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審決分類 審判 一部申立て  登録を維持 Z293032
審判 一部申立て  登録を維持 Z293032
審判 一部申立て  登録を維持 Z293032
管理番号 1093806 
異議申立番号 異議2003-90407 
総通号数 52 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2004-04-30 
種別 異議の決定 
異議申立日 2003-07-22 
確定日 2004-03-08 
異議申立件数
事件の表示 登録第4661701号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 登録第4661701号商標の商標登録を維持する。
理由 1 本件商標
本件登録第4661701号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲1のとおりの構成からなり、平成11年3月18日に登録出願、第29類、第30類、第31類及び第32類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品を指定商品として、平成15年4月11日に設定登録されたものである。

2 引用商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)が引用する登録商標は、以下のAないしD(以下、これらをまとめて「引用商標」という。)のとおりである。
A 登録第2081208号商標
商標の構成 「サッポロ」の文字を横書きしたもの
登録出願日 昭和53年9月13日
設定登録日 昭和63年9月30日
指定商品 第28類「ビール」
B 登録第2081209号商標
商標の構成 「SAPPORO」の文字を横書きしたもの
登録出願日 昭和53年9月13日
設定登録日 昭和63年9月30日
指定商品 第28類「ビール」
C 登録第2487504号商標
商標の構成 別掲2のとおり
登録出願日 平成1年12月29日
設定登録日 平成4年12月25日
指定商品 第28類「酒類(薬用酒を除く)」 その後、平成15 年6月18日に第32類「ビール,ビール風味の麦芽発 泡酒」及び第33類「日本酒,洋酒,果実酒,中国酒」 に書換登録
D 登録第4348850号商標
商標の構成 別掲3のとおり
登録出願日 平成10年11月17日
設定登録日 平成12年1月7日
指定商品 第32類「清涼飲料(コーヒーシロップを除く。),果 実飲料(トマトジュースを除く。)」

3 登録異議申立ての理由の要点
申立人は、本件商標の指定商品中、第29類、第30類及び第32類に属する商標登録原簿に記載のとおりの全指定商品について、その登録は取り消されるべきであると申し立て、その理由を次のように述べている。
(1)本件商標について
本件商標は、別掲1のとおりの構成からなるところ、中央の所謂「暖簾記号」は昨今の「CIブーム」と共に、次第にその使用例が少なくなり、なじみの薄いマークとなっており、その称呼を俄に特定し難いため、その両側に記載された「札幌」より生ずる「サッポロ」の称呼の方が称呼し易い、読み易い構成となっている。
本件商標の拒絶査定に対する不服審判においても、該暖簾記号部分から俄に称呼が生じないと判断されている。
(2)使用商標について
申立人が使用する商標「サッポロ」及び「SAPPORO」(以下、これらをまとめて「使用商標」という。)は、大手ビールメーカー4社の「キリン」、「アサヒ」、「サントリー」と並び、商品「ビール、清涼飲料、果実飲料」において競争する巨大メーカーのハウスマークとして、日本国内において周知・著名なブランドとなっていることは、特許庁においても顕著な事実であると確信する。
(3)本件商標と引用商標及び使用商標との類否について
本件商標は、上記(1)のとおり、その構成中の「札幌」の文字より生ずる「サッポロ」の称呼の方が読み易いものである。確かに、「札幌」の漢字は、行政区画の名称ではあるが、「ビール、清涼飲料、果実飲料」等の飲料商品に本件商標を使用するときは、いかに政令指定都市の名称といえど、「サッポロ」の称呼をも生ずる商標である以上、申立人の取り扱う商品との関連を想起させる商標といわざるを得ない。まして、本件商標の権利者は、「ビール、清涼飲料」等の飲料商品に、「サッポロ」の称呼をも生じ得る、本件商標を使用する意図を明示し、これらの商品をもわざわざ指定している。特に、政令指定都市の名称を産地、販売地として表示するためなら、ラベル全形でもない本件商標の如き要部の出願に際し、これを表示する必然性は極めて少なく、あえて商標としての称呼を生ずる要部として採択し、かつ、上記商品をも指定している。一方、引用商標は、いずれも「サッポロ」の称呼を要部とした商標であり、また、使用商標は「サッポロ」の称呼で全国的に周知・著名となっているものであって、いずれも本件商標と類似するものである。
(4)したがって、本件商標は、その指定商品中第32類「ビール,清涼飲料,果実飲料」につき、引用商標との関連において、商標法第4条第1項第11号に該当し、第29類「乳製品」、第30類「コーヒー及びココア,茶」及び第32類「ビール,清涼飲料,果実飲料,飲料用野菜ジュース,ビール製造用ホップエキス」につき、使用商標との関連において、同法第4条第1項第10号及び同第15号に該当するものであるから、上記商品についての登録は取り消されるべきである。

