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審決分類 審判 全部無効 称呼類似 無効とする(請求全部成立)取り消す(申し立て全部成立) 117
管理番号 1079953 
審判番号 審判1995-28124 
総通号数 44 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2003-08-29 
種別 無効の審決 
審判請求日 1995-12-28 
確定日 2003-06-12 
事件の表示 上記当事者間の登録第2710099号商標の商標登録無効審判事件についてされた平成10年4月10日付け審決に対し、東京高等裁判所において審決取消の判決(平成10(行ケ)年第145号、平成11年4月14日判決言渡)がなされ、同判決が最高裁判所の決定(平成11年(行ヒ)第140号、平成13年11月21日決定)により確定したので、さらに審理のうえ、次のとおり審決する。 
結論 登録第2710099号の登録を無効とする。 審判費用は被請求人の負担とする。
理由 第1 本件商標
本件登録第2710099号商標(以下、「本件商標」という。)は、別掲に表示したとおりの構成よりなり、平成4年2月6日登録出願、第I7類「被服(運動用特殊被服を除く。)、布製身回品(他の類に属するものを除く。)寝具類(寝台を除く。)」を指定商品として、同7年9月29日に設定登録がなされているものである。

第2 引用商標
請求人が本件商標の登録無効の理由に引用する登録第2634277号商標(以下、「引用商標」という。)は、「インディアンモーターサイクル」の片仮名文字を横書きしてなり、平成3年11月5日登録出願、第17類「被服、その他本類に属する商品」を指定商品として、同6年3月31日に設定登録がなされているものである。

第3 請求人の主張
請求人は、結論同旨の審決を求め、その理由及び答弁に対する弁駁を要旨次のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第27号証(枝番を含む。)を提出した。
1.本件商標は、商標法第4条第1項第7号に該当する。
本件商標は、その構成中の下段部分において明らかに商号(法人名称)の英文表記と判断される文字「lndian Motocycle Co.,Inc.」が表示されており、かつ当該商号が前被請求人(出願人)の氏名と相違することは明白である。
上記英文字中「Co.,Inc.」の部分が、会社(法人)であることを示す「Company Incorporated」の略英字であり(甲第5号証)、このことは「Co.,Inc.」の文字がわが国法人にあっても自己の商号を英文表記する際、法人であることを示す略英字として多用され社会的にもそのように広く認識されていること、さらには審査実務例からも疑いのないところである。
前被請求人は、自然人であって法人ではなく、しかも自己の氏名と全く異なる名称を登録することは、商法上の原則(ア 会社でないものが会社であることを示す文字を用いてはならない。イ 会社は一営業に付き一商号しか有することが出来ない。)に反するものである。
また、個人が自己の氏名と全く異なる法人名称を使用することは、取引者、需要者が当該商号会社の業務に係る商品であると信じ、当該商品に関する責任はその商号会社が果たすものと信じて取引されるのが通常であることを考えれば、このような商標の登録は取引者、需要者の期待を裏切り商品の出所の誤認と取引の混乱を招き、ひいては社会公共の利益に反し、公の秩序を乱すものといわなければならない。
審査・審判例においても出願人の氏名又は名称と異なる名称が商標として採択出願された場合は、本号に該当するものとしてその殆どが拒絶されている(甲第6号証の1ないし4)。
してみると、本件商標には例外的に登録が認められた審決例(甲第6号証の5ないし7)のような特別な事情は全くなく、明らかに出願人氏名と異なる名称を商標として採択出願したものであり、審査においてもかかる主旨に基づき、一旦は拒絶理由通知(甲第7号証)を出されたものである。
前被請求人は、提出した意見書(甲第8号証)において、本件商標は、商号部分「Indian Motocycle Co.,Inc.」のみではなくその上段に「インディアン(図形)とIndian(文字)」が配されているから商号商標ではないと主張するが、商号のみからなる商標でなく他の構成要素が含まれているものは商号商標ではなく、本号の適用外であるとするならば商号商標に対しての本号に関する従来の審査、審判、判例ならびに学説の適用解釈は全く無意味なこととなり到底容認できる主張ではない。
本件商標の態様は、前記したとおり少なくとも上段(インディアン図形・Indian)と下段(Indian Motocycle Co.,Inc.)とに分離されており各々が要部として独立した識別機能を果たすものであって、本号の適用を逃れ得るものではない。
また、前被請求人は、商標法第4条第1項第8号においては他人の名称であってもその他人の承諾を得れば登録が認められるのであるから、本号についてもその他人の承諾を得ている場合には適用されないとの主張をするが、同第8号と本号とでは立法の主旨並びに適用目的が全く異なり、第8号が当該他人の私的利益との調和を図ることを主旨として設けられた規定であるのに対し、本号(第7号)は他法によって使用が禁じられている商標、信義に反する商標、道徳観念に反する商標、さらには取引秩序を乱す商標等の登録を拒否して社会的秩序や一般公衆の利益である公的利益の保護を図ることを主旨とした規定である。
