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審決分類 審判 一部取消 商50条不使用による取り消し 無効とする(請求全部成立)取り消す(申し立て全部成立) 107
管理番号 1093656 
審判番号 取消2002-30737 
総通号数 52 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2004-04-30 
種別 商標取消の審決 
審判請求日 2002-06-20 
確定日 2004-03-03 
事件の表示 上記当事者間の登録第2499897号商標の登録取消審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 登録第2499897号商標の指定商品中「木材」については、その登録は取り消す。 審判費用は、被請求人の負担とする。
理由 1 本件商標
本件登録第2499897号商標(以下「本件商標」という。)は、「トレックス」の文字を横書きしてなり、平成2年12月21日に登録出願、第7類「セメント,その他本類に属する商品」を指定商品として、平成5年1月29日に設定登録、その後、商標権の存続期間の更新登録が平成14年11月5日になされ、また、指定商品を第6類「建築用又は構築用の金属製専用材料,金属製建造物組立てセット」、第19類「陶磁製建築専用材料・れんが及び耐火物,リノリューム製建築専用材料,プラスチック製建築専用材料,合成建築専用材料,アスファルト及びアスファルト製の建築用又は構築用の専用材料,ゴム製の建築用又は構築用の専用材料,しっくい,石灰製の建築用又は構築用の専用材料,石こう製の建築用又は構築用の専用材料,繊維製の落石防止網,建造物組立てセット(金属製のものを除く。),土砂崩壊防止用植生板,窓口風防通話板,区画表示帯,セメント及びその製品,木材,石材,建築用ガラス」、第21類「ガラス基礎製品(建築用のものを除く。」とする書換登録が平成15年4月9日になされているものである。

2 請求人の主張
請求人は、本件商標の指定商品中「木材」について登録を取り消す、との審決を求め、その理由及び被請求人の答弁に対する弁駁を要旨次のように述べ、証拠方法として甲第1号証及び甲第2号証を提出した。
(1)請求の理由
本件商標は、その指定商品「木材」について、少なくとも過去3年以上日本国内において商標権者によって使用された事実がない。加えて、商標登録原簿上において、通常使用権及び専用使用権等の設定登録がなされておらず、使用権者が使用していることも考えられない。よって、本件商標は、その指定商品中「木材」については、商標法第50条第1項の規定により取り消されるべきものである。
(2)被請求人の答弁に対する弁駁
被請求人が提示した乙第1号証には木材と関連する商品が全くない。また、被請求人が提示した乙第2号証にも商標「トレックス」が商品「木材」について使用したことを示すものは何もない。せいぜい乙第2号証のフロントページの「ウオーターセキュリティシステム」に対して「トレックス」が使用されているにすぎない。乙第2号証の中に木片の塊と木片の写真が一部掲載されるが、この木片の塊と木片に「トレックス」の商標が付されていたとは到底読みとることができない。さらに、被請求人が使用の証拠として提出したものはカタログ(乙第1号証及び乙第2号証)だけであって、商標「トレックス」が商品「木材」について過去3年以内に使用されたことを具体的に示す証拠は何ら提示されていない。
してみると、被請求人が本件商標を商品「木材」について使用していないことは明らかである。

