、「TREK」及び「トレツク」の文字を二段に横書きしてなり、昭和46年10月15日に登録出願、第22類「はき物(運動用特殊ぐつを除く)かさ、つえ、これらの部品及び附属品」を指定商品として、同49年3月1日に設定登録され、その後、同59年3月21日及び平成6年6月29日の2回にわたり存続期間の更新登録がされているものである。

2 請求人の主張
請求人は、本件商標の指定商品中「はき物(運動用特殊ぐつを除く)、この部品及び附属品」についての登録を取り消す、審判費用は被請求人の負担とする、との審決を求めると申し立て、その理由及び弁駁を要旨次のように述べ、証拠方法として、甲第1号証を提出している。
(1)請求の理由
本件商標は、その指定商品中「はき物(運動用特殊ぐつを除く)、この部品及び附属品」について、継続して3年以上日本国内において使用した事実がないから、その登録は商標法第50条第1項の規定により取り消されるべきである。
(2)答弁に対する弁駁
(ア)被請求人は、乙第1号証ないし乙第7号証を提出するとともに、本件商標が取消請求に係る商品について適法に使用されている旨答弁しているが、それらの証拠をもってしては、本件商標が日本国内において使用されたことを証明するには至っていない。
(イ)乙第1号証(海外商品カタログ)について
これに掲載されている靴に本件商標が付されている事実を確認できず、当該カタログをもって、本件商標が取消請求に係る商品に付されたと断定することはできない。また、被請求人が当該カタログを展示、若しくは頒布した形跡はなく、そのことを証明する証拠も提出されていないから、当該カタログをもって、本件商標を使用した事実を証明したことにはならない。
そもそも、乙第1号証は、一般に配布される商品カタログの体裁を成しておらず、その日付が2000年9月30日であるにもかかわらず、商品の納期が2000年9月末というのも不可解であり、本件答弁のためにコンピュータを使用して急遽作成された可能性もあり、証拠としての信憑性に欠けるものである。
したがって、乙第1号証は、本件審判請求の登録前3年以内に日本国内において、被請求人が本件商標をその指定商品中「はき物(運動用特殊ぐつを除く)」について使用したことの証明にはならない。
(ウ)乙第2号証及び乙第3号証(靴の決定カルテ)について
当該各証拠は、会社間の内部伝票であって、客観的証明力に乏しいものである。
しかも、当該カルテには、本件商標と社会通念上同一とみられる標章が表示されているものの、乙第1号証に見られる写真中の中敷きには、「TREK」の文字が表示されている事実を確認できず、実際に、本件商標が「はき物(運動用特殊ぐつ)」に付されたか否かは不明である。
また、当該カルテは、台湾の「TEI SHIYUN TRADING CO.,LTD.」なる会社が、カンボジアで靴を生産することを示しているにすぎず、何ら本件商標の使用を証明するものでない。
さらに、当該カルテは、単なる社内伝票であって、外部の一般の取引に資される性質のものではなく、客観的証明力に欠けるといわざるを得ない。
(エ)乙第4号証(INVOICE)について
この証拠からは、使用に係る商品の品番がTR8105とTR8106という靴が日本国に輸入されていることは推認できるが、これをもって、当該商品が実際に日本国内で販売された事実を確認することはできない。しかも、乙第1号証は、証拠としての信憑性に欠けるので、乙第4号証に示されている品番TR8105とTR8106の靴を特定できない。
したがって、乙第4号証をもって、被請求人が本件商標を付した商品「はき物(運動用特殊ぐつを除く)」を輸入したことの証拠とすることはできない。
(オ)乙第5号証ないし乙第7号証(納品請求書)について
これらについても乙第4号証と同じことがいえる、すなわち、これらの納品請求書は、会社間、しかも、同グループの会社間の取引伝票であって、客観的証明力に欠け、かつ、品名TR8106をもって商品の特定ができないだけでなく、当該商品に商標「TREK」が使用されている事実を確認できない。
(カ)甲第1号証(被請求人のホームページ)