すなわち、本号は、社会公益の利益の保護を目的として定められた規定であるからして、一個人がその登録を承諾したか否かということは本号の適用にあたって全く関係のないことであり、前被請求人のかかる主張は明らかに法的解釈を誤ったものといわざるを得ない。
かりに、前被請求人の提出の同意書(甲第9号証)が第8号の適用を逃れるための事前の証明書と敢えて解釈するとしても、この同意書はつぎの理由によって形式的にも実質的にも有効なものといえない。
ア 同意会社(TheIndian Motocycle Company of America)又は署名者(Philip S.Zanghi)は、日本における何らの権利も有しないばかりか、本件商標/指定商品に関し米国連邦商標登録の事実すらなく(甲第10号証)、いかなる権限に基づきかかる内容の許諾を与えたかは当事者間の問題であるとしても、提出された同意書の内容はあくまで商標の使用許諾であって、出願人が本件商標を登録することの承諾ではない。
イ また、前被請求人は、本件商標が商号商標ではないと主張しているにも拘わらず、商号商標の登録を受けていると主張すること自体矛盾するものであるが、本件商標が同意者(TheIndian Motocycle Company of America)の正式名称とは必ずしも証明されておらず、本件商標が単に提出された同意書のヘッド部分に表示されているにすぎない。
ウ さらに、上記同意書における同意会社は、今から大凡95年前に創設された同名の会社「Indian Motocycle Co.,Inc.」(以下、「インディアン社」と称す。)とは全く別法人であり、単に署名者Philip S.Zanghi氏が1992年に個人的に設立した米国会社であり、同意権の存在自体疑わしいばかりか、Zanghi氏の当該会社はその後2年程で実質的に倒産したとのことであり、出願時又は登録査定時に存在していたか否か甚だ疑問である。
2.本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当する。
(1)本件商標と引用商標とは、同一及び類似の称呼が生じる。
本件商標の構成は、「インディアン(図形)」、その図中に配した「Indian(筆記体英文字)」とからなる上段部と、「Indian Motocycle Co.,Inc.(筆記体・英文字)」の下段部とからなり、各々が要部として識別機能を果たし得るものである。
そして、「Indian Motocycle Co.,Inc.」からは「Co.,Inc.」の部分が会社を示す略字であることから、商標審査基準(甲第11号証および甲第12号証)に照らし、これを除外して看ると本件商標の下段部においては、「Indian Motocycle」が主要部であり、少なくとも、「インディアンモトサイクル」の称呼が生じることは明白である。
これに対して、引用商標は、横一連の片仮名文字で「インディアンモーターサイクル」と書してなるものであり、これからは「インディアンモーターサイクル」の称呼が生じることは当然として、わが国の英語普及度並びに「インディアン」及び「モーターサイクル」の語が一般的に広く認識され用いられている外来語であることを考えれば、引用商標が英語の「Indian」と「Motorcycle」とを一連に結合した日本語表記であることは十分認識理解されているところである。
してみると、本件商標の下段主要部から生じる称呼「インディアンモトサイクル」と引用商標の称呼「インディアンモーターサイクル」との相違は、中間音における「モト」と「モーター」の差異、すなわち同行音に属する「ト」と「タ」の相違及び前母音における長音符「ー」の有無の相違にすぎないのである。
しかも、本件商標も引用商標も長音符を除けば、何れも同数音で、12音という極めて冗長な称呼構成からなり、かつ、音調をも共通にするものであって、称呼上類似することは疑問の余地のないところである。
さらに、上述したごとく「インディアン(Indian)」も「モーターサイクル(Motorcycle)」も、その単語の意味(北米原住民・二輪自動車)を含めて一般的に広く認識理解されている外来語であること、並びに本件商標中の「Moto(モト)」は、「Motor(モーター)」の簡略語であることも周知の事実である(甲第13号証ないし甲第15号証)。
したがって、簡易迅速を旨とする取引界の事情を併せて勘案すると取引者、需要者は、「r」の有無をいちいち確認するものではなく、またかりに確認したとしても本件商標中の「Motocycle」の部分は、英単語である「Motorcycle」として認識理解し、かつ「モーターサイクル」と称呼するものである。
かかる場合においては、本件商標と引用商標とは同一の称呼が生じるというべきである。
審査においても、一旦は本件商標と引用商標とが称呼において類似するものとし、拒絶理由通知(甲第16号証)を出されたものである。
しかるに、前被請求人において、両商標が類似しない旨の証明、あるいは正当な理由の釈明がないにも拘らず登録査定がなされたことは、先に述べた第7号違反の場合と同様に理解できないことである。
(2)本件商標と引用商標とは、同一の観念が生じる。
