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審決分類 審判 全部申立て  登録を維持 Z162541
審判 全部申立て  登録を維持 Z162541
審判 全部申立て  登録を維持 Z162541
審判 全部申立て  登録を維持 Z162541
管理番号 1088731 
異議申立番号 異議2001-90383 
総通号数 49 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2004-01-30 
種別 異議の決定 
異議申立日 2001-05-21 
確定日 2003-11-25 
異議申立件数
事件の表示 登録第4453459号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 登録第4453459号商標の商標登録を維持する。
理由 1 本件商標
本件登録第4453459号商標(以下「本件商標」という。)は、「MACROSS」の文字を標準文字により表してなり、平成11年8月4日に登録出願され、第16類「紙製包装容器,印刷物,写真,写真立て」,第25類「被服,履物」及び第41類「教科書その他の書籍の出版(広告物を除く),技芸・スポーツ又は知識の教授,図書の貸与,図書及び記録の供覧,教育又は娯楽のための競技の運営,教育又は娯楽のための展示会の企画又は運営,映画・演芸・演劇又は音楽の演奏の興行の企画又は運営,映画の上映・制作又は配給,演芸の上演・演劇の演出又は上演・音楽の演奏,放送番組の制作,音響又は映像用のスタジオの提供,運動施設の提供,娯楽施設の提供,映写機及びその附属品の貸与・映写フィルムの貸与,レコード又は録音済み磁気テープの貸与・録画済み磁気テープの貸与,おもちゃの貸与,・遊園地用機械器具の貸与・遊戯用器具の貸与,美術品の展示,庭園の供覧・洞窟の供覧」を指定商品及び指定役務として、同13年2月16日に設定登録されたものである。

2 登録異議の申立ての理由
登録異議申立人(以下「申立人」という。)は、本件商標は、商標法第4条第1項第7号、同第10号、同第15号、及び同第19号に該当するものであるから、その登録は同法第43条の2の規定により、取り消されるべきであると申し立て、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第209号証(枝番を含む)を提出した。
(1)「マクロス」及び「MACROSS」の著作権について
申立人は、「マクロス」及び「MACROSS」を表題とするテレビアニメーション作品の出版物の著作権を有している(甲第6号証ないし甲第200号、甲第202号証ないし甲第205号証)。
本件商標権者(以下「商標権者」という。)は、上記(1)のテレビアニメーションシリーズ「マクロス」に関して、件外の株式会社竜の子プロダクション(以下「竜の子」と表記する。)から著作権の譲渡を受けたと主張し、アメリカ合衆国において著作権及び商標権の登録を行った。
しかしながら、申立人は「マクロス」「MACROSS」に関する著作権許諾を第三者に対してもおこなっていない。そこで、申立人は、日本において、件外「竜の子」に対する訴訟(著作権が原告らに属することの確認請求、及び、「竜の子」による申立人の著作権を侵害する行為の差し止め請求)を平成13年2月1日に行った(甲第206号証)。
尚、商標権者と「竜の子」間における契約書中、その対象地域の項目において「但し、日本を含むアジア諸国は排除する」旨の記載もあることも申し添える(甲第207号証)。
(2)「マクロス」、「MACROSS」標章の周知・著名性について
テレビアニメーションについては、昭和57年10月3日から昭和58年6月26日にかけて日本国内で制作され、TBS系列全国ネットにより放映が行われ人気を博した。その為、申立人により「マクロス」「MACROSS」シリーズのアニメーション作品の作成が続けられ、その作品発表がテレビ放送の他、劇場公開、ビデオ販売及びレンタルにより行われ現在に至っている(甲第1号証ないし甲第47号証)。
これ以外にも、「マクロス」「MACROSS」は、アニメーション作品の著作物使用の許諾を第三者に行って、当該名称を付した出版物、ゲームソフト、レコード等多くの商品の製造販売及び役務の提供を行っている(甲第48号証ないし甲第203号証)。
これらの商品の販売促進のためテレビやラジオにおけるコマーシャル、雑誌や看板における広告が行われ、昭和57年以降現在まで約20年間の長期に亘って行われているため、申立人と「マクロス」「MACROSS」の関係は幅広く需要者に認識されている。