請求人が被請求人のホームページにおけるシューズブランド一覧(甲第1号証)を参照しても、「TREK」を使用した商品はなく、このことからも、被請求人が本件商標を「はき物(運動用特殊ぐつを除く)」に使用していないことがわかる。
(キ)よって、被請求人が提出した証拠は、いずれも本件審判請求の登録前3年以内に、日本国内において、本件商標を取消請求に係る商品に使用した事実を証明するには至っていないので、「はき物(運動用特殊ぐつを除く)」についての登録は、取り消されるべきである。

3 被請求人の答弁
被請求人は、結論同旨の審決を求めると答弁し、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として、乙第1号証ないし乙第7号証を提出した。
(1)乙第1号証は、被請求人が2000年9月30日付けで販売先に向けて発行した海外商品カタログであり、これには品番TR8105及びTR8106の靴のブランドとして「TREK」が使用されている。
また、乙第2号証及び乙第3号証は、乙第1号証に記載の品番TR8105及びTR8106の靴についての決定カルテであり、当該カルテには、乙第1号証に記載されている靴のブランド「TREK」が、Cupinsole(靴の中敷)のラベルに表示されている旨の記載がある。
本件商標は、欧文字の「TREK」と片仮名の「トレック」を併記してなるところ、使用に係る商標は、「TREK」だけであるが、本件商標の欧文字部分と同一であり、該欧文字部分のみを使用したことによって、本件商標の称呼及び観念が変わるというものではなく、使用に係る商標は、本件商標と社会通念上同一と認められるものである。
よって、乙第1号証ないし乙第3号証をもって、被請求人は、本件商標を本件審判請求の登録前3年以内に日本国内において商品靴(品番TR8105及びTR8106)のカタログに使用していたことは明らかである。
(2)次に、被請求人の依頼を受け、靴の輸入をカンボジアから行った貿易会社SHIYUN TRADING CO.,LTD.が本件商標を付した靴(品番TR8105及びTR8106)を日本に輸入したことを証明する2000年10月13日付けINVOICE(乙第4号証)を提出する。該資料には、商標「TREK」の表示はないが、乙第1号証において、品番TR8105及びTR8106の商品に商標「TREK」が使用されていること、そして、乙第2号証及び乙第3号証に記載のORDER NO.(発注番号)ITEM NO.(品番)足数(数量)が、乙第1号証のそれと符合することにより、ITEM NO.(品番)TR8105及びTR8106の靴に本件商標「TREK」が使用されていることは裏付けられている。
これにより、乙第4号証は、本件商標を付した靴を本件審判請求の登録前3年以内にカンボジアから日本に輸入したことが明らかである。
(3)さらに、被請求人が本件商標を付した靴を販売している証拠として乙第5号証ないし乙第7号証を提出する。これらの資料には、TR8105やTR8106という品名の靴が記載されており、商標「TREK」の表示はないが、乙第1号証ないし乙第3号証により、品番がTR8105やTR8106の商品に本件商標の「TREK」が使用されていることが裏付けられる。
これにより、本件商標を付した靴が、本件審判請求の登録前3年以内に、我が国において現実に取引されたことは明らかである。
以上のとおりであるから、本件商標は、本件審判請求の登録前3年以内に、その指定商品中の「靴」について、商標権者(被請求人)によって使用されていることが明らかである。

4 当審の判断
(1)被請求人提出の乙各号証によれば、以下の事実を認めることができる。
(ア)乙第2号証及び乙第3号証の靴の決定カルテには、貿易会社の名称「TEI SHIYUN TRADING CO.,LTD.」、発注番号「TBT-012」「TBT-013」、品番「TR8105」「TR8106」、数量欄に「3800」「2900」、BRAND欄に「TREK」の文字が記載され、靴の右側面図と共に、「TREK」の文字を顕著に有するラベルが表示されており、これが靴のカップインソール(中敷き)に縫いつけられている旨の記載がある。
