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審決分類 審判 査定不服 称呼類似 登録しない Z09
管理番号 1090279 
審判番号 不服2001-10030 
総通号数 50 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2004-02-27 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2001-06-14 
確定日 2003-12-19 
事件の表示 平成11年商標登録願第84076号拒絶査定に対する審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。
理由 1 本願商標
本願商標は、「Visual Phone」の文字を横書きしてなり、第9類の願書に記載のとおりの商品を指定商品として、平成11年9月20日に登録出願、その後、平成12年8月10日付けをもって手続補正書の提出があり、その指定商品が第9類「電話回線を使用した画像伝送装置,電話回線を使用した画像音声伝送装置,LAN及び電話回線を使用した画像伝送装置,LAN及び電話回線を使用した画像音声伝送装置」に補正されたものである。

2 引用商標
原審が平成12年6月28日付け拒絶理由通知において拒絶の理由に引用した平成11年商標登録願第56353号(以下「引用商標A」という。)は、別掲のとおりの構成よりなり、平成11年6月23日に登録出願、第9類「テレビ電話機」を指定商品として、平成12年10月27日に登録第4428841号として設定登録されたものである。
同じく、平成11年商標登録願第57241号(以下「引用商標B」という。)は、「京セラビジュアルホン」の文字(標準文字)を横書きしてなり、平成11年6月24日に登録出願、第9類「テレビ電話機」を指定商品として、平成12年10月27日に登録第4428843号として設定登録されたものである。
なお、上記の引用商標に関しては、当審においても、平成15年9月19日付け審尋をもって、本願商標が上記の引用商標と同一又は類似の商標であって同一又は類似の商品について使用をするものであり、商標法第4条第1項第11号に該当する旨をあらためて指摘し、相当の期間を指定して請求人(出願人)に意見又は反論の機会を与えたものである。

3 当審の判断
(1)本願商標は、「Visual Phone」の文字よりなるところ、その構成文字に相応して「ビジュアルホン」の称呼を生ずるものである。
一方、引用商標Aは、別掲のとおりであるところ、その構成中の図形部分は、直ちに何を表したものであるのかをいい表すことができないものであり、しかも、殊更に看者の注意を惹くというよりも、むしろ、顕著に表された文字部分を強調し装飾するための背景的図形として認識されるとみるのが自然といえるものである。また、その構成中の「VisualPhone」の文字の下段に小さく表示された「ビジュアルホン」の文字部分は、その上段に大きく異なる書体で顕著に表された「VisualPhone」の欧文字の表音と認められるものである。そうすると、引用商標Aよりは、その構成中の文字部分に相応して「ビジュアルホン」の称呼を生ずるものといえる。
また、引用商標Bは、「京セラビジュアルホン」の文字よりなるところ、その全体より特定の親しまれた熟語的意味合いが看取されるわけではなく、また、その全体より生ずる「キョウセラビジュアルホン」の称呼が冗長の感を拭えないものであり、しかも、その前半部の「京セラ」の文字が商標権者の名称の略称と容易に認識し得るものでもある。そうすると、引用商標Bは、容易に「京セラ」の文字部分と「ビジュアルホン」の文字部分に分離して認識し得るといえるものであり、その構成中、商標権者の名称の略称である「京セラ」の文字に続く後半部の「ビジュアルホン」の文字部分を、同社が取り扱う個々の商品の識別標識として認識する場合があるといえるから、引用商標Bよりは、「ビジュアルホン」の文字部分に相応した「ビジュアルホン」の称呼をも生ずるとみるのが相当である。
してみれば、本願商標と引用商標は「ビジュアルホン」の称呼を共通にするものであり、しかも、「Visual」の英語が「ビジュアル」と、また、「Phone」の英語が「ホン」と発音する語として、それぞれ我が国でも親しまれていることをも踏まえると、両商標に外観及び観念において称呼の共通性を覆すほどの相違点があるともいうことができないから、結局、本願商標と引用商標は、「ビジュアルホン」の称呼を共通にする類似の商標と認められる。
(2)引用商標の指定商品は第9類「テレビ電話機」であるところ、該商品についてみると、例えば、「情報・知識imidas2003」(発行所 株式会社集英社)によれば、「テレビ電話」について「静止画あるいは動画と音声を送受信できる電話装置。相手の顔をテレビで見ながら通話できる。」と、また、「マグローヒル科学技術用語大辞典 改訂第3版」(発行所 株式会社日刊工業新聞社)によれば、「テレビ電話」を「テレビジョン電話」と同義語とし、「テレビジョン電話」について「通話と同時に画像が伝送される通信装置。」と記載されているところである。
そして、本願商標の補正後の指定商品は、上記1のとおりであるところ、引用商標の指定商品である上記のような「テレビ電話機」とは、ともに電話回線等の通信回線を利用して音声や画像を伝送する通信装置の一種という点では共通の商品であり、密接な関連を有するものといえるから、これらの商品に同一又は類似の商標を使用するときに、その商品の出所について混同を生じるおそれがある類似の商品ということができる。
(3)以上のとおりであるから、本願商標と引用商標は、「ビジュアルホン」の称呼を共通にする類似の商標であり、かつ、その指定商品も互いに類似するということができる。
したがって、本願商標は、商標法第4条第1項第11号に該当するものであるから、登録することができない。
なお、請求人(出願人)は、当審の審尋に対する平成15年10月10日付け回答書において、引用商標の商標権者による件外登録出願の拒絶査定に触れながら、引用商標の「VisualPhone」又は「ビジュアルホン」の文字部分には識別力がないから、商標法第4条第1項第11号を適用するのは適当でない旨主張する。しかし、当審の判断が審査官による件外登録出願の拒絶査定に拘束されなければならない理由はないし、まして、本願商標は引用商標中の「VisualPhone」の文字部分と同じ綴りで「Visual Phone」の文字を書してなるところ、請求人は、一方で原審での意見書や本件審判請求の理由では、「Visual Phone」が品質、用途等を表示するものではなく、自他商品の識別標識として機能し得る旨を主張しているのであるから、その主張を採用することはできない。
よって、結論のとおり審決する。
別掲 引用商標A

審理終結日 2003-10-22 
結審通知日 2003-10-28 
審決日 2003-11-10 
出願番号 商願平11-84076 
審決分類 T 1 8・ 262- Z (Z09)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 小出 浩子 
特許庁審判長 小林 薫
特許庁審判官 岩崎 良子
林 栄二
商標の称呼 ビジュアルホン 
代理人 松本 英俊 

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