本件商標の下段主要部は、「Indian Motocycle」の英文字からなるものであるが、上述のごとく「Indian/インデイアン」も「Motorcycle/モーターサイクル」もその語義を含めて一般的に広く認識理解されている外来語であり、かかる英単語のスペルを簡易迅速を旨とする実際取引において需要者、取引者はいちいち確認するものではない。
しかも、この下段主要部とわが国において共に広く認識理解されている英単語の結合である「Indian Motorcycle」との相違は、中間部において英語表記上しばしば省略されがちな長音を表すアルファベット「r]1文字の有無にすぎず、全体が冗長であることを考え併せれば需要者、取引者は、本件商標要部「Indian Motocycle」の部分を「Indian Motorcycle」であると理解認識するもので、「インディアン(北米原住民)オートバイ(二輪自動車)」と観念するのが自然というべきである。
さらに、モーターサイクルスポーツの一種として、「オートバイで、舗装されていない山道や原野を走る競技」を「モトクロス」又は「モトクロスレース」と称し、わが国においても近時盛んに行なわれており、ここで用いられている「モト/Moto」は、「モータ-/Motor」の簡略語であることも広く知られているところである(甲第13号証ないし甲第15号証)。
したがって、本件商標中「Motocycle」の部分に付き、かりに取引者、需要者がそのスペルまで確認したとしても、本件商標のこの部分からは当然「オートバイ/二輪自動車」の意味が生じ、そのように理解認識するものである。
これに対して、引用商標は片仮名文字で「インディアンモーターサイクル」と一連に書してなるものであり、これからは英単語である「Indian Motorcycle」を認識し、「インディアン(北米原住民)オートバイ(二輪自動車)」を観念することは前記諸事情よりして明白なところである。
してみると、本件商標要部である「Indian Motocycle」と引用商標「インディアンモーターサイクル」とは、共に同一の観念が生じ、両商標は相類似するものである。
3.以上に詳述のごとく、本件商標は明らかに出願人氏名と相違する名称であるからして、商標法第4条第1項第7号の規定に違反して登録されたものであり、また、本件商標は、引用商標と同一又は類似の称呼並びに同一の観念が生じるものであり、その指定商品においても相抵触するものであるからして、商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものである。
よって、本件商標の登録は、商標法第46条第1項の規定により、無効とされるべきものである。
4.利害関係について
被請求人は、請求人は本件審判請求について法律上の利益、すなわち請求適格を有さないのであるから、不適法な審判請求として却下すべきであるとの主張をする。
しかしながら、本件商標は、引用商標と明らかに類似するもので、審査においても一旦は引用商標に類似するものとして拒絶理由通知(甲第16号証)が発せられたところであり、その結果について請求人は重大な利害関係を有する。
両商標が類似する根拠は、請求書において述べた理由の他、現実取引においても本件商標が付された被請求人商品は「インディアンモーターサイクル」と称せられ取引され、被請求人自らも「Indian Motorcycle」と表示使用している事実(甲第23号証ないし甲24号証)からも明白である。
さらに被請求人は、商標法第50条第1項の規定からも登録商標の使用範囲(専用的使用範囲)として明確に認められている使用(一連一体からなるIndian Motorcycleの使用)行為に対してまで本件商標の侵害行為であるとして警告書(甲第25号証)を送りつけているものである。
前被請求人は、本件商標に関する意見書(甲第17号証)において「本件商標は、インディアンモトサイクルカンパニーインクのみの称呼が生じ、しかもそのスペルがMotorではなくMotoであるから、引用商標インディアンモーターサイクルとは類似しない。」とし、自らが本件商標と引用商標との類似関係を主張しているものである。
かかる状況は商標の二重登録に起因するものであり、本件商標登録の存在は請求人所有の商標権の効力や業務に重大な制約(影響)を与えるもので、商標法第25条、同法第37条、並びにパリ条約第5条C(2)の規定からして違法状態にあり、当該引用商標の商標権者である請求人が本件審判請求に付いて法律上の正当な利益を有することは明らかなところである。
また被請求人は、前記警告書(甲第25号証)の発送に先立ち、本件商標登録前より請求人の商標使用に対して侵害である旨の警告書(甲第26号証)を発し、登録後にあっては請求人の商標使用を商標権侵害として訴を提起(甲第27号証)しているものであり、当該訴訟事件の被告当事者である請求人が本件審判請求について法律上の利害関係を有することは当然である。 そもそも、本件商標に関する訴訟事件の一方当事者(原告)である被請求人が他方当事者(被告)である請求人に対して、本件審判請求についての利害関係を争い、その疎明立証を求めること自体理解し難いところであり審理遅延を意図したものにすぎない。
