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審決分類 審判 査定不服 商4条1項15号出所の混同 登録しない Z14
管理番号 1067939 
審判番号 審判1998-16153 
総通号数 36 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2002-12-27 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 1998-10-14 
確定日 2002-10-04 
事件の表示 平成9年商標登録願第120565号拒絶査定に対する審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。
理由 第1 本願商標
本願商標は、「FRANCOARMANI」の欧文字を横書きしてなり、 第14類 「貴金属製喫煙用具,身飾品,時計」を指定商品として、平成9年5月28日に商標登録出願されたものである 。

第2 原査定の拒絶の理由の要点
原査定は、「本願商標は、その構成中に、紳士・婦人既製服・靴・革製バッグ・革小物・ベルト・香水等に付して著名なイタリア国のデザイナー名「Giorgio Armani」の著名な略称である「ARMANI」の文字を有してなるものであるから、出願人がこれを指定商品について使用する場合、前者の業務に係る商品又は何らかの関係のある者に係る商品であるかの如く、商品の出所について混同を生じさせるおそれがある。したがって、本願商標は、商標法第4条第1項第15号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。

第3 当審の判断
1.証拠調べの結果について
当審において、「GIORGIO ARMANI」、「ジョルジオアルマーニ」、「Giorgio Armani」、「ジョルジョ・アルマー
ニ」、「ジョルジュ・アルマーニ」、「ARMANI」、「アルマーニ」、
「EMPORIO ARMANI」、「エンポリオ アルマーニ」に関して
行った職権による証拠調べの結果、以下の事実が認められる。
(1)「男の一流品大図鑑」(昭和53年7月20日株式会社講談社発行)
に、「ジョルジュ・アルマーニ」、「Giorgio Armani<イタ
リア>」の見出しのもと、イタリアのデザイナーとしての紹介記事が掲載さ
れていること。
(2)「服飾辞典」(昭和54年3月5日第1刷文化出版局発行)の、「ジ
ョルジョ・アルマーニ[Giorgio Armani,1935〜]」の
項に、「イタリア北部のエミリアに生まれる。医者になるため大学に行くが
中退し、20歳ごろはサラリーマン、その後リナシェンテ(百貨店)に入社
し、はじめて男物の服づくりを手がけ、モードの面白さを知る。その後、ヒ
ルトンで7年間、高級紳士服の仕事を続け、1975年にはじめて『アルマ
ーニ』という自分の店を開く。紳士物のエッセンスを婦人服にいかし、わず
か3年間で、『ジャケットの王様』といわれるほど名がひろまる。レーンコ
ート、シャツ、皮革製品、ニットなど、スポーティ感覚の服は現代の趣向に
合い、今やミラノ・アルタ・モーダ・プロンタ(オート・クチュールのプレ
タ・ポルテの意であるが、彼はオート・クチュールの服はつくらない)のコ
レクションでは最も人気のあるスチリストの一人である。作品は、デコント
ラクテな傾向の都会派向きのもの、つまり、マニッシュな装いを好む人やジ
ーンズ党にも人気がある。また、アンチ・ハリウッド派の映画衣装などもアルマーニのものが多く、最近の映画では『サタディ・ナイト・フィーバー』の衣装を担当する。ミラノに住み、1日8時間から9時間を仕事に費やす。
何よりも仕事が好き、というアルマーニである。」との紹介記事が掲載されていること。
(3)「田中千代服飾事典」(1981年4月25日新増補第1刷同文書院
発行)に、「ジョルジョ・アルマーニ[Giorgio Armani]」が、イタリアのデザイナーとして掲載されていること。
(4)「世界の一流品大図鑑’81年版」(昭和56年5月25日株式会社
講談社発行)において、「一流ブランド物語」の掲載記事の中で、「GIORIO ARMANI」、「ジョルジョ・アルマーニ」について、イタリアのデザイナーとして掲載されていること。
