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審決分類 |
審判 査定不服 商3条1項3号 産地、販売地、品質、原材料など 取り消して登録 Z0914 審判 査定不服 商4条1項16号品質の誤認 取り消して登録 Z0914 |
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管理番号 | 1096754 |
審判番号 | 不服2000-15647 |
総通号数 | 54 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 商標審決公報 |
発行日 | 2004-06-25 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2000-10-02 |
確定日 | 2004-05-25 |
事件の表示 | 平成11年商標登録願第89767号拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 |
結論 | 原査定を取り消す。 本願商標は、登録すべきものとする。 |
理由 |
1 本願商標 本願商標は、「リストプレーヤー」の文字を標準文字とし、第9類「理化学機械器具,測定機械器具,配電用又は制御用の機械器具,回転変流機,調相機,電池,電気磁気測定器,電線及びケーブル,写真機械器具,映画機械器具,光学機械器具,電気通信機械器具,レコード,メトロノーム,電子応用機械器具及びその部品,遊園地用機械器具,スロットマシン,電気アイロン,電気式ヘアカーラー,電気ブザー,火災報知機,ガス漏れ警報器,盗難警報器,磁心,抵抗線,電極,映写フィルム,スライドフィルム,スライドフィルム用マウント,録画済みビデオディスク及びビデオテープ,自動販売機,金銭登録機,硬貨の計数用又は選別用の機械,作業記録機,写真複写機,手動計算機,製図用又は図案用の機械器具,タイムスタンプ,タイムレコーダー,電気計算機,パンチカードシステム機械,票数計算機,ビリングマシン,郵便切手のはり付けチェック装置,家庭用テレビゲームおもちゃ」及び第14類「貴金属,身飾品(「カフスボタン」を除く。),カフスボタン,宝玉及びその模造品,宝玉の原石,時計」を指定商品として、平成11年10月4日に登録出願されたものである。 2 原査定の拒絶の理由 原査定は、「本願商標は、『手首』等の意を有する『リスト』と、『再生装置』の意を有する『プレーヤー』の共に親しまれている各外来語を『リストプレーヤー』と書した構成よりなる。ところで、新聞では次のような記事が見受けられる。 (1)『松下電器がメモリープレーヤーを発売(情報ファイル)』の見出しのもとに『松下電器産業は9日、次世代の小型半導体記録媒体SDメモリーカードに対応した携帯オーディオプレーヤーを6月30日から発売する、と発表した。CDやインターネットのホームページから好きな曲を選び、パソコンを介してカードに記録。プレーヤーに差し込んで聴く。約5cm角、55gと小型で首から下げたり、専用のリストバンドで腕にはめたりできる。標準価格は4万9800円。松下はこのカードに対応したパソコンや携帯情報端末を今夏ごろに販売する予定だ。』(朝日新聞2000.5.10) (2)『デジカメ・音楽プレーヤー機能搭載腕時計 カシオ、春から順次発売』の見出しのもとに『カシオ計算機は3月から、腕時計に音楽プレーヤーの機能をつけたリストオーディオプレーヤーと、腕時計にデジタルカメラの機能をつけたリストカメラを順次発売する。デジタルカメラや音楽プレーヤーは小型化が進んでいるが、腕時計と一体化するのは初めて。・・・』(同2000.1.7) (3)『[ビジネス情報]腕時計型リモコンのMD--ソニー』の見出しのもとに『ソニーは腕時計型のワイヤレスリモコンでMD(ミニディスク)プレーヤーを操作する再生専用のMDウォークマンMZ-E7Wを21日発売する。リモコンは無線で本体の再生、停止、早送り・巻き戻し、ボリューム操作ができる。・・・』(毎日新聞2000.1.12) (4)『切手サイズのメモリーカード対応の腕時計型プレーヤー発売 松下が東芝と開発」の見出しのもとに『松下電器産業は9日、音楽データーをインターネットから取り込んで聴く際などに使う次世代の記録媒体として、東芝などと共同開発した切手サイズのSDメモリーカードを6月30日に発売すると発表した。カードに対応した携帯型の音楽プレーヤーも同時に売り出す。東芝も松下と同時にカードの発売を予定している。SDカードは、インターネットで配信された音楽の不正コピーを防止する機能がある。・・・将来はデジタルビデオカメラで撮影した動画なども記録できる大容量型を開発する。同時に発売する音楽プレーヤー(49800円)は腕時計やペンダントのようにして携帯でき、・・・』(読売新聞2000.5.10) (5)『情報端末、腕時計型に カメラ、オーディオ、電話も 日本メーカー相次ぎ発売』の見出しのもとに、◆巻き返しの原動力?個人用情報機器として携帯性・ファッション性に優れたリスト型(腕時計型)端末が急浮上してきた。