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審決分類 審判 査定不服 商64条防護標章 登録しない 001
管理番号 1083670 
審判番号 審判1999-9748 
総通号数 46 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2003-10-31 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 1999-06-14 
確定日 2003-08-01 
事件の表示 平成9年防護標章登録願第11553号拒絶査定に対する審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。
理由 第1 本願標章
本願標章は、「センロック」の片仮名文字を横書きしてなり、第1類「化学品,植物成長調整剤類,のり及び接着剤(事務用又は家庭用のものを除く。),高級脂肪酸,非鉄金属,非金属鉱物,原料プラスチック,パルプ,工業用粉類,肥料,写真材料,試験紙,人工甘味料,陶磁器用釉薬」を指定商品とし、登録第2071582号商標(以下「原登録商標」という。)に係る防護標章登録出願として、平成9年2月7日に登録出願されたものであるが、指定商品については、同10年8月17日及び同11年6月14日付け手続補正書により「化学品,のり及び接着剤(事務用又は家庭用のものを除く。),高級脂肪酸,工業用粉類,肥料,写真材料,人工甘味料,陶磁器用釉薬」と補正されたものである。
そして、原登録商標は、本願標章と同一の構成よりなり、昭和61年5月28日に登録出願、第1類「薬剤」を指定商品として、同63年8月29日に設定登録、その後平成10年5月19日に商標権の存続期間の更新登録がなされたものである。

第2 原査定の理由
原査定は、「本願標章は、他人がこれを本願指定商品に使用しても、その出所について混同を生ずるおそれがある程度に、需要者の間に広く認識されているものとは認められない。
出願人が「センロック」の文字よりなる商標をそのシリーズ商品を含め、胃腸薬に使用し、テレビCM、雑誌等により広告宣伝していることは認められるが、その使用は胃腸薬のみに限られており、格別広く需要者間に認識されているものとも認められない。
したがって、その用途、取引流通経路等が著しく異なる非鉄金属、非金属鉱物,原料プラスチック、パルプ、試験紙等に使用しても出願人の業務に係る商品であるかのように商品の出所について混同を生ずるおそれがあると認めることはできない。
したがって、この防護標章登録出願に係る標章は、商標法第64条の要件を具備しない。」旨認定して、その出願を拒絶したものである。

第3 当審の判断
1 本願標章と原登録商標との一致について
本願標章と原登録商標とが同一のものであること、同じく本願出願人と原登録商標の商標権者が同一人であることは、出願書類及び商標登録原簿の記載に照らし、これを認めることができる。
2 原登録商標の著名性について
(1)請求人の提出した甲各号証を総合すると、以下の事実が認められる。
ア 請求人は、研究開発型の医薬品メーカーとして大正4年に創業し、以来その事業活動により、わが国の大手製薬会社としての地位を築き、今日においては、医療用医薬品をはじめとして、一般医薬品、動物用医薬品、医療用・食添用・飼料用原末などの薬品類の製造・仕入及び販売、薬物の安全性に関する試験及び研究の受託等などの事業を行い、その事業活動の拠点も、国内のみならず海外の主要都市に拡大していることが認められる。
また、請求人の取扱いに係る医療用医薬品は、化学療法剤、循環器系薬剤、消化器系薬剤、呼吸器系薬剤、ビタミン剤、診断用薬剤、ワクチンなど多岐にわたる商品を製造、販売しており、これらに使用される商標も多種にわたる。
イ 原登録商標「センロック」は、請求人の業務に係る商品「胃腸薬」について昭和62年10月に使用を開始し、その正味売上高は、平成5年度は約4億7千万円、平成6年度には約4億9千万円、平成7年度には約6億円に達し、平成8年度には約5億円5千万、平成9年度には約5億9千万円、平成10年度には約3億7千万円、平成11年度(上半期)には約1億8千万円と減少している。
また、広告宣伝費においても平成5年度は約1億5千万円、平成6年度には約3億1千万円、平成7年度には約2億円7千万円、平成8年度には約7億円6千万、平成9年度には約9億3千万円と平成8年度及び平成9年度は、広告宣伝費が売上げを上回っているが、平成10年度には約3億円と減少し、売上げも前年度に比べて約2億円弱下降線をたどっている。
ウ 請求人の取扱いに係る「胃腸薬」は、「使用方法の指示によって使用することを目的として供給される医薬品」であり、一般の需要者を対象とした商品である。
