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審決分類 審判 査定不服 商3条1項4号 ありふれた氏、名称 登録しない 008
管理番号 1070866 
審判番号 審判1998-18880 
総通号数 38 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2003-02-28 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 1998-11-30 
確定日 2002-12-05 
事件の表示 平成 8年商標登録願第107743号拒絶査定に対する審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。
理由 1 本願商標
本願商標は、別掲1に示したとおりの構成よりなり、第8類「手動工具,手動利器,くわ,鍬,レーキ,組ひも機及び靴製造用靴型(手持ち工具に当たるものに限る。),電気かみそり及び電気バリカン,ひげそり用具入れ,ペディキュアセット,マニキュアセット,かつお節削り器,角砂糖挟み,缶切り,くるみ割り器(貴金属製のものを除く。),スプーン,フォーク,アイロン(電気式のものを除く。),糸通し器,チャコ削り器,水中ナイフ,水中ナイフ保持具,ピッケル,五徳,殺虫剤用噴霧器(手持ち工具に当たるものに限る。),十能,パレットナイフ,火消しつぼ,火ばし,ピンセット,とび口」を指定商品として、平成8年9月24日に登録出願されたものである。

2 原査定の拒絶の理由の要点
原査定は、「本願商標は、ありふれた氏である『森田』『守田』等に通じる『モリタ』の文字に、会社の種類を表し、その商号を表示するために付さなければならないことが法律上定められている『株式会社』の文字を冠したものであるから、ありふれた名称普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標にすぎないものと認める。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第4号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。

3 当審の判断
本願商標は、別掲1に示すとおり「株式会社モリタ」の文字を普通に用いられる域を脱しない程度の書体をもって表してなるものである。
ところで、その構成中の「株式会社」の文字は、法人が、株式組織を有する会社であることを示すため、その商号中に使用する文字である。
また、一般的に「モリタ」の片仮名文字より、氏姓の一つである「森田」を直ちに想起しあるいはその意味合いを容易に感得し得るものであることは、例えば、株式会社三省堂1989年第三刷発行「大辞林」の「もりた」の項において、「[森田]姓氏の一。・・・」との用語解説よりして、見易いところといわなければならない。
そして、「モリタ」と称呼される「森田」の氏姓が、例えば、平成13年3月 日本電信電話株式会社発行に係る「ハローページ 東京23区 個人名全区版・下巻」を見ると約1800もの数の「森田」姓を見出すことができ、さらには1972年3月8日 六藝書房発行・佐久間英著「日本人の姓」の中の当該記載からは、全国で10万位存在する氏である旨の解説とを併せ考えると「森田」はありふれた氏姓と認められるものであって、一般にその氏姓を片仮名文字で表示する場合も決して少なくないことからして、「モリタ」の文字に接した者は、ありふれた氏姓の「森田」と理解し、把握するのにとどまるものといわざるを得ない。
そうとすると、本願商標は、株式組織である会社の商号中に使用される「株式会社」の文字と、ありふれた氏姓である「森田」に通ずる「モリタ」の文字とを普通に用いられる程度の態様で「株式会社モリタ」と表してなるものであるから、これをその指定商品に使用しても、取引者または需要者はありふれた名称を表示するものとして理解し、把握するにとどまり、これをもって自他商品の識別標識としての機能を果たす文字とは認識し得ないものといわなければならない。
したがって、本願商標が商標法第3条第1項第4号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、妥当であって取り消すことはできない。
なお、請求人は本願商標が指定商品「スコップ・ハンマー・ツルハシ等の手動工具,ノコギリ・カマ・ナタ・斧・ドリル等の手動利器,水中ナイフ,とび口等」の分野において極めて著名であるので、識別機能を有する旨主張し、甲第1号証ないし同第4号証(枝番を含む。)を提出している。
しかし、甲第1号証の2の商標周知証明(平成10年9月8日付)には、使用に係る商品が明記されていない。甲第2号証の4ないし79の各地消防組合・取引業者による各々の証明書は、請求人があらかじめ用意した証明書用紙を用いて、請求人の求めに応じてその取引先が証明したものであり、かつ、本願指定商品には含まれていない「自動車並びにその部品及び附属品等」についてのものである。甲第3号証及び同第4号証は新聞広告及び請求人会社の商品カタログであるが、これらの広告を行った範囲、回数、カタログの頒布時期及び頒布部数等が示されていないばかりか、本願商標とは異なる、高度に図案化された「MORITA」(別掲2)の標章も併せて表示されていることから、本願商標自体が著名であることの直接的な証拠とはいい難い。その他、本願商標が「スコップ・ハンマー・ツルハシ等の手動工具,ノコギリ・カマ・ナタ・斧・ドリル等の手動利器,水中ナイフ,とび口等」の分野において、使用により識別力を有するに至ったと認め得る客観的な証明等はなされていない。
以上のことから、本願商標について商品「スコップ・ハンマー・ツルハシ等の手動工具,ノコギリ・カマ・ナタ・斧・ドリル等の手動利器,水中ナイフ,とび口等」に使用した結果自他商品識別機能を有するに至ったものとは認め難く、この点について述べる請求人の主張は採用できない。
よって、結論のとおり審決する。
別掲 (別掲1)
本願商標

(別掲2)

審理終結日 2002-07-25 
結審通知日 2002-08-06 
審決日 2002-10-15 
出願番号 商願平8-107743 
審決分類 T 1 8・ 14- Z (008)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 佐藤 久美枝長沢 祥子 
特許庁審判長 小池 隆
特許庁審判官 山口 烈
田中 幸一
商標の称呼 モリタ 
代理人 江原 省吾 
代理人 城村 邦彦 
代理人 白石 吉之 
代理人 田中 秀佳 

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