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審決分類 |
審判 査定不服 商3条1項6号 1号から5号以外のもの 登録しない Z36 |
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管理番号 | 1096700 |
審判番号 | 不服2001-641 |
総通号数 | 54 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 商標審決公報 |
発行日 | 2004-06-25 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2001-01-17 |
確定日 | 2004-04-16 |
事件の表示 | 平成11年商標登録願第67366号拒絶査定に対する審判事件について、次のとおり審決する。 |
結論 | 本件審判の請求は、成り立たない。 |
理由 |
1 本願商標 本願商標は、「ニーズ細分型自動車保険」の文字を書してなり(標準文字による商標)、第36類に属する願書記載のとおりの役務を指定役務として、平成11年7月29日に登録出願されたものである。 そして、願書記載の指定役務については、当審において平成13年1月17日付け手続補正書によって、第36類「自動車保険の引受け」と補正されたものである。 2 原査定の拒絶の理由 原査定は、「本願商標は、『要求を細かく分けた型式の自動車保険』の意味合いを認識させる「ニーズ細分型自動車保険』の文字を書してなるところ、指定役務を取り扱う業界においては、需要者の要求(ニーズ)に応じて様々な補償内容を選択できる保険が取り扱われており、かつ、「お客様のニーズに合わせて、補償範囲の異なる3つのタイプを用意』『ニーズにあった保険を提案』『お客様のニーズに応じて選択いただける』『ひとりひとりのニーズにあったプラン』等のように顧客の要求に応じた保険を取り扱うことを謳う宣伝広告が行われている実情を考慮すると、これを本願指定役務中例えば、『顧客の要求に応じて補償内容を細分化した自動車保険契約の締結の代理』に使用しても需要者が何人かの業務に係る役務であることを認識することができないものと認める。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第6号に該当し、前記役務以外の役務に使用するときは、役務の質の誤認を生じさせるおそれがあるので、商標法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定、判断して、本願を拒絶したものである。 3 当審の判断 本願商標は、上記のとおり、「ニーズ細分型自動車保険」の文字よりなるものである。 ところで、本願指定役務をも含め、保険に関する役務を取り扱う業界では、需要者たる被保険者からの要求を示す語として「ニーズ」(英語「needs(要求、需要)」の表音)を使用していること、さらに、自社が提供する保険がいかに需要者のニーズに合致したものであるかといった点を、同業他社との優位性として宣伝することは普通に行われているところである。 このことは、「ニーズに合わせた」及び「保険」の文字をキーワードとして、インターネットのホームページ検索をしてみれば、多数の検索結果が得られる点からも容易に確認できる。 また、近年、自動車保険において、年齢、性別、安全運転歴、使用目的、年間走行距離、使用地域、自動車の種別、安全装置の有無等、リスクの条件を細分化し、条件毎に事故率を設定することにより、事故で保険を使うリスクが少ない人ほど保険料が安くなるシステムの保険を提供し、該保険を「リスク細分型自動車保険」と称していることは、一般にも広く知られるところである。 そこで、かかる事情のもと本願商標をみるに、その各構成文字である「ニーズ」、「細分型」及び「自動車保険」の有するそれぞれの語意より、全体として「要求を細分する形式の自動車保険」の意味合いが容易に想起されるものと認められる。 そして、上記「リスク細分型自動車保険」が一般に広く知られていることより、本願商標をその指定役務に使用した場合、これに接した需要者は、提供される自動車保険が、様々な条件の項目が細分化して設定されており、自分の必要とする条件に、より合致したものにすることができるの保険であるかの如く、役務の特性を記述した用語として理解するにとどまるものと認められるから、結局、本願商標は、需要者が何人かの業務に係る役務であることを認識することができない商標というべきである。 したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第6号に該当し、登録することができない。 なお、請求人は、本願商標を、本願指定役務について使用し、テレビ、新聞、雑誌等において大きく宣伝したことによって、本願商標は、請求人の業務に係る役務であると認識されるに至っている旨主張し、甲第1号証ないし甲第61号証を提出している。 そこで、請求人提出の各証拠について検討するに、甲第3号証ないし同第9号証、同第42号証及び同第52号証ないし同第53号証は、新聞、雑誌に掲載された請求人保険の説明記事であるが、概ね「『ニーズ細分型自動車保険』は、ひとりひとりのニーズに最適な保険を実現するため、リスク細分型自動車保険を更に充実させた保険であり、これを『ONE』と称して発売し、好評を得ている。」という内容である。その他の甲各号証は、いずれも「ニーズ細分型自動車保険」の文字と共に、当該文字に比べ明らかに大きく、太字にて顕著に表された「ONE」又は「ONE-do」の文字が記載されているものである。 そうとすれば、これらの記事、広告に接した需要者は、「ONE」又は「ONE-do」の文字により強く注意を惹かれ、該部分に自他役務の識別標識として機能を見出すものと認められ、少なくとも、上記のとおり指定役務の特性を記述しているとみられる「ニーズ細分型自動車保険」の文字部分が単独で自他役務を識別するための標識として認識されるとは認められないから、この点についての請求人の主張は採用の限りでない。 よって、結論のとおり審決する。 |
審理終結日 | 2004-01-29 |
結審通知日 | 2004-02-18 |
審決日 | 2004-03-04 |
出願番号 | 商願平11-67366 |
審決分類 |
T
1
8・
16-
Z
(Z36)
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最終処分 | 不成立 |
前審関与審査官 | 末武 久佳 |
特許庁審判長 |
小池 隆 |
特許庁審判官 |
田中 幸一 山本 良廣 |
商標の称呼 | ニーズサイブンガタジドーシャホケン、ニーズサイブンガタ、ニーズサイブン、ニーズ |
代理人 | 宇高 克己 |