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審決分類 審判 査定不服 商品(役務)の混同 登録しない 003
管理番号 1066428 
審判番号 審判1999-11418 
総通号数 35 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2002-11-29 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 1999-07-08 
確定日 2002-09-25 
事件の表示 平成9年防護標章登録願第11562号拒絶査定に対する審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。
理由 第1 本願標章
本願標章は、「タリビッド」の片仮名文字を横書きしてなり、第3類「せっけん類,香料類,化粧品,かつら装着用接着剤,つけづめ,つけまつ毛,つけまつ毛用接着剤,歯磨き,家庭用帯電防止剤,家庭用脱脂剤,さび除去剤,染み抜きベンジン,洗濯用柔軟剤,洗濯用でん粉のり,洗濯用漂白剤,洗濯用ふのり,つや出し剤,研磨紙,研磨布,研磨用砂,人造軽石,つや出し紙,つや出し布,靴クリーム,靴墨,塗料用剥離剤」を指定商品とし、登録第1464949号商標の防護標章として、平成9年2月7日に登録出願されたものであるが、指定商品については、平成10年8月17日の手続補正書により「せっけん類,香料類,化粧品,つけづめ,つけまつ毛,歯磨き,つや出し剤,研磨紙,研磨布,研磨用砂,人造軽石,つや出し紙,つや出し布,靴クリーム,靴墨,塗料用剥離剤」と補正され、さらに、平成11年9月28日の手続補正書により「せっけん類,化粧品,歯磨き」と補正されたものである。

第2 登録第1464949号商標
登録第1464949号商標(以下「本件登録商標」という。)は、本願標章と同一の構成よりなり、昭和53年8月31日登録出願、第1類「化学品、薬剤、医療補助品」を指定商品として、同56年6月30日に設定登録され、その後、平成3年8月29日及び同13年1月30日の2回にわたり商標権存続期間の更新登録がなされているものである。また、平成13年1月24日付け申請により第1類「化学品,植物成長調整剤類,のり及び接着剤(事務用又は家庭用のものを除く。)」、第5類「薬剤,歯科用材料,医療用油紙,衛生マスク,オブラート,ガーゼ,カプセル,眼帯,耳帯,生理帯,生理用タンポン,生理用ナプキン,生理用パンティ,脱脂綿,ばんそうこう,包帯,包帯液,胸当てパッド」及び第10類「氷まくら,三角きん,支持包帯,手術用キャットガット,吸い飲み,スポイト,乳首,氷のう,氷のうつり,ほ乳用具,魔法ほ乳器,綿棒,指サック,避妊用具,人工鼓膜用材料,補綴充てん用材料(歯科用のものを除く。),耳栓」とする指定商品の書換登録が同13年3月28日になされているものである。

第3 原査定の理由
原査定は、「1.この防護標章登録出願に係る原登録商標は、他人がこれを本願指定商品に使用しても、その出所について混同を生ずるおそれがある程度に、需要者の間に広く認識されているものとは認められない。2.この防護標章登録出願に係る標章は、その指定商品中に原登録商標に係る指定商品と同一又は類似の商品(かつら装着用接着剤,つけまつ毛用接着剤,家庭用帯電防止剤,家庭用脱脂剤,さび除去剤,染み抜きベンジン,洗濯用柔軟剤,洗濯用でん粉のり,洗濯用漂白剤,洗濯用ふのり)を含むものと認める。
したがって、この防護標章登録出願に係る標章は、商標法第64条の要件を具備しない。」旨認定して、その出願を拒絶したものである。

