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審決分類 審判 査定不服 商4条1項16号品質の誤認 取り消して登録 Z02070916
審判 査定不服 商3条1項3号 産地、販売地、品質、原材料など 取り消して登録 Z02070916
管理番号 1088592 
審判番号 不服2001-15601 
総通号数 49 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2004-01-30 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2001-09-03 
確定日 2003-12-15 
事件の表示 商願2000-72321拒絶査定に対する審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願商標は、登録すべきものとする。
理由 1 本願商標
本願商標は、「イグアス」及び「IGUAZU」の文字を横書きしてなり、第2類「塗料,染料,顔料,印刷インキ(「謄写版用インキ」を除く。),謄写版用インキ,絵の具」、第7類「化学機械器具,繊維機械器具,パルプ製造用・製紙用又は紙工用の機械器具,印刷用又は製本用の機械器具,包装用機械器具,プラスチック加工機械器具」、第9類「測定機械器具,電池,写真機械器具,映画機械器具,光学機械器具,眼鏡,電気通信機械器具,レコード,電子応用機械器具及びその部品,遊園地用機械器具,録画済みビデオディスク及びビデオテープ,自動販売機,写真複写機,家庭用テレビゲームおもちゃ」及び第16類「紙類,印刷物,写真,写真立て,文房具類(「昆虫採集用具」を除く。),あて名印刷機,印字用インクリボン,事務用電動式ホッチキス」を指定商品として、平成12年6月29日に登録出願、その後、当審において、平成13年9月3日に手続補正書の提出があり、第2類、第9類及び第16類の指定商品が削除され、第7類の商品だけに減縮補正されたものである。

2 原査定の拒絶の理由の要点
原査定は、「本願商標は、その構成中、『イグアス』の片仮名文字を有してなるが、これよりは米国のナイヤガラの滝、アフリカのビクトリア瀑布、と並んで3大大瀑布に数えられるアルゼンチンとブラジルの国境にあるイグアスの滝で有名なブラジル南部パラナ州の南西フォス・ド・イグアス市の地名を想起させるものであるから、これを本願指定商品中、上記を産地販売地とする商品に使用しても、単に商品の産地、販売地、品質を表示するにすぎないものと認める。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記意味合いに照応する商品以外の商品に使用するときは、商品の品質の誤認を生じさせるおそれがあるので、商標法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。

3 当審の判断
(1)本願商標は、「イグアス」及び「IGUAZU」の文字よりなるところ、該文字がスペイン語では世界3大瀑布のひとつであるイグアスの滝を指称する場合があるとしても、例えば、「大辞林」や「コンサイス外国地名事典〈改訂版〉」(発行所はいずれも株式会社三省堂)には「イグアス【ポルトガル Iguacu(「c」にはセディーユが付してある。)】」と記載され、また、我が国でも親しまれている英和辞典でも、「小学館ランダムハウス英和大辞典」(発行所 株式会社小学館)や「研究社新英和大辞典」(発行所 株式会社研究社)には「Iguassu Falls」又は「Iguacu Falls」と記載され、これらの辞書にはポルトガル語の表示は掲載されているが、スペイン語の表示が掲載されていないことからすると、必ずしも、イグアスの滝の周知性ほどに本願商標の構成中にある「IGUAZU」の表記が親しまれたものであるとはいうことができない。まして、原査定の拒絶の理由では本願商標がブラジル南部パラナ州の南西フォス・ド・イグアス市を指称すると説示するが、「IGUAZU」及び「イグアス」の文字のみをもって、イグアスの滝にとどまらず、ブラジル南部パラナ州の南西フォス・ド・イグアス市までを指称するものとすべき理由を見出すことはできない。
してみれば、本願商標は、世界3大瀑布のひとつであるイグアスの滝を指称する場合があるとしても、原審説示の都市までをも指称するということはできない。
(2)本願の指定商品は、前記1のとおり補正されているところ、その結果、絵はがき等の印刷物、写真類、さらには、録画済みビデオディスク及びビデオテープなどの観光地において取引・販売されたり、観光地の紹介や案内を内容とする商品が削除されたといえる。その他、紙類などの商品も削除されたことから、本願の指定商品中に、原審説示のブラジル南部パラナ州の都市が殊更に産地又は販売地として知られているとすべき商品を見出すこともできない。
そして、本願の補正後の指定商品の取引の実情をみても、殊更に、観光名所の名称をもって商品の産地又は販売地を表示することが普通に行われているというような事情を見出すことはできない。
(3)そうすると、本願商標は、補正後の指定商品に使用しても、取引者、需要者をして、仮に、イグアスの滝を指称するものと理解し得たとしも、単に世界3大瀑布の凄さなどを想像するにとどまるというのが自然であって、殊更に、それを商品の産地、販売地を表示したものと認識するということはできないものである。
してみれば、本願商標が商標法第3条第1項第3号に該当するということはできない。また、本願商標を、ブラジル南部パラナ州の南西フォス・ド・イグアス市が産地、販売地でない商品に使用しても、その商品の品質の誤認を生じさせるおそれがあるということもできないから、同法第4条第1項第16号に該当するということはできない。
したがって、本願商標が商標法第3条第1項第3号及び第4条第1項第16号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、取消しを免れない。
その他、政令で定める期間内に本願について拒絶の理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。
審決日 2003-11-20 
出願番号 商願2000-72321(T2000-72321) 
審決分類 T 1 8・ 13- WY (Z02070916)
T 1 8・ 272- WY (Z02070916)
最終処分 成立  
前審関与審査官 津金 純子 
特許庁審判長 小林 薫
特許庁審判官 林 栄二
岩崎 良子
商標の称呼 イグアス、イグアズ 

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