(3)不正の目的について
商標権者は、日本国内は勿論、全世界において「マクロス」に関する著作権その他のいかなる権利も有していない。それにもかかわらず本件登録申請を行うことは、申立人の法的権利を侵害し、また申立人が創造した商標を盗用する目的を有するものであることは明白である。

3 当審の判断
本件商標は、申立人の主張する商標法の規定に違反して登録されたものとは認められない。
以下、その理由を、前記2の申立ての理由にそって記載する。
(1)「マクロス」の著作権について
申立人は、「『マクロス』は、昭和57年10月3日から昭和58年6月26日にかけて全国テレビ放送された人気テレビアニメーションシリーズ作品の名称であり、その著作権は申立人に属している。」と主張している。
確かに、申立人が提出した、甲第2号証1には、「新番組 10月3日スタート」、「超時空要塞マクロス」、「MACROSS」、「設定資料集」、「株式会社ビックウエスト」の各文字が表示され、甲第2号証の2には、「月刊アウト」、「表紙イラスト」、「美樹本晴彦」、「昭和58年7月1日発行」、「C(マル)」、「ビックウエスト」、「カラー大特集」、「超時空要塞マクロス」、「毎週日曜日午後2時より毎日放送系放送中」の各文字が表示され、その他申立人提出の甲第2号証(枝番号を含む)2ないし甲第202号証(枝番号を含む)等には、「マクロス」、あるいは「MACROSS」とのタイトルのアニメーションに関連して、「C(マル)」及び、申立人の略称と推認される「ビッグウエスト」の文字が表示されている。しかしながら、この「C(マル)」が、著作権を表すものであるとしても、その著作権が何を対象とするものかが明らかではなく、これらの事実のみをもってしては、「マクロス」のアニメーションシリーズ作品の著作権が申立人に属しているということはできない。
さらに、前記甲各号証には「C(マル)」表示とともに「毎日放送・ビッグウエスト」「ビッグウエスト・マクロス制作委員会」及び「ビッグウエスト・OVAマクロス7製作委員会」等の表示があるものもみられることから、これによっては、「マクロス」のアニメーションシリーズ作品について、申立人のみが著作権を有すると認めることはできない。
仮に、アニメーションシリーズ作品「マクロス(MACROSS)」に関して、申立人が何らかの著作権を有するとしても、一般に、著作物の題名は著作物から独立した著作物性を持ち得ないと解するのが相当であって(昭和60年9月26日 昭和59年(ネ)第1803号 大阪高等裁判所判決 判例時報1182号141頁)、本件の場合、「マクロス」、「MACROSS」の文字(語・題号)について申立人に著作権があるとすべき特別の事情は認められないから、本件における「マクロス」あるいは「MACROSS」との著作物の題号(名)は、著作物から独立した著作物性を持ち得ず、「マクロス」、「MACROSS」の文字(語・題号)に著作権が発生する余地はないというべきである。
しかも、商標法は、第三者の著作権を侵害するだけでは同法の拒絶条文には該当せず、調整規定である同法29条が機能するのであり、その使用が他人の著作権と抵触する商標であっても、商標法第4条第1項第7号に規定する商標には当たらないと解されているところである(平成13年5月30日 平成12年(行ケ)第386号 東京高等裁判所判決)。
申立人は、件外「竜の子」に対して著作権確認等を請求の趣旨とする訴訟を提起していると主張し、甲第206号証を提出した。
しかして、甲第206号証によれば、申立人が「竜の子」に対して確認を求めている権利は、目録として添付された図柄の著作権であり、かつ、当該著作権等確認訴訟の原告は、申立人以外の者も名を連ねていることが認められ、「『マクロス』の著作権は申立人に属している。」との主張は、申立人が提出した甲第206号証に照らし、正確さを欠くものである。
また、申立人が提出した平成14年3月8日付け上申書に添付の甲第208号証によれば、当該事件について判決は、「原告らが,別紙目録1ないし41記載の各図柄について,著作権を有することを確認する。」としたところであり、さらに、申立人が提出した平成14年12月10日付け上申書に添付の甲第209号証によれば、第一審被告である件外「竜の子」は、この判決を不服として控訴したが、「本件控訴をいずれも棄却する」との判決がされている。
