• ポートフォリオ機能


ポートフォリオを新規に作成して保存
既存のポートフォリオに追加保存

この審決には、下記の判例・審決が関連していると思われます。
審判番号(事件番号) データベース 権利
取消200430916 審決 商標
取消200030334 審決 商標
取消200030520 審決 商標
取消200431044 審決 商標
取消200331264 審決 商標

  • この表をプリントする
PDF PDFをダウンロード
審決分類 審判 一部取消 商標の同一性 無効としない 117
管理番号 1096476 
審判番号 取消2002-30159 
総通号数 54 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2004-06-25 
種別 商標取消の審決 
審判請求日 2002-02-13 
確定日 2004-04-06 
事件の表示 上記当事者間の登録第728646号商標の登録取消審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 審判費用は、請求人の負担とする。
理由 第1 本件商標及び使用に係る商標
本件登録第728646号商標(以下「本件商標」という。)は、「パデイ」の片仮名文字を横書きしてなり、昭和40年7月3日に登録出願、第17類「被服(運動用特殊被服を除く)布製身回品(他の類に属するものを除く)寝具類(寝台を除く)」を指定商品として、同42年1月6日に設定登録されたものであり、その後3回にわたり存続期間の更新登録がなされ、現に有効に存続しているものである。
また、被請求人の使用に係る商標(以下「使用商標」という。)は、別掲のとおりの構成よりなるものである。

第2 請求人の主張
1 請求の趣旨
請求人は、「商標法第50条第1項の規定により、本件商標の指定商品中、『17類 洋服、コート,セーター類,ワイシャツ類,下着,ねまき類,帽子,ナイトキャップ,ずきん,ヘルメット,すげがさ,頭から冠る防虫網』の登録を取り消す。審判費用は被請求人の負担とする。との審決を求める。」と申し立て、請求の理由及び答弁に対する弁駁を要旨次のように述べ、証拠方法として甲第1号証及び甲第2号証を提出した。
2 請求の理由
本件商標は、その指定商品中「洋服,コート,セーター類,ワイシャツ類,下着,ねまき類,帽子,ナイトキャップ,ずきん,ヘルメット,すげがさ,頭から冠る防虫網」につき、継続して3年以上、日本国内において、商標権者によって使用されていない。
加えて、商標登録原簿上において、通常使用権及び専用使用権の設定の登録がなされていないことから、使用権者が本件商標を請求に係る指定商品に使用していることも考えられない。
3 答弁に対する弁駁
(1)乙第1号証について
乙第1号証は、被請求人の健康機能製品のカタログとされているが、当該カタログの表紙に表されている使用商標は、本件商標とはその構成を異にするばかりでなく、長音の有無という顕著な差異を有するものであるから、本件商標と社会通念上同一であるとは認められない。
加えて、乙第1号証の商品カタログに掲載されている商品である「靴下」「サポーター」は、本件審判の請求に係る指定商品である「洋服,コート,セーター類,ワイシャツ類,下着,ねまき類,帽子,ナイトキャップ,ずきん,ヘルメット,すげがさ,頭から冠る防虫網」に含まれるものではない。
したがって、乙第1号証は、本件商標が本件審判の請求に係る指定商品について使用されている事実を立証する証拠にはなり得ない。
(2)乙第2号証について
乙第2号証は、被請求人の商品カタログとされているが、当該カタログの表紙に表されている使用商標は、本件商標とはその構成を異にするばかりでなく、長音の有無という顕著な差異を有するものであるから、本件商標と社会通念上同一とであるとは認められない。
したがって、乙第2号証は、何ら本件商標の使用を立証する証拠にはなり得ない。
(3)乙第3号証について
乙第1号証及び乙第2号証のカタログ中で、本件審判の請求に係る指定商品に含まれる商品は、乙第2号証に掲載の(イ)T-7158、(ロ)T-7165、(ハ)T-7160、(ニ)T-7058、(ホ)T-7053、(ヘ)T-7050、(ト)T-7063、(チ)T-7065、(リ)T-7060のみであるところ、乙第3号証の納品書中に当該商品の品番は一切掲載されていない。そのため、乙第3号証は、本件商標が本件審判の請求に係る指定商品に使用されていたことを立証する証拠にはなり得ない。
(4)被請求人の提出する証拠は全て日本国において本件審判の請求の登録日以前に本件商標が「洋服,コート,セーター類,ワイシャツ類,下着,ねまき類,帽子,ナイトキャップ,ずきん,ヘルメット,すげがさ,頭から冠る防虫網」について使用されていた事実を証明するものではない。

