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審決分類 審判 査定不服 商3条1項6号 1号から5号以外のもの 取り消して登録 Z14
管理番号 1088639 
審判番号 不服2002-2832 
総通号数 49 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2004-01-30 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2002-02-20 
確定日 2003-12-26 
事件の表示 商願2000-103542拒絶査定に対する審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願商標は、登録すべきものとする。
理由 1 本願商標
本願商標は、「GREENWICH」の欧文字を標準文字で横書きしてなり、第14類「時計」を指定商品として、平成12年9月22日に登録出願されたものである。

2 原査定の理由
原査定は、「本願商標は、『GREENWICH』の文字を書してなるが、『GREENWICH』がロンドンの東部、テムズ川右岸に位置し、もと王立天文台の所在地であって、この地を通過する経線を本初子午線と定め、このグリニジ子午線上における平均太陽時をもって世界中一律に用いる時法としてグリニジ時(世界時)が現在使用されていることから、本願商標をその指定商品に使用するときには、これに接する取引者、需要者は、『グリニジ時(世界時)ゆかりの地名』を表示したものと理解するにすぎず、需要者が何人かの業務にかかる商品であることを認識することができない商標と認める。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第6号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。

3 当審の判断
本願商標は、前記したとおり「GREENWICH」の欧文字を書してなるところ、該文字は「英国ロンドン南東部のテムズ川右岸の行政区画であり、もと王立天文台の所在地」として知られているものであって、該天文台の所在地を通る経線を本初子午線(経度0度)と定め、これを基準に世界各地の時刻を定めることとされていたものである。
しかしながら、該所在地における王立天文台の観測は、1998年に終了し、該天文台は、サセックス州ハーストモンソーに移転しているばかりでなく、現在では、世界の時刻(協定世界時)は、各国で稼働している約230台の原子時計を用いて定められており、我が国においても、独立行政法人通信総合研究所が、約12台の原子時計の維持、運用により日本標準時を決定しているところである(「『知ってトクする時と時計の最新常識100』2000年5月31日発行 株式会社ホーム社」、「『時と時計の百科事典』平成11年6月20日発行 株式会社グリーンアロー出版社」、「『独立行政法人通信総合研究所ホームページ』http://www.crl.go.jp/overview/reg-j.html」)。
そうしてみると、本願商標は、英国の王立天文台の所在地を表し、かつ、「グリニジ子午線上における平均太陽時(真夜中を零時とする)をもって世界中一律に用いる時法」として、グリニジ時(世界時)が採用されていたとしても、現在では、世界の時刻(協定世界時)は、該グリニジ時をもって定められていないこと前掲のとおりであるばかりでなく、「GREENWICH」の文字が、商品の品質等を直接的、かつ、具体的に表示するものとも認められないものである。
また、当審において調査するも、本願商標を構成する文字が、その指定商品を取り扱う業界において、商品の品質等を表示するものとして、取引上普通に使用されている事実も発見することができない。
してみれば、本願商標は、これをその指定商品に使用しても、自他商品の識別標識としての機能を十分に果たし得るとみるのが相当である。
したがって、本願商標が商標法第3条第1項第6号に該当するとして、本願を拒絶した原査定は妥当ではなく、取消しを免れない。
その他、政令で定める期間内に本願について拒絶の理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。
審決日 2003-12-17 
出願番号 商願2000-103542(T2000-103542) 
審決分類 T 1 8・ 16- WY (Z14)
最終処分 成立  
前審関与審査官 鈴木 斎 
特許庁審判長 小川 有三
特許庁審判官 末武 久佳
岩内 三夫
商標の称呼 グリーンウイッチ、ウイッチ、グリニジ、グリニッジ 
代理人 飯塚 信市 

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