3 被請求人の答弁
被請求人は、本件審判の請求は成り立たない、審判費用は請求人の負担とする、との審決を求める、と答弁し、その理由を要旨次のように述べ、乙第1号証及び乙第2号証を提出した。
(1)被請求人は、本件商標を以下のとおり、指定商品「木材」について過去3年以内に日本国内において使用している。
(2)乙第1号証として示すカタログ「トレックス/TOREX」は、平成11年11月1日に被請求人が作成して一般に広く配布しているもので、その第4頁に記載されているとおり、「トレックス」は、「高能率な雨水地下浸透システム」の商標として使用している。なお、上記乙第1号証は、被請求人が平成4年10月1日に初版を作成したカタログの3版である。
トレックスは、乙第1号証の4頁に記載されているとおり、道路各部、歩道部、駐車場、各プレイスポット、建物・店舗、公園・各種スポーツ施設、学校施設、グランド、広場などにおける雨水排水処理として利用するもので、公園・学校などにおいては、周辺地で雨水流出抑制システム、道路、歩道部に降った雨水を集水ユニットを通し安全に効率よく地下に還元するものである。
したがって、被請求人は、商標「トレックス」を地中若しくは地表面に設置する高能率な雨水地下浸透システムという商品について使用しているものと認識している。そして、乙第1号証に示すトレックスは、集水浸透角桝との組合せによる使用態様である。
(3)また、トレックスである「高能率な雨水地下浸透システム」の商品の一部として、乙第2号証のカタログ「トレックス」を平成6年に作成し、平成12年10月まで配布していた。乙第2号証の2頁の下端右側に掲載されている写真のブロックは、多数の木片を接着剤で点接着させた浸透性、保水性、吸水性、撥水性のある木製ブロックで、トレックスである「高能率な雨水地下浸透システム」の商品の一部であり、原材料である木片が3頁の下端右側の写真に掲載されている。
この木製ブロックは、主として公園や運動場の花壇の周縁、遊歩道などの左右側縁などに並列状に設置して土留めにするもので、下側の半分程度を地中に埋設して上方を地表面に突出させることにより、地表面の雨水が地中に浸透するとともに毛細管により保水し、地中が乾燥すると毛細管により保持している水分が地中に発散し、植物に水分を供給する役目をもっている。
したがって、花壇や遊歩道の土留め用のブロックとして使用すると、雨水の地中浸透用であって、植物の成育に寄与することができるものである。この木製ブロックは、乙第2号証の配布当時の平成6年から製造、販売し、現在も製造、販売中である。
前記乙第2号証のカタログは、平成12年10月まで配布していたが現在では配布により永久保存用の原本しか存在しないので、カラーコピーとして提出する。なお、現在は追加印刷中である。
(4)以上によって明らかなように、乙第1号証によって商標トレックスの使用商品を特定できるし、また乙第2号証によって木製ブロックに現在でも使用していることを証明できる。したがって、本件商標は、その指定商品「木材」について、少なくとも過去3年以上日本国内おいて、商標権者によって使用された事実がない、と認定できない。

4 当審の判断
乙第1号証及び乙第2号証は、いずれも被請求人会社の「トレックス(TOREX)」という商標を使用した「ウォーターセキュリティシステム」のカタログと認められるところ、乙第1号証には、コンクリート二次製品とみられる商品は掲載されているが、木材というべき商品は全く掲載されていない。
そして、乙第2号証のカタログには、被請求人が「多数の木片を接着剤で点接着させた浸透性、保水性、吸水性、撥水性のある木製ブロック」であり、「高能率な雨水地下浸透システム」(「トレックス(TOREX)」という商標を使用した「ウォーターセキュリティシステム」)の一部であるとするものが設置使用されている状態を示していると思われる写真が掲載されている。
しかし、乙第2号証のカタログ中には、上記の「多数の木片を接着剤で点接着させた浸透性、保水性、吸水性、撥水性のある木製ブロック」についての説明は全く記載されておらず、また、これが上記の「高能率な雨水地下浸透システム」の一部を構成する商品であるかについても、乙第2号証のカタログの記載全体を総合しても明らかでない。
そうすると、乙第1号証及び乙第2号証によっては、被請求人が商品「木材」について、本件商標を使用した事実を認めることができない。
そして、他に、本件商標が本件審判請求に係る指定商品「木材」について使用された事実を認め得る証拠はない。
してみれば、被請求人は、本件審判請求の登録前3年以内において、取消しに係る指定商品について本件商標を使用していなかったものといわざるを得ず、また、使用していないことについて正当な理由があることを明らかにしていないものである。
したがって、本件商標の登録は、その指定商品中「木材」については、商標法第50条の規定により、取り消すべきである。
よって、結論のとおり審決する。
審理終結日 2003-12-25 
結審通知日 2004-01-06 
審決日 2004-01-21 
出願番号 商願平2-142067 
審決分類 T 1 32・ 1- Z (107)
最終処分 成立  
前審関与審査官 佐藤 正雄 
特許庁審判長 小池 隆
特許庁審判官 柴田 昭夫
鈴木 新五
登録日 1993-01-29 
登録番号 商標登録第2499897号(T2499897) 
商標の称呼 トレックス 
代理人 浅野 典子 
代理人 風早 信昭 

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