本件商標は元来、1901年に米国法人として設立され、大凡40年前の1959年に解散消滅した自動二輪メーカー「Indian Motocycle Co.,lnc.(インディアン社)」の社章的標章を、出願人(スコット エス カジャ)がそのままデッドコピー(丸写し)したものを第17類(被服等)の商標として採択出願したもので、しかも被請求人(及び出願人)は当該インディアン社とは法的にも事実的にも何等関係がないにも拘わらず、あたかも当該インディアン社と何等かの関係があるかのような商標使用及び宣伝により我が国においてライセンス業務を展開し、商品需要者、取引者にかかる印象を与えることによって、引用商標を使用する請求人の信用を著しく毀損せしめているものであり、このことからしても商品の需要者及び取引者を共通とする請求人は、引用商標と類似するのみならず、商法の商号使用に関する基本原則に違反するような本件商標の登録無効を請求することについて十分な理由があるというべきである。

第4 被請求人の答弁
被請求人は、本件審判の請求は成り立たない、審判費用は請求人の負担とするとの審決を求めると答弁し、証拠方法として乙第1号証ないし乙第27号証を提出している。
1.商標登録の無効審判請求が適法であるためには、請求人が登録商標の無効審判を請求する正当な法律上の利益すなわち請求適格を有することを要し、かかる請求適格を欠いた者による請求は不適法として却下される。しかるに、請求人はかかる請求適格を一切主張立証していない。
請求人は、前述の如く請求適格を何ら主張しないから、本件審判請求は不適法であり、本件審判請求は成り立たないこと明らかである。
ところで、請求人は、本件審判請求において、商標法第4条第1項第7号及び同第11号に基づいて本件商標の登録無効を主張するが、かかる主張はいずれも理由を欠き失当であり、被請求人は本件審判請求は成り立たない、審判請求は請求人の負担とするとの審決を予備的に求める。
2.本件審判請求は権利の濫用であり、請求人に本件商標の無効審判を請求する法律上正当な利益はない。
本件商標を使用したライセンスビジネスは、1991年(平成3年)7月米国においてまず開始され、日本においては1993年(平成5年)6月被請求人が設立され開始された。
本件商標を付した商品は、米国でも日本でも開始早々ブームとなった。
請求人は、米国で本件商標を使用した商品化事業の開始が報じられた平成3年7月の直後である平成3年11月、引用商標である片仮名「インディアンモーターサイクル」を第17類に商標登録出願し、平成6年に登録を得た。
一般に請求人のようなブランド物を扱う会社は、外国ブランド情報を集め商機を窺っており、上記米国の新聞報道を見る機会があったことは確実であり、かつ外国でスタートしたブランドがやがて日本に上陸することは業界の常識であり、請求人は、本件商標のライセンスビジネスが近々に日本においても展開されるであろうことを予測して引用商標の登録をしたことは明らかであると解さざるを得ない。事実、請求人は、引用商標の専用権の範囲は片仮名「インディアンモーターサイクル」と同一性を有する範囲でしかない(欧文字「Indian」等は専用権の範囲外である)にもかかわらず、本件商標中の欧文字「Indian」のロゴ(Indianロゴ)や、本件商標中の羽飾りを冠した右向きのインデイアンの酋長の図形(本件図形)と同一の標章等を使用した商品の輸入販売等を行い、Indianロゴを使用して広告、宣伝を行い、請求人が本件商標の要部であるIndianロゴや本件図形の正当な使用権者であるかのごとく需要者を誤認させる広告宣伝をし、引用商標の専用権の範囲外であるにもかかわらず本件商標の要部であるIndianロゴや本件図形を使用した。
しかも、請求人は、被請求人から警告を受けながらこれを無視して侵害行為を継続し、Indianロゴ等を使用した広告を継続し、平成8年5月請求人より侵害差止訴訟を提起され(東京地裁 平成8年(ワ)第9391号)ながら、これを止めず請求人がIndianロゴ等の正当な使用権者であるかのごとき宣伝をしたため市場に混乱が生じたので混乱を回避するため被請求人が本件商標の商標権者である旨の新聞広告を打つや、請求人は、代表取締役社長小林進名下の書簡を被請求人のマスターライセンシーである株式会社サンライズ社のサブライセンシーである西澤株式会社の取引先各社、サンライズ社のデイストリビューターである株式会社三竹産業の取引先各社に送付、さらに、請求人代理人弁護士は、サンライズ社のディストリビューターである株式会社元林、三竹産業及び兼松日産農林株式会社に対し書面を送付し、もって被請求人サンライズ社、西澤社の業務を著しく妨害し信用を著しく毀損した。
請求人は、上記書面において、本件商標につき無効審判請求をした旨、本件商標が当然無効である旨、本件商標が審査を経て登録されたものであるにもかかわらず、かかる登録が過誤によりなされた無効な登録であることは明らかである旨、本件商標の使用が引用商標の商標権の侵害を構成するかのごとき旨の記載をしたものであり、しかも、元林社の取扱商品(ライター)、三竹産業の取扱商品(革ベルト、革サイフ、革キーホルダー、バックル)、兼松日産農林の取扱商品(マッチ)が本件商標の指定商品と非類似のものであるにもかかわらずこれ等三社に弁護士名で出したものであり、かかる書面の送付は、被請求人及びサンライズ社の信用を著しく毀損し業務を著しく妨害するものである。
くわえて、請求人は、本件商標の要部であるIndianロゴを使用した革製ジャケット、ブラウス及びシャツの輸入販売を行わんとして大々的に広告をしカタログを配布した。