第3 被請求人の答弁
1 被請求人は、結論同旨の審決を求めると答弁し、答弁の理由及び意見書の理由において要旨次のように述べ、証拠方法として乙第1号証ないし乙第8号証(枝番号を含む。)及び検乙第1号証ないし検乙第4号証を提出した。
2 答弁の理由
被請求人は、下着・ねまき類及び各種サポーター類、手袋類、ショール、スカーフ、枕カバー類並びに各種靴下類の商号として、本件商標を以前から現在まで継続して使用している。
3 意見書の理由
(1)本件商標と使用商標の類似性について
請求人は、弁駁書において、本件商標と使用商標は、その構成を異にすると強弁するが、明らかな間違いである。
すなわち、文字商標にあっては、「ともに同数音の呼称からなり、相違する一音が長音の有無」である商標は、社会通念上同一と認められる(有斐閣「商標(第5版)」網野誠著第5章商標の類否478頁、青林書院「商標の法律相談」文字商標の類否181頁」)。
したがって、両者は、いずれも商標法第50条第1項括弧書における「〜その他の当該登録商標と社会通念上同一と認められる商標」であって、同条にいう「登録商標」である。
(2)乙第1号証ないし乙第3号証は、下着・ねまき類及び各種サポーター類、手袋類、ショール、スカーフ、枕カバー類並びに各種靴下類の商標として、本件商標が現在まで継続して使用されていた事実を如実に証明している。
すなわち、
(イ)乙第1号証のカタログには本件商標を使って靴下類とサポーターと呼称する各種下着類や手袋類及びガーゼ類等の多種多様な被服が掲載されている。
(ロ)乙第2号証は、下着・ねまき類等の各種肌着類のカタログである。本件商標が印刷され、商品名に冠されている。
(ハ)乙第3号証は、乙第1号証や乙第2号証に記載された商品が1999年8月から2000年12月までの間に製造・出荷されていたことを証明する納品書である。
なお、請求人は、弁駁書で、乙第3号証の納品書には乙2号証のカタログに記載されている「T-7158」等の記述がないことを理由に、該カタログに記載された商品は乙第2号証に記載された商品とは同一でない旨主張する。
しかしながら、乙第2号証の「Tー7158」等の番号は通信販売用のカタログ番号であって、納品書の商品番号ではない。そして商品の特定に関しては、乙第2号証の商品名と乙第3号証の納品書の品名欄(例えば、乙第2号証の右側下の「ヘビーウェイト8分袖スリーマーのMサイズ」と乙第3号証の4の最上段の品名「無地八分袖スリーマーM」は同一である。すなわち乙第2号証の左側に「ライトウエイト」と「ヘビーウェイト」の意味の説明があり、ライトが編み柄でヘビーが無地と説明されている。)で商品を特定できるのである。念のためカタログ番号と商品番号を対比した書面を乙第4号証として提出し、かつ、乙第3号証の1ないし6に加えて、取引があったことを証明するため、乙第3号証の7ないし14を追加する。
以上によって、1999年8月から2000年12月に本件商標を使用した商品が製造出荷され、取引社会に流通していった事実が明確に証明できるのである。この時期以外に本件商標の使用が継続していたことはいうまでもない。
(3)ところで、被請求人は、使用商標だけではなく、「パデイ」や「パディ」の商標も従前より継続して使用し、現在も使用し、今後も使用する所存である。
すなわち、被請求人は、乙第5号証「商標権更新登録出願控(弁理士鎌田文二外2名作成)」で平成8年8月当時本件商標を使用していた事実を証明する。
また、乙第6号証「証明書((株)アートパック作成)」で、同書面に添付された「パディ」の文字の入ったパッケージを平成12年7月から同14年2月まで製作して、被請求人に納品し、同人はこれに商品を入れて流通させたのである。
さらに、乙第7号証「証明書((株)典沃作成)」で、同書面に添付されたリーフレットに「パデイ」の文字が入った商品が記載されている。右書面によりそのリーフレットが平成12年7月から同13年9月頃の間被請求人に納入された事実を証明する。
以上の乙第7号証のリーフレットに記載され、かつ、乙第6号証のパッケージに入れられた商品の現物の写真が検乙第1号証ないし同第4号証である。検乙第1号証の左及び中央の商品と検乙第2号証ないし同第4号証の商品は乙第6号証のパッケージと全く同一であり、乙第7号証のリーフレットに印刷された商品と同一である。さらに、その製品が出荷されたことを証明するための納品書を乙第8号証の1ないし9として提出する。

