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審決分類 審判 全部申立て  登録を維持 Z25
審判 全部申立て  登録を維持 Z25
管理番号 1080428 
異議申立番号 異議2002-90578 
総通号数 44 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2003-08-29 
種別 異議の決定 
異議申立日 2002-08-20 
確定日 2003-06-25 
異議申立件数
事件の表示 登録第4570956号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 登録第4570956号商標の商標登録を維持する。
理由 1 本件商標
本件登録第4570956号商標(以下「本件商標」という。)は、平成13年7月31日に登録出願、別掲【1】のとおりの構成よりなり、第25類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、平成14年5月24日に設定登録されたものである。

2 登録異議の申立ての理由
(1)商標法第4条第1項第11号について
本件商標は、以下(a)ないし(c)に引用した登録商標と類似の商標であって、その指定商品も同一又は類似のものである。
(a)「HEAD」の欧文字を横書きしてなり、昭和42年5月29日登録出願、第24類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、昭和49年6月10日に設定登録された登録第1070887号商標
(b)「HEAD」の欧文字を横書きしてなり、昭和48年3月26日登録出願、第24類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、昭和58年5月26日に設定登録された登録第1590417号商標
(c)「HEAD」の欧文字を横書きしてなり、昭和42年12月12日登録出願、第17類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、昭和48年10月15日に設定登録された登録第1038256号商標
(上記引用した登録商標をまとめて、以下「引用商標」という。)
(2)商標法第4条第1項第15号について
引用商標は、登録異議申立人(以下「申立人」という。)の取扱いに係る商品「スキー用具、テニス用具、ゴルフ用具、スキーウエア、ゴルフウエア」を表示するものとして、本件商標の登録出願時には、需要者の間に広く認識されていたものであるから、「HEAD」の文字を含む本件商標をその指定商品である「運動用具」について使用した場合には、取引者、需要者をして、該商品があたかも申立人の業務に係る商品であるかのように、商品の出所について混同を生じさせるおそれがある。
(3)したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号及び同第15号に違反して登録されたものであるから、その登録は取り消されるべきである。

3 当審の判断
(1)商標法第4条第1項第11号について
本件商標は、別掲【1】のとおり、「TOOL HEAD」の文字をやや図案化して書してなるものであるところ、該文字は、同一の書体をもって、外観上まとまりよく表されているばかりでなく、これより生ずると認められる「ツールヘッド」の称呼も一気に称呼し得るものである。また、「TOOL HEAD」の語は、「ツールヘッド;工作機械の調節可能な工具取り付け部分」を意味するものである。
そうすると、本件商標は、外観、称呼及び観念上からみて、その一体不可分性は強いというべきものであって、これを殊更「TOOL」と「HEAD」の文字部分とに分離して観察しなければならない格別の理由は見当たらない。
してみれば、本件商標は、その構成文字に相応して、「ツールヘッド」の称呼のみを生ずるものであって、「ツールヘッド;工作機械の調節可能な工具取り付け部分」の観念を生ずるものといわなければならない。
これに対して、引用商標は、「HEAD」の文字を書してなるものであるから、これより「ヘッド」の称呼を生ずるものであって、「頭、頭部」の観念を生ずるものである。
そこで、本件商標と引用商標とを比較するに、本件商標より生ずる「ツールヘッド」の称呼と引用商標より生ずる「ヘッド」の称呼とは、前半部において「ツール」の音の有無の差異を有するものであるから、それぞれの称呼を一連に称呼した場合においても、十分に聴別し得るものである。また、本件商標と引用商標は、前記したそれぞれの構成よりみて、外観上明らかに区別し得る差異を有するものであり、さらに、前記したそれぞれの観念よりみて、観念上相紛れるおそれはないものである。
したがって、本件商標と引用商標は、その称呼、外観及び観念のいずれの点においても非類似の商標というべきである。
(2)商標法第4条第1項第15号について
本件商標の登録出願前に発行ないし作成されたと認められる甲第5号証ないし甲第100号証によれば、申立人の取扱いに係る商品「スキー用具、テニス用具、ゴルフ用具、スキーウエア、ゴルフウエア」等を表示するものとして使用されている商標の多くは、別掲【2】のとおり、スキーのヘッド(先端)部分を表したと理解される輪郭及びその内側上部に黒丸を配した図形と「HEAD」の文字とを結合した構成よりなる商標であって、該商標は、図形と「HEAD」の文字とが一体となったものとして把握、認識され、申立人の上記商品を表示するものとして、本件商標の登録出願前より、その需要者の間で広く認識されていたものということができる。
仮に別掲【2】の商標中の「HEAD」の文字部分のみが単独で使用された場合があるとしても、そのほとんどが別掲【2】の商標とともに使用されていたこと、「HEAD」は、「頭、頭部」を意味するものとしてよく知られ、極めて平易な語であって、該語に高い独創性があるものとは認められないことからすると、申立人の「HEAD」の文字部分のみの使用は、需要者に強い印象を与えるものではなく、また、前記したとおり、本件商標は、構成全体が一体不可分の商標であって、その構成中の「HEAD」の文字部分のみが独立して把握、認識されるものではないことなどを総合勘案すると、本件商標に接する取引者、需要者は、これより申立人の使用に係る上記別掲【2】の商標はもちろんのこと、引用商標についても、これを想起することは極めて少ないというべきである。
そうすると、本件商標は、これをその指定商品について使用しても、該商品が申立人又は申立人と経済的、組織的に何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかのように、商品の出所について混同を生じさせるおそれがある商標ということはできない。
(3)まとめ
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号及び同第15号に違反して登録されたものではないから、商標法第43条の3第4項の規定により、その登録を維持すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
別掲 【1】本件商標



【2】申立人の使用商標



異議決定日 2003-06-06 
出願番号 商願2001-69402(T2001-69402) 
審決分類 T 1 651・ 271- Y (Z25)
T 1 651・ 26- Y (Z25)
最終処分 維持  
前審関与審査官 小林 裕子 
特許庁審判長 野本 登美男
特許庁審判官 茂木 静代
高野 義三
登録日 2002-05-24 
登録番号 商標登録第4570956号(T4570956) 
権利者 バンヤン インターナショナル インコーポレイテッド
商標の称呼 ツールヘッド、ツール、トゥール 
代理人 塩谷 信 
代理人 松尾 和子 
代理人 中村 稔 
代理人 菊地 栄 
代理人 上原 空也 
代理人 熊倉 禎男 
代理人 大島 厚 
代理人 井滝 裕敬 
代理人 吉武 賢次 
代理人 岡本 健二 

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