第4 当審の判断
1.前記第3「原査定の理由」中の「2.」については、前記第1のとおり、本願の指定商品を補正した結果、拒絶の理由は解消したものである。
2.出所の混同のおそれについて
(1)請求人の提出した甲各号証を総合すると、以下の事実が認められる。
ア.請求人(出願人)は、研究開発型の製薬会社として大正4年に創業し、以来その事業活動により、わが国の大手製薬会社としての地位を築き、今日においては、医薬品をはじめとして、化粧品、香料、食品、食品添加物、飼料、飼料添加物、化学品、農薬、試薬等の薬品類の製造・販売、医療用具の製造・販売、薬物の安全性に関する試験及び研究の受託等などの事業を行い、その事業活動の拠点も、国内のみならず海外の主要都市に拡大していることが認められる。
また、請求人の取扱いに係る医療用医薬品は、化学療法剤、循環器系薬剤、消化器系薬剤、呼吸器系薬剤、ビタミン剤、診断用薬剤、ワクチンなど多岐にわたる商品を製造、販売しており、これらに使用される商標も多種にわたる。
イ.本件登録商標「タリビッド」は、請求人の業務に係る商品「広範囲経口抗菌製剤」について昭和60年9月に使用を開始し、その正味売上高は、昭和60年度は約108億9千万円、昭和63年度には約347億2千万円に達したが、その後その売上高は下降線をたどり、平成4年度以降は約300億円を切り、平成9年度には約61億1千万円となり、平成5年に発売された「タリビッド」の後発品としての「クラビット」がその売上高を伸ばした。その理由として、「クラビットが先発品の異性体であり、先発品に比べ一層安全性が高く、しかも有効性が格段にアップしたこと・・・今後の需要は、クラビットに集約されると思われる。」(甲第13号証の2)などとされている。
「タリビッド」商標を使用した商品は、「医家向主要社品市場分析」によれば、「経口抗菌剤市場」における全市場占有率においても、平成6年ころより上記「クラビット」に大きく差を開けられ、他社の同種製品にも「タリビッド」商標を使用した商品より高い占有率を占めるものが存在する。
ウ.請求人の取扱いに係る「広範囲経口抗菌製剤」は、「医師若しくは歯科医師が自ら使用し、又はこれらの者の処方せん若しくは指示によって使用することを目的として供給される医薬品」であり、このような医薬品は、医薬品等適正広告基準により、医薬関係者以外の一般人を対象とする広告は行うことができない商品と認められ、一般の需要者を対象とした商品ではなく、専ら医師若しくは歯科医師を対象とした商品である。
(2)上記(1)ア.ないしウ.によれば、「タリビッド」は、請求人の取扱いに係る医療用医薬品中の一つである「広範囲経口抗菌製剤」を表示するものとして、昭和60年より使用されている商標であり、該商品は、発売当初から売り上げを伸ばし、「合成抗菌剤」を取り扱う分野においては、広く認識されていたものと認め得るところである。
しかしながら、「タリビッド」商標を使用した「広範囲経口抗菌製剤」は、前記認定のとおり、昭和63年以降その売り上げは、下降線をたどり、本願標章が登録出願された平成9年には、その売上高や市場占有率が同種の他の製品に比べ必ずしも高い地位を占めていたものではない。
また、「タリビッド」商標は、請求人の取扱いに係る多種多様な商品中の医療用医薬品の一つである「広範囲経口抗菌製剤」に使用される商標であり、個別商品毎に付されるいわゆるペットマークといわれる商標であり、請求人の業務全般を表彰する標章ではない。
さらに、該商品は、医療に関わる者を対象とする商品であり、一般の需要者を対象とした商品ではなく、また、その宣伝、広告の方法においても、テレビ、新聞、雑誌等を通じて一般大衆に直接訴えかける商品ということができない。
上記した事情を勘案すると、本件登録商標の周知、著名の程度は、極めて限定された範囲におけるものといわざるを得ない。
(3)本願の指定商品は、前記したとおり、「せっけん類,化粧品,歯磨き」とするものであるところ、該商品は、「タリビッド」商標を使用した「広範囲経口抗菌製剤」とは、その用途、取引系統、販売場所、需要者層等において大きく異なるものである。
(4)してみると、請求人が経営の多角化を展開している状況にあることを考慮しても、他人が本件登録商標と同一の商標を本願標章の指定商品について使用しても、取引者、需要者をして、該商品が請求人の取扱いに係る商品であるかのように、その出所について混同を生じさせるおそれがあるということはできない。
3.以上のとおりであるから、本願標章は、商標法第64条に規定する要件を具備しているものとはいえず、原査定を取り消すことはできない。
よって、結論のとおり審決する。
審理終結日 2002-07-16 
結審通知日 2002-07-26 
審決日 2002-08-07 
出願番号 商願平9-11562 
審決分類 T 1 8・ 82- Z (003)
最終処分 不成立 
前審関与審査官 伊藤 三男 
特許庁審判長 茂木 静代
特許庁審判官 小林 和男
瀧本 佐代子
商標の称呼 タリビッド 
代理人 大房 孝次 
代理人 白濱 國雄 
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