(5)「舶来ブランド事典’84 THE BRAND」(昭和58年9月28日サンケイ マーケティング発行)において、「ジョルジョ・アルマーニ」は、イタリアのデザイナーであること、「GIORGIO ARMANI」は、紳士物の「コート、セーター、ネクタイ、ベスト、シャツ、スーツ」及び婦人物の「レインコート、オーバーコート、ジャケット、スーツ、パンツ、ブルゾン、スカート、セーター、ブラウス、マフラー、ベスト、帽子」のデザイナー・ブランドであることが掲載されていること。
(6)「男の一流品大図鑑’85年版」(昭和59年12月1日株式会社講
談社発行においていて、「BLOUSON/ブルゾン」の欄に、「GIORGIORMANI」、「ジョルジオ・アルマーニ(イタリア)」の文字とともに、「レザーブルゾン」の価格及び商品の写真が掲載されていること。
同じく、「NECKTIE/ネクタイ」の欄に、「GIORGIO ARMANI」、「ジョルジオ・アルマーニ(イタリア)」の文字とともに、「ネクタイ」の価格及び商品の写真が掲載されていること。
(7)「世界の一流品大図鑑’85年版」(昭和60年5月25日株式会社講談社発行)において、「婦人服/Ladies Wear」の欄に、「GIORGIO ARMANI」、「ジョルジオ・アルマーニ(イタリア)」の文字とともに、「ジャケット、スカート、ブラウス」の商品が掲載されていること。
(8)「The一流品」(1986年4月15日読売新聞社発行)において、「GIORGIO ARMANI」「ジョルジョ・アルマーニ(イタリア)」が、デザイナーとして紹介され、「ジャケット45万円、ブラウス15万円、スカート85万円」との商品の価格及び「ARMANI」のロゴが入った香水の写真が掲載されていること。
(9)「Hanako」(1988年11月24日号株式会社マガジンハウス発行)において、表紙中央部に「羨望!アルマーニの服」との表示があること。
同じく、「時代を超えるイタリアの感性 憧憬のアルマーニ」の記事に、「ブラウス、スカート、ジャケット、手袋、帽子、傘、バッグ、ベルト、財布、ワンピース、イヤリング、ブレスレット、香水、石鹸」などについての
価格が表示され、「ジョルジオ アルマーニ ブティック東京店」の写真が
掲載され、その写真に「GIORGIO ARMANI」の文字が表示されていること。また、「一歩手前の人へ。 デフュージョンブランド、エンポリオ。」の見出しにおいて、「EMPORIO ARMANI」(「EMPORIO」と「ARMANI」の文字の間には、中央に「GA」の文字を白抜きにした左向きの鷲とおぼしき図形が配されている。)及び「ブラウス、コート、ブローチ、帽子、シューズ、セーター、マフラー、バッグ、ワンピース、ブルゾン、キュロットスカート」などについての価格が表示され、「ジョルジオアルマーニが大人のステイタスだとしたら、エンポリオはその一歩手前の若者たちのために作られたデフュージョン(普及版)ライン。・・・」との記事が掲載されていること。
(10)「FASHION SHOPPING BIBLE’85 流行ブ
ランド図鑑」(昭和60年5月25日株式会社講談社発行)において、「G
IORGIO ARMANI」の欄に、「GIORGIO ARMANI、
ジョルジオ・アルマーニ」の文字と共に、デザイナーとしての紹介記事が掲載され、「スーツ、ストライプシャツ、ベルト、プリントネクタイ、型押しレザーのシューズ」についての価格が表示されていること。
(11)「MEN’S CLUB1990年8月号」(1990年8月1日株式会社婦人画報社発行)において、「20世紀最高のファッションデザイナー ジョルジオ・アルマーニに学ぶ。」の見出しのもと、デザイナーとしての紹介記事のほか、「・・・現在は、ジョルジオ・アルマーニ、エンポリオ アルマーニ、マーニ、アルマーニジーンズなどの代表的ブランドのほか、ジュニアクロージング、アンダーウエア、アクセサリー類、フレグランスなどもデザインしている。・・・」との記事、さらに、「ジョルジオ・アルマーニの最新コレクション。」として、「ジャケット、シャツ、パンツ、ネクタイ、スーツ、スカーフ、靴、ヴェスト、帽子、ベルト」の商品価格が紹介されていること。
同じく、「対象を限定しないエンポリオの服たち。」、「アルマーニの入
