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審決分類 |
審判 全部申立て 登録を維持 Z30 |
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管理番号 | 1075531 |
異議申立番号 | 異議2002-90609 |
総通号数 | 41 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 商標決定公報 |
発行日 | 2003-05-30 |
種別 | 異議の決定 |
異議申立日 | 2002-09-02 |
確定日 | 2003-04-03 |
異議申立件数 | 1 |
事件の表示 | 登録第4572823号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 |
結論 | 登録第4572823号商標の商標登録を維持する。 |
理由 |
1 本件商標 本件登録第4572823号商標(以下「本件商標」という。)は、「BOURBON」の文字と「オランジュ」の文字とを二段に横書きしてなり、平成13年5月29日に登録出願、第30類「オレンジを加味した菓子及びパン」を指定商品として、平成14年5月31日に設定登録されたものである。 2 登録異議の申立ての理由 本件商標は、特定の品質を有するウイスキーの普通名称である「BOURBON」の文字を有してなるから、これをバーボンウイスキーを含有するもの、あるいはバーボンウイスキー風味を有するもの以外の指定商品に使用した場合には商品の品質について誤認を生じさせるおそれがある。 したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第16号に違反して登録されたものであるから、その登録は取り消されるべきである。 3 当審の判断 (1)本件商標は、「BOURBON」及び「オランジュ」の両文字よりなるものであるところ、商品「ウイスキー」は、「大麦・ライ麦・トウモロコシなどを麦芽で糖化し、酵母を加えて発酵させ、蒸留した酒」(岩波書店発行「広辞苑」参照)であって、我が国においても、「スコッチウイスキー」、「カナディアンウイスキー」、「バーボンウイスキー」等が一般に知られており広く飲用され親しまれている洋酒であり、ウイスキーについて「スコッチ」といえば「スコッチウイスキー」を指すように「バーボン」といえば「バーボンウイスキー」を指すことは周知の事実と認められる(例えば、上掲「広辞苑」の「バーボン」の項参照)。 しかしながら、英語の「bourbon」の語は、これのみをもって直ちに「バーボンウイスキー」を意味するものとして一般に理解されているとまでは認めることができず、その証左もない。 一方、これと同じ綴りの「Bourbon」が「(フランスの)ブルボン王家の人」(例えば三省堂発行「EXCEED」英和辞典参照)をも意味する語であり、我が国の国語辞典に「ブルボン朝(Bourbon)」(三省堂発行「大辞林」参照)、「ブルボン王朝(Les Bourbons フランス)」(講談社発行「日本語大辞典」参照)、「ブルボン家(ブルボンはBourbon)」(小学館発行「国語大辞典」参照)等の項が設けられ、「ブルボン(Bourbon)」に関連する語が掲載されている事実を考慮すると、「BOURBON」の語は、「バーボンウイスキー」を表すものと理解される場合があることを必ずしも否定するものではないが、一般的には、「ブルボン王家」、「ブルボン王朝」、「ブルボン家」等の「ブルボン(ブルボン王朝のブルボン)」の意味合いを表すものとして理解されると判断するのが相当である。 さらに、本件指定商品における「菓子及びパン」との関係からすると、「BOURBON」、「ブルボン」の商標は、ビスケット、米菓などを扱う本件商標権者「株式会社ブルボン」の商標として需要者の間に広く知られているものである。 (2)ところで、本件商標の指定商品の中には、その製造過程においてウイスキーやブランデー等の洋酒が使用される場合があるとしても、それは、主要な原材料としてではなく、単に香り付け、風味付けのために使用される添加物の一つとして使用されるに止まり、しかも、その添加物としてバーボンウイスキーが使用されていることが広く知られているという事実は認め難い。 してみれば、本件商標の指定商品について、「BURBON」の文字が「バーボンウイスキーを含有する商品」、「バーボンウイスキーの風味を有する商品」を表すものとして、普通に使用され、一般に知られているものとは認められない。 (3)そこで、本件商標の構成をみると、上段に「BOURBON」の欧文字を小さく、下段に「オランジェ」の片仮名文字を大きく表してなるものであって、本件商標をその指定商品に使用された場合、これに接する取引者、需要者は、「BOURBON」の文字部分より直ちに「バーボンウイスキー」を認識するとみるのは不自然であり、むしろ、上記の実情、すなわち、「Bourbon」「ブルボン」の語に対する認識、指定商品の分野における「BOURBON」、「ブルボン」商標の周知性及び指定商品を取り扱う業界の実情からすると、「株式会社ブルボン」の製造・販売に係る「オランジェ」(商標)の商品として認識するものと判断するのが相当である。 してみれば、本件商標をその指定商品について使用しても、バーボンウイスキーを含有する商品、あるいはバーボンウイスキー風味を有する商品であると認識されるおそれはないものであり、商品の品質について誤認を生ずるおそれがあるものとは認められない。 したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第16号に違反して登録されたものでないから、同法第43条の3第4項の規定に基づき、その登録を維持すべきでものある。 よって、結論のとおり決定する。 |
異議決定日 | 2003-03-13 |
出願番号 | 商願2001-48479(T2001-48479) |
審決分類 |
T
1
651・
272-
Y
(Z30)
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最終処分 | 維持 |
前審関与審査官 | 吉野 晃弘 |
特許庁審判長 |
宮下 正之 |
特許庁審判官 |
小林 和男 伊藤 三男 |
登録日 | 2002-05-31 |
登録番号 | 商標登録第4572823号(T4572823) |
権利者 | 株式会社ブルボン |
商標の称呼 | ブルボンオランジェ、ブルボン、バーボン、オランジェ |
代理人 | 原島 典孝 |
代理人 | 熊谷 真喜 |
代理人 | 黒川 恵 |
代理人 | 原 秋彦 |
代理人 | 一色 健輔 |