そこで、被請求人は、、東京地方裁判所に対し仮処分命令を申立て、平成8年12月16日仮処分決定を得た(東京地裁 平成8年(ヨ)第22126号事件)。
上に述べたとおり、本件審判請求は、請求人による違法な商標の使用を正当化し被請求人の業務を妨害せんがため提起されたものと解するほかなく、かかる目的によりなされた本件審判請求が権利の濫用であることは明らかであり、請求人に法律上正当な審判請求の利益は無い。
なお、被請求人は、一時、過誤により甲第23号証及び甲第24号証記載の態様の標章を使用させたことがあったが、速やかに中止し以来使用していない。被請求人がかかる標章の使用を中止したことは東京地裁平成9年8月14日付決定(平成8年(ヨ)第22126号仮処分申立事件)により確認されたところである。ちなみに、同事件の申立人は(債権者)は請求人であり、被申立人(債務者)は被請求人等であり、同申立ては引用商標に基づくものであるが申立は却下されている。
3.請求人は、本件商標は前被請求人(出願人)の氏名と異なる「Indian Motocycle Co.,lnc.」を含むから、商標法第4条第1項第7号に該当すると主張する。
しかしながら、商標法第4条第1項第8号は、他人の名称であってもその他人の承諾を得ているものは商標登録ができる旨明定している。そして、同号にいう「名称」とは「法人組合等の名称であって商号も含まれる」(網野誠著 商標〈新版〉262頁参照)。すなわち、商標法は何人も他人の商号をその他人の承諾を得て商標登録することを認めている。商標法自ら認めている行為が公序に反するものでもなく、良俗に反するものでもないことは明白である。
また、商標法第4条第1項第8号に加えて、商標法は自己の商号を商標登録した後、当該商標を第三者に譲渡することを認めており、また、当該登録商標について第三者に対し専用使用権通常使用権を設定することも認めている。すなわち、この点から商標法は、商号商標を当該商号の主体のみを当該商標を付した商品の出所として表示することを要求していないことは明白である。
そして、本件商標の登録出願人(前被請求人)は、平成5年10月22日付の意見書添付の甲第1号証に示すように、「Indian Motocycle Co.,Inc.」を含む本件商標を商標登録することについて承諾を得ている。
したがって、本件商標は、公序良俗に反する商標ではないから、請求人の主張に理由がないこと明らかである。
そもそも、請求人が引用する審決例はいずれも、「昭産株式会社」、「東北計器製造株式会社」という商号のみからなる商標に関するものであり、かつ、出願人自身が自己の商号と異なる商号を商標登録出願した場合に関するものであり、かかる審決例は本件商標について参考になるものではない。したがって、本件商標は商号商標ではない。
これに対して、本件商標は、羽根飾りを冠した右向きのインディアンの酋長の図形、同図形の中に配した筆記体の「Indian」の文字並びに同図形及び同文字の下に配した筆記体の「Indian Motocycle Co.,lnd.」の文字よりなるものであり、かつ、同図形は同「Indian Motocycle Co.,Inc.」 の文字より著しく大きく、かつ,、同「Indian」の文字も同「Indian Motocycle Co.,Inc.」の文字よりも大きく、本件商標においては識別力の中心をなすのは同図形及び同「Indian」の文字部分である。
すなわち、本件商標は、そもそも商号のみからなる商標ではないのであり、かつ、商標登録出願人目身が自己の商号と異なる商号のみからなる商標の登録出願をした場合ではないのであって、商標法4条1項第7号に該当するものではない。
なお、請求人は、第1意見書添付の甲第1号証について、同号証の内容は使用の許諾であって登録することの許諾でないと主張するが、同号証は「日本における営業目的のために当社のロゴ(Indian Motocycle Co.,Inc.)及び商標を使用する権利を許諾する」(…grants・・・the right to use the company Logo and trademark for purposes of business in the territory of Japan.)と述べており、営業目的のための使用の許諾とは当然の前提として登録の許諾を含むものであり、請求人の主張は同甲第1号証の文言を曲解するものであって、失当である。
また、第1意見書添付の甲第1号証は、そのレターヘッドに記載あるごとく、Indian Motocycle Co.,Inc.の代表者であるフィリップ・エス・ザンギ氏が本件商標の出願人に対して発行したものであり、Indian Motocycle Co.,Inc.が、その商号を含む本件商標を本件商標の出願人に対して登録することを許諾したものであることは同甲第1号証より明らかである。
