• ポートフォリオ機能


ポートフォリオを新規に作成して保存
既存のポートフォリオに追加保存

  • この表をプリントする
PDF PDFをダウンロード
審決分類 審判 全部取消 商50条不使用による取り消し 無効としない 016
管理番号 1088622 
審判番号 取消2002-31367 
総通号数 49 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2004-01-30 
種別 商標取消の審決 
審判請求日 2002-11-22 
確定日 2003-12-02 
事件の表示 上記当事者間の登録第3065555号商標の登録取消審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 審判費用は、請求人の負担とする。
理由 第1 本件商標
本件登録第3065555号商標(以下「本件商標」という。)は、「ゴルフマガジン」の文字を横書きしてなり、平成4年8月6日に登録出願、第16類「雑誌」を指定商品として、同7年8月31日に設定登録されたものである。

第2 請求人の主張
請求人は、「本件商標の登録を取り消す、審判費用は被請求人の負担とする。」との審決を求め、その理由及び被請求人の答弁に対する弁駁を要旨次のとおり述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第6号証を提出した。
1 請求の理由
請求人は、商標「GOLF MAGAZINE」第16類を出願したが本件商標を引例されてこの出願は拒絶査定に至った。この事情において、本件商標をその指定商品について、日本国内において継続して3年以上、商標権者あるいは専用・通常使用権者が使用しているか否かについて、調査したところ、本件商標を付した雑誌が販売されている事実がなく、また、原簿をみるも、専用使用権者、通常使用権者の設定がなされておらず、上記使用者による使用も認められないから、本件商標は、商標法第50条の規定により取り消されるべきである。
2 被請求人の答弁に対する弁駁
被請求人は、乙第1号証に示す雑誌の表紙右上部に片仮名文字で記載された「ゴルフマガジン/B.B.MOOK」をもって、本件商標の使用であるとしているが、これは何等商標の使用に該当しないものである。
即ち、本件商標は片仮名ゴシック体の文字態様で、「ゴルフマガジン」と表わしたものである。
しかるに、本件商標の使用証明のために提出された乙第1号証の商標は片仮名と英語で「ゴルフマガジン/B.B. MOOK」と2段に表したものであり、「ゴルフマガジンビービームック」と称呼されるものであり、本件商標とは称呼及び外観形状が全く異なる。 被請求人が提示した乙第1号証の雑誌の誌名は、被請求人が言うように「ゴルフマガジン B.B.MOOK 50歳からの飛ばしBOOK」であり、前記乙第1号証の背表紙にもその記載があり、単なる「ゴルフマガジン」ではないものである。
確かに、乙第1号証の表紙の右上部のゴルフボール図形に片仮名で「ゴルフマガジン」と表記されてはおりますが、その下段には英語で「B.B.MOOK」と併記されており、取引需要者からは全体的に「ゴルフマガジンビービームック」と称呼されるように思われる。
したがって、乙第1号証の商標は、一般取引においては「ゴルフマガジン B.B.MOOK 50歳からの飛ばしBOOK」又は「ゴルフマガジンビービームック」と称呼され取引され、単に「ゴルフマガジン」とする称呼で取引されることはないものと思われる。してみれば、乙第1号証の商標の使用は、本件商標の使用には当たらない。
被請求人の提出した前記乙第1号証の雑誌を全体的に観察すれば、この雑誌の誌名は「50歳からの飛ばしBOOK」であり、表紙の右上部に標記された「ゴルフマガジン/B.B.MOOK」の「ゴルフマガジン」は単に商品の内容を表示するに過ぎず、自他商品の識別標識としての機能を果しているものとは思われない。
また、前記二段書きした「ゴルフマガジン/B.B.MOOK」はあたかもゴルフボール自体のマークのような誤解を受け、この雑誌の商標が「ゴルフマガジン」であるとすることはかなり無理があるように思われる。
商標の使用とは、文字を極端に変更、或いは他の文字との結合した登録商標への使用の有無を判断するにあたっては、取引上同視せらるべき形態における使用の有無を基準とすべきである。
本件商標は、単純に片仮名のゴシック体で「ゴルフマガジン」としたものであり、本件商標の使用が、単にその商標から生じる称呼、観念だけでなく取引上、二段書きした結合形態と同視せらるべき形態における使用の有無を基準とすべきであり、前記乙第1号証における使用態様からは、前記登録商標の形態と同視せらるべき形態において使用されていることを認めるに足る証拠とはなり得ないものと思われる。
次に乙第2号証にあっては、単に今後も上記商標『ゴルフマガジン/B.B.MOOK』を継続して使用する意思のあることを示している。とされるもので、本件審判請求の登録前3年間の日本国内における使用を裏付ける証拠とは足り得ない。
さらには乙第3号証は、2002年の雑誌のもくろくで、219頁に「B.B.MOOK(ビービームック)」が記載されており、これで本件商標の「ゴルフマガジン」の商標使用を判断できるとされているが、乙第1号証と同様の雑誌を発行していたとされるならば証拠を提出すべきであり、単に雑誌もくろくから推察・判断せよでは納得できない。
一歩譲って前記乙第1号証と同一の商標使用であったとしても、上記に記載したように本件商標の使用には該当しないものであると確信するものである。
この乙第3号証で言うところの「B.B.MOOK(ビービームツク)」はこの雑誌もくろくの誌名欄に記載されたものであり、取引需要者は当然に「B.B.MOOK(ビービームック)」を商標として認識するものであり、これをもって本件商標「ゴルフマガジン」の使用であるとする被請求人の主張には到底承服できない。
また、本件商標「ゴルフマジック(ゴルフマガジンの誤記と認める。)」はゴルフに関する内容の雑誌について使用しているものであり、単に商品の品質(内容)を表示するにぎず、自他商品の識別機能をあらわすものとは言えず、商標法第3条第1項第3号に該当する商品に使用した商標であり、登録されてはいるが、無効原因を有する登録商標であるように思料する。
以上の通り、被請求人の提出した答弁書の証拠である乙第1号証ないし乙第3号証からは本件商標について本件審判請求平成14年(2002年)11月22日以前3年間(平成11年(1999年)11月21日)は使用しておらず本件商標は取り消されるべきものである。

