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審判番号(事件番号) | データベース | 権利 |
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取消200531137 | 審決 | 商標 |
取消200330345 | 審決 | 商標 |
取消200331101 | 審決 | 商標 |
取消200530543 | 審決 | 商標 |
審判199931222 | 審決 | 商標 |
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審決分類 |
審判 一部取消 商標の同一性 無効としない 124 |
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管理番号 | 1075156 |
審判番号 | 審判1999-31384 |
総通号数 | 41 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 商標審決公報 |
発行日 | 2003-05-30 |
種別 | 商標取消の審決 |
審判請求日 | 1999-10-12 |
確定日 | 2003-03-18 |
事件の表示 | 上記当事者間の登録第2029054号商標の登録取消審判事件について、次のとおり審決する。 |
結論 | 本件審判の請求は、成り立たない。 審判費用は、請求人の負担とする。 |
理由 |
第1 本件商標 本件登録第2029054号商標(以下「本件商標」という。)は、「SPECTRA」の欧文字と「スペクトラ」の片仮名文字とを上下二段に書してなり、昭和60年8月23日登録出願、第24類「楽器、演奏補助品、その他本類に属する商品」を指定商品として、同63年3月30日に設定登録されたものであるが、指定商品中の「運動具」についての登録は、平成7年9月11日付けの審決により取り消され、その審決は、同7年10月25日に確定し、その登録が同7年12月26日になされているものである。また、上記「運動具」以外の指定商品については、平成10年4月28日に商標権存続期間の更新登録がなされ、現に有効に存続しているものである。 第2 請求人の主張 請求人は、本件商標の登録を取り消す、審判費用は被請求人の負担とする、との審決を求めると申し立て、その理由及び答弁に対する弁駁を次のように述べた。 1.請求の理由 本件商標は、その指定商品中「レコード及びその類似商品」について、継続して3年以上、日本国内において商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれもが使用をしていないものである。 2.答弁に対する弁駁 (1)乙第1号証ないし乙第4号証における使用に係る商標(以下「使用商標」という。)は、いずれも「GM SPECTRA KC20W」、又は「GM スペクトラ KC20W」といった態様であり、単独での「SPECTRA/ スペクトラ」又は「SPECTRA」又は「スペクトラ」の使用ではない。 この点に関し、被請求人は、使用商標の態様のうち、その前に付された「GM」の文字は規格を表す記号、本件商標の後ろに付された「KC20W」の文字は品番を表す記号であり、ともに識別力に欠ける部分と認識されるものであるから、使用商標は、本件商標と社会通念上同一の範囲内の使用であると認識される旨主張する。 しかしながら、使用商標に接した需要者・取引者は、その構成中の「GM」や「KC20W」といった文字をみて、必ずしもその文字の両方をそれぞれ「規格を表す記号」又は「品番を表す記号」として認識するとは限らず、あくまでも「GM SPECTRA KC20W」及び「GM スペクトラ KC20W」全体としてかかる商標を認識するのが通常である。 すなわち、使用商標の態様は、すべて同一の大きさ、書体で一段にバランスよく記載されており、視覚的に一体的に認識されるものであるから、「GM」や「KC20W」といった文字がその態様から一見にして記号として認識することはない。 また、例えば「GM SPECTRA」、「GM スペクトラ」又は「SPECTRA KC20W」、「スペクトラ KC20W」のように前後のいずれかに単独に付記した使用をした場合であるならば、「GM」や「KC20W」の文字が記号として認識されることがあるにしても、使用商標の態様にみられるように商標の前後両方に他の文字を付記することは一般的といえるものではなく、もはやどの部分が商標でどの部分が記号又は品番かを認識することは困難であり、同一性の範囲内の使用とはいえるものではない。 さらにいえば、「GM」といった文字は、「General Manager」やアメリカの自動車会社「General Motors」の略称としてもしばしば使用されるものでもあることから、かかる文字に接したときに必ずしもそれが記号であると認識されるとは限らない。 また、「KC20W」が品番を表すというのなら、他に例えば「KC10W」等のような商品があるはずであるが、乙第1号証ないし乙第4号証においては、そのような商品の記載はなく、必ずしも品番と認識されるものということはできない。 以上のように、使用商標の態様は、商標の前後両方に「GM」や「KC20W」といった文字を付記することによって、商標全体の態様を著しく変更した態様となっており、かかる使用態様は、外観・称呼・観念すべてにおいて本件商標とは異なることとなり、本件商標そのものの独立性は完全に失われているものであるといえるから、商標法第50条にいう社会通念上同一と認められる商標とはいえない。 