したがって、申立人(正確には「申立人ら」)が件外「竜の子」との関係で起こした著作権確認訴訟は、「マクロス」、「MACROSS」の文字(語・題号)に関するものでないことは明らかであって、ほかに、申立人が「マクロス」、「MACROSS」の文字(語・題号)に関する何らかの法的権利を有しているとの証拠もない。
したがって、甲第206号証、甲第208号証及び同第209号証をもってする理由によっては、本件商標には取り消すべき理由があるとすることはできない。
(2)「マクロス」、「MACROSS」標章の周知・著名性について
甲第3号証(枝番号を含む)は、1994年10月発行された雑誌の付録であるが、「マクロス」、「MACROSS」の文字(語)の使用主体者が申立人であるとする根拠は見出し得ない。
甲第4号証は「超時空要塞 マクロス MACROSS 愛・おぼえていますか」との各タイトルの映画の宣伝広告及び「超時空要塞 マクロス MACROSS」映画についての雑誌記事、甲第5号証は「劇場版マクロス7 MACROSS 銀河が俺を呼んでいる」との各タイトルの映画の宣伝広告及びチケットであるところ、当該各映画の観客動員数、上映期間などが明らかではなく、上映主、あるいは「マクロス」、「MACROSS」の文字(語)の使用主体者が申立人であるとする根拠は見出し得ない。
甲第6号証ないし甲第99号証のビデオ、レーザーディスク、DVDは、販売日及び販売数が不明(販売数が不明であることについては甲第49号証ないし甲第60号証を除く)である。また、当該ビデオの発売元(販売元)は、ビクター音楽産業株式会社、バンダイビジュアル株式会社、パイオニアLDC株式会社であり、「マクロス」、「MACROSS」の文字(語)の使用主体者が申立人であるとする根拠は見出し得ない。
甲第100号証ないし甲第164号証は、「マクロス」、「MACROSS」に関する書籍(出版物)であるが、どの程度の販売実績があったのかが明らかではない。また、当該週刊誌の発行者、あるいは「マクロス」、「MACROSS」の文字(語)の使用主体者が申立人であるとする根拠は見出し得ない。
以上、その他、甲各号証によっては、「マクロス」、「MACROSS」の文字(語)の周知性の程度を推し量ることができないばかりか、「マクロス」、「MACROSS」の文字(語)が申立人の取り扱いに係る商品・役務に使用される標章として使用された結果、広く知られ、あるいは著名となっていると認めることはできない。
加えて、上記の甲各号証には、申立人の略称と推認される「ビッグウエスト」あるいは「BIG WEST」の文字が表示されているものが散見されるが、これらにおける「ビッグウエスト」あるいは「BIG WEST」の表示は、著作権を主張する「C(マル)」の表示とともになされていることから、著作権の権利主体者を表示したと認識されるものであって、ここにおける「ビッグウエスト」あるいは「BIG WEST」の表示が申立人の取り扱いに係る商品・役務の出所を表示する標識として使用(表示)されていたとすることはできない。
さらに、「マクロス」、「MACROSS」などの文字(語)が使用された玩具、ビデオゲーム、出版物、ビデオグラム、録音物、菓子、日用雑貨等の商品が販売され事実は推認できるが、これらは、申立人以外の者(社)が販売する商品であって、これらの各号証をもってしては、「マクロス」、「MACROSS」の文字(語)が、申立人の取り扱いに係る商品・役務に使用される標章として使用され、周知・著名となっていると認めることはできない。
この点に関して、申立人は、各販売者に著作権使用の許諾を行っている旨を述べているが、前記(2)のとおり、「マクロス」、「MACROSS」の文字(語・題号)には著作権の対象たる著作物性がないというべきであり、また、仮に、「マクロス」、「MACROSS」の文字(語・題号)に何らかの著作権が発生していたとしても、そのことをもって、本件商標の登録を取り消す理由とすることはできないことも前記(2)のとおりである。
(3)公序良俗を害するおそれの有無及び不正の目的での使用について
本件商標「MACROSS」が公序良俗を害するおそれがあるか、又は、本件商標に関する商標権者の登録出願行為、商標の使用行為が不正の目的をもって使用をするものであったか否かについて検討する。
(ア)公序良俗を害するおそれの有無について
本件商標は、特定の意味合いを有しない造語であり、その構成自体がきょう激、卑わいな文字からなるともいえず、また、提出された証拠をもっては、その使用が不正な意図をもってされ、国際信義又は公正な取引秩序に反するとすることもできない。