(イ)乙第4号証は、2000年10月13日付けのINVOICEであるところ、「TEI SHIYUN TRADING CO.,LTD.」により、品番TR8105及びTR8106の靴をそれぞれ3800足と2900足の合計6700足、カンボジアから日本(博多)へ輸入した事実が認められる。
(ウ)乙第4号証のINVOICEに記載された「TBT-012」「TBT-013」のORDER NO.(発注番号)、「TR8105」「TR8106」のITEM NO.(品番)及びそれぞれの輸入数量が、乙第2号証及び乙第3号証の記載内容と一致していることから、「TEI SHIYUN TRADING CO.,LTD.」により、「TR8105」及び「TR8106」の品番が付されて日本に輸入された商品は、乙第2号証及び乙第3号証の靴の決定カルテに記載の靴であることが推認でき、そこには本件商標と社会通念上同一とみられる「TREK」の商標が使用されていることが認められる。
(エ)乙第5号証ないし乙第7号証によれば、被請求人が「TR8105」又は「TR8106」の商品番号の靴を「させほ月星商事(株)」「佐賀月星(株)」及び「朝日商事(株)」へ納品し、それぞれ2000年11月13日付け、同年12月15日付け及び2001年2月10日付けでその代金を請求している事実が認められ、上記経緯からして、納品した靴は、乙第2号証及び乙第3号証に記載のものであると推認できる。
上記によれば、被請求人は、本件審判請求の登録前3年以内に、本件商標と社会通念上同一の商標を付した靴をカンボジアから輸入した事実及び該靴を国内において販売した事実を認めることができる。
(2)請求人は、靴の決定カルテ(乙第2号証及び乙第3号証)及び納品請求書(乙第5号証ないし乙第7号証)は、いずれも、客観的な証明力に欠けると主張する。
しかしながら、請求人が述べるとおり、乙第2号証及び乙第3号証が、会社間の内部伝票(あるいは社内伝票)であるとしても、同カルテに記載ある事項を疑わせるような事情は全くうかがわれず、また、乙第5号証ないし乙第7号証による取引が、被請求人と同じグループの会社間で行われたものであるとしても、そのことにより当該取引自体が否定されるものでもない。
なお、乙第7号証は、その取引先の社名(朝日商事株式会社)からみて、被請求人と同じグループに属する企業であるとは見受けられないところである。
そうすると、これらの各証拠を総合検討すれば、本件商標と社会通念上同一の商標を付した靴をカンボジアから輸入した事実及び該靴を国内において販売した事実を認めることができること前記のとおりであり、他にこれを否定すべき事情は見出せず、被請求人による本件商標の使用の事実は証明されたものということができるから、請求人の上記主張は採用できない。
また、請求人は、甲第1号証(被請求人のホームページ写し)を提出し、「被請求人が取り扱うシューズブランド一覧に本件商標の記載がないから、本件商標を使用していないことがわかる」旨主張するが、該一覧に記載がないことをもって、本件商標の使用を否定することはできない。
してみれば、被請求人は、本件審判請求の登録前3年以内に、日本国内において、取消請求に係る指定商品中の「靴」について、本件商標と社会通念上同一と認められる「TREK」の商標を使用していたものと認めることができる。
したがって、本件商標は、商標法第50条の規定により、その登録を取り消すことはできない。
よって、結論のとおり審決する。
審理終結日 2004-04-14 
結審通知日 2004-04-16 
審決日 2004-05-06 
出願番号 商願昭46-112868 
審決分類 T 1 32・ 1- Y (122)
最終処分 不成立  
特許庁審判長 柴田 昭夫
特許庁審判官 鈴木 新五
山田 正樹
登録日 1974-03-01 
登録番号 商標登録第1058111号(T1058111) 
商標の称呼 トレック 
代理人 齋藤 晴男 

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