第3 被請求人の答弁
被請求人は、結論と同旨の審決を求める、審判費用は請求人の負担とすると答弁し、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として乙第1号証ないし乙第3号証を提出している。
商標権者株式会社ベースボール・マガジン社は本件商標を、本件取消商品について、審判請求の登録前3年間に日本国内において使用しているので、その使用事実について以下に提示する。
乙第1号証は、商標権者株式会社ベースボール・マガジン社が、平成13年12月15日に発行した『ゴルフマガジンB.B.MOOK 50歳からの飛ばしBOOK』の写しである。
また、乙第2号証は、商標権者株式会社ベースボール・マガジン社が、平成14年12月20日に発行した雑誌『ゴルフマガジンB.B.MOOK 50歳からの飛ばしBOOK』の写しである。
乙第1号証の表紙の右上において、本件商標『ゴルフマガジン』が使用されている。そして、当該商標の使用は、商標法第50条第1項に規定されている登録商標の使用と認められるべきものである。
また、背表紙の下側には「ベースボール・マガジン社」と記載され、裏表紙の発行所を記載する位置に商標権者「株式会社ベースボール・マガジン社」の名称が記載され、104頁下側には「発行所(株)ベースボール・マガジン社」と記載されている。
なお、乙第2号証は本件審判請求後に発行されているものではあるが、商標権者が本件商標を現在も継続的に使用しており、また、今後も継続使用する意思を有していることの証として提出するものである。この意思を表わすものとしては、例えば乙第2号証104頁左下に「次回は03年5月発売予定」と記載されていることが挙げられる。乙第2号証においても乙第1号証と同様に、表紙の右上において、本件商標『ゴルフマガジン』が使用されており、背表紙の下側には「ベースボール・マガジン社」と記載され、裏表紙の発行所を記載する位置に商標権者「株式会社ベースボール・マガジン社」の名称が記載され、104頁下側には「発行所(株)ベースボール・マガジン社」と記載されている。乙第1号証の裏表紙には雑誌コード「67673-01」が記載されている。
乙第3号証は雑誌目録刊行会発行の『雑誌のもくろく2002年版』の一部写しであるが、その219頁(当該頁は、甲第5号証の中には挙げられていない。)には、「誌名コード67673」に該当する「誌名」が「B.B.MOOK(ビービームック)」である旨記載されている。また、”この目録をご利用の皆様へ”の頁には、「この雑誌のもくろくは、2002年2月末日現在、全国の書店で販売されている雑誌(コードが8から始まるものを除く)約3,500誌を収録しております。」と記載されている。このことは、雑誌『ゴルフマガジンB.B.MOOK 50歳からの飛ばしBOOK』(乙第1号証)が実際に発行されていたことの裏付けとなるものである。なお、乙第1号証ないし乙第3号証は、必要があれば現物を持参致す所存である。
以上に挙げた証拠は、本件商標の審判請求の日前3年間の日本国内における使用を充分に裏付けるものである。
なお、1952年(昭和27年)6月1日創刊(乙第1号証)以来50年間にわたり定期的に発行されてきている雑誌『ゴルフマガジン』に使用されてきた本件商標には、多大なる業務上の信用が化体し、被請求人において貴重な財産と認識しており、今後も本件商標を継続的に使用していく所存である。
上記するように、本件商標を、その指定商品「雑誌」について、本件審判の請求の登録の日前3年間に商標権者株式会社ベースボール・マガジン社が日本国内において使用していたことは乙第1号証および第3号証により明らかである。