したがって、使用商標のように登録商標をその一部に含む商標であっても、他の部分と合体して登録商標そのものの独立性が失われているような場合においては、社会通念上登録商標の使用があったとはいえなから、登録商標の態様がそのまま含まれていても不使用による取消しを免れない。 また、被請求人は、「GM」や「KC20W」の文字が記号であるからということを主張するのみで、他に指定商品の属する分野において、これらの文字を付けることが社会通念上同一性を有するものと認識され通用していると認めるべき証拠が何ら示していない。 (2)以上のように、被請求人の提出した証拠にみられる使用商標の態様は、商標法第50条にいう社会通念上の同一の商標とはいえず、かかる使用をもってしては、本件商標の使用とはいえない。 第3 被請求人の答弁 被請求人は、結論同旨の審決を求める、と答弁し、その理由を次のように述べ、証拠方法として乙第1号証ないし乙第8号証を提出した。 1.被請求人は、本件商標を、本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において請求に係る指定商品中の少なくとも「シンセサイザー」につき使用しているから、本件商標は、商標法第50条第1項の規定に該当するものではない。 2.本件商標の商標権者は、商標権者自らが製造、販売するシンセサイザーにつき、本件商標を1991年(平成3年)から現在に至るまで継続的に使用している。 (1)1999年(平成11年)4月発行の商標権者の1999年4月1日版製品カタログ(乙第1号証)の58頁には、本件商標が使用されたシンセサイザーが掲載されている。 (2)1999年(平成11年)10月発行の商標権者の1999年10月1日版製品価格表(乙第2号証)の3頁には、シンセサイザーの名称として本件商標が使用された製品の価格が表示されている。 (3)1998年(平成10年)4月発行の商標権者の1998年4月1日版製品カタログ(乙第3号証)の58頁にも、本件商標が使用されたシンセサイザーが掲載されている。 (4)1997年(平成9年)4月発行の商標権者の1997年4月1日版製品カタログ(乙第4号証)の58頁にも、本件商標が使用されたシンセサイザーが掲載されている。 (5)乙第1号証ないし乙第4号証において、「SPECTRA」ないし「スペクトラ」の文字の前に配置されている「GM」の文字は、乙第4号証の58頁にもその説明があるように、MIDI(Musical Instrument Digital Interface)音源標準化の規格であるGM規格に対応していることを示す記号である。また、「SPECTRA」ないし「スペクトラ」の文字の後に配置されている「KC20W」の文字は、品番を表す記号である。 3.乙第1号証ないし乙第4号証での使用商標は、本件商標中の「SPECTRA」の文字部分ないし「スペクトラ」の文字部分をそれぞれ単独で使用する態様であるが、このような使用態様は、特許庁における登録商標の使用の認定に関する審査基準において登録商標の使用と認められている。 4.本件商標が使用されている商品「シンセサイザー」は、本件商標の指定商品に含まれている(乙第5号証ないし乙第8号証)ものであり、シンセサイザー等の楽器は、「レコード」に類似する商品である。 5.結語 以上のように、本件商標は、商標権者により、本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において楽器のシンセサイザーに使用されていたことは明らかである。そして、シンセサイザーは、本件審判の請求に係る指定商品「レコード及びその類似商品」の「類似商品」に当たるものと考えられる。 第4 当審の判断 1.本件について、本件商標の使用者が商標権者(被請求人)であること、使用に係る商品が本件取消に係る指定商品中に属する商品であること、及び商標権者が使用に係る商品について使用した時期が本件審判の請求の登録前3年以内であることについては、当事者間に争いがない。 そこで、使用商標が本件商標と社会通念上同一のものであるか否かについて以下検討する。 2.本件商標について 本件商標は、前記したとおり、「SPECTRA」の欧文字と「スペクトラ」の片仮名文字とを上下二段に書してなるものである。 3.使用商標について (1)乙第1号証ないし乙第4号証によれば、以下の事実が認められる。 ア.乙第1号証(商品カタログ、58頁)には、「GM対応プリセットシンセサイザー(MIDI付)」、「GM SPECTRA KC20W」、「GENERAL/MIDI」、「GM SPECTRA(KC20W)は鍵盤を含む外装のカラーリングをパソコンと同系色にし、・・・61鍵鍵盤のGMプリセットシンセサイザー。」などの記載がある。 イ.乙第2号証(商品カタログ/価格表 改訂版、3頁)には、「GMキーボード&モジュール GMスペクトラKC20W」の記載がある。 ウ.乙第3号証(商品カタログ、58頁)には、「GM対応プリセットシンセサイザー(MIDI付)」、「GM SPECTRA KC20W」、「GENERAL/MIDI」、「GM SPECTRA(KC20W)は鍵盤を含む外装のカラーリングをパソコンと同系色にしたスペシャルバージョンで、仕様はKC20と同等です。」の記載があり、その左には、「GM対応プリセットシンセサイザー(MIDI付)」、「KC20」、「GENERAL/MIDI」の記載のもと、「KC20」の商品説明の記載がある。 エ.