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この審決には、下記の判例・審決が関連していると思われます。
審判番号(事件番号) データベース 権利
審判19995359 審決 商標
不服200525214 審決 商標
不服200010960 審決 商標
不服200110678 審決 商標
不服200420556 審決 商標

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審決分類 審判 査定不服 商4条1項11号一般他人の登録商標 登録しない Z42
管理番号 1076816 
審判番号 審判1999-11472 
総通号数 42 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2003-06-27 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 1999-07-13 
確定日 2003-04-24 
事件の表示 平成9年商標登録願第188946号拒絶査定に対する審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。
理由 1 本願商標
本願商標は、「フィールドサービスコックピット24」の文字と「Field Service Cockpit24」の文字とを上下二段に書してなり、第42類に属する願書記載の役務を指定役務として、平成9年12月26日に登録出願されたものであるが、その後、指定役務については、平成11年4月15日付けの手続補正書によって、第37類「電子計算機の保守に関する情報の提供」及び第42類「電子計算機のプログラムの設計・作成又は保守,電子計算機のプログラムの保守に関する情報の提供,電子計算機用プログラムの環境設定及び機能の拡張・追加,電子計算機による情報処理,電子計算機(中央処理装置及び電子計算機用プログラムを記憶させた電子回路・磁気ディスク・磁気テープその他の周辺機械器具を含む。)の貸与,電子計算機端末通信におけるサーバーの貸与,コンピュータデータベースへのアクセスタイムの賃貸」と補正されたものである。

2 原査定で引用した商標
原査定において、本願の拒絶の理由に引用した登録第4126932号商標(以下「引用商標」という。)は、「COCKPIT」の欧文字と「コックピット」の片仮名文字とを上下二段に書してなり、平成8年3月29日登録出願、第42類「電子計算機のプログラムの設計・作成又は保守,電子計算機(中央処理装置及び電子計算機用プログラムを記憶させた電子回路・磁気ディスク・磁気テープその他の周辺機器を含む。)の貸与,電子計算機・自動車その他その用途に応じて的確な操作をするための高度の専門的な知識・技術又は経験を必要とする機械の性能・操作方法等に関する紹介及び説明」を指定役務として、平成10年3月20日に設定登録され、現在も有効に存続しているものである。