データ管理ややり取りができる製品に加え、需要の多いオーディオプレーヤーやデジタルカメラなども相次ぎ商品化される。これらを可能にしたのは、バッテリーの小型化など広範にわたる技術革新だが、製品化に必要な微細加工技術は日本の時計メーカーが最も得意とするところ。衣服のように身に着ける『ウエアラブル』の一つとして、『リスト型端末時代』の到来を予言する声も聞かれる。(高橋真人)・・・◇このところ様々な腕時計型の情報端末の商品化が相次いでいる。リストドリームと銘打った商品群の1つとして昨年GPS(衛星利用の位置測定システム)内蔵ウオッチを発売したカシオ計算機が来月30日に発売するのはリストオーディオプレーヤーで、5月からはリストカメラも発売する。・・・一方、ソニーが商品化した腕時計型ワイヤレスリモコンは、携帯型MD(ミニディスク)プレーヤーの操作用。・・・』(読売新聞2000.2.25) (6)『新型のMDウォークマン リモコン操作は腕時計でOK ソニー21日発売』の見出しのもとに『腕時計を操作すれば、ポータブル・ミニディスク(MD)プレーヤーから音楽が・・・。ソニーは、腕時計型のリモコンから再生操作が行えるMDウォークマン・MZ-E7Wを21日から発売する。腕時計型リモコンで演奏開始や停止、音量調節が行えるほか、液晶画面にはMDの動作状況や再生中の曲名が表示される。腕時計型のリモコンをポータブル音楽プレーヤーに採用したのは世界で初めてという。もちろんリモコンとしてだけでなく、時刻表示やアラームなど腕時計としての機能ももつ。価格は42000円で月産1万台を計画している。ソニーでは将来的にはディスクを使わずに、半導体メモリーを搭載した腕時計型ウォークマン商品の登場も考えられると話している。』(産経新聞2000.1.12) そして、例えば『腕時計』が『リストウォッチ』、『手首に巻くバンドや飾り』が『リストバンド』といわれている。 そうすると、技術革新により携帯性・ファッション性に優れたリスト型の商品が相次いで商品化されるということ、さらに、出願人をも含む数社がオーディオに関する腕時計タイプ(または腕時計に該機能を組み込ませたもの)の商品を発売していることからすると、『腕にはめる再生装置』といった意味合いを看取させる本願商標をその指定商品中、例えば、上記商品に使用しても単に商品の品質を表示しているものといわざるを得ない。 したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記商品以外の商品に使用するときは、商品の品質の誤認を生じさせるおそれがあるから、商標法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。 3 当審の判断 本願商標は、「リストプレーヤー」の片仮名文字よりなるところ、その構成中の「リスト」の文字は「目録、名簿、手首、経済学者の人名、作曲家の人名」等の意味(広辞苑:第5版)、「プレーヤー」の文字は「演奏者、レコードプレーヤー、CDプレーヤーなどの略」の意味(広辞苑 第5版)を有する外来語として、それぞれ知られているところである。 そして、本願商標の構成中の「リスト」の文字部分が「手首」の意味を有する語として理解される場合があるとしても、これらが結合した「リストプレーヤー」の文字よりは、直ちに原審説示のように、「腕にはめる再生装置」といった意味合いを看取させるとまではいい難く、特定の商品の品質を表示する語として、直接的、具体的に認識、理解させるとはいえないものである。 さらに、原審における拒絶の理由中の新聞記事例に、「腕時計型」の語を用いた記述部分がみられるとしても、「リストオーディオプレーヤー」及び「リストカメラ」等「リスト」の文字を用いたこれら新聞記事例は、請求人(出願人)の取扱いに係る商品に関する記事が主なものと認められる。 加えて、当審において職権をもって調査したところ、「リストプレーヤー」の文字が特定のプレーヤー(レコード・プレーヤー等)の品質、効能、用途等を表示するものとして、普通に使用されている事実を発見することができなかった。 そうしてみると、本願商標は、全体をもって、一種の造語を表したものとして認識、理解されるとみるのが相当であって、これをその指定商品に使用しても、自他商品の識別標識としての機能を十分果たし得るものであり、また、商品の品質について誤認を生じさせるおそれもないものである。 したがって、本願商標を商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するとした原査定は、妥当ではなく、取消しを免れない。 その他、本願について拒絶の理由を発見しない。 よって、結論のとおり審決する。 |
審決日 | 2004-05-12 |
出願番号 | 商願平11-89767 |
審決分類 |
T
1
8・
13-
WY
(Z0914)
T 1 8・ 272- WY (Z0914) |
最終処分 | 成立 |
前審関与審査官 | 加園 英明 |
特許庁審判長 |
小池 隆 |
特許庁審判官 |
鈴木 新五 柴田 昭夫 |
商標の称呼 | リストプレーヤー、リスト |
代理人 | 鈴江 武彦 |
代理人 | 小出 俊實 |
代理人 | 石川 義雄 |
代理人 | 吉野 日出夫 |