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審決分類 |
審判 査定不服 商3条2項 使用による自他商品の識別力 登録しない Z32 審判 査定不服 商3条1項3号 産地、販売地、品質、原材料など 登録しない Z32 |
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管理番号 | 1073647 |
審判番号 | 審判1999-15170 |
総通号数 | 40 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 商標審決公報 |
発行日 | 2003-04-25 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 1999-09-17 |
確定日 | 2003-02-07 |
事件の表示 | 平成10年商標登録願第 12795号拒絶査定に対する審判事件について、次のとおり審決する。 |
結論 | 本件審判の請求は、成り立たない。 |
理由 |
1 本願商標は、別掲のとおりの構成よりなり、第32類「果汁入り飲料用野菜ジュース」を指定商品として、平成10年2月17日に登録出願されたものである。 2 原査定の理由 本願商標は、味覚の品質を表示し「味が良い」の意味を有する「おいしい」の文字と、近年の健康ブームによって注目されている「青汁」の文字と、水平の直線を挟んでその読みと認められる「あおじる」の文字を三段に「おいしい」「青汁」「あおじる」と普通に用いられる方法で書してなるところ、これより「味の良い青汁」の意を容易に理解させるにとどまり、これを本願指定商品に使用したときは単に商品の品質を表示するにすぎないものと認める。 したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当する。 3 当審の判断 本願商標は、別掲に示すとおり、「おいしい」(「青汁」の文字よりも小さく表示)と「青汁」の文字を二段書きし、その「青汁」の文字の下段に細線を挟んで「あおじる」の極小の文字を配してなるところ、「青汁」「あおじる」の文字は、緑黄食野菜等をすりつぶして搾った汁(ジュース)を意味する語であることはよく知られているところであり、「おいしい」の文字は、一般的に「味のいい、うまい」を意味し、食品については、その味の良さを表す語として容易に理解されるものである。 しかして、「青汁」は、いろいろな野菜、果物等を原材料として作られ、その原材料によって味が異なり、例えば、ケール(緑黄食野菜の一種)を原材料とするものはおいしくないことから、他の野菜等を原材料に用い調製したり、又はケール以外の原材料を用いる等によりおいしく飲むことができるように工夫し、それがおいしく飲むことのできる青汁であることが広告に表示されている実情がある。 そうしてみると「おいしい」「青汁」及び「あおじる」の文字は、「味が良くおいしく飲むことのできる緑黄食野菜等をつぶして搾った野菜ジュース(青汁)」の意を容易に理解されるものといえる。 また、「青汁」と「あおじる」の文字部分の間に描かれている細線は、極めて簡単、かつ、ありふれて使用されている付記的なものにすぎず、この商標の構成上、特に自他商品の識別標識として機能し得るものとはいえない。 してみると、本願商標を指定商品「果汁入り飲料用野菜ジュース」について使用をするときは、取引者、需要者をして、その商品が「おいしく飲むことのできる青汁からなるもの又は青汁を加味してなるもの」と認識し、本願商標は当該商品の品質を表しているものといわなければならない。 したがって、本願商標は商標法第3条第1項第3号に該当するものである。 なお、請求人(出願人)は、意見書及び審判請求書で、本願商標が使用された結果、商標法第3条第2項の要件を具備しているものである旨主張し、証拠方法として資料1ないし71及び刊行物提出書で資料1ないし12を提出しているが、請求人(出願人)の作成に係る商品カタログ、宣伝広告及び新聞・雑誌の記事であるそれらの資料によると、本願商標に関係する表示の方法として、その大半が「サンスターのおいしい青汁」の如く、請求人であるサンスター株式会社の取り扱っている商品であることが判るように表示されているものと認められる。また、第三者の作成に係る本願商標が識別力を生じている旨の証明書である資料42ないし71は、印刷による定型の書面により取引先の事業者が住所、名称を記載し押印して作成されたもので、その事実を適格に反映されているものとは認め難い。他方、「青汁」について、「おいしい青汁」又は「おいしく飲むことのできる青汁」と表示して宣伝し販売している事業者もあることを考慮すると、本願商標を請求人が使用した結果、需要者が何人かの業務に係る商品であることを認識することができる商標に至っているものと認めることはできない。以上のことから、この点における請求人の主張は採用できない。 よって、結論のとおり審決する。 |
別掲 |
別掲 (色彩は原本参照) |
審理終結日 | 2002-11-11 |
結審通知日 | 2002-11-22 |
審決日 | 2002-12-09 |
出願番号 | 商願平10-12795 |
審決分類 |
T
1
8・
13-
Z
(Z32)
T 1 8・ 17- Z (Z32) |
最終処分 | 不成立 |
前審関与審査官 | 大島 勉 |
特許庁審判長 |
宮下 正之 |
特許庁審判官 |
平山 啓子 小林 和男 |
商標の称呼 | オイシイアオジル、アオジル |
代理人 | 柳野 隆生 |