なお、Indian Motocycle Co.,Inc.がザンギ氏が設立した会社であり同氏が会長であることは請求人自ら認めるところであり、かつ、同社が第1意見書添付の甲第1号証の発行時に有効に存在した会社であることは、請求人提出の甲第21号証から明らかである。すなわち、1992年1月6日にサインされたAssingnment(甲第21号証)の譲受人がIndian Motocycle Co.,Inc.であり(第1意見書添付の甲第1号証のレターヘッド住所である180 Avocado Street,Springfield,MA,01104所在のIndian MotocyC1e Company,Inc.はIndian MotocycIe Co.,Inc.と同一である)、同社が1992年6月19日にAssignorになっている。また、Indian Motocycle Co.,Inc.は現に存続している。
したがって、「Indian Motocycle Co.,Inc.」を含む本件商標の登録については、商号の所有者であるIndian Motocycle Co.,Inc.が出願人に対して適法、有効に同意したものであり、本件商標は、商標法第4条第1項第8号の同意を得て登録されたものであり、上述のごとく公序良俗に反するものではない。
つぎに、請求人の主張は本件商標中筆記体の欧文字「Indian Motocycle Co.,Inc.」から「インディアンモトサイクル」の称呼が生ずること、及び「インディアン(北米原住民)オートバイ(二輪自動車)」の観念を生ずるというものであるが、かかる主張は全く失当である。
本件商標は、別紙に表示したとおりの構成よりなるが、そもそも商標の類否は対比される両商標が同一または類似の商品に使用された場合、商品の出所について誤認混同を生じるおそれがあるか否かによって決すべきであるところ、その判断にあたっては商品に使用された商標の称呼、外観及び観念によって取引者に与える印象、記憶、連想等を総合して全体的に考察すべきであり、しかもその商品の取引の実情を明らかにし得る限りその具体的な取引状況に基づいて判断するのが相当である。
その場合、通常は対比される商標の称呼、外観及び観念のうちの一つが類似するならば、それらの商標が用いられた商品の出所について誤認混同のおそれが生じるものと認めて差支えないが、ただ、商標の称呼、外観及び観念の類似の有無とは、本来あくまでもその商標を使用した商品についての出所の混同のおそれを推測させる一応の基準に過ぎないものというべきであるから、常に商標の類否を上記の三点のうちその一において類似するものであっても他の二点において著しく相違したり、その他取引の実情のいかん等によって商品の出所に誤認混同を来すおそれを認め難いものについては、これを類似商標とは解すべきではないというべきである(最高裁昭和43年2月27日判決・民集22巻2号399頁参照)。加えて、図形部分と文字部分の結合商標については、図形の持つ情報伝達力を重視すべきであり、この点は東京高裁平成9年7月25日判決平成8年(行ケ)第269号及び東京高裁平成7年3月29日判決平成6年(行ケ)第150号の示すところである。
まず第一に、両商標の構成自体から本件商標が引用商標と外観において全く異なるものであることは明らかである。
本件商標において、識別力の中心をなすのはIndianロゴを配した本件図形の部分であることは、本件図形がMotocycleロゴより著しく大書され、IndianロゴもMotocycleロゴより大書してあり、かつ、本件図形は特徴ある図形であり、Indianロゴも特徴ある書体であり、そして、上記判決の示す如く図形の持つ情報伝達力が大であることに鑑みればこれは当然の事である。
したがって、この点のみよりしても本件商標が引用商標と出所についての誤認混同を惹起することはありえず非類似であることは明らかである。
さらに、Motocycleロゴのみと引用商標を対比しても両者は非類似である。すなわち、第17類においては以下のように「INDIAN」及び「インディアンの図形」と「(文字)十INDIAN又はインディアン」及び「INDIAN又はインディアン+(文字)」の商標が同時に登録されている。
(1)インディアン図形(登録第431151号)、図形十INDIAN(登録第641925号)
(2)ASAHIINDIAN(登録第447870号)、図形十旭INDIAN(登録第857300号)、TOM INDIAN(登録第1480975号)、ワークインディアン/WORK INDIAN(登録第2489083号)
(3)1NDIANRING(登録第458484号)、INDIANBABY/インデイアンべビー(登録第601179号)、図形/インデイアンべビー(登録第789296号)、図形/Indian Feather(登録第929048号)、インデイアンフェロー(登録第950316号)、1NDIANJOY/インデイアンジョイ(登録第1108931号)、INDIANBIRD(登録第1156009号)、 INDIANBOSS(登録第1183726号)、INDIAN MATE(登録第1884496号)、INDIANRICH/インデイアンリッチ(登録第1961681号)、INDIAN SCOUT(登録第2402137号)、Indian Club/インデイアンくらぶ(登録第2403942号)、インデイアンイーグル/INDIAN EAGLE(登録第2500105号)
したがって、第17類においては、「INDIAN」又は「インディアン」の前又は後に「INDIAN」又は「インディアン」と同一の字体、同一の大きさで横一列に「INDIAN」又は「インディアン」と一連に(間隔を置かず)又は一体に(通常・語間に置くスペースを置いて)他の語を配した商標は、「INDIAN」、「インディアン」又は「インディアンの図形」からなる商標と非類似であると取り扱われている。すなわち、「INDIAN」又は「インディアン」の前又は後に「INDIAN」又は「インディアン」と同一の字体、同一の大きさで横一列に「インディアン」又は「インディアン」と一体又は一連に文字を配した商標は、一連一体としてのみ把握し、一連一体の称呼、観念のみが生ずるものと取り扱われている。