門服として人気の高いエンポリオ アルマーニ、幅広い商品構成も大きな魅
力だ。」との見出しのもと、「ジョルジオ・アルマーニのヤングブランドと
して位置付けられているエンポリオ アルマーニ。・・・」との記事が掲載
され、「コート、パンツ、ジーンズ」などの商品が紹介されていること。
(12)「英和商品名辞典」(1990年第1刷株式会社研究社発行)の
「Giorgio Armani ジョジオアルマーニ」の項において、
「イタリアMilanoのデザイナーGiordio Arumani(1934(33,35)ー)のデザインした紳士・婦人既製服その他の衣料水など、そのメーカー、・・・」、「・・・近年、価格帯を少し低めに設定したブランドEmporio Armaniを市場化しており人気を得ている。・・・」との記事及びデザイナーとしての紹介記事が掲載されていること。
同じく、「Armani アルマーニ」の項において、「Giorgio
Armani.」を見よとの表示があること。
(13)「世界の一流品大図鑑’91年版」(平成3年5月23日株式会社講談社発行)において、「LADIES’ WEAR/婦人服」の欄に、
「ジャケット、ショートパンツ、ドレス」の価格入り商品が掲載され、「GIO ARMANI」、「ジョルジオ アルマーニ(イタリア)」の文字が掲載されていること。
同じく、「MEN’S WEAR/紳士服」の欄に、「スーツ」の価格入品が掲載され、「GIORGIO ARMANI」、「ジョルジオ アルマーニ(イタリア)」の文字が掲載されていること。
同じく、「SWEATER/CARDIGAN」の欄に、「セーター」の
価格入りの商品が掲載され、「GIORGIO ARMANI」、「ジョルニ(イタリア)」の文字が掲載されていること。
同じく、「MEN’S SHOES/紳士靴」の欄に、「靴」の価格入りの商品が掲載され、「GIORGIO ARMANI」、「ジョルジオ アルマーニイタリア)」の文字が掲載されていること。
(14)「エフピー6月号」(1991年6月1日株式会社学習研究社発行)において、表紙に「アルマーニの世界戦略」との特集記事の紹介がされ
ていること。
(15)「世界の一流品大図鑑’95年版」(平成7年5月10日株式会社講談社発行)において、「LADIES’ WEAR/婦人服」の欄に、「GIORGIO ARMANI」、「ジョルジオ アルマーニ(イタリ
ア)」の文字とともに、「スーツ、ブラウス、ベスト、パンツ、スカーフ、キュロット」の価格表示がされていること。
同じく、「MEN’S WEAR/紳士服」の欄に、「GIORGIO
ARMANI」、「ジョルジオ アルマーニ(イタリア)」の文字ととも
に、「ジャケット、パンツ、シャツ」の価格表示がされていること。
同じく、「PERFUME/香水」の欄に、「GIORGIO ARMA
NI」、「ジョルジオ アルマーニ(イタリア)」の文字とともに、「オーパルファン」の価格表示がされていること。
同じく、「MEN’S PERFUME/メンズパヒューム」の欄に、
「GIORGIO ARMANI」、「ジョルジオ アルマーニ(イタリ
ア)」の文字とともに、「オードトワレ、オードトワレスプレー」(商品には「ARMANI」の商標が認められる。)の価格表示がされていること。
(16)「世界の一流品大図鑑’96」(平成8年5月12日株式会社講談社発行)において、「WEAR[婦人服・紳士服]の欄に、「ニットジャケット、ニットパンツ」、「シャツ、スーツ、ベスト」、「オードトワレスプレー」、「サングラス」の各商品とその価格とともに、「GIORGIO ARMANI」、「ジョルジオ アルマーニ(イタリア)」の文字が掲載されていること。
(17)「世界の一流品大図鑑’98」(1998年5月30日株式会社講談社発行)において、「LADIES’WEAR/婦人服」の欄に、「GIORGIO ARMANI」、「ジョルジオ アルマーニ(イタリア)」の文字とともに、「スカート、パンツ、ジャケット、ミニドレス、ネクタイ、ブラウス、スーツ」の価格表示がされていること。
同じく、「MEN’S WEAR/紳士服」の欄に、「GIORGIO ARMANI」、「ジョルジオ アルマーニ(イタリア)」の文字とともに、「スーツ、シャツ、タキシード」の価格表示がされていること。