第4 当審の判断
被請求人は、本件商標をその指定商品に含まれるゴルフに関する雑誌について、審判請求の登録前3年以内に商標権者自身が使用していると主張し乙第1号証ないし乙第3号証を提出しているので以下に検討する。
乙第1号証は、その掲載内容からゴルフに関する雑誌と認められ、発行日及び発行所の表示よりして、被請求人が平成13年12月15日に発行したことは明らかであり、その表紙、背表紙及び奥付等には本件商標と社会通念上同一と認め得る商標「ゴルフマガジン」が明瞭に表示されている。
乙第2号証は、審判請求の登録後の同じゴルフに関する雑誌であるが、乙第1号証の雑誌と同様に被請求人の発行に係るものであり、それぞれの雑誌に発行日とともに記載されている「B.B.MOOK199」及び「B.B.MOOK237」及び乙第2号証の104頁の「次回は03年5月発売予定」等の記載から、これらの雑誌は被請求人が答弁しているとおり継続して発行されていることが充分推認できるものである。
乙第3号証は、2002年3月20日「雑誌目録刊行会」発行の「雑誌のもくろく」であるが、そこに記載されたコードと前記雑誌のコードは「67673」の点で一致している。
してみると、被請求人は、本件商標と社会通念上同一と認められる商標を、本件審判請求の登録前3年以内に日本国内において、その指定商品「雑誌」について、使用していることを証明し得たものといえる。
なお、請求人は、使用されている「ゴルフマガジン」は他の図形や文字と共に使用されているので本件商標の使用に当たらない、本件商標は無効原因を含んでいるなどと主張しているが、これを採用することはできず、その証拠も提出されていない。
以上のとおりであり、本件商標は、本件審判請求の登録前3年以内に、日本国内において、商標権者が審判請求に係る指定商品について使用していたものであるから、本件商標の登録は、商標法第50条の規定により取り消すべき限りでない。
よって、結論のとおり審決する。
審理終結日 2003-07-08 
結審通知日 2003-07-11 
審決日 2003-07-23 
出願番号 商願平4-152327 
審決分類 T 1 31・ 1- Y (016)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 野本 登美男長沢 祥子 
特許庁審判長 小林 薫
特許庁審判官 岩崎 良子
大橋 信彦
登録日 1995-08-31 
登録番号 商標登録第3065555号(T3065555) 
商標の称呼 ゴルフマガジン、ゴルフ 
代理人 中村 政美 
代理人 門間 正一 

プライバシーポリシー   セキュリティーポリシー   運営会社概要   サービスに関しての問い合わせ