したがって、片仮名「インディアンモーターサイクル」を横一列に一連に配してなる商標からは「インディアンモーターサイクル」の称呼のみ及び「インディアンモーターサイクル」の観念のみが生ずるものである。
したがってまた、本件商標を構成するデザインした筆記体の欧文字「Indian Motocycle Co.,Inc.」は、「Indian」と同一の字体、同一の大きさで横一列にまとまり良く「Motocycle Co.,Inc.」を「Indian」と一体に配したものであるから、Motocycleロゴから「インディアンモトサイクルカンパニーインク」の称呼のみ及び同名の会社の観念のみが生ずることも明らかであり、このことは、また、被請求人の平成6年5月25日付意見書に引用した審決例(同意見書添付甲第5号証)の示すところでもある。よって、Motocycleロゴが引用商標と非類似であることも明らかである。
以上により、本件商標が引用商標と商品の出所について誤認混同を来すおそれが無い非類似の商標であることは既に明らかである。
加えて、かりに、Motocycleロゴ中の「Indian Motocycl」と引用商標「インディアンモーターサイクル」とを対比しても、両者は、出所について誤認混同を来すおそれが無く非類似である。
第一に、「Indian Motocycle」と「インディアンモーターサイクル」は外観において全く相違する。
つぎに、称呼「インディアンモトサイクル」と「インディアンモーターサイクル」とを対比すると、「モト」は短く歯切れの良い音であり、「インディアンモトサイクル」は全体として歯切れ良い語感を生ずるのに対し、「モーターサイクル」は「モー」、「ター」を伸ばして発音するのであり、このため「インディアンモーターサイクル」は極めて間伸びした語感を生ずる。加えて、「モトサイクル」なる語は、我々の日常生活において全く使用される言葉ではなく(広辞苑第4版にすら登載されていない。乙第1号証)、それだけ聴者の注意を強く惹き付ける。したがって、「インディアンモトサイクル」と「インディアンモーターサイクル」とは称呼において相紛れるおそれれがない。
さらに、観念においても「インディアンモーターサイクル」からは請求人主張のような観念は生じない。「モーターサイクル」なる言葉は、我々の日常生活において日常使用される語ではなく、「モーター」と「サイクル」から通常人が普通に観念するのは「電動機」(モーター)と「循環」(サイクル)であり(「モーター」も「サイクル」もかかる意味で普通に使用されている)、「北米原住民の」(インデイアン)の「電動機」(モータ一)の「循環」(サイクル)では、意味不明であり、なんら具体的な観念を生じない。他方、「モトサイクル」なる語は日常生活において全く使用されておらず、通常人にとって何らの観念も想起するものではなく、したがって「インディアンモトサイクル」からもなんら具体的な観念を生じない。したがって、「Indian MotocycIe」は、「インディアンモーターサイクル」と観念の類否を問疑する余地がない。
よって、本件商標中のMotocycleロゴ中の「Indian Motocycle」のみと引用商標とを対比しても両者は相紛れるおそれれがない。
そもそも、本件商標の識別力の中心はIndianロゴを配した本件図形であり、「lndian Motocycle」は、本件商標中識別力の劣るMotocycleロゴ中の一部をなすにすぎず識別力を有せず、本件商標と引用商標とを全体として対比したときに出所について誤認混同の生ずるおそれは全くない。
よって、本件商標は、引用商標と非類似の商標であるから、商標法第4条第1項第11号に該当しない。

第4 当審の判断
1.審判請求をするについての利害関係及び商標法第4条第1項第7号について
本件審判請求事件についてした平成10年4月10日付け審決に対し、東京高等裁判所は平成11年4月14日に言い渡した判決において、概略次のとおり認定し、本件審決を取り消した。
(1)審判請求をするについての利害関係の有無について
そうすると、本件商標の登録が存続することにより、被告が法律上の不利益を受けるおそれがあることは明白であるから、被告は、本件無効審判を請求するにつき利害関係を有するものというべきである。・・・したがって、「請求人(注、被告)は、被請求人(注、原告)から本件商標他1件の登録商標を根拠に警告を受けていることが請求人の提出に係る甲第25号証(請求人宛の被請求人からの平成9年10月7日付の警告書)によって認められる。してみれば、請求人は、本件商標の登録が存続することにより不利益を被る虞があること明らかであるから、本件審判を請求するについて利害関係を有する者といわなければならない。」との審決の判断に誤りはない。
(2)本件商標が商標法第4条第1項第7号に該当するとの判断について
