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審決分類 |
審判 査定不服 商3条1項6号 1号から5号以外のもの 登録しない Z3235 |
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管理番号 | 1098519 |
審判番号 | 不服2001-7712 |
総通号数 | 55 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 商標審決公報 |
発行日 | 2004-07-30 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2001-05-10 |
確定日 | 2004-05-18 |
事件の表示 | 平成11年商標登録願第87869号拒絶査定に対する審判事件について、次のとおり審決する。 |
結論 | 本件審判の請求は、成り立たない。 |
理由 |
1 本願商標 本願商標は、「WATER.COM」の文字を標準文字で書してなり、第32類「ミネラルウォーター,炭酸水,その他の飲用水」及び第35類「飲用水又は蒸留水の販売に関する情報の提供」を指定商品及び指定役務として、平成11年9月30日に登録出願されたものである。 2 原査定における拒絶の理由 原査定は、「本願商標は、『水、飲料水』を意味する『WATER』の文字と『ドメイン』を表示すると認められる『.COM』の文字(例えば、『・・・『.com』などのドメインが対象で、登録にはこのルールへの同意を義務づけた。このルールに基づいて、WIPOなど四つの機関が、商標法などの専門家による紛争処理を行っている。申し立ては電子メールを使って、世界中からできる。料金は千ドル程度で、裁定は約二カ月で出る。・・・ <ドメイン名> 普段、何げなく使っているインターネットには、ホームページに素早くアクセスするためや、電子メールが間違いなく届くために、二種類の『住所』が決められている。その一つは『IPアドレス』。元は二進法で三十二けたの数字だが、表記するときには八けたごとに区切って十進数に直し、『209.249.153.254』のように使う。これを閲覧ソフト【ブラウザー】のアドレス欄に入力しても、目指すホームページにいける。ただ、これは人間にとって覚えにくい。そこで、これに対応させて『www.asahi.com』のようにアルファベットなどで表したのがドメイン名だ。ネットの世界で頻繁に登場する『.com』は、『.net』『.org』などとともに一般トップレベルドメイン【gTLD】と呼ばれる。世界中から登録でき、三つの合計登録数は一千万件以上にもなる。これとは別に、日本の『.jp』など国別トップレベルドメイン【ccTLD】もある。企業がこれを使ってドメイン名を登録するときは、『asahi-np.co.jp』のように名称、組織の種別、国、という順番になる。登録は早い者勝ちで、登録料は『.jp』がつくドメイン名は二万円程度、『.com』は当初二年分で七十ドル【約七千六百円】程度。『.com』では登録の移転が認められており、商標のように、一部では財産的価値も出ている。『business.com』というドメイン名は七百五十万ドル【約八億二千万円】で取引された。ネットオークションには、ドメイン名だけを扱ったコーナーもある。』2000年8月2日発行の朝日新聞東京朝刊 参照)とで『WATER.COM』と書してなり、全体として『水、飲料水の(WATER)のドメイン(.COM)』であることを認識させものである。そして、昨今のインターネットの普及からみて、これをその指定商品に使用しても、前記ドメイン名であることしか理解されないものであり、需要者が何人かの業務に係る商品であるかを認識することができないものと認める。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第6号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。 3 当審の判断 本願商標は、「WATER.COM」の文字を書してなり、その構成は、「WATER」とドット「.」及び「COM」の欧文字の組み合わせからなるものと認識されるものであるところ、「WATER」の文字は、「水、飲料水」等を意味するものであり、日常普通に広く使用されるものであるばかりでなく、一般に商品及び役務の品質又は質等を表示するためのものとして取引上普通に採択使用されているものである。 ところで、今や、商取引において必要不可欠なものとして、広く活用されている「インターネット」においては、これに接続して情報のやりとりや検索等を行う場合、接続先を特定するためにドメイン名が使用されている。 このドメイン名は、「インターネット上の住所表示」と言われ、URL(ホームページのアドレス)やメールアドレスなどの一部分として使われており、その構成は、トップレベルドメイン(TLD)を頂点とした階層構造を持っており、文字の並びを「.」(ドット)でつなげたものである。 そして、トップレベルドメインのうちの「.com」は、一般で登録可能な最も認知度の高いスタンダードドメインとして知られているものであることからすれば、本願商標に接する取引者、需要者は、その構成中の「.COM」の部分が、該トップレベルドメインを表示したものであると認識し、理解するというのが相当である。 してみれば、本願商標は、単に商品及び役務の品質又は質等と理解される文字とドメイン名におけるトップレベルドメインの組み合わせからなるものと理解、認識するにとどまり、全体としても、自他商品・役務の識別標識としての機能を果たし得ないものと見るのが相当であるから、これをその指定商品に使用した場合、需要者が何人かの業務に係る商品であることを認識することができないものというべきである。 したがって、本願商標が商標法第3条第1項第6号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、妥当であって、取り消すことはできない。 なお、請求人は過去の審決例を挙げて、本願商標は上記法条に該当するものではない旨主張しているが、それらの登録例と本願商標とは事案を異にするものであり、採用することはできない。 よって、結論のとおり審決する。 |
審理終結日 | 2003-11-27 |
結審通知日 | 2003-12-05 |
審決日 | 2003-12-18 |
出願番号 | 商願平11-87869 |
審決分類 |
T
1
8・
16-
Z
(Z3235)
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最終処分 | 不成立 |
前審関与審査官 | 小畑 恵一 |
特許庁審判長 |
田辺 秀三 |
特許庁審判官 |
井出 英一郎 柳原 雪身 |
商標の称呼 | ウオーターコム、コム、シイオオエム、シーオーエム、ウオータードットコム |
代理人 | 小林 久夫 |
代理人 | 佐々木 宗治 |
代理人 | 大村 昇 |
代理人 | 木村 三朗 |