同じく、「KNIT WEAR/ニットウエア」の欄に、「GIORGIOARMANI」、「ジョルジオ アルマーニ(イタリア)」の文字とともに、「ニット、パンツ」の価格表示がされていること。
同じく、「BLOUSE・SHIRT/ブラウス・シャツ」の欄に、「GORGIO ARMANI」、「ジョルジオ アルマーニ(イタリア)」 の文字とともに、「シャツ」の価格表示がされていること。
同じく、「NECKTIE/ネクタイ」の欄に、「GIORGIO AR
MANI」、「ジョルジオ アルマーニ(イタリア)」の文字とともに、「ネクタイ」の価格表示がされていること。
(18)「外国周知商標集(伊編)」(独立行政法人工業所有権総合情報館備え付け)において、「GIORGIO ARMANI」、「EMPORIO ARMANI」が、わが国における登録商標として掲載されていること。
(19)「外国ブランド専用使用権者名簿」(1993年2月社団法人日本輸入団体連合会刊行)において、凡例として「本書は、外国ブランドの模倣商品の輸入、製造及び流通を阻止するため、政府関係機関並びに全国都道府県消費者センター等の、模倣商品に関する照会や相談等の便に供するために刊行したものである。」との文が掲載され、また、「GIORGIO ARMANI」はブランドであり、「ジョルジオ アルマーニ ジャパン株式会社」が、専用使用権者名として掲載されていること。
(20)「外国ブランド権利者名簿」(1999年3月社団法人日本輸入団
体連合会刊行)において、凡例として「本書は、外国ブランドの模倣商品の
輸入、製造及び流通を阻止するため、政府関係機関並びに全国都道府県消費
者センター等の、模倣商品に関する照会や相談等の便に供するために刊行し
たものである。」との文が掲載され、また、「GIORGIO ARMAN
I」及び「EMPORIO ARMANI」が、ブランドであり、「ジョル
ジオ アルマーニ ジャパン株式会社」が、専用使用権者名として掲載されていること。
(21)「『ニセブランド商品にご注意!!』のパンフレット」(社団法人日本輸入団体連合会1999年製作)において、「海外有名ブランド品のニセモノがふえています」の見出しのもと、「・・・バーバリー、アルマーニの衣料、ロレックスの腕時計などといった海外有名ブランド商品は、消費者の間で根強い人気があることから、これに便乗してニセモノの横行が目立っております。・・・」との記載があること。
2.「GIORGIO ARMANI」及び「ARMANI」などの商標の著名性について
前記1の事実によれば、「GIORGIO ARMANI」はイタリアの服飾デザイナーであり、「ARMANI」、「アルマーニ」とも略称され、また同人のデザインした商品は、「紳士服、婦人服、ジャケット、ネクタイ、帽子、革製バッグ、革小物、ベルト、靴、香水」など広範囲に及び、これらの商品はファッション関連商品ということができる。そして、これらの商品は、「GIORGIO ARMANI」、「ジョルジョ・アルマーニ」、「ジョルジオ アルマーニ」の各文字からなる商標(ブランド)(以下「ARMANI」の商標という。)を使用した商品として紹介され、わが 国においては、遅くとも本願商標の出願時までには、これらの商品の取引者、需要者の間において広く認識され、その状態は現在も継続しているものと認められる。
また、前記の職権による証拠調べをした、1990年株式会社研究社発行
「英和商品名辞典」「Giorgio Armani(ジョルジョアルマーニ)」の項の「・・・近年、価格帯を少し低めに設定したブランドEmporio Armaniを市場化しており人気を得ている。」との記載、1988年11月24日株式会社マガジンハウス発行「hanako」における「憧憬のアルマーニ」の掲載記事、「一歩手前の人へ。普及版デフュージョンブランド、エンポリオ。」の見出しのもと「ジョルジオ アルマーニが大人のステイタスだとしたら、エンポリオはその一歩手前の若者たちのために作られたデフュージョン(普及版)ライン。エンポリオ=市場の名のとお
り、幅広いアイテム(スポーツウェアからイブニングまで)を手頃な価格で
提供。・・・」との記事、工業所有権情報館備え付け「外国周知商標(伊編)」、「外国ブランド権利者名簿」によれば、「GIORGIO ARM
ANI」のほかに、デフュージョンブランド(普及版ブランド)として、