3 当審の判断
本願商標は、前記のとおりの構成よりなるところ、該構成中の「Field Service」の語は、「野外活動、野外奉仕」等の意味を有し(『新英和大辞典』2002年3月研究社発行)、「フィールドサービス」の語は、加えて「現場業務、現場サービス」等の意味をも有することが認められる(『日本語になった外国語辞典 第2版』1988年4月10日集英社発行)。また「Cockpit」及び「コックピット」の各語は、「航空機の操縦室、自動車の運転席」等を意味する語して一般に知られているところである。
そして、これらの語を結合した「フィールドサービスコックピット」及び「Field Service Cockpit」の各文字は、それぞれが全体として親しまれた特定の語義を有するものではなく、両語の結び付きにも自然な意味合いを認識することができないものであるから、全体として不可分一体の商標とみることはできない。
しかも、近年、24時間営業の店舗・稼動の工場や日常生活の場等において、使用機器等に対する24時間体制でのサービスが求められ、それらが実際に「フィールドサービス」の名においてなされているばかりでなく、本願指定役務に関する業界においても、「フィールドサービス」の名による各種のサービスがなされていることが認められる。
これらのことは、例えば「フィールドサービス」について、株式会社ジー・サーチの提供に係る新聞記事情報データベース及びインターネットの各種役務情報紹介サイトをみると、以下のような記事又は情報があることからも十分に裏付けられるところである。
(1)「横河エンジニアリングサービス・・・は、来年から計装制御システムのメンテナンスを全面的に引き受ける総合サービスを全国展開する。・・・万が一システムが止まっても早期に再運転できるよう本社にあるFS(フィールドサービス)センターが、サービスマンに指示を与えるバックアップ体制を取っている。この体制を強化するため、七月には二十四時間支援できる方式に切り替えている。」(「日刊工業新聞」1989年9月18日11頁)
(2)「寝入りばなを起こされたのは、フィールドサービス部故障回復支援担当技師の妹尾良彦。『修復の一切の指揮を執ってくれ』と頼まれる。年に二、三回はこんな目に遭う。・・・『いま全国一千八百台のデジタル交換機に二十四時間、保守要員が張り付いている。』」(「産経新聞」1994年2月3日東京朝刊8頁)
(3)「米半導体検査装置メーカー、KLAの日本法人である日本ケー・エル・エーは、・・・大阪、大分、福岡にサービスセンターを設置しているが、今回の二拠点を合わせ年内に全国的なサービス網を整える。これに合わせて各拠点とも保守サービスの二十四時間フルサービスをスタートさせる。・・・日本市場への依存度は高く、売上高全体の約四〇%を占めている。これをさらに引き上げるのが今後の経営課題で、その対応策として海外メーカーの弱点とされる国内でのフィールドサービスの強化を決めた。」(「日刊工業新聞」1994年7月20日9頁)
(4)「ファナック(社長野沢量一郎氏)は電話による夜間・休日の保守・技術相談サービス「CS24」を十月に開始する。・・・電話対応で直らない場合、その指示を受け、客先に出向いて直すのが百数十人の保守作業員(フィールドサービスマン)。」(「日刊工業新聞」1996年7月26日14頁)
(5)「日本電気フィールドサービスの(NEFS)社員は名刺大のブルーカードの「行動指針」を常に携帯している。・・・コンピューター産業の発達によって事業環境も、同社の立場も変化する。・・・そんな中でCS推進本部が設置されたのが九一年、月一回のCS向上会議では日常的な問題が検討され、体系づけられた八項目(レスポンス・タイム、修復時間、フィールドサービスなど)がチェックされ、改善提案も行われている」(「日本工業新聞」1993年11月12日18頁)
(6)「日立電子サービス・・・は、情報システム導入後の運用・管理に関する情報技術(IT)フィールドサービスの業務拡大を目的に、来春にも東京・恵比寿に「統合管理センタ」(仮称)を開設する。・・・日立電子サービスは、主に日立のコンピューターの保守・管理を手掛けてきたが、・・・2004年度までに、成長分野であるITフィールドサービス事業の売り上げを全体の5割にまで増やす計画。」(「日刊工業新聞」2001年4月23日11頁)
(7)「高岳製作所は、・・・電気工事などを手掛けるタカオカエンジニアリング(東京都中野区)とコンピューターのフィールドサービスを行っているタカオカ・システムサービス(愛知県西枇杷島町)、電気設備保守会社のテクノ・タカオカ(東京都千代田区)をタカオカエンジニアリングが吸収する形で合併する。」(「日本工業新聞」2001年5月21日5頁)
(8)「東芝は独シーメンスグループの情報システム会社、シーメンス・ビジネス・サービス(SBS、ミュンヘン市)と提携し、日本を除く全世界でのパソコンおよびサーバのサポート・保守サービス業務を委託する。・・・具体的には、問い合わせの翌営業日まで(サーバは4時間以内)にフィールドサービスが出張するグローバルサービスのほか・・・」(「日刊工業新聞」2001年11月1日1頁)
(9)「独立系のソフトウエアハウスとして30年以上・・・実績を積み重ねてきたシー・エス・イー(CSE)。・・・社長に就任した大橋和夫氏に・・・今後の取り組みを聞いた。・・・『メーカー、OSの異なるコンピュータの運用・保守サービス、アウトソーシングを行う『フィールドサービス事業』・・・を中期経営計画の柱に掲げ、事業収益の基盤としている』」(「ニッキン」2002年9月20日13頁)
(10)「社員募集・・・仕事の内容・・・ITフィールドサービス・・・事業内容 ・デジタル交換機、汎用及びC/Sシステム開発、ネットワーク設計構築 ・コンピュータ保守・工事 特色・・・九州各県に営業・サービス拠点を展開し24時間、365日サービスを提供」(http://www.kyunichi.co.jp/company/html/syainbosyu.htm)
前記の実情からすれば、本願商標中の「フィールドサービス」及び「Field Service」の各文字は、その指定役務が現場に対する(おける)情報の提供、貸与等のサービスであり、また「24」の数字は、それが24時間体制のものであるという、その指定役務の質(内容)を表示したものと理解、認識されるというべきであるから、本願商標中において、自他役務識別標識としての機能を有する部分は「コックピット」及び「Cockpit」の各文字にあるということができる。
そうすると、本願商標は、構成全体から生ずる「フィールドサービスコックピットニジュウヨン」並びに該片仮名文字及び欧文字部分から生ずる「フィールドサービスコックピット」の各称呼が極めて冗長であることと相俟って、前記の各称呼を生ずる外に、親しまれた「コックピット24」及び「Cockpit24」の各文字部分に相応して「コックピットニジュウヨン」の称呼並びに「コックピット(航空機の操縦室、自動車の運転席)24」の観念を、また「コックピット」及び「Cockpit」の各文字部分に相応して「コックピット」の称呼並びに「コックピット(航空機の操縦室、自動車の運転席)」の観念をも生ずると判断するのが相当である。
これに対し、引用商標は、「COCKPIT」の欧文字と「コックピット」の片仮名文字とを上下二段に書してなるものであるから、これより「コックピット」の称呼及び「コックピット(航空機の操縦室、自動車の運転席)」の観念を生ずるものである。
してみると、本願商標と引用商標とは、外観において差異が認められるとしても、「コックピット」の称呼及び「コックピット(航空機の操縦室、自動車の運転席)」の観念を共通にする類似の商標であり、かつ、その指定役務についても、本願商標の指定役務は、引用商標の指定役務と同一又は類似の役務を含むものである。
したがって、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして本願を拒絶した原査定は妥当であって、取り消すことはできない。
よって、結論のとおり審決する。
審理終結日 2003-02-12 
結審通知日 2003-02-21 
審決日 2003-03-05 
出願番号 商願平9-188946 
審決分類 T 1 8・ 26- Z (Z42)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 大橋 信彦 
特許庁審判長 滝沢 智夫
特許庁審判官 岩内 三夫
今田 三男
商標の称呼 フィールドサービスコックピットニジューヨン、フィールドサービスコックピットニヨン、フィールドサービスコックピット、コックピット 
代理人 石川 義雄 
代理人 鈴江 武彦 

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