(2)「センロック」商標は、請求人の取扱いに係る医療用医薬品中の一つである「胃腸薬」を表示するものとして、昭和62年より使用されている商標であり、該商品は、発売当初の売り上げはともかく平成5年頃から売上げを伸ばし、「胃腸薬」を取り扱う分野においては、認識されていたものと認め得るところである。
しかしながら、「センロック」商標を使用した「胃腸薬」は、前記認定のとおり、平成8年以降その売り上げは下降線をたどり、本願標章が登録出願された平成9年には、その売上高や市場占有率が同種の他の製品に比べ必ずしも高い地位を占めていたものとはいえない(平成9年4月1日から平成10年3月31日までの第120期有価証券報告書において、商品「センロック」を含む消化器系薬剤は、請求人の取り扱い品目の僅か3.2%であり、前年の3.8%より減少している。)。
また、「センロック」商標は、請求人の取扱いに係る多種多様な商品中の医薬品の一つである「胃腸薬」に使用される商標であり、個別商品毎に付される、いわゆるペットマークといわれる商標であり、請求人の取扱いに係る業務全般を表象する標章ではない。
さらに、該商品は、一般の需要者を対象とした商品であり、その宣伝、広告の方法においても、テレビ、新聞、雑誌等を通じて一般大衆に直接訴えかけていることは認められるが、該広告、宣伝は1997年〜1999年のものが大部分であり、その内容も薬剤の「H2ブロッカー」が新たに配合され、胃腸薬としての効能、効果が高められたことを主とする広告、宣伝である。
前記「H2ブロッカー」はいわゆるスイッチOTC薬といわれ、元々は医療用医薬品であったが、長期間医療用医薬品として使用され、その安全性が高いため、一般の薬局などで購入できるよう転用された薬であり、1997年わが国においても、厚生省から認められたものであって、各製薬会社においても、自社の胃腸薬に「H2ブロッカー」が新たに配合され、その効能、効果が高められたことを主とする広告、宣伝が見受けられることから、格別商品「センロック」に特有の効能、効果ではない。
そして、商品「センロック」は、昭和62年より販売されていることは認められるが、当該販売時期より、前記「H2ブロッカー」が認められた時期までの広告、宣伝がなされた事実は提出された資料からは窺うことができないから、需要者に広く知られていたものとみることができない。
上記した事情を勘案すれば、原登録商標の周知、著名の程度は、極めて限定された範囲におけるものといわざるを得ない。
3 出所の混同のおそれについて
他人が原登録商標を本願標章に係る指定商品について使用した場合、需要者が、その商品と原登録商標の商標権者の取扱いに係る指定商品と混同を生ずるおそれがあるか否かについて判断するに、商標法第64条第1項においていう「混同のおそれ」を判断するに当たっては、原登録商標自体とその商標の著名の程度、防護標章登録出願に係る指定商品の属する分野における需要者層、当該商品の取引の実情等に照らし、出所の混同のおそれの有無を総合的に判断すべきものと解される。
これを本件についてみるに、原登録商標は、いわゆるペットマークといわれる商標であり、請求人の取扱いに係る業務全般を表象する標章ではなく、また、原登録商標を使用している商品は、昭和62年以降より使用され、一般の需要者を対象とした商品ではあるが、前記実情からその市場占有率が同種の他の製品に比べ必ずしも高い地位を占めていたものということができないから、その著名性は、高いものとはいえない。
そして、本願標章の指定商品は、その大部分において、原登録商標を使用した「胃腸薬」と、その用途、取引系統、販売場所、需要者層等において大きく異なるものである。
してみると、請求人が経営の多角化を展開している状況にあることを考慮しても、他人が原登録商標を本願指定商品について使用しても、該商品が請求人の取扱いに係る商品であるかのように、その出所について混同を生じさせるおそれがあるということはできない。
4 むすび
以上のとおりであるから、本願標章が商標法第64条に規定する要件を具備しないものとして、本願を拒絶した原査定は、これを取り消すことはできない。
よって、結論のとおり審決する。
審理終結日 2003-04-17 
結審通知日 2003-04-30 
審決日 2003-06-13 
出願番号 商願平9-11553 
審決分類 T 1 8・ 8- Z (001)
最終処分 不成立 
前審関与審査官 鈴木 茂久伊藤 三男 
特許庁審判長 宮下 正之
特許庁審判官 小林 和男
平山 啓子
商標の称呼 センロック 
代理人 大房 孝次 
代理人 白濱 國雄 
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