本件文字部分である「Indian Motocycle Co.,Inc.」は、それ自体によっても、本件商標の他の構成部分に照らしてみても、商法に基づいて設立された株式会社又は有限会社法に基づいて設立された有限会社を示すことが客観的に明らかであるとは到底いい難いから、「本件商標は、・・・これを自然人である前被請求人が使用する場合、他の法律によって禁じられている法人でないものが法人格を表す語である『株式会社、有限会社』等を用いてはならないとの規定に該当し」とした審決の判断は誤りというべきである。
そうすると、該判断を前提として、本件商標が、商品流通社会の秩序に反し、かつ、公共の利益をも害するもので、商標法第4条第1項第7号に該当するとした判断も誤りであるといわなければならない。
そして、該判決に対し、申立人(請求人)から上告受理の申立てがあったが、最高裁判所において、「本件を上告審として受理しない」との決定(平成13年11月21日)がなされ、該判決は確定したものである。
してみれば、請求人は、本件審判を請求するについて利害関係を有するものというべきであり、また、本件商標は商標法第4条第1項第7号に該当するものではないといわなければならない。
2.商標法第4条第1項第11号について
本件商標は、別掲に示したとおり、羽根飾り(中央部に「Indian」の欧文字が筆記体で書されている。)を付けたインディアンの横顔を表した図形を描き、その下部に「Indian Motocycle Co.,Inc.」の欧文字を筆記体で書してなるところ、上段のインディアン図形等の部分と下段の「Indian Motocycle Co.,Inc.」の欧文字の部分とは、視覚上分離して看取されるばかりでなく、両者が常に一体不可分にのみ認識されるべき格別の理由はなく、また、その構成からみて下段部が単なる付記的部分に止まるとはいえないものであるから、上段のインディアン図形等の部分と下段の「Indian Motocycle Co.,Inc.」の欧文字の部分とがそれぞれ自他商品の識別機能を発揮し得るということができるものである。
そして、「Indian Motocycle Co.,Inc.」の文字部分をみるに、構成中の「Co.,Inc.」の文字は、株式会社又はこれに類する組織を意味する英文表記「Compapy Incorporated」の略語として知られ、かつ、しばしば用いられており、「Indian Motocycle Co.,Inc.」は、全体として会社名を表したものと認識し得るもので、このような場合「Co.,Inc.」を除いた「Indian Motocycle」の部分を一つの語句として把握、認識し、これより生ずる称呼をもって取引に資されることが十分にあり得るものというべきである。
そうすると、本件商標は、下段部の「Indian Motocycle Co.,Inc.」の欧文字に相応して、「インディアンモトサイクルシーオーインク」又は「インディアンモトサイクルカンパニーインク」の称呼を生ずるほか、「インディアンモトサイクル」の称呼をも生ずるものと認められる。
引用商標は、「インディアンモーターサイクル」の片仮名文字を横書きしてなるものであるから、該構成文字に相応して、「インディアンモーターサイクル」の称呼が生ずること明らかである。
そこで、本件商標より生ずる「インディアンモトサイクル」の称呼と引用商標より生ずる「インディアンモーターサイクル」の称呼とを比較するに、両者は、前半部の「インディアン」と後半部の「サイクル」を共通にし、相違するところは、中間部における「モト」と「モーター」の音の差異にすぎない。
そして、相違する音のうち「モ」と「モー」は、「モ」の音が長音を伴っているか否かにすぎず、また、「ト」と「ター」は、後者の「タ」の音に長音を伴っているとの点で相違するものの、「ト」と「タ」の音は、いずれもタ行に属する同質(歯茎音・無声破裂音)の音であることから、この差異が称呼全体に及ぼす影響は大きいものとはいえず、本件商標と引用商標をそれぞれ一連に称呼するときは、全体の音感、音調が近似したものとなり、互いに紛らわしいものといわなければならない。
してみれば、本件商標と引用商標とは、少なくとも前記の称呼において類似するものであり、外観や観念を離れて例えば、電話等口頭による取引が普通に行われている取引社会の実情よりすると、その外観及び観念の点について考慮したとしても、称呼において類似する商標といわざるを得ず、かつ、本件商標の指定商品と引用商標の指定商品は同一又は類似のものと認められる。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものであるから、同法第46条第1項第1号の規定により、その登録を無効とすべきものとする。
よって、結論のとおり審決する。
別掲 別 掲
本件商標


審理終結日 1998-03-13 
結審通知日 1998-03-31 
審決日 1998-04-10 
出願番号 商願平4-10315 
審決分類 T 1 11・ 262- Z (117)
最終処分 成立  
前審関与審査官 鈴木 茂久佐藤 正雄 
特許庁審判長 三浦 芳夫
特許庁審判官 中嶋 容伸
滝沢 智夫
登録日 1995-09-29 
登録番号 商標登録第2710099号(T2710099) 
商標の称呼 インディアン、インディアンモトサイクル 
代理人 佐藤 雅巳 
代理人 菅田 文明 
代理人 本田 ゆたか 
代理人 野原 利雄 

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