「EMPORIO ARMANI」のブランドを、「ジョルジョ アルマー
ニ ジャパン株式会社」が、「ブラウス、コート、パンツ、ジーンズ、ブロ
ーチ、帽子、シューズ、バッグ」等の商品について使用し、これも取引者、需要者の間に広く知られているものと認められる。
3.商品の出所の混同について
本願商標は、前記のとおり、「FRANCOARMANI」の文字を書し
てなるものである。そして、これはその全体が12文字であり、これより生
ずる「フランコアルマーニ」の称呼も長音を含めて9音であり、商標として
もまた称呼としてもやや冗長なものといえる。さらに、当該文字が、一般に
親しまれた特定の熟語を表すものであるとか、特定の人名を表すものとして
知られているとかの事情は認められない。
一方、前記認定のとおり「ARMANI」の商標は、ファッション関連商品について取引者、需要者の間において広く認識されているものであり、ま
た、そのデフュージョンブランドとして「EMPORIO ARMANI」を使用し、これもまた広く知られているものであること、「GIORGIO
ARMANI」、「ジョルジオ・アルマーニ」は、イタリアの服飾デザイ
ナーとして著名であり、「アルマーニ」とも略称されていること、本願商標
の指定商品は、「貴金属製禁煙用具、身飾品、時計」であって、いずれも身につけデザインが重視されるファッション(装身に関する流行)関連商品といえるものであることよりすれば、本願商標がこれらの商品に使用された場合には、取引者、需要者は、前記著名な「GIORGIO ARMANI」の商標に関連する別ブランドであるのではないかと連想、想起し、その商品が「ジョルジオアルマーニ」又は同人と組織的、経済的に何らかの関係がある者の業務に係る商品であるかのように、商品の出所について混同を生ずるおそれがあるといわなければならない。
そして、この混同を生ずるおそれは、本願商標登録出願時から現在においても継続しているものと認められる。
4.請求人の主張について
(1)請求人は、本願商標の一部に「ARMANI」の文字が含まれている
ことは確かであるが、ファッション関係のデザイナーやブランドの場合、他人の別商標であるにもかかわらず、姓か名のどちらか一方が同一の例は珍しくないものである旨、また、姓か名のどちらか一方を強調するのは適当でないと主張する。
しかし、デザイナーなどの姓か名のどちらか一方が同一の例は珍しくない
としても、請求人が示している例は、いずれもデザイナーとしてその名が知られており、別人の氏名であることが明らかなものである。
これに対し、本願商標は、これを構成する文字全体をもって特定のデザイ
ナーの氏名として周知であるなどの事情は認められないものである。
(2)請求人は、「ARMANI」の文字を含む商標が登録になっている旨
主張しているが、「ARMANI」や「アルマーニ」の文字を含む商標が他
に存在するとしても、それらの商標と本願商標とは、その構成が相違する
し、たとえ同一であったとしても、登録適格の判断時点が異なるものであ
り、事案を異にするものである。さらに、それらの商標が「ジョルジオ ア
ルマーニ ジャパン株式会社」によって使用される「ARMANIの商標」
と明確に区別されていると認めるに足りる証拠はなく、むしろ、上記認定の
とおり、「ARMANIの商標」と何らかの関連性のあるものと誤解されて
いる可能性も否定できないというべきであるから、請求人の主張は採用することができない。
5.むすび
以上のとおり、本願商標は、商標法第4条第1項第15号に該当するもの
であるから、同様の理由により拒絶した原査定は、取り消すべき限りでな
い。
よって、結論のとおり審決する。
審理終結日 2002-07-18 
結審通知日 2002-07-30 
審決日 2002-08-19 
出願番号 商願平9-120565 
審決分類 T 1 8・ 271- Z (Z14)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 金子 尚人 
特許庁審判長 滝沢 智夫
特許庁審判官 中嶋 容伸
吉田 静子
商標の称呼 フランコアルマーニ 

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