第4 当審の判断
被請求人が提出した乙各号証について検討するに、乙第2号証は、肌着に関する商品パンフレットの写しと認められるところ、左側中段には、使用商標が表示され、左側右下には、「T-7060」及び「ヘビーウエイトショーツ」の文字が二段に表示されている。
乙第3号証の13は、請求人が取引業者に宛てた「納品書(控)」の写しと認められるところ、右上に「0年9月5日」の日付が表示され、「品番・品名」の欄には、「T-310無地ショーツM」及び「(T7060)」の文字が二段に表示され、「合計」の欄には「¥6,300」の表示がなされている。
以上の証拠方法を総合してみれば、被請求人は、本件審判の請求の登録(平成14年3月13日)前3年以内である平成12年(2000年)9月5日に、日本国内において、使用商標を、取消請求に係る第17類の指定商品に含まれる「下着」について使用していたものと認めることができる。
また、請求人は、使用商標は、本件商標と社会通念上同一と認められない旨主張しているので、次にこの点について検討する。
確かに、使用商標は、別掲に示したとおり、本件商標と比べて語尾の「イ」が長音を伴っている点及びやや図案化されている点において相違している。
しかしながら、「パーティー」を「パーティ」、「オールマイティー」を「オールマイティ」、「バラエティー」を「バラエティ」のように、片仮名の表記においては、語尾の「イ」に続く長音が省略して表記される場合があることよりすれば、語尾音「イ」の長音の有無が両商標にさほど強い印象の差を与えるものとは、いい難い。
さらに、本件商標は、30年以上前に設定登録されたものであるところ、登録商標は、時代と共に多少の変更を加えて使用されるのが一般的であるという事情をも考慮すると、使用商標は、本件商標と社会通念上同一の商標の範囲内にあるものとみるのが相当である。
したがって、本件商標の指定商品中、請求に係る第17類の指定商品についての登録は、商標法第50条の規定により、取り消すことができない。
よって、結論のとおり審決する。
別掲 使用商標

審理終結日 2003-11-07 
結審通知日 2003-11-12 
審決日 2003-11-26 
出願番号 商願昭40-31120 
審決分類 T 1 32・ 11- Y (117)
最終処分 不成立  
特許庁審判長 茂木 静代
特許庁審判官 井岡 賢一
瀧本 佐代子
登録日 1967-01-06 
登録番号 商標登録第728646号(T728646) 
商標の称呼 パデイ 
代理人 中川 博司 
代理人 三枝 英二 
代理人 掛樋 悠路 
代理人 野田 英二 

プライバシーポリシー   セキュリティーポリシー   運営会社概要   サービスに関しての問い合わせ