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審決分類 審判 全部無効 称呼類似 無効とする(請求一部成立)取り消す(申し立て一部成立) 012
管理番号 1067841 
審判番号 無効2001-35556 
総通号数 36 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2002-12-27 
種別 無効の審決 
審判請求日 2001-12-25 
確定日 2002-10-25 
事件の表示 上記当事者間の登録第4096249号商標の商標登録無効審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 登録第4096249号の指定商品中「自動車並びにその部品及び附属品,二輪自動車・自転車並びにそれらの部品及び附属品,乳母車,人力車,そり,手押し車,荷車,馬車,リヤカー,タイヤ又はチューブの修繕用ゴムはり付け片」についての登録を無効とする。 その余の指定商品についての審判請求は成り立たない。 審判費用は、被請求人の負担とする。
理由 1 本件商標
本件登録第4096249号商標(以下「本件商標」という。)は、平成8年3月15日に登録出願、「SURFIN」の欧文字を書してなり、第12類「船舶並びにその部品及び附属品,自動車並びにその部品及び附属品,二輪自動車・自転車並びにそれらの部品及び附属品,乳母車,人力車,そり,手押し車,荷車,馬車,リヤカー,車いす,荷役用索道,カーダンパー,カープッシャー,カープラー,牽引車,陸上の乗物用の動力機械器具,陸上の乗物用の軸・軸受け・軸継ぎ手・ベアリング,陸上の乗物用の動力伝導装置,陸上の乗物用の緩衝器・ばね,陸上の乗物用の制動装置,タイヤ又はチューブの修繕用ゴムはり付け片,乗物用盗難警報器」を指定商品として、平成9年12月19日に設定登録されたものである。

2 引用商標
請求人が本件商標の無効の理由に引用する登録第2360553号商標(以下「引用商標」という。)は、昭和56年5月1日に登録出願、「SURFING」の欧文字を書してなり、第12類「輸送機械器具、その部品及び附属品、ただし船舶を除く」を指定商品として、平成3年12月25日に設定登録されたものであるが、その後、指定商品については、平成14年3月13日をもって、第9類「ロケット,消防車,自動車用シガーライター」、第12類「エアクッション艇,航空機並びにその部品及び附属品,鉄道車両並びにその部品及び附属品,自動車並びにそれらの部品及び附属品,二輪自動車・自転車並びにそれらの部品及び付属品,乳母車,人力車,そり,手押し車,荷車,馬車,リヤカー,タイヤ又はチューブの修繕用ゴムはり付け片」及び第13類「戦車」に書換登録されたものである。

3 請求人の主張
請求人は、本件商標の登録を無効とする、審判費用は被請求人の負担とする、との審決を求め、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として、甲第1号証ないし甲第9号証(枝番を含む。)を提出した。
本件商標は、「SURFIN」の欧文字よりなるものであるから、その構成文字に相応して「サーフィン」の称呼を生ずること明らかである。
一方、引用商標は、「SURFING」の欧文字よりなるものであるところ、該語は、日本語として翻訳することなく「サーフィン」と表記、発音して「水上スポーツの1つ。(サーフボードの上に立ってバランスをとりながら波乗りを行うもの。)」の意味を表す語として広く親しまれ、使用されているから、これに接する取引者・需要者は、直ちに前記「サーフィン」の観念ないし意味を想起される一般化された語である(甲第3号証ないし甲第5号証及び甲第9号証)。
したがって、引用商標からは、該文字に相応して「サーフィン」の称呼を生ずるとともに、「SURFING」の語が、英和辞典類において「サーフィング」と表示されていることよりして(甲第6号証及び甲第7号証)、引用商標からは「サーフィング」の称呼をも生ずるものといえる。
そこで、両商標より生ずる各称呼を比較すると、先ず、両者は「サーフィン」の称呼を同じくするものであるから、類似の商標であること明らかである。
次に、本件商標から生ずる「サーフィン」の称呼と引用商標から生ずる「サーフィング」の称呼を比較すると、両称呼は、後者が末尾音の「グ」の音を有することを除いては、その音構成を同じくするものである。そして、そのことと発音上前者が4音、後者が5音とみられるものであって、どちらも、2音、3音というような特に短いものではない。また、両商標はその構成からみて、いずれもアクセントが語頭音の「サ」にかかり、強く発音され、第2音以下の音は順次弱く発音され、後者の末尾音「グ」は一層微弱に聴感される音である(甲第5号証及び甲第7号証)。
してみれば、両称呼を一連一体に称呼するときは、末尾音「グ」の有無にかかわらず、全体的語感語調が極めて近似しているというべきであって、両称呼は称呼上混同を生ずるおそれがある類似の商標である。
よって、本件商標と引用商標とは、外観、観念について言及するまでもなく、称呼上類似の商標である。
また、本件商標の指定商品中、「自動車並びにその部品及び附属品,二輪自動車・自転車並びにそれらの部品及び附属品,乳母車,人力車,そり、手押し車、荷車,馬車,リヤカー,タイヤ又はチューブの修繕用ゴムはり付け片」は、引用商標の指定商品に包含されており、両者の指定商品は互いに抵触すること明らかである。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当するものである。

