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審決分類 |
審判 査定不服 商4条1項16号品質の誤認 登録しない Z36 審判 査定不服 商3条1項3号 産地、販売地、品質、原材料など 登録しない Z36 |
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管理番号 | 1066418 |
審判番号 | 不服2000-11162 |
総通号数 | 35 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 商標審決公報 |
発行日 | 2002-11-29 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2000-07-21 |
確定日 | 2002-09-18 |
事件の表示 | 平成11年商標登録願第 12449号拒絶査定に対する審判事件について、次のとおり審決する。 |
結論 | 本件審判の請求は、成り立たない。 |
理由 |
1 本願商標 本願商標は、「育英ローン」の文字(標準文字)を横書きしてなり、第36類の願書記載の役務を指定役務として、平成11年2月16日に登録出願されたものであるが、指定役務については、平成12年4月3日付けの手続補正書による補正を経た後、同12年4月20日付けの手続補正書により、第36類「資金の貸付け」とする補正がされたものである。 2 原査定の拒絶の理由の要点 (1)本願商標は、指定役務との関係において「教育資金の貸付け」の意味合いを容易に理解・認識させる「育英ローン」の文字を普通に書してなるところ、該商標をその指定役務中例えば「資金の貸付け」等に使用しても単に役務の内容を表示したにすぎないから、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記役務以外の役務に使用するときは、役務の質の誤認を生じさせるおそれがあり商標法第4条第1項第16号に該当する。 (2)本願商標は、その指定役務中に、税理士でなく、かつ、その資格を得ることができない法人である出願人が、業として行うことが禁止されている役務「税務相談」を含むものであるから、商標法第3条第1項柱書の要件を具備しない。 (3)本願商標は、その指定役務中には、役務が重複して記載されているものがあるため、その内容及び範囲を明確に指定したものとは認められないから、商標法第6条第1項の要件を具備しない。 3 当審の判断 (1)本願商標は、前記1の補正の結果、商標法第3条第1項柱書の要件及び商標法第6条第1項の要件は具備するものとなり、この理由による拒絶の理由は解消した。 (2)本願商標は、「育英ローン」の標準文字からなるものであるところ、その構成中の「育英」の文字部分は、「英才を教育すること。転じて、教育。学徒に学資を給与または貸与し人材を育成すること。」(広辞苑第5版)の意味を有する語として、また、「ローン」の文字部分が、「貸付。貸付金。公債。借款。信用取引。」(広辞苑第5版)の意味を有する語として一般によく知られているものといえる。 してみると、「育英ローン」の文字よりなる本願商標は、「教育のための資金の貸付け」の意を表したものと容易に理解されるものである。 また、当審において平成14年4月8日付けで「育英ローン」の語について行った職権による証拠調べによれば以下の事実が認められる。 (A)インターネットホームページ上の事実 (1)北越銀行が使用している事実 http://www.hokuetsubank.co.jp/loan/ikuei.html (2)滋賀県信用組合が使用している事実 http://www.shigaken.shinkumi.jp/carloan.htm http://www.shigaken.shinkumi.jp/yuusi.htm (3)戸井田とおる(前衆議院議員)の勉強会で文部省の課長が使用した事実 http://www.toida.org/link3-18study-1.html (B)新聞記事上の事実 (1)掲載日:1994年11月13日 日経金融新聞 6頁 トマト銀行は十五日から、教育ローンと育英ローンについて金利を現行より年一・一%引き下げてキャンペーンを実施する。 (2)掲載日:1993年 3月31日 日本経済新聞 地方経済面 35頁 トマト銀行は四月一日から、住宅ローンと教育・育英ローンの融資利率を引き下げる。 (3)掲載日:1990年10月 4日 日本経済新聞 地方経済面 22頁 新潟県信用組合はこのほど子供向け保険で一括払いする分をローンで返済していく「育英ローン」や「ゴルフ会員権担保ローン」の販売を始めた。 (4)掲載日:1990年 6月21日 日経産業新聞 16頁 福島県一円に営業地盤を持つ福島信販(本社福島県郡山市、社長小針健治氏、資本金一億二千万円)と平商工信用組合は共同で「育英ローンカード」を発行することで合意、受け付けを開始した。 (5)掲載日:1990年 6月14日 日経金融新聞 4頁 平商工信用組合(本店いわき市、理事長園部嘉男氏)は福島県に広く営業地盤を持つ福島信販と共同で「育英ローンカード」を発行することで合意、受け付けを開始した。 (5)掲載日:1990年 4月12日 日経金融新聞 4頁 香川銀行は日産生命保険と提携、十六日から育英ローンの販売を始める。 (6)掲載日:1982年11月 5日 日本経済新聞 地方経済面 4頁 労金と取引関係ができれば年利六・四四%という有利な育英ローンを利用できますから、こういう点をPRしていこうと考えています (7)掲載日:2002年 1月 6日 朝日新聞社 新潟版 29頁 同行には学生の保護者を対象にした「育英ローン・米百俵」(基準金利年3・875%)がある。 (8)掲載日:2001年 6月19日 毎日新聞社 新潟版 25頁 北越銀行は、教育資金を融資する「育英ローン」の名称を「育英ローン“米百俵”」に変更、また、ホクギン経済研究所は「経済動向としてはとらえにくいが、高齢者を中心に精神的な効果は大きい」という。 上記事実によれば、「育英ローン」の語は、前記のとおり、「教育のための資金の貸付け」の意をもって、本願指定役務の分野で普通に使用されている実情にあるということができる。 そうすると、本願商標は、これをその指定役務中「教育のための資金の貸付け」について使用した場合、これに接する取引者・需要者は、単に役務の質(内容)を表示したものと理解するに止まるものであるから、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記役務以外の役務(例えば、「住宅資金の貸付け」等)に使用するときは、役務の質の誤認を生じさせるおそれがあると認められるから商標法第4条第1項第16号に該当する。 したがって、本願商標が商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するとして、その出願を拒絶した原査定は、妥当であって取り消すことはできない。 よって、結論のとおり審決する。 |
審理終結日 | 2002-07-08 |
結審通知日 | 2002-07-12 |
審決日 | 2002-07-29 |
出願番号 | 商願平11-12449 |
審決分類 |
T
1
8・
272-
Z
(Z36)
T 1 8・ 13- Z (Z36) |
最終処分 | 不成立 |
前審関与審査官 | 水落 洋、須藤 祀久、末武 久佳 |
特許庁審判長 |
茂木 静代 |
特許庁審判官 |
山口 烈 泉田 智宏 |
商標の称呼 | イクエイローン、イクエイ |
代理人 | 宇高 克己 |