申立人が提出した、甲第208号証によれば、「マクロス」の語は、申立人代表者が採択した語であることが認定されている。この点からすれば、商標権者が「MACROSS」からなる本件商標を登録出願した経緯には、申立人代表者との関係で一般的商道徳上の疑義が残るところである。
しかしながら、甲各号証に照らせば、「マクロス」、「MACROSS」の文字(語・題号)は、本件に係るアニメーションシリーズ作品のタイトル(題号)と同一の文字よりなるものであり、本件商標の登録出願時及び登録査定時においては、この語は、申立人代表者による採択の経緯を離れて、同アニメーションシリーズ作品に関する業務に携わる者が、そのタイトル(題号)として普通に使用する語となっていたといえ、ほかに、「マクロス」の語が申立人代表者に係る何らかの権利に抵触するとみるべき特別の事情は認められない。
そうとすれば、本件における上記の疑義は、本件商標を取り消すべき事由に該当するとはいえない。
甲各号証によれば、「マクロス」、「MACROSS」の語が、「毎日放送」、「小学館」、「東宝株式会社」、「バンダイビジュアル株式会社」、「長谷川製作所」等の、出版、マスコミ、玩具関係等の会社により、特定のアニメーションシリーズ作品のタイトル(題号)として、あるいは、ビデオゲーム、出版物、ビデオグラム、録音物、菓子、日用雑貨等の商品の出所表示標識として使用されている事実が認められるところであるが、このことをもって、本件商標が公序良俗を害するおそれがあるものとすることもできない。
甲第206号証及び甲第207号証によれば、商標権者は件外「竜の子」との間で契約を交わしていることが認められ、商標権者は、この契約を根拠に、「アニメーション『マクロス(MACROSS)』のテレビ映画の著作権を有する『竜の子』より、米国、カナダ並びにその他の地域(日本その他アジア地域を除く)を対象として、本件テレビ映画に関する放送権、商品化権、映画館及び非映画館向け利用並びに出版等の権利を取得している。」と主張しているところである。
上記の甲各号証によれば、商標権者は、「マクロス(MACROSS)」なるタイトルのアニメーションテレビ映画に関する業務に携わっていたことが推認でき、そうであれば、商標権者の本件商標の登録出願行為が直ちに、公の秩序を害するおそれがある行為ということはできず、また、商標権者が本件商標を登録出願した行為は、上記乙号証の契約行為に端を発したものと解せないこともなく、「マクロス」の語が申立人代表者が採択した語であるとしても、本件商標の登録出願行為を直ちに申立人の標章の冒認であるとすることもできない。
甲第206号証によれば、当該契約は、「本件テレビ映画に関する放送権、商品化権、映画館及び非映画館向け利用並びに出版等の権利」に関して、「米国、カナダ並びにその他の地域(日本その他アジア地域を除く)」を対象地域としていることが認められる。しかしながら、これは、商標権者と件外「竜の子」間における件外の両当事者間の契約に関するものであり、この契約事項の存在をもって、商標権者が日本において本件商標を登録出願し、登録を受けて使用する行為が公序良俗を害するおそれがあるとすることもできない。
(イ)不正の目的での使用について
上記した事実及び経緯からすれば、本件商標は、商標権者が不正の目的をもって使用するものとはいえないというのが相当であり、また、「マクロス(MACROSS)」の語が、申立人の取扱いに係る商品・役務を表示するものとして広く認識されていたとする証左もない。
(4)結論
以上、本件商標は、商標法4条1項7号、同10号、同15号、及び同19号に違反して登録されたものとすることはできない。
よって、商標法第43条の3第4項の規定に基づき、結論のとおり決定する。
異議決定日 2003-11-06 
出願番号 商願平11-69359 
審決分類 T 1 651・ 271- Y (Z162541)
T 1 651・ 22- Y (Z162541)
T 1 651・ 25- Y (Z162541)
T 1 651・ 222- Y (Z162541)
最終処分 維持 
前審関与審査官 山口 烈 
特許庁審判長 滝沢 智夫
特許庁審判官 岩崎 良子
宮川 久成
登録日 2001-02-16 
登録番号 商標登録第4453459号(T4453459) 
権利者 ハーモニー ゴールド ユー エス エー インコーポレーテッド
商標の称呼 マクロス 
代理人 小田 治親 
代理人 我妻 由佳子 
代理人 安形 雄三 
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