4 被請求人の主張
被請求人は、本件審判の請求は成り立たない、審判費用は請求人の負担とする、との審決を求める、と答弁し、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として、乙第1号証及び参考資料(審決公報)を提出した。
引用商標から「サーフィン」の称呼が生じるとするには、わが国において「SURFING」という英語が「波乗り」を意味する「サーフィン」を表す語として広く使用された結果、遅くとも本件商標の登録査定時には、引用商標「SURFING」に接した取引者・需要者がこれから直ちに「波乗り」の「サーフィン」を認識するに至っていたことを証明する必要がある。
しかしながら、甲第3号証は、単にマリンスポーツの一種としての「サーフィン」について、その起源などをその英語とともに説明したに過ぎないし、本件商標の登録査定の約3年後に発行されたものであるから本件審判の証拠としては適切とも言えない。また、甲第4号証は、外来語である「サーフィン」の原語とその意味を説明したものにすぎない。
さらに、甲第5号証は、「サーフィン」のアクセントをその原語とともに示したにすぎず、また、甲第9号証の審決書は、「SURFING」の文字が「波乗り」の語義を有する英語であることを認定しているにすぎない。
したがって、本件商標の登録査定時において引用商標「SURFING」に接した取引者・需要者がこれから直ちに「波乗り」の「サーフィン」を認識し、そのように発音していたことを証明する資料はなんら示されていない。
そこで、引用商標から生ずる称呼を検討するに、「SURFING」なる語は、わが国の中学校で学ぶような初級の英語ではなく(乙第1号証)、「SURFING」を目にした需要者等がそれから直ちに「波乗り」を意味する「サーフィン」を認識するほど一般に親しまれた英語であるともいえない。
そうした場合に、欧文字で構成された商標に接した取引者・需要者は、馴染みの深い英語の発音に習って称呼するのが通常であり、語尾の「〜ing」は「〜イング」と発音するのが一般的であるから、「SURFING」は「サーフィング」と発音されるのが自然である。
他方、本件商標は、その文字構成に相応して「サーフィン」の称呼が生じることについて異論はない。
そこで、両商標より生じる称呼「サーフィング」と「サーフィン」を比較するに、両者は、語尾の「グ」音の有無という差異があり、4音ないし5音とさほど冗長ではない両商標において、この差異が称呼全体に及ぼす影響は小さいものではない。また、引用商標「SURFING」の称呼における語尾音「グ」は、破裂音であって強く響くばかりでなく、弱音の「ン」に続く関係上、比較的明瞭に発音、聴取されるものである。
以上のとおり、両商標は、称呼上混同することなく互いに聴別が可能な商標である。
また、本件商標と引用商標の外観、観念が非類似であることについては言及するまでもない。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当しない。

5 当審の判断
本件商標は、「SURFIN」の欧文字よりなるものであり、この文字に相応し、「サーフィン」の称呼を生ずるものと認められる。
他方、引用商標は、「SURFING」の欧文字よりなるところ、これは「サーフボードの上に立ってバランスをとりながら波乗りを行うスポーツ(サーフィン)」を意味する英語であって、英和辞典類(甲第6号証及び甲第7号証)によれば、英語として発音する場合には、「サーフィング」と発音するものと認められる。しかし、この英語が国語化した「サーフィン」は、一般に親しまれている語であること(甲第3号証ないし甲第7号証)からすると、引用商標に接する取引者、需要者は、これを「サーフィン」に相当する欧文字と直ちに理解して、「サーフィン」の称呼をもって、取引に資する場合も決して少なくないとみるのが相当である。
そうすると、引用商標からは、「サーフィング」の称呼のみならず、本件商標と共通の「サーフィン」の称呼をも生ずるものといわなければならない。
また、本件商標から生ずる「サーフィン」の称呼と引用商標から生ずる「サーフィング」の称呼とを比較すると、両者は「サーフィン」の各音を全く同じくし、その異なるところは、後者の末尾における「グ」の音の有無にすぎないものである。しかして、当該「グ」の音は末尾に位置し、比較的弱く発音されるために明瞭には聴取し難い音であるから、両称呼をそれぞれ一連に称呼するときは、語感、語調が極めて近似したものとなり、互いに紛れるおそれのあるものというを相当とする。
そうしてみると、本件商標と引用商標とは、称呼上類似する商標といわざるを得ない。
また、本件商標の指定商品中の「自動車並びにその部品及び附属品,二輪自動車・自転車並びにそれらの部品及び附属品,乳母車,人力車,そり、手押し車、荷車,馬車,リヤカー,タイヤ又はチューブの修繕用ゴムはり付け片」は、引用商標の指定商品と同一又は類似する商品と認められるから、本件商標は、前記商品について商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものであり、この限りにおいて、同法第46条第1項の規定によりその登録を無効とすべきである。
しかしながら、本件商標の指定商品中、「自動車並びにその部品及び附属品,二輪自動車・自転車並びにそれらの部品及び附属品,乳母車,人力車,そり、手押し車、荷車,馬車,リヤカー,タイヤ又はチューブの修繕用ゴムはり付け片」以外の商品は、引用商標の指定商品と同一又は類似のものとはいえないから、これらの商品について、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものとはいい得ず、この限りにおいては、その登録を無効とすることはできない。
よって、結論のとおり審決する。
審理終結日 2002-08-22 
結審通知日 2002-08-27 
審決日 2002-09-12 
出願番号 商願平8-28188 
審決分類 T 1 11・ 262- ZC (012)
最終処分 一部成立 
特許庁審判長 上村 勉
特許庁審判官 小池 隆
鈴木 新五
登録日 1997-12-19 
登録番号 商標登録第4096249号(T4096249) 
商標の称呼 サーフィン、サーフイン 
代理人 大房 孝次 
代理人 白濱 國雄 
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