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審決分類 審判 査定不服 商3条1項3号 産地、販売地、品質、原材料など 登録しない Z19
管理番号 1090104 
審判番号 不服2001-15206 
総通号数 50 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2004-02-27 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2001-08-29 
確定日 2003-12-08 
事件の表示 商願2000-75540拒絶査定に対する審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。
理由 1 本願商標
本願商標は、「パーキングストップ」の文字を横書きしてなり、第19類「プラスチック製の車止め,コンクリート製の車止め」を指定商品として、平成12年7月7日に登録出願されたものである。

2 原査定の拒絶の理由の要点
原査定は、「本願商標は、『駐車』を意味する『パーキング』の文字と『停止、止まること、止めること』等を意味する『ストップ』の文字を普通に用いられる方法で横書きしてなるから、これをその指定商品に使用しても、単に商品の用途、品質を表示するにすぎないものと認める。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。

3 当審の判断
(1)本願商標は、「パーキングストップ」の文字よりなるところ、その構成中の前半部の「パーキング」の文字は、我が国でも親しまれた英語といえる「parking」の語に通じるものであり、「小学館ランダムハウス英和大辞典」(発行所 株式会社小学館)によれば、名詞として「駐車」や「駐車場」の意味合いを有するほか、「parking brake」(駐車ブレーキ)、「parking meter」(パーキングメーター)、「parking place」(駐車する場所)、「parking ramp」(駐車灯)の用例のごとく形容詞としても用いられ、「駐車の[に関する];駐車用の」の意味合いを有するものである。また、「パーキング」の文字に続く後半部の「ストップ」の文字は、やはり、我が国でも親しまれた英語といえる「stop」の語に通じるものであり、同辞書によれば、「止めること」、「停止」などの意味合いのほか、「止め具」の意味合いを有するものである。しかも、「コンサイスカタカナ語辞典 第2版」(発行所 株式会社三省堂)によれば、「ストップ[stop]」については、「7⇒ブロック2」と記載され、その「ブロック2[block]」には「(木・石・金属などの)やや大きいかたまり」の意味合いが掲載されているから、「ストップ」には、かかる「ブロック[block]」の意味合いもあるものといえる。
そうすると、本願商標は、このような「パーキング」と「ストップ」の文字よりなるのであるから、その全体としては「駐車用の止め具」程度の意味合いを容易に理解、認識し得るということができる。
(2)本願商標は「プラスチック製の車止め,コンクリート製の車止め」を指定商品とするものであるところ、その指定商品を取り扱う業界においては、的確な駐車に資するため、駐車場などにコンクリートやプラスチックのブロック状の固まりからなる止め具の設置し、その止め具にあわせて自動車を駐車させるようにしている実情があるところである。
この点について、請求人(出願人)の商品を扱ったものと思しきインターネットのホームページをみても、「http://www.pref.gifu.jp/s11260/waste/nintei/recycle67.htm」には、「岐阜県廃棄物リサイクル認定製品」の見出しの下に、「廃プラスチック再生品 パーキングストップ」の表示、ブロック状の商品の写真及び同商品が設置された駐車場において同商品にあわせ自動車が駐車している写真、「製造者名 株式会社タイボー 岐阜工場」や「・容リ法に基づいて回収したプラスチックをはじめ、工場排出廃材、農業用使用済みフィルム等を、マテリアルリサイクル(再原料化)した材料を使用した商品である。・使用済みのパーキングストップは、再度マテリアルリサイクルができる。」などの紹介記事があり、また、「http://npy.web-tab.com/green/p11.html」には、「TAIBO 株式会社タイボー」の文字が住所、電話番号、FAX番号、インターネットのアドレスとともに表示され、「グリーン購入をお考えの方にリサイクルコミュニケーションTAIBOのRC製品」として、「パーキングストップ」の表示、駐車場においてその商品にあわせ自動車が駐車している写真、「車止め 設計価格 ¥4,300円/本」などの紹介記事がある。
さらに、その他のインターネットのホームページをみても、「http://www.morimatsu.net/hotnow01/poster01/poster1.htm」には、「再生プラスチック製 駐車場用車止材 パーキングストップ」の見出しの下に、「容器包装リサイクル原料100%で作り上げたまったく新しい車止材です。」との説明、ブロック状の商品の写真及び駐車場において同商品にあわせ自動車が駐車している写真、さらに、商品の価格や施工要領などを記した紹介記事があり、また、「http://e-pocket.kensetsu-plaza.com/2003interior/img/f077.pdf」には、「森松」及び「パーキングストップ・シート」の見出しの下に、ブロック状のものにシート状のものを組み合わせた商品の写真とともに、「容器包装リサイクル原料100%の車止め材。軽量で簡単施工。(プラスチック製)」の記載や「品名」として「パーキングストップ」及び「 〃 シート(黒)」と記した紹介記事がある。
そうすると、本願の指定商品を取り扱う業界において、上述した駐車場などにコンクリートやプラスチックのブロック状の固まりからなる止め具にあわせて自動車を駐車させるようにしている実情があることは、上記の紹介記事からも十分に裏付けられるところであり、しかも、上記の紹介記事によれば、請求人(出願人)自身をも含め、その止め具を「パーキングストップ」と称しているところである。
(3)してみれば、本願商標は、その指定商品に使用しても、取引者、需要者をして、「駐車用の止め具」程度の意味合いを理解させ、その商品の用途、品質を表示するものと認識されるにとどまるといえるから、商標法第3条第1項第3号に該当するものである。
したがって、本願商標が商標法第3条第1項第3号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、妥当であり、取り消すことができない。
なお、請求人(出願人)は、審判請求の理由において、英語を母国語とするネイティブスピーカーより「パーキングストップ」より生ずる意味合いは「むしろ進入禁止に近いニュアンスである」との回答を得ているとして、本願商標は用途、品質を表示するものではない旨主張しているが、出願商標を如何に認識するかについては、一般的な取引者、需要者を基準に判断すべきところ、本願商標について英語を母国語とするネイティブスピーカーを基準に判断しなければならない理由を見出すことはできない。まして、請求人は、そのネイティブスピーカーが如何なる素性の如何なる者で、何を根拠にかかる回答を行ったのかさえ全く明らかにしていないのであるから、その主張を採用することはできない。そのほか、請求人(出願人)は、意見書又は審判請求の理由において、本願商標を構成する各語の意味合いに反論し、全体としては造語である旨主張するが、上記認定、判断は、上記(1)のとおり、「パーキング」の形容詞としての「駐車用の」の意味合いに「ストップ」の名詞としての「止め具」の意味合いをもって、全体としては「駐車用の止め具」程度の意味合いが理解、認識されるとしているのであり、これを不自然とすべき理由も認められないから、この点の請求人(出願人)の主張も採用できない。
よって、結論のとおり審決する。
審理終結日 2003-10-16 
結審通知日 2003-10-16 
審決日 2003-10-28 
出願番号 商願2000-75540(T2000-75540) 
審決分類 T 1 8・ 13- Z (Z19)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 鈴木 慶子 
特許庁審判長 小林 薫
特許庁審判官 林 栄二
岩崎 良子
商標の称呼 パーキングストップ、パーキング 
代理人 柴田 淳一 

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