乙第4号証(商品カタログ、58頁)には、「GM対応プリセットシンセサイザー(MIDI付)」、「GM SPECTRA KC20W」、「GENERAL/MIDI」、「GM SPECTRA(KC20W)は外装のカラーリングをパソコンと同系色にしたスペシャルバージョンで、仕様はKC20と同等です。」の記載があり、その左には、「GM対応プリセットシンセサイザー(MIDI付)」、「KC20」、「GENERAL/MIDI」の記載のもと、「KC20」の商品説明の記載がある。 また、同頁の下には、「GM規格とは、音源のMIDI機能の仕様をメーカーを越えて標準化することを目的として生まれた推奨規定です。」の記載がある。 (2)上記(1)ア.ないしエ.の認定事実からすると、乙第1号証ないし乙第4号証のシンセサイザーについて使用されている「GM SPECTRA KC20W」、及び「GMスペクトラKC20W」の表示中、「GM」の文字部分は、電子楽器等の商品分野における取引者、需要者には、「GENERAL/MIDI」、「GM対応」等の文字から、「MIDI(Musical Instrument Digital Interface)音源標準化の規格であるGM規格に対応していることを示す記号」を表したものと容易に理解されるものであり、「GMに対応したシンセサイザー」なる意をもって商品の品質表示語と認識されるというべきである。また、同じく、「KC20W」の文字部分は、「GM SPECTRA KC20W」と、「GM」と「SPECTRA」と「KC20W」の間にはスペースが存在し、一連には書されていないこと、「GMスペクトラKC20W」の表示において欧文字と片仮名文字というように文字の種類を異にして書されていること、及び「GM SPECTRA(KC20W)は・・仕様はKC20と同等です。」と記載されていることからすると、商品の品番等の記号、符号を表したと理解されるものである。 そうすると、乙第1号証ないし乙第4号証に表示された「GM SPECTRA KC20W」、及び「GMスペクトラKC20W」の各文字中、「GM」及び「KC20W」の文字部分は、自他商品の識別標識としての機能を果たし得ない文字部分であり、使用商標にあって、自他商品の識別機能を有する部分は、「SPECTRA」、「スペクトラ」の文字部分にあるというのが相当である。 そして、使用に係る「SPECTRA」、「スペクトラ」は、本件商標と社会通念上同一の範囲の商標ということができる。 4.請求人の主張について 請求人は、使用商標に接した取引者、需要者は、同一の大きさ、書体で一段にバランスよく記載されており、視覚的に一体的に認識される態様から、その構成中の「GM」や「KC20W」を記号等として認識せず、全体として一つの商標として認識するものであり、商標の前後に他の文字を付記することは一般的ではない。また、「GM」は、「General Manager」や「General Motors」の略称としても使用されるから、記号として認識されない旨主張し、さらに、被請求人は、指定商品の分野において、「GM」や「KC20W」の文字を記号として付けることが社会通念上同一性を有するものと認識され通用していると認めるべき証拠が何ら示していない旨主張する。 しかしながら、シンセサイザーなどのように楽器の中でもある程度楽器に対し高度の知識を有する需要者が選択する商品にあっては、その需要者は、前記したとおり、「GM」の文字から、「MIDI(Musical Instrument Digital Interface)音源標準化の規格であるGM規格に対応していることを示す記号」を意味する「GM規格」を表したと理解するというべきであり、電子楽器等の関連分野において、「General Manager」や「General Motors」の略称を表したと認識するものとは到底考え難いところである。 また、商品に使用される商標は、常に登録商標そのものが使用されるものとは限らず、当該登録商標に商品の記号、符号等を付加したり、他の登録商標と併用して使用することは、取引の実情に照らして明らかであり、このことは楽器を取り扱う分野のみならず、広く商品一般について行われているところである。したがって、上記請求人の主張は採用することができない。 5.以上のとおりであるから、本件商標の商標権者は、本件商標と社会通念上同一と認められる商標を、取消請求に係る指定商品中の「シンセサイザー」について、本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において使用していたというべきである。 したがって、本件商標の登録は、商標法第50条の規定により取り消すべきものとすることはできない。 よって、結論のとおり審決する。 |
審理終結日 | 2002-10-22 |
結審通知日 | 2002-10-25 |
審決日 | 2002-11-06 |
出願番号 | 商願昭60-86684 |
審決分類 |
T
1
32・
11-
Y
(124)
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最終処分 | 不成立 |
前審関与審査官 | 木村 幸一 |
特許庁審判長 |
茂木 静代 |
特許庁審判官 |
井岡 賢一 瀧本 佐代子 |
登録日 | 1988-03-30 |
登録番号 | 商標登録第2029054号(T2029054) |
商標の称呼 | スペクトラ |
代理人 | 田中 克郎 |
代理人 | 稲葉 良幸 |
代理人 | 伊藤 亮介 |
代理人 | 國分 孝悦 |