4 当審の判断
本件商標は、別掲1のとおり、極太正円内に「正」の文字を書した、いわゆる暖簾記号を中央に表し、その左側に「札」の文字を、右側に「幌」の文字を配してなるものであるところ、左右に配された「札」及び「幌」の文字は、政令指定都市の一つで、北海道の道庁所在地である地名としての「札幌」を表したものと容易に理解し認識されるものである。
ところで、商品の取引においては、商品の産地、販売地等を示すために地名を表示することが一般に行われており、商標中に地名を表示することもしばしば行われている。
しかして、本件商標は、上記のとおり、構成中の「札」及び「幌」の文字部分は地名としての「札幌」を容易に連想、想起し、商品の産地、販売地を表示したものと理解し認識されるとみるのが自然であるから、暖簾記号の部分をもって自他商品の識別標識としての機能を果たすものとみるのが相当である。そして、暖簾記号には、図形部分を読み込んで称呼する取引の実情があるところ、本件商標を敢えて称呼するとすれば、「サッポロマルショウ」、「サッポロマルセイ」、「サッポロマルマサ」、「マルショウ」、「マルセイ」、「マルマサ」といった称呼を生ずるといえるが、自他商品識別のために、単に「サッポロ」とは称呼されないというべきである。
他方、引用商標は、片仮名文字若しくは欧文字又は星形図形と欧文字の組み合わせからなるものであり、ともに「サッポロ」の称呼を生ずるものである。
そうすると、本件商標から「サッポロ」の称呼が生ずることを前提に、本件商標と引用商標とが類似するものであるとする申立人の主張は、理由がない。
また、本件商標と引用商標は、その外観及び観念においても相紛れるおそれはない。
してみれば、本件商標と引用商標とは、その称呼、外観及び観念のいずれの点においても類似しない商標である。
さらに、引用商標が「ビール」等に使用する商標として需要者間に広く認識されていることが認められるとしても、上記のとおり、本件商標と引用商標とは、その差異が顕著であり類似しない別異の商標であるから、本件商標をその指定商品に使用した場合、これに接する取引者、需要者が引用商標や申立人を連想、想起するようなことはなく、商品の出所について混同を生ずるおそれもないというべきである。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号、同第10号及び同第15号のいずれにも違反して登録されたものではない。
よって、同法第43条の3第4項の規定に基づき、結論のとおり決定する。
別掲 別掲1 本件商標



別掲2 登録第2487504号商標



別掲3 登録第4348850号商標


異議決定日 2004-02-17 
出願番号 商願平11-24246 
審決分類 T 1 652・ 271- Y (Z293032)
T 1 652・ 26- Y (Z293032)
T 1 652・ 25- Y (Z293032)
最終処分 維持  
前審関与審査官 山内 周二 
特許庁審判長 宮下 正之
特許庁審判官 富田 領一郎
小川 有三
登録日 2003-04-11 
登録番号 商標登録第4661701号(T4661701) 
権利者 丸正食品株式会社
商標の称呼 サッポロマルショー、マルショー 
代理人 松田 治躬 
代理人 飯島 紳行 
代理人 小椋 崇吉 

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