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審決分類 審判 査定不服 商3条1項3号 産地、販売地、品質、原材料など 登録しない Z30
審判 査定不服 商4条1項16号品質の誤認 登録しない Z30
管理番号 1096698 
審判番号 不服2001-6078 
総通号数 54 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2004-06-25 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2001-04-18 
確定日 2004-04-14 
事件の表示 平成11年商標登録願第93573号拒絶査定に対する審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。
理由 1 本願商標
本願商標は、「BANETTE」の文字を標準文字として、第30類「菓子及びパン,食用粉類」を指定商品として、平成11年10月14日に登録出願されたものである。

2 原査定の拒絶の理由
原査定は、「『カゴ・パン』とも言われている、大きい球状のフランス・パンをいう『バネット』(株式会社製菓実験社発行『パン・洋菓子事典』)を直感させる『BANETTE』の文字を普通に用いられる方法で書してなるものですから、これを本願指定商品中『パン,小麦粉』に使用しても、『上記パン、または上記パン用の小麦粉』であることを看取するにとどまり、単に商品の品質、用途を表示するにすぎないものと認める。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記商品以外の商品について使用するときは商品の品質の誤認を生じさせるおそれがあるから、商標法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。

3 当審の判断
本願商標を構成する「BANETTE」の欧文字は、「(柳、アシなどででた)小かご」を意味(小学館ローベル仏和大辞典)を有し、菓子及びパンを取り扱う業界においては、「大きい球状で、表面に大きな網状の切れ目があるフランスパン。別名カゴ・パン」を意味(株式会社製菓実験社発行「パン・洋菓子事典」)する語として用いられている仏語「Bannette(バネット)」を想起、認識させるものといえるものである。
すなわち、本願商標にあって、前記「BANETTE」の欧文字は、当該仏語「Bannette」の文字綴りと一部相違するものであるが、全8文字中の7文字の文字配列を同じくし、それ自体の外観、印象にさほどの差異がないものであるから、専ら、全体の文字配列から受ける外観、印象を優先させて、その意味合いを容易に感得・理解するとみるのが、取引の経験則に照らして相当である。
したがって、「BANETTE」の欧文字は、仏語の「Bannette(バネット)」を想起させる以外の何ものでもないといわなければならない。
そして、「Bannette(バネット)」の文字は、例えば、インターネット・ホームページおいて、以下のように用いられている。
(1)ルノトールのホームページにおける、パンのラインアップの欄において「バネット・・450/230円 ふっくらのパン生地を大型にし、白ゴマの香味を添えました。」(http://www.lenotre.ne.jp/menu/bread.html)。
(2)フリアンパン洋菓子店のホームページにおける、商品紹介の欄において「バネット 定価120円 源流名水仕込み利根川使用パン」(http://www4.ocn.ne.jp/friand/syouhinannai.files/main.html)。
(3)パンの聞き耳ふぉ〜らむのホームページにおける、ドミニク・ドーセ店の紹介の欄において、「カレンズ(150)パンオレザン(200)バゲット(250) クロワッ サン(120)ノルマンディータルト(980) バネット(120) クッペ(100)バタール(250)アロシェンヌ・ぶどう(350) アロシェンヌ・セサミ(350)カトルカール(150) フランス人ブランジェ(パン職人)が焼き上げる本場フランスの味」(http://www.kikimimi.info)。
以上のように、菓子及びパンを取り扱う業界において、「Bannette(バネット)」の語は、商品「パン」を表すものとして、実際に用いられている実情にあると認められる。
そうすると、本願商標を、その指定商品中の「パン,小麦粉」に使用した場合、これに接する取引者、需要者は、その商品が、「上記パン、または上記パン用の小麦粉」であると理解、認識し、単に商品の品質、用途を表示したものと理解するにとどまり、それをもって自他商品の識別標識とは認識しないとみるのが相当である。
また、前記以外の商品に使用するときには、商品の品質について誤認を生ずるおそれがあるというべきである。
請求人は、バネットなる言葉が一般に用いられている言葉ではなく、BANETTEなるフランス語が存在しておらず、あくまで造語である旨主張するが「菓子及びパン,食用粉類」を指定商品とする本願商標にあって「BANETTE」は英語の「Bannette(バネット)」としてしか認識されないとした前記認定を相当とするところであるから、その主張は妥当でなく、採用の限りでない。
したがって、本願商標が商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するものとして、本願を拒絶した原査定は、妥当であって、取り消すことができない。
よって、結論のとおり審決する。
審理終結日 2003-11-06 
結審通知日 2003-11-11 
審決日 2003-11-28 
出願番号 商願平11-93573 
審決分類 T 1 8・ 272- Z (Z30)
T 1 8・ 13- Z (Z30)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 佐藤 松江 
特許庁審判長 野本 登美男
特許庁審判官
椎名 実
柳原 雪身
商標の称呼 バネット